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やませみ 道東湯巡り byやませみ  2001年6月

【第3回】 釧路湿原北部の温泉

*釧路湿原の写真はありません、御免なさい。野鳥を見るのに熱中していたもので・・・

熊牛温泉「ペンションくまうし」

 AA/ 小さいが紅茶色の華麗なモール泉、今回のベスト
 
http://www2u.biglobe.ne.jp/~kumaushi/
 弟子屈町熊牛原野
 基本的に11時から 初回300円(次回から200円) 無休

国道391を南弟子屈駅方面から南下してくると、弟子屈町南端の跨線橋を渡ってすぐ右手に温泉分譲地の看板がある。横道を数分進むと、牧舎の間に茶色の地味なペンションが1軒。周辺は何もないので静か、草原を渡る風が心地よい。旦那のやる気のなさも呑気な感じで良い(東京出身の方で、繁忙期だけ家族が手伝いに来るそうだ)。 

男女別の浴室は一般家庭の風呂よりも狭いくらいで、そこに熱い源泉が20L/minくらいも掛け流されているので、そのままではとても入れたものではない。ただし加水は自由。ここの良さは何をおいても露天風呂にある。男湯のほうには円形寸胴の深いミルクタンクが埋め込んであり。源泉がちょろちょろ注がれている。こちらは適温。立て膝でないと漬かれないのが具合悪いが、なかなか面白い。囲いを取っ払ったらさぞかし爽快だと思うが、牛や熊が来たらどうしよう。

たいへん美しい濃い紅茶色の湯で感激した。微塩味で、やはり紅茶のような渋みがある。ウイスキー様のモール臭に灯油臭と軽い硫黄臭も加わり、非常に深い香りをもつ華麗なモール泉。湯面には薄い油膜も観察される。細かい泡付きも多く、湯じたいのつるすべ感(2.5)とも相まって、素晴らしい浴感が楽しめた。今回の湯巡りで出会ったなかでは、味幸園、清乃湯をしのぐダントツのベスト1。(2001.5.30)

<DATA>脱衣所に分析書コピーが額に入れて置いてある
 熊牛温泉3号井 熊牛原野20線西7-1
 58.8℃ pH8.8 900L/min(自噴) 使用量は50L/min程度
 アルカリ性単純温泉(NaーCl・HCO3) 総計0.826g/kg
 HCO3=84.1 CO3=21.0 HS=0.5

*熊牛地区には他にも1号井(59.3℃、1500L/min)、2号井(49.1℃、700L/min)を合わせて3源泉があり、全部で3100L/minも自噴している。今後どう利用していくのか楽しみ。


ペンションくまうしの外観
ちょっと派手な民家にしか見えない

ペンションくまうしの男性用露天風呂
赤い湯は塀の色が映っているのではない


標茶一心堂温泉「藤花温泉ホテル」

 B/ 東京の黒湯にそっくり
 http://www.sap.sip.or.jp/~norikazu/fujihana/welcome.html
 標茶町旭町
 9-21時 400円 無休

標茶駅前の郵便局のはす向かいにある、白亜のかわいいビジネスホテル。全23室。浴室は意外に広く、熱めの浴槽と極温めの浴槽が並んでいる。奥の洗い場へは浴槽に置かれた飛び石を渡っていくちょっと面白いつくりだ。半地下になるようで、高い位置に明かり取りの小窓があるきりなので、換気はひじょうに良くない。レンズが曇って撮影できなかった。なんとなく新宿十二社を思わせる怪しげな雰囲気が漂っている。

湯は暗褐色の不透明(40cm)で、東京の黒湯とうりふたつ。とくに味・匂いは感じない。浴感も新宿十二社とよくにており、手のひらと足の裏が特にぬるぬる(3)する重曹系黒湯の感触。溢れ出しがないので不思議に思い、例の飛び石のあたりに仕掛けがあるのかとまさぐったが、何も発見できなかった。(2001.5.31)

