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山形置賜の湯巡り byやませみ


【第4回】 長井市・白鷹町の温泉


白鷹町広野の蕎麦屋「千里庵」 
そば粉100%を見事な細打ちに仕上げる名店

長井あやめ温泉「桜湯」

 A/ 柔らかい浴感のボウ硝湯。山裾の果樹園に立つ素朴な施設。
 長井市寺泉4246-13 TEL/0238-88-2817 300円 9-20時 火曜休
<DATA> 脱衣所に掲示
 長井あやめ温泉・大林源泉 H7.11分析
 Na-SO4・Cl 45.1℃ pH=7.4 蒸発残留物=1538mg/kg

あやめ公園とは全然別の場所なので注意。直前まで案内看板はない。長井市街から野川を渡ると、山並みと扇状地の境界あたりに大きな貯水塔がどこからでも見えるので、それを目標に向かうとよい。山裾を縫って白鷹町から飯豊町まで快適な農道(?)が全通しているので、これを走っていくと桜湯の目の前を通る。まわりの果樹園は桜桃(さくらんぼ)だそうだ。もと耕作機械倉庫だった建物をそのまま利用しているので素朴な外観が素敵。内部は意外に整った日帰り温泉仕様で、大広間・個室休憩所(別料金)に食堂もついている。

浴室は半露天風呂(男女別)のみでシンプル。葦簾とビニルシートで覆われているので眺望はないけど、天井高く明るくて快適。3x3mくらいの赤石の浴槽に25L/minの源泉が掛け流されている。排水口が浴槽内にあるので、溢れ出しがないのがちょっと残念。褐色がかった緑色ささ濁り(70cm+)で、わずかな塩味と鉄味をともなう柔らかい浴感のボウ硝湯。ちょっと温めの長湯向きなので、浴後は適度にほかほか温まりが持続する。最近はこういう薄めの温泉が好きになりつつある。湯のインパクトはないが、静かな環境でのほほんと過ごせる優良施設。(2001.10.29)


倉庫の外観そのまままが面白い「桜湯」


源泉掛け流しの浴槽


鷹野湯温泉「パレス松風」

 C/ 強循環濾過+カルキ臭で論外。豪華な公共温泉で人気。
  http://www.town.shirataka.yamagata.jp/kankou/sisetu/sira6.html
 白鷹町十王5687-8 TEL/0238-85-1001 300円 10-21時
<DATA> 脱衣所に掲示
 鷹野湯温泉・こぶし2号源泉 (分析日メモ忘れ) 
 Na-Cl・SO4 29.3℃ pH=6.8 蒸発残留物=8670
 Cl=3187 SO4=1757 HCO3=650.6 Na=2335 Mg=116.4 Ca=416.9 Fe(II)=3.5

白鷹町の中央にそびえる太平山に広がる「ふるさと森林公園」の中心的な大規模施設。第三セクター運営のホテル・レストラン・宴会場・コンベンションホールが合体した町の人気スポット。昭和61年の開業からしばらくは、39.4℃の硫酸塩泉を掛け流しの内風呂のみだったと聞くが、新館の全面リニューアルで浴場も源泉も新しくなったらしい。
ジャグジー・サウナ付き浴室はありがちなピカピカきれい。強烈カルキ臭が立ちこめてたじたじ。されば露天はというと、こちらもやっぱりカルキむんむん。松林に遮られて眺望もなし。分析表はけっこう充実した数値が並んでいるが、弱塩泉くらいの塩味を感じるだけで没個性。強循環濾過ですっかり温泉らしさは消失している。論外の湯使いに憤慨する。100%源泉を宣伝にしているが、まったく見当違いというべきであろう。それでも入浴客は今回で一番多かった・・・。(2001.10.29)


浴室内は撮影禁止なので松林を撮ったつもり



黒鴨温泉「滝の湯旅館」

 A/ つるすべの濃い重曹湯が魅力的。のほほんとした鄙び鉱泉宿。
 白鷹町黒鴨403 TEL/0238-85-1135 400円 随時
<DATA> 玄関廊下に掲示(統一様式と分析表原本)
 滝の湯旅館・迎田源泉 (分析日メモ忘れ)
 Na-HCO3 14.5℃ pH=8.4 蒸発残留物=2008mg/kg
 Na=843.1 HCO3=2132 CO3=40.2 湧出量わずか(150m) 当初自噴・現在はポンプ揚湯

渓流沿いに立つ1軒宿の鉱泉旅館。といっても集落の中にあって完全に民家風なので、看板無ければ気付かないであろう。昭和58年に迎田さんが地域活性化のために自費で掘りあげたご自慢の温泉。皮膚病の効能には絶対の自信をもっている。飲用効果も高そうだが、それなりの設備がないと許可が降りないからと苦笑。

男女別の簡素な浴室があり、片方には常にお湯を入れているそうだ。かすかに緑に色着いたような透明湯。まろやかな濃い重曹味。化粧水に浸かっているごときオイリーなとろみ感。数値以上のつるすべ感(5)は最高ランクであろう。ちょっと瓜のような匂いもあり、「へちまの湯」と銘々した。湯の新鮮さにはいささか欠ける感じがするけど、飽きることのない感触はまったく素晴らしい。

4人前くらいのわりと大きなタイル浴槽に、42℃くらいの加熱湯が20L/minくらいもドバドバ投入されている。こんなに出してもったいないでしょうと言うと、女将さんはサイクルですからとお返事。浴槽内には吸入口が見えなかったけど、循環なのかな〜? まあどうでもいいかという感じ。跡継ぎも決まっているそうだが、まだまだ元気で頑張るよとお二人で笑っておられた。いつまでも良い湯を出し続けてもらえそうだ。(2001.10.29)


渓流沿いに建つ1軒宿 まったく民家にしか見えない

素朴な浴槽に感動の湯が注がれている


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