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北海道後志地方の温泉めぐり byやませみ


【第5回】 
ニセコと周辺(2)


早朝の羊蹄山 ニセコ東山より



薬師温泉「薬師温泉旅館」

  蘭越町字日出 0136-58-3057  無休 9-21時(不定) 300円

<掲示> 脱衣所に分析表掲示
  (透明湯) 成田温泉(S32.2)
  Na・Ca−Cl 39℃ pH=5.6 湧出量記載なし(資料;63.4L/min・自然湧出)
  蒸発残留物=2.156g/kg 総計=2345mg/kg
  Na=500(66.5 mval%) Ca=167(25.5) 総Fe=4.4 Cl=819(71.9) HCO3=364(18.6) SO4=148
  H2SiO3=217 CO2=提出試料なので分析なし

宿の手前で道がややこしくなるが、なんとなく上手に向かえば細道をちょっと行くだけで着いてしまう。山小屋の拡張版みたいな古びた建物で、どちらかというとボロ系に入るだろう。手前に広場があって遊具やら健康器具やらが無造作に置かれているのが、精いっぱいのサービスという感じでちょっと笑える。玄関を入ると広い食堂兼休憩所、丸見えの厨房でちょっと無愛想なおばちゃん(お姉さん?)がせっせと夕食の準備をしている。気の置けないほのぼのとした雰囲気があっていいな〜。

ぎしぎしと廊下を進むと、透明湯あっち、濁り湯あっちという矢印。濁り湯(混浴)はちょうど若いカップルさんが御入浴だったので遠慮して透明湯だけ入る。男女別だが廊下には男湯ののれんしか見えないから女性はちょっとうろたえるけど、女湯の入口ははぐるりと裏にまわったところにあるのでご心配なく。もとは混浴だったのを後で区切ったからこういう構造になった次第。

総木製の浴室は内壁が張り替えられたりしてこまめにメンテされているから清潔。申し訳程度に洗い場もついている。奥行き4mほどに仕切られた浴槽の底が昔の川底のままで、全体からぽこぽこと気泡を伴ってゆるゆると静かに湧出してきている。湧出量は多くは見えないが、浴槽の一辺から側溝に溢れ出す量は50 L/min以上はある。プールまんまの梯子をそ〜っと降りると、見た目以上の深さがあり(120cm)、ちびの私はあごまではまって少々焦る。体感37℃ほどのぬる湯はあくまでも澄み切っており、こんな透明度の湯はほかにちょっとないだろうと思うくらい。小さな気泡がきらめきながら上ってくるのが幻想的。

ごく弱い塩味に新鮮鉄風味がついており、300程かと思う炭酸味もじゅうぶんに感じられ、漬かってしばらくすると全身が細かい泡に包まれる。つるすべはないがふっくらとした優しい浴感。成分的にはごくごく平凡なものなのだが、縁の段に長々と寝湯体勢になると自然に瞑想モードになり、このまま彼の世へいってしまいそうなちょっと危ない状態にはまる。

宿からちょっと離れたところに大きな露天風呂がある(無料ではない)。こちらも泉源を石で囲っただけのワイルドなもので、黄緑色に怪しくどろりと濁った湯がたっぷりと満ち溢れ、小川になって流れ出す量は100 L/minほどもある。この時季は体感34℃くらいで超ぬる湯。分析値は不明だが、感触は含CO2−土類重曹泉かなという印象。(2002.6.25)


お遊び広場付き

湯は奥の側溝に流れ落ちていく

見た目よりず〜っと深いのである

露天の湧出量はそうとうなもの



ニセコアンヌプリ温泉「ニセコいこいの村」
 
  ニセコ町字ニセコ473 TEL/0136-58-3111 無休 12-21時 700円 (早朝入浴7-8時 480円)

<掲示> 簡易掲示のみ 以下は資料より
  ニセコ町泉源
  Na−HCO3・SO4・Cl ?℃ pH=7.16 蒸発残留物=1.556g/kg
  Na=360.8 K=41.6 Mg=42.2 Ca=61.7 Fe(II)=2.4 Cl=249.6 SO4=346.3 HCO3=560.0 CO3=0.7 HS=0.2

ホテル日航アンヌプリの隣りにできた大型温泉施設。バス会社の経営なので修学旅行やツアー客で賑わっている。浴場は一般的な、大浴槽・ジャグジー・サウナ・水風呂・露天風呂という構成でとくに面白味はない。例によって循環仕様ではあるが、溢れ出しも少しある。塩素消毒ではなくオゾンを使用しているような匂いが微かにあるだけなのが救い。