<DATA>脱衣所に分析表コピーの掲示あり
 標茶温泉・千葉一心堂源泉 旭町38-1
 44.0℃ pH8.9 763L/min(自噴) 使用量は70L/min程度か。
 含Fー単純温泉(NaーHCO3・Cl) 総計495.3mg/kg
 HCO3=168.4 CO3=15.6 HS=0.174 F=6.875 (S51.11分析)



標茶温泉「味幸園」

 AA/ 香り高い濃いモール泉
 標茶町御卒別628
 10-22時 400円 無休 TEL/01548-5-2482

国道沿いの「標茶温泉・」の看板を見逃さなければ、簡単にたどり着ける。白壁と赤屋根のかわいい平屋の宿が、何もない原野にぽつんと建つ。結構有名なのか、立ち寄りのお客さんが入れ替わりで次々にやってくる。館内はちょっと狭苦しい感じ。内湯のみの浴室もわりと小さめだ。真四角の浴槽(といっても2x2mくらい)とさらに小型の浴槽があるだけ。大浴槽にはライオンの湯口から40L/minほどが投入され、掛流し量は多い。そのわりに湯にいまいち新鮮さが感じられないのはなぜだろう?湯口の温度が分析表の46.6℃よりはかなり低く感じるのも少し気になる。

湯は暗赤褐色の透明で、濃いウーロン茶(鉄観音)か煮出し番茶を連想させる。ごく僅かな柔らかい重曹系の塩味と渋味に、タマゴ味も加わっている。湯の香りは、薫製のようなモール臭に硫黄臭と軽い油臭を伴い濃厚かつ複雑。強いつるすべ度(4)はややぬるぬるを伴い、黒湯の感触もあわせ持っている。泡付きはない。期待が大きすぎたせいか、いま一歩の感じだったが、濃厚なモール泉には充分感激した(2001.5.30)

<DATA> 脱衣所に分析表のコピーが貼ってある
 標茶温泉味幸園源泉 下オソツベツ628-6
 46.6℃ pH=9.0 470L/min(自噴)
 アルカリ性単純温泉(Na-Cl・HCO3)
 Na=187.0 Cl=164.9 HCO3=114.5 CO3=42.7 HS=0.6 総計0.699g/kg
 (H7.5分析)


味幸園の全景
 とてもすっきりした外観

味幸園の内湯
 浴槽全体から湯が溢れている


茅沼温泉「憩の家かや沼」

 C/ 眺め良いが、しょっぱいだけの湯
 http://www.sip.or.jp/~ikoinoie/
 標茶町コッタロ原野115 TEL/01548-7-2121
 火・水・金・日曜9-21時 月・木・土曜11-21時 400円 無休

シラルトロ湖畔の高台に建つ展望の良い大型の温泉保養・宿泊施設。食堂で「ラムしゃぶ」が食べられると聞いたので、ほとんど昼食目的に寄ってみた。みしゅらんにクマ家のレポートがあるので、詳細はそちらをご覧下さい。

湯は微黄色ではっきりとした塩味、弱い鉄味もある。匂いはほとんどない。全ての浴槽が掛流しで使用されている。掲示の湧出量に比べて投入量が多いような気がするのは、ちょっと腑に落ちないが、深く追求しないことにした。露天の眺めが良く、熱めの湯に出入りしながらの湖水を渡ってくる風が心地よい。関東周辺なら人気の出る優良施設だが、湯に面白味を感じないので評価は低い。(2001.5.30)

<DATA> 別表のみ掲示 とくに興味を覚えなかったので分析表の提示は求めなかった
 Na-Cl弱塩泉 45.8℃ pH=7.9 175L/min(自噴) 蒸発残留物8.085g/kg



