みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報

白馬・小谷と妙高の温泉 byやませみ


【第3回】 西頚城と妙高をちょっとだけ


池の平イモリ池と黒姫山


フォッサマグナ糸魚川温泉「ひすいの湯」

 糸魚川市大野298-1 TEL/0255-53-2222  無休 10-2245時 1300円(16時から1000円)

<資料> 
  糸魚川温泉・姫栄の湯2号井 (KONDOさんのHPより)
  Na・Ca-Cl 97℃
  Na=4398(69.0) Ca=1579(28.4) K=286.2 Sr=20.7 Cl=9903 SO4=180.6 総計=16810mg/kg
  糸魚川温泉 (「新潟温泉風土記」の付表より)
  Na・Ca-Cl 73℃ pH=7.2
  Na=4397 Ca=2505 K=305 総Fe=8 Cl=9903(98.7) SO4=191 Br=29 I=9
  H2SiO3=105 HBO2=148 総計=16810mg/kg

ホテル糸魚川に隣接し、平成6年にオープンした大型日帰り温泉施設。糸魚川市から「市民健康づくり施設」の指定をうけており、館内には介護入浴用の家族風呂もあるそうだ。施設から一段下がった駐車場の一画に源泉池が作られているので、ここだけ見学してみた。

源泉池は10x5mほどの大きなもので、ポンプ施設がついているので曝気・冷却用の湯畑の役目をはたすものかと思う。岩組みの露天風呂のような格好になっているが、熱湯だからもちろん入れない。源泉は7秒おきくらいの間欠的に轟然と噴き上げており、2.5mくらいの高さにまで噴き上げて壮観。もうもうとした水煙が漂ってくると、油臭と漢方薬みたいな奇妙な匂いでむせそうになる。噴出口の近くの湯はほぼ無色透明だが、端のほうでは褐色に濁ってきている。

手が届くところの池からコップにすくってちょっと味見してみると、強い刺すような苦塩味(NaCl=14g)で舌がぴりぴりする。油臭はさほど強くはないが、海水臭とヨード臭が鼻孔いっぱいにひろがり、みそ汁で正露丸を飲んだような心持ち。(2002.5.25)


轟音とともに吹き上がる噴泉



長者温泉「ゆとり館」

  西頚城郡能生町中尾 TEL/0255-66-3485 年末年始のみ休 9-21時 1回湯300円(休憩つき600円)

<掲示> 浴室前に分析表掲示
  中尾北湧水(分析日メモ忘れ)
  規定泉(メタ珪酸による Na-HCO3型) 12℃ pH=8.0
  Na=51.9 HCO3=182.7 HS=0.4 H2SiO3=51.9 総計=334mg/kg

国道に案内看板が出ており、谷筋の細い道をずんずん入っていく。中尾集落の入口に建つちょっと大きな民家みたいなのがそれ。入浴休憩+宿泊の「ゆとり館」と、食堂休憩のかやぶき屋根の「ふぁみりー館」の2棟からなるこじんまりとかわいい施設。能生町の公営だが、管理は中尾地区の人達がしているので集会所&共同湯みたいなほのぼのした雰囲気がある。土曜の午前なのにすでに駐車場はほぼ満杯でずいぶんな人気。

浴室は2x4のぶくぶく付きの内湯だけでシンプル。男湯は熱め、女湯はぬるめに調整されていた。加熱循環であるが少し溢れ出しもあって湯はわりと新鮮な感じ。ごく淡く緑色の透明で、柔らかい感触が真湯とは違うなと分かる程度のもの。ガイド誌には「レモンの香り」と書かれていたので酸性冷鉱泉かと想像していたが、よくある重曹型の規定泉で特にそのような匂いは感じなかった。HSを少し含むので、新しい湯を沸かすと香るのかもしれない。成分は薄いながらもよく温まる湯で、地域の人達が大切に守ってきたのがなるほどと思う。海水浴帰りに寄るには絶好のさっぱり湯。(2002.5.25)

写真はありません




燕温泉「岡本屋旅館」 宿泊

  TEL/0255-82-3155 無休 10-16時 500円

<掲示> 掲示なし
<資料> 「新潟温泉風土記」の付表より
  燕温泉(北地獄谷)
  Na・Ca-HCO3・SO4・Cl 47.5℃ pH=6.7
  Na=170(39.8) K=17 Mg=43(19.0) Ca=145(38.9) Cl=189(26.6) SO4=315(32.68)
  HCO3=499(40.8) H2SiO3=161mg/kg (硫化水素もかなり含まれていているように思う)

