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郡山と磐梯山周辺の温泉 byやませみ


【第7回】 北塩原村の温泉

 

■裏磐梯早稲沢温泉「ゆ乃宿・湯流里」

  北塩原村桧原字楢木平原1048-110 TEL/0241-34-2084 随時 500円
  http://www3.ocn.ne.jp/~yururi/

<掲示> 脱衣所に分析表
  宝来湯(たから湯) H07.07 桧原字楢木平原1048の258
  Ca・Na−SO4 70.3℃ pH=7.8 535 L/min・動力
  総計=1670
  Na=235(44.6) Ca=243.6(53.2) Ba=19.0
  F=3.3 Cl=55.1 SO4=998.9(89.9) HCO3=36.6
  H2SiO3=72.9 mg/kg (mval%)

桧原湖北端の早稲沢集落に近年できた温泉。峠をこえて北東6kmの至近には有名な白布温泉があるので、磐梯山系というより西吾妻山系の温泉となる。共同源泉を9軒ほどの民宿で分配しており、街道から少し奥まって分散しているのであまり目立たない。「湯流里」はもと花見屋であった民宿を街道おもてに移転して新規にはじめたもの。民宿と旅館の中間くらいな印象の宿で、快適かつ気楽に過ごせそうな雰囲気。

男女別の内湯と、最近増設した大きな混浴露天風呂がある。内湯は2x1.2mほどの深めタイル浴槽で、岩湯口から50 ℃の源泉がちょろちょろと投入。排出は窓側の湯面パイプから露天風呂へ出ていくようになっている。熱い湯が表層を伝ってそのまま流れていくので、かなり絞っても上層は触れないほど熱くなっている。

しばし我慢して湯もみ風にかき回していたらなんとか浸かれる温度になった。源泉地からここまで700mの引湯だそうで、その間にだいぶ冷めるとはいえ熱い源泉は使いにくい。安易に加水せずに源泉掛け流しにこだわっている姿勢は評価したい。無色に澄んだきれいな湯で、はっきりと甘い香りのある石膏ボウ硝泉。キシキシの肌触りが強くて引き締まった浴感が特徴的。

立派な岩組みの露天風呂は4x1.5mの大きなもので、こちらはかなりぬるめになっている。囲いまでの余裕が広いので空が大きく開け、夜には満点の星空が拝めそうだ。(2003.5.26)


左の囲いが露天風呂

熱い石膏泉が掛け流し



■桧原ふれあい温泉「湖望」

  北塩原村桧原出張所 TEL/0241-34-2004 1030-20時 400円

<掲示> 休憩所前に簡易掲示
  桧原温泉 H10.01
  単純温泉 48.8℃ pH=8.3 300 L/min

桧原湖の西岸に沿う道路は狭いが、照葉樹に覆われた新緑のトンネルになっていて美しい。ひっそりとした桧原の集落にも最近温泉が出て、地元有志がつくった桧原塾のほか民宿にも引かれている。「湖望」は桧原出張所に併設した村営浴場で、役場事務所が受付を兼ねているのはちょっと面白い。

男女の内湯のみで、狭いながらたいへん清潔。木造の湯気抜き天井も高いので快適な浴室になっている。残念ながら湖岸は高い土手のむこうなので窓から湖水を望むことはできない。

1.5m四方ほどの深め小浴槽に、湯口から45℃の源泉が20 L/min投入の掛け流しで熱め。気泡浴らしい注入口もあるが止まっている。とくに臭味浴感もない清澄な湯で、湯口での微妙な温泉臭がなければ真湯かと思うようなもの。 (2003.5.26)


奥は役場になってます

特徴ない湯だが清潔



■大塩裏磐梯温泉「米澤屋」

  北塩原村大塩字中島道北 TEL/0241-33-2221 時間不明 500円
  http://www.aizunoyado.com/~yonezawaya/

<掲示> 脱衣所に分析表
  北塩原村温泉組合 S49.08
  純食塩泉*(高張性) 48℃ pH・湧出量記載なし(資料 pH=6.8 173 L/min)
  総計=20.43g/kg
  Na=5081(63.8) K=1311(9.68) Mg=14.64 Ca=1328(19.1) Al=214.8(6.9)
  Cl=11642(96.6) SO4=283.4 HCO3=339.3
  H2SiO3=12.98 HBO2=79.63 CO2=106.0 mg/kg (mval%)

西行法師の歌も伝えられる歴史ある古湯で、藩政時代にはもっぱら製塩を主としたために湯治場として整備されたのは明治後期だという。旧源泉は川底にあってすでに埋没しており、現在は神社のそばで掘削された共同源泉が配給されている。街道沿いに5軒ほどの宿が分散し、温泉街というほどのまとまった風情はない。

米澤屋は温泉地中央にある10室の小じんまりした宿。最近になって秘湯を守る会に入ったが、妙にゴテゴテと民芸調になることもなく、簡潔清楚なふうを保っているのは好感。立ち寄りも気安く受け入れてくれた。

浴場は大小あるようで、当日の男湯は小さいほう。3人いると狭苦しいような小浴室に1.6x1mの深め木製浴槽。木筒の湯口から44℃の源泉が15 L/minの投入の掛け流し。無色に澄んだ湯で、見た目なんでもなさそうだが嘗めると異様に苦辛い。びりびり刺すような金属的な辛味が上顎に貼り付いて後味が長く残る。Al=214.8
が効いているのだろうが、食塩泉では異常に多い数値でじつに変わっている。

浴感は微弱つるすべ(0.5)で柔らかい肌触り。充実した濃度感のある湯で、さすがに古湯の実力はたいしたものだといたく感心。もっとも、湧出量が少ないので源泉のまま使っているのは米澤屋だけになってしまったというのは同浴になった常連さんの弁。(2003.5.26)


居心地よさげな小さな宿です

木肌が滑らかで気持ちいい

休み処にあった温泉塩


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