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木曾御嶽山周辺の湯巡り byやませみ


【第2回】


濁河川上流の仙人滝。
コマドリのさえずりが響きわたる。



濁河温泉「湯元館」

 B/ 町営源泉はちょっと薄め
 12-15時 500円 TEL/0576-62-3110 宿泊14000円〜

濁河では最も源泉地に近い宿なので寄ってみた。グレーの外観はアパートみたいな印象で冴えないが、内部は木を贅沢に使って感じ良い。ちょっと高台なので、客室の展望も良さそうだ。フロントのお姉さんが愛想良くてちょっと嬉しい。浴室は男女とも内湯・露天各1。男湯は内湯・露天とも石板造りでごく普通。女湯の露天は総木製で良いらしい。いずれも山に面しているので展望はない。

内湯の枡形の湯口からは30L/minほど結構な量が投入されているが、湯温42℃と低め。浴槽では灰色笹濁りのぬる湯という状態。鉄臭が弱く、粘土様の土類臭が強調されている。なんとなく「薄いな〜」という印象であまり誉めようがない。町営源泉はいまいち。(2001.7.25)

<DATA> 掲示はまったく無い。ロビーに別表のコピーが置いてあるのみ。
 濁河温泉(混合槽:町営B泉+D泉+D'泉+E泉) (S55.8.分析)
 Na・Ca・Mg-SO4・HCO3 52.0℃ 使用位置42℃ pH記載なし


湯元館の内湯。なかなか渋い。


男湯の露天はちょっと味気ない。


濁河温泉「朝日荘」(宿泊)

 AA/ 独自源泉は浴感充分
 12-15時 500円 TEL/0576-62-3528 宿泊12000円〜

独自源泉が自慢の宿。民宿の拡大版という感じで、アットホームにくつろげる雰囲気。食事も満足。客室の眺めも良く、遠くは白山を望むことができる。あまり目立たないが、道路脇に飲泉所を設置してある。源泉小屋があり、貯湯槽に入る前の湯を直接に触ることができるのが嬉しい。

浴室は男女とも内湯(石板造り)露天(岩風呂)各1、ほぼ同じ構造。内湯にはパイプ湯口から44℃の湯が45L/minほど大量に投入されているのでやや熱め。浴槽では褐色がかった淡緑灰色の濁り湯で、透明度は60cm+。超ぬる湯好きの客が大量加水したら、急激に濁りを増していき、20cmに低下。

露天のお湯も同じで、やや投入量が少ないぶん(18L/min)ぬるめで濁りが濃い(40cm)。トド化できるスペースが無いのが残念だが、深さに変化をもたせてあるので、いろいろ位置を変えながら飽きずに長湯することができる。前は森なので展望はいまいちだけど、標高1800mの星空はとても美しい。

微塩味で重曹味が濃い。湯口では炭酸の刺激感とかすかな硫黄臭もある。あまり強くない鉄味も新鮮なので、アサリの澄まし汁という感じでわりとおいしく飲める。重炭酸土類泉の柔らかさと、硫酸塩泉のキシキシが共存していて、複雑な浴感を楽しめる。硫酸イオンはそう多いわけではないが、数値以上に存在感を出す不思議な湯。やっぱり独自源泉はいいな〜。(2001.7.24-25)

<DATA> 浴室入口に、立派な木板にリライトした別表を掲示。分析表コピーを頂戴した。
 源泉朝日荘 (H3.7.分析)
 Na・(Mg・Ca)-HCO3・SO4 53℃ 使用位置42-44℃
 pH=6.72 湧出量250L/min(動力)
 溶存成分計=2.91g/kg 成分総計=3.10g/kg 
 Na=459.8 Mg=90.5 Ca=145.9 K=102.2 Fe(II)=2.9
  (Mg・Caは20mval%にわずかに届かない)
 HCO3=1091.2 SO4=557.0 Cl=190.1
 CO2=197.5 H2S=0.1 (mg/kg)