燕温泉は、妙高山のふところ深い峡谷に8軒ほどの中小旅館が肩寄せあって立ち並ぶ小さな 山の温泉地。有名な露天風呂が2つあるので立ち寄り客は多いが、夕暮れにはみな帰ってひっそりしてしまう。岡本屋はその下手2軒目にある家族経営の小旅館。館内はスキー宿ふうにきれいに改装されているが、浴室だけは古いままだ。収容人数に比べていかにも小さいし、カランも1個きりなのでシーズンには困るでしょうと親父さんに言うと、「最近はこんな小さいスキー場に来る人も少なくなって、めったに満杯になることはないからこれでいいんだ」と余裕の表情であった。

2面が窓で明るい8畳間くらいの浴室に、径2mほどの円形の人造石の浴槽があるだけできわめて簡素。浴室に入ったとたんに酸っぱく焦げた硫黄臭とほのかな石こう臭が鼻をくすぐり、温泉に来たなーという幸福な気持ちになる。黒い溶岩を配した壁面からパイプ湯口が突き出して、43℃の源泉が40 L/minほども多めに掛け流されている。鼻まで浸かる深い浴槽だから41℃くらいの適温になっていて、滑らかな浴槽の丸みが背にちょうどよくフィットし、すこぶる入り心地が良い。

湯は青みを帯びた薄めの白濁(50cm)だが、かき混ぜると底から細かい白黒の湯ノ花がわっと舞い上がってきてカニスープ状態になる。湯口からはだし味にちょっと苦塩味と卵風味がついて美味しく飲める。浴感はとても柔らかいふっくらした肌あたり。HCO3・SO4型の泉質は意外と珍しいが、とても良いものだと思う。

土曜日なのに宿泊客は私らだけで静かにゆっくりできた。食事もなかなか充実しており、新潟らしくお米がとても美味しい。部屋も大きく清潔なので、けっこう穴場かもしれない。
(2002.5.25-26)


ロッジ風に新装した岡本屋

ま〜るい浴槽に掛け流し



池の平温泉「池の平スポーツハウス」

  TEL/0255-86-2054 無休 9-21時 300円

<掲示> 脱衣所に分析表掲示
  池の平温泉(S62.7分析) 南地獄谷1800m地点より引湯
  単純硫黄泉(Ca・Mg-HCO3・SO4型) 72℃ pH=8.4
  強黒濁、弱硫黄臭、弱渋味 蒸発残留物=694mg/kg
  Na=35.5 K=7.5 Mg=28.2(23.3) Ca=85.8(43.0) Ba=41.6 NH4=17.0
  Cl=1.8 SO4=188.7(44.0) HCO3=253.4(46.5) CO3=4.8 HS=9.5
  H2SiO3=145.6 H2S=0.4 総計=846.7mg/kg

池の平ではかなり古くからある県営の研修施設。体育館やテニスコートも付属しているので学生の合宿などによく利用されている。公営とはいってもバブル期はるか以前の建物だから豪華ではなく、鉄筋コンクリにリノリウム床で学校や病院みたいな実用一点張り。

浴室は中サイズの内湯のみで、石板つくりの3x5mほどの深い浴槽にライオン湯口から50℃オーバーの源泉が10 L/minほど掛け流されていて熱め。これは良いかなと思って浸かってみるがなんだか浴感がなく、味見しても何も感ぜず「(?.?)」。白色半透明の湯ノ花がたくさん舞っているので温泉が入っているのは間違いないがこれは変だ。熱いのを我慢して湯口に近寄ってみると、源泉は微緑色で明瞭な卵風味にまろやかさがあり、微つるすべ(0.5)もあってしっかりした感触の単純硫黄泉。浴槽が割と大きいのに毎日湯を入れ替えるそうだから、最初に真湯を満たした上に源泉を注いでいるかと推測。夕方ころまでには源泉に置き換わって良くなる
のかと思う。

池の平温泉の引湯は1500 L/minほどもあるらしいが、なにぶん施設も多いし妙高温泉にも引湯されているので、施設あたりの供給量はごく少ないのかもしれない。なかなか良い条件で浸かれるところが見つからない。ランドマークはむやみに高いし湯もつまらないから、入浴だけならこちらが断然お得ではある。(2002.5.26)


町の体育館みたいな外観

熱い湯が掛け流しなのだが・・・


もどる目次