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■湯屋温泉「奥田屋」(泊) B/ 飲泉は炭酸味たっぶり 11-14時 500円 要確認 TEL/0576-62-3006 宿泊8000-12000円 創業340年、現在の当主で28代目の老舗なんだそうである。宿のパンフは異例にでかく、開湯の由来が詳細に書かれており資料価値大きい。道路に面した建物はツタのからまる古風な木造洋風建築で、江戸川乱歩調といった印象。ただし、川に面した客室(新館)は昭和40年代の冴えない鉄筋建築で、かなりボロい。宿泊料金は料理の差だそうだが、8000円でも充分な品数と量がある。自家栽培のソバが夕食に付き、これはなかなか美味。朝食には鉱泉粥がつく。 浴室は男女が別棟。女湯は新館下にあり、ここは最近改装したようでわりときれい。川に面しているが、対岸に遊歩道があるため目隠しに御簾がかけられちょっと薄暗いのが残念。男湯は旧館に付属し、かなり年季が入って薄汚れている。岩組み(真湯)と石板つくり(温泉加熱)の2つの浴槽が並んでいるが、これはもともと男女別に仕切られていたのをぶち抜いたように見える。奥の温泉浴槽へは、真湯浴槽をざぶざぶ通って行かなくてはならない。 温泉浴槽には、岩をくり抜いた湯口から44℃に加温された湯が3方へちょろちょろ出ている。流れ際に赤褐色の析出がこぶ状に盛り上がっており、愛嬌のある造形。冷たい源泉の出る蛇口もあるので全開にしてみたが、3L/minくらいしか出てこない。浴槽がわりと大きいので、アワアワの状態にするのはちょっと無理。41℃の適温に調整された湯は、少し緑がかった褐色の濁り湯(透明度10cm)。はっきりしたつるすべ感(3)を伴ない、なかなか良い浴感だが湯の新鮮さは感じない。 掛流しではなく、細い塩ビ管で吸入しており、加熱循環しているようだ。浴槽にもたれ掛かると「イテテ!」、鉄錆び状の析出が内壁全面を覆っているのだ。どうやら湯の入れ替えはほとんどしていないように思われる。源泉pH6.4なのに「つるすべ」するのは、長期間加熱循環しているうちに炭酸が抜け、pHがアルカリ性に偏った結果ではないかと推測する。単純炭酸泉ならただの真湯になってしまうところだが、成分が基本的に重曹泉なので、炭酸イオン(CO3)を生じてつるすべ湯になるのだろう。しかし、炭酸泉としての効能は完全に失われてしまうように思う。 玄関口と館内の2カ所に飲泉所があり、蛇口をひねると大量のガスとともに温泉水が間欠的に出てくるが、10秒もすると止まってしまう。自噴泉なので湧出にはある程度のガス圧が必要なのだろう。継続的な湧出量は1 L/minにも満たないかもしれない。明瞭な塩味と苦味をともなう濃い重曹味で、鉄錆び味と炭酸のピリピリも強力。湯口では一瞬だけ硫黄臭を感じる。旨いとはいえないが、パワーを感じる味と香りだ。しっかり飲泉したせいか、胃腸の具合がすこぶる良い(^.^)。(2001.7.26) <DATA> 浴室に掲示はない。玄関の飲泉所に分析表と飲泉許可証を掲示。 あけぼの泉 (S51.3.分析) CO2・Fe(II)-Na-HCO3・Cl 11.4℃ pH=6.4 湧出量5.1L/min 溶存成分計=4.50g/kg 成分総計=6.45g/kg Na=1187 Ca=115.7 K=51.8 Fe(II)=17.97 HCO3=2057 Cl=932.9 CO3=0.30 HS=0.18 CO2=1947 H2S=0.56 (mg/kg) |
![]() 奥田屋玄関の建物、ツタがからんで良い雰囲気 |
![]() 玄関脇の渋い飲泉所、 「炭酸泉」の石碑はかなり古いものだ |
![]() 館内の飲泉所、ガスと共に勢いよく噴き出す。 |
![]() 加熱の温泉浴槽、炭酸の 気配はないが「つるすべ」の湯 |
<湯屋温泉について> 木曾御嶽山の周辺には炭酸を含む温泉が多いですが、湯屋はその筆頭格。川沿いの田園地帯にひらけた静かな温泉地です。旅館は7軒あります。道路に面した建物は小振りなので、温泉街のようには見えませんが、奥行きが大きくて新館を増築している旅館が多いように見えます。いずれも自家源泉を所有していますが、湧出量が非常に少ないのが難点で、どこも源泉の使い方には苦労されており、小さな加熱浴槽と、循環濾過または真湯の大浴槽・露天風呂を併用している旅館が多いようです。ちょっと離れた「合掌苑」の源泉は、CO2=7909mg/kgという強力な炭酸泉(おそらく日本一)だそうですから、こちらに行かれても面白いでしょう。 岐阜県小坂町・小坂町商工会ホームページ http://www.town.osaka.gifu.jp/ |