朝日荘の外観。ふつうの民宿という感じ。

道路脇にある飲泉所。
あまりにさり気ないので、気付かないかも。


内湯はこんな感じ。投入量が多い。

露天はなかなか凝ったつくり。星空が美しい。


濁河温泉「旅館御岳」

 A/ 谷底の露天風呂は雰囲気GOO
 1130-16時 1000円 TEL/0576-62-2124 宿泊12000円〜

濁河では最も大きな旅館(というより観光ホテル)で盟主的な存在。白亜の鉄筋コンクリ建てで、屋上にドームがあるあたり、外観は高校みたい。館内の内湯と露天はごく普通のもので、ちょっと薄汚れてくたびれている。脱衣所の換気が悪く、酸えたような匂いが漂っているのはやや不快。

内湯の投入量は25L/minあるが、湯口40℃とやけにぬるい。味も浴感も薄いので、町営源泉をさらに加水調整して使っているように思う。露天の湯は少し熱く、濃いめに感じるが、湯の鮮度が低いようなので鉄味が錆びている。

ここの魅力はやはり谷底の混浴露天にあるので、降りていってみる。期待でワクワク。深く切れ込んだ断崖のへりに設置された露天は、秘境ムード満点で、これは素晴らしい。冬場は対岸の絶壁に氷柱がたくさんできるそうなので、さらに凄い様相だろう。ただし、浴槽は岩組みに囲まれているので、湯に浸かると視界が狭くなり圧迫感がある。混浴のときは目隠しになって都合が良いが、もう少し開放的にしてほしい感じがする。浴槽内の湯面には、ミニサイズの鍾乳石状のイボイボが無数に成長しているのが面白い。

2本のパイプから出るお湯は、右側が独自源泉ということだが、ありゃ?出ていない。左のパイプからは44℃の湯が50L/minも投入されているが、これはどうも館内露天のお湯と同じようだ。褐色をおびた淡緑灰色のほぼ透明で、味・浴感も薄く鮮度も低い印象。ガイド誌の写真では、蛍光色のような鮮やかな黄緑色の濁り湯になっており、独自源泉は相当に良いものらしいので*、とても残念。出ていればおそらく評価はAA。入館する前にフロントで源泉の状況を尋ねるべきであったろう。(2001.7.25)

*独自源泉が出ているときの様子は、下記サイトに写真があります。
「岐阜県の温泉探索」 濁河温泉(1)
http://www.asahi-net.or.jp/~ww5a-kz/ontake.htm

<DATA> 内湯脱衣所に分析表掲示。ただしこれは独自源泉のもの。切り貼りなのが何か変。
 奥飛騨観光開発1号泉 (H1.9.分析)
 Na・Ca-HCO3・SO4 47.1℃ pH記載なし 湧出量記載なし
 溶存成分計=2.68g/kg 成分総計=2.91g/kg
 Na=431.2 Mg=76.0 Ca=156.9 K=90.4 Fe(II)=3.7
 HCO3=909.2 SO4=554.0 Cl=221.6
 CO2=229.1 H2S=0.3 (mg/kg)


渓谷露天風呂へ降りる長い階段が
秘湯気分を盛り上げる。
帰りはちょっとしんどい。

露天風呂のすぐ脇に源泉井戸の櫓が佇立。


お湯はこんな感じであった。
右の湯口が独自源泉のはずだが・・・
 


<濁河の源泉>

朝日荘の旦那のお話によりますと、濁河で独自源泉は朝日荘と御岳だけ。(嶽の湯も独自源泉のはずだが、失念されたらしい) 町営源泉は御岳神社の横、白糸の滝付近の4カ所から集湯し、混合槽を経て自然流下で供給。なかにはほとんど単純泉のような源泉もあるという。最大供給量は約1000L/min。近年は湯量の減少が著しいそうだ。

町営露天風呂には朝日荘源泉と町営源泉を混合で供給しているけど、大量加水でほとんど真湯に近い。御岳は独自源泉と町営源泉を半々で使用。

<濁河への道>

開田〜濁河
国道361分岐からチャオ御岳スキー場までは、2車線の新しい道路で快適。そこから急に狭くなり、濁河峠付近は舗装も荒れてほとんど1車線が20分ほど続く。

飛騨小坂〜濁河
前半の鈴蘭高原分岐までは、やはり2車線の快速道路。数カ所で工事交互通行。後半は尾根下の1.5車線の断崖道路。くねくね道だけど、舗装やガードもしっかりしており、かわすところも随所にあるので、わりと楽に走行できる。奥多摩の道のほうがよっぽど恐い。


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