鶴居温泉「グリーンパークつるい」

 A/ 見かけによらず良いモール泉
 鶴居村鶴居北1-5 TEL/0154-64-2221
 1015-2030時 520円 無休

国道沿いの案内板は小さいので見逃しやすいが、鶴居村の町並みの北はずれ、運動広場の一角にある。大型の近代的施設で、宿泊もできる。ここも銭湯替わりに使っている人が多く、夕方だったせいでお客は多い。館内はホテル風で、キレイ系の好きな人には良いかも知れない。浴場は源泉浴槽、ジャグジー、サウナ、露天岩風呂の、この手の施設にありがちな構成。

源泉浴槽には46℃の熱い源泉が30L/minほども掛け流されている。ただし、入浴にはちょっと熱すぎる(43℃)ので、ここに浸かっている人はいない。露天風呂はいやに細長いつくりで、一端から少し低温の42℃の湯を40L/min注いでいる。少し加水しているかもしれない。湯口の近くでは40℃、端の方では38℃になるので、長湯には適当な温度調整だ。

微塩味と鉱物的なエグ味もある湯。はっきりと緑色を帯びた淡黄褐色透明で、ウイスキー様のふくよかなモール臭がある。湯口では明瞭な硫黄臭も感じる。かすかに油臭もあるようだ。弱いつるすべ度(2)のあっさりとした肌触り。泡付きはない。(2001.5.30)

<DATA> 別表のみ掲示、分析表の用意なし
 Na-Cl弱塩泉 46.4℃ pH=8.4 540L/min(1600m動力) 蒸発残留物4.140g/kg
 (S55.11分析)

鶴居村にはほかに、役場の隣りに「HOTEL TAITO」という瀟洒なホテルも出来た。日帰り入浴大歓迎ということだが、「美人の湯」の看板に二の足を踏んでしまった。


グリーンパークの外観
ちょっとしたホテル並

グリーンパークの露天風呂
湯の色はうまく写せなかった


湿原温泉「湯元鶴乃家」(宿泊)
 
 鶴居村鶴居東3-4 TEL/0154-64-2420
 10-21時 350円 基本的に月曜休だが、要確認。

鶴居村の町並み(一応ね)のど真ん中、国道沿いに建つ小さな温泉民宿。ご主人は寡黙な方であまり表には出ず、気さくな婆ちゃんが切り盛りしている。最近腰を痛めたとかで、余りお世話ができないのが申し訳ないと謝られた。公衆浴場も兼ねており、1階の食堂兼休憩所にはいつも数人が集って談笑している。

窓の大きい明るい浴室に、大型のステンレス製ミルクタンク応用の浴槽が並ぶ(正しくは、原乳保存用のバルククーラーというのだそうだ)。 以前の写真では3つ並列になっていたが、現在は2個に減っており、空いたスペースにシャワーが設けられている。投入量で温度差をつけており、真ん中の熱いほう(42℃)に50L/min、奥のぬるいほう(40℃)に30L/minがドボドボ注がれて溢れている。この音を聞きながら、流れ湯の中で横になり、お腹に湯をかけていると最高に良い気分だ。浴室床の傾斜も寝転がるには最適の斜度がある。

湯は淡い黄褐色透明で、弱塩味。ウイスキー様のモール臭に軽い灯油臭をともなう。湯口ではかすかにこもった硫黄臭を感じられる。飲泉では喉がややエグくなる。つるすべ度(1)はかなり弱いが、浴後の充実感が優れており、何度でも入りたくなる湯だ。無念無想で湯に浸りきれる、良い温泉だと思う。(2001.5.30)

<DATA> 浴室には別表のみ掲示、本表は休憩所にコピーが置いてある。
 湿原温泉 鶴居東3-3
 44.0℃ pH=8.4 330L/min(1350m動力) 使用量は約半分
 Na-Cl Ca=61.9 Fe^2=0.1 F=4.3 HCO3=147.0 CO3=9.6 HS=tr
 総計5.461g/kg (H4.10分析) 
*ここは真水のほうが貴重なので、カランも全て温泉である。


鶴乃家の浴室
 2個の浴槽から景気よく湯が溢れ出す
 


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