無色透明でほぼ無臭、ほんの少しだけつるすべ(0.5)がある程度の平凡な湯。柔らかい浴感はまずまずで、浴後のほかほか感はやっぱり温泉だなと思わせる。露天は岩風呂になっているが、湯が熱めでトド場がないので少々辛い。中央のテーブル島に缶ビールがずらり並び、ゴルフ兄さん達が温泉宴会中でありました。(2002.6.26)

写真はありません




ワイス温泉「ワイス荘」

  共和町小沢203 TEL/0135-72-1171  無休 8-22時 400円

<掲示> 浴室前廊下に分析表掲示
  ワイス荘2号・3号の混合(S55.3.6) 共和町ワイス256-36
  Na・Ca−Cl・SO4 46.4℃ pH=8.5 湧出量記載なし  蒸発残留物=2.167g/kg 総計=2547mg/kg
  Na=744(79.6 mval%) K=4.3 Ca=163.9(20.1) Fe(II)=0.1
  F=7.3 Cl=1034(71.7) SO4=495.2(25.3) HCO3=38.4 CO3=6.0 HS=0.6

旧・国富鉱山の探鉱ボーリングで湧き出した温泉。安価な旅館部もちゃんとあるのだが、国道沿いで便利なので銭湯替わりに毎日通ってくる人も多いという。で、料金も銭湯並に抑えられている。

浴場は内湯のみだがとても広く、中央に3x5mほどの深めの大浴槽がでんと構える。塩ビ管の湯口から46℃の源泉が30 L/min注がれ浴槽では42℃くらいで熱め。全面的に溢れ出しの流れる床が非常に広くとられているので、思いきりトド化することができる。パイプが伸びる天井を見上げると、ポリごみ箱が分配槽になっていて手作りっぽい感じで微笑ましい。

微妙に黄緑がかったほぼ透明で、明瞭な苦味をともなう弱塩味。わずかな新鮮鉄味と硫黄風味もちゃんとある。とてもふっくらした浴感の豊かな湯で、すぐにぽかぽかと温まってくる。ちょっとした筋肉痛くらいならすぐに治ってしまいそうな感じで、女将さんがご自慢なのもなるほどと思う。

洗い場のカランからも38℃くらいの温泉が出るが、こちらは塩味がないかわりに明瞭な硫黄臭と弱いつるすべ(2)をもっていて、アルカリ性単純硫黄泉のようだ。女将さんは風呂の湯と同じだよと言っているが、混合泉の一方の源泉ではないだろうか。この湯だけの浴槽を設けても充分に使えるような気がする。(2002.6.24)



けっこう大きい宿なのである

大浴槽に湯がたっぷり



ふるっぷ温泉(仮設浴場)

  喜茂別町字相川89-1 TEL/0136-33-3980  火休 11-21時 清掃協力金200円

<掲示> 簡易掲示のみ
  Na・Ca−Cl 49.0℃ pH=? 100L/min・動力
  笹濁り 少量掛け流し プレハブ

喜茂別町運動公園の奥の方にあるプレハブの小さな仮設浴場で、道路からはよく見えないのでちょっとまごつく。「ふるっぷ」という変わった名称は、アイヌ語のフルボッケ(丘の下)と温泉でちゃぷちゃぷするのを組み合わせたとか。

内部はけっこうしっかりした銭湯風になっていて充分立派なものだ。4x1.5mのコンクリ浴槽に掛け流しになっているが、源泉が熱いので5 L/minほどの少量に絞らざるをえない。浴槽が黄緑に塗られていて湯色はよくわからないが、どうやら湯じたいにも黄緑色がついているように見える。

強い苦味をもつ中位の塩味で、弱い新鮮鉄味もからんで濃いめのお茶漬けという感じ。とても重量感のある湯で成分量は15g/kgくらいかなとみた。漬かった直後から大量の発汗をみる温もり湯で、浴後はサウナに入ったように心地よい疲労感がある。小上がりの休憩所も付いているが、すぐ横の土手で草むらに座って川風に吹かれるのが心地よかった。ふぅ〜(^-^;(2002.6.26)



小さいけど内部はけっこう整っている

最初から緑の塗装だったのだろうか?



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