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北海道西胆振の温泉 byやませみ


【支笏湖と苫小牧の温泉】

 

■伊藤温泉「いとう温泉ホテル」

  千歳市幌美内 TEL/0123-25-2620 冬季休 10-15時 700円
  http://www.shikotsuko.co.jp/

<掲示> 内湯浴室前に簡易掲示のみ
  内湯 S55.8分析
  Na・Ca−Cl・SO4・HCO3 ほか記載なし 50℃前後とのこと

支笏カルデラの北西部、恵庭岳がせりだした湖岸にひっそりと佇む一軒宿。お隣の丸駒温泉は立派に改装なっているが、こちらは小振りで庶民的な感じが好ましい。いささかボロもきているが・・・

内湯は小旅館サイズのごくこじんまりしたもので、脱衣所は4人いると窮屈なくらい狭い。古びたタイル張りの浴室に1.5m四方の深め浴槽が1個だけ据えられ、天井からおりたパイプから48℃の源泉が20L/min投入される掛け流し。湯温は熱めの43℃前後。

きもち褐色のささ濁りがあるかなという湯で、塩味は感ぜずボウ硝か重曹らしい甘めの薬味と弱い金気臭味がある。総計は1.5g/kgくらい? わずかにキシを感じるくらいであまり個性的な浴感はないが、熱めのせいもあってずっしりとよく暖まる。

露天は敷地の端に設けられているので、いったん着衣して戸外に出る。日中は湖岸側が男湯なので女性には不利だが、水上バイクがよく通りかかるので仕方ないかな? 湖岸の自然湧出泉をコンクリで囲った6x2mほどの手作り浴槽で、深いところは90cmくらい。底に1カ所穴があってここが湧出口らしい。

足先で探っても湧出を感じられないが、浴槽縁の排水からみて40 L/minほどは出ているようだ。浴槽容量が大きいので湯温は38℃ほどのぬる湯になっている。かすかに重曹っぽい味があるくらいであまり特徴はない。気の合う仲間と来ておしゃべりしながら長湯するにはむいている。(2003.9.25)



■支笏湖温泉「支笏湖観光ホテル」

  千歳市支笏湖温泉 TEL/0123-25-2211 11-16時 1000円
   http://www.shikotsuko-kanko.co.jp/

<掲示> 脱衣所に簡易掲示のみ
  純重曹泉 ほか記載なし
  (休暇村支笏湖のデータ H6.12分析)
  Na-HCO3 34.7℃ pH=7.9 162 L/min・動力 ER=1.655

支笏湖温泉は比較的新しい温泉地で、高層階を規制し樹林を多く残すなど、計画的な保養地づくりがなされている。日中は観光客や水上レジャーで賑わっているが、夕刻になると静寂につつまれる。環境の点では今回いちばん気に入ったところ。

支笏湖観光ホテルはその中央部に位置し、広い敷地にゆったりと建てられているので62室の中型ホテルという感じはあまりない。館内は浴場のある「緑樹館」と宿泊棟の「湖水館」に分かれていて、日帰り客は緑樹館のほうから入る。公共駐車場の真ん前なので立ち寄り客はたいへん多い。

内湯は広いが雰囲気ゼロで、大浴槽と気泡浴・水風呂を設置。打たせ湯もあるが衛生のため廃止されている。8x4mほどの大浴槽は槽内に注入(2)・吸引(1)のある完全循環で熱め42℃に調整。弱いつるすべ(2)のほか特徴のない軽い湯でまったく面白くない。

露天は広い庭園風の空間の中央に6x3mほどの浴槽があるだけでシンプル。こちらも槽内に注入(2)・吸引(1)のある循環式にみえるが、注入湯の片方は38℃前後のぬる湯なのでこれは源泉かもしれない。内湯とは明らかに浴感が違う中程度のつるすべ(3)に、意外にも多量の泡付きをともなって温泉らしさを感じる。うるさい投入音がないので静寂な露天は、早朝の鳥の声だけを聞きながらの入浴がとても良かった。
(2003.9.15-16 宿泊)

附)湖岸にある「湖翠亭」の湯がよいと聞いたので寄ってみたが、レストラン営業のみになっていた。屋外テラスでのジンギスカンが大盛況。奥へまわると小さな浴舎もちゃんと残っていた。王子製紙の保養所として建てられた歴史ある宿なので惜しい。




■樽前温泉「アルテン・ゆのみの湯」/日

  苫小牧市字樽前421-4・苫小牧オートリゾート TEL/0144-61-4126 3水休 10-22時 600円
  http://www.dp-flex.co.jp/arten/

<掲示> 脱衣所に分析表(6月から導入された新源泉のもの)
  ゆめみの湯 H15.5
  Na−Cl強塩泉 53.3℃ pH=6.68 湧出量記なし(資料230 L/min)
  総計=35.52 g/kg
  Na=11050 (82.0) K=13.1 Mg=350.6 Ca=1210 Mn=10.3 Fe(II)=6.2 NH4=13.1
  Cl=20240 (94.1) SO4=1526 HCO3=231.9 Br=19.2 I=2.2
  H2SiO3=189.1 HBO2=24.4 CO2=61.4 mg/kg (mval%)

苫小牧市の西部郊外に大型オートリゾートができている。広大な森林に囲まれているので空気が澄んでいて爽やかだ。オートキャンプやログキャビンのほか、パークゴルフがブームなようで平日なのにたくさんのプレーヤーが集まって賑わっていた。

「ゆのみの湯」の館内は最近流行の木材を多用した余裕あるつくりでたいへん清潔。浴槽構成はいわゆるセンター系というやつで面白味にちと欠けるが、換気がしっかりしていて快適。

内湯は5x3mほどのグランドピアノ型で、湯口(1)から43℃・40 L/min投入の適温41℃。窓際側溝への溢流ながら吸引はないので掛け流しと思われる。以前は濾過で透明だったらしいが、今は緑白の濁り湯(15cm)がなかなか美しい。

露天は広い庭園風の真ん中に3x3mの円形浴槽。内湯よりも黄褐色の濁り(5cm)がずいぶんと濃い。湯口(2)と排水溝(1)の掛け流しでぬるめ39℃。岩湯口のほうは内湯と同じ湯43℃で、弱いさび金気と臭素臭がある。こちらは貯湯・除鉄槽を経由しているかもしれない。別にパイプ湯口から48℃の熱い湯も注がれており、こちらは金気臭が新鮮で、臭素やアンモニアもじゅうぶん感じられるので源泉のままだろうと思う。

強塩泉らしい皮膚が硬質に締まっていく浴感が明瞭で、硫酸塩分も濃いので濡れたゴムをなでるような弾力感もある。重曹系のぬめり感でないこういうスルスルとした滑らかさも好きだ。もう少し熱めに調整してくれればなお良いのと、源泉の個性がやや弱まっているかなと思ったのでAAにはわずかに届かず。(2003.9.16)


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