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山梨の湯巡り9 [5] byうつぼ



■ふじの温泉「東尾垂(ひがしおたる)の湯」

(神奈川県藤野町、10:00〜21:00、650円/2h、0426-89-2360)

この掲示板でも何度か話題になった日帰り温泉施設。医療法人社団清伸会ふじの温泉病院が以前より「ふじの温泉病院」で利用していた源泉を使い新規オープンしたものです。

場所は、神奈川CC入口の少し西(山梨)寄りから分岐する枝道を1kmほど北側に入った「ふじの温泉病院」手前の丘の上です。JR中央本線「藤野」駅から無料送迎バスも出ています。こぢんまりとした施設にみえますが、2階には緑の山々が見渡せるけっこう広い休憩所があります。

男女別の浴室は、内湯(黒みかげ石枠伊豆石貼7.8人)、ミストサウナ(樽風呂×4・打たせ湯付)に露天(鉄平石造6.7人、屋根付き)。露天ゾーンは石庭風の庭が広くとられて開放感があり、チェアーもあって和めます。カラン6、シャワー・ドライヤーあり、シャンプーなし。入湯料650円なのでシャンプーは置いて欲しいところです。連休16時で4〜7人とわりあい空いていました。

熱めの内湯は、石の湯口からかなりの量の熱湯を投入で、上面排湯口からの排湯が追いつかず、かなりの量がオーバーフローされています。適温の露天は、石の湯口から20L/min程度を投入し、槽内注排湯はなく、たぶん全量をオーバーフローのかけ流し。ミストサウナは入らなかったので内容不明です。

お湯は、無色透明で湯中には細かな気泡が舞っています。微薬味に弱いながら樹脂系orタール系のアブラ臭があり、内湯ではこれが湯面でも香ります。露天の湯面では、紙のような乾いた感じの臭いがあります。ツルすべとキシキシが入りまじり、少量ながらアワつきがあってビシっとくる鮮度感の高いきもちのいいお湯。
浴後は爽快感が出てお肌スベスベとなる、なかなかに優れもののお湯かと。

受付の人によると、お湯は源泉を非加水のかけ流しで使用し、泉温は気温によって変動するがだいたい47℃くらい出ている。女湯の方が泉源に近いので熱いとのこと。パンフにも「天然100%かけ流しのお湯」との記載があります。

”東尾垂”という風変わりな名前は、パンフによると「富士火山帯(火山脈)東端に位置し、その地名を藤野町小津久地区内の「尾垂(おだれ)」と言い、同火山帯の最終地点であると言われております。以上その土地・地域の由来等を考慮し名づけました」とのこと。

近場ながらこぢんまりとした施設で鮮度の高いお湯が楽しめるおすすめ湯かと思います。なお、「ふじの温泉病院」の駐車場のよこに温泉スタンドもあります。

アルカリ性単純温泉(Na・Ca-SO4型) 44.9℃、pH=9.73、湧出量不明、成分総計=0.892mg/kg、Na^+=169mg/kg (57.74mval%)、Ca^2+=107 (41.95)、Cl^-=76.2 (16.96)、SO_4^2-=439 (72.08)、CO_3^2-=12.2、陽イオン計=277 (12.7mval)、陰イオン計=588 (12.7mval) <H14.7.24分析>

〔2004年8月レポ〕


「東尾垂の湯」の外観

「東尾垂の湯」の男湯内湯

「東尾垂の湯」の男湯露天

ふじの温泉スタンド


■藤野やまなみ温泉

(神奈川県藤野町、10:00〜20:00、水休、600円/3h、0426-86-8073)
http://www.town.fujino.kanagawa.jp/map/yamanammi2.htm

このエリアでは古株の町営日帰り施設。以前何度か入っていますが、お湯の印象が薄れているので再訪しました。みしゅらん、めがねさんのレポあり。

いかにもセンター系らしい外観、Pは地元車と東京方面のナンバーが入り混じりほぼ満車状態。建物のよこに温泉スタンドがあります。(10:00〜20:00、専用コイン式、100円/100L)館内は人が多いのもありますが、なんとなく雑然とした雰囲気。

男女別の浴場はけっこう広くて内湯(赤みかげ石枠タイル貼10人、ジェット×5付)、源泉ぬる湯槽(同、一部岩組5.6人)、サウナ、水風呂に露天(鉄平石枠石貼7.8人)と多彩。露天の前には庭、というか野原が広がりそこそこの開放感はあります。カラン17、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜12時で20人以上と盛況。

内湯は、岩組みから突き出た塩ビパイプからの投入+ジェット注入で底面吸湯あり。源泉ぬる湯槽は、岩の湯口から少量を流し込みでたぶん槽内注排湯なし、全量オーバーフローのかけ流し。露天は、岩の湯口からの投入+側面注入で底面吸湯。

お湯の感じは3槽でそれぞれ違います。内湯は、無色透明で鼻をつくカルキ臭。温泉らしい浴感はあまり感じられず。源泉ぬる湯槽は、薄くにごり細かな粒子が密度濃くただよっています。湯口で微塩味+僅微石膏味、微石膏臭+おだやかな温泉臭。きもちとろみがあって、硫酸塩泉系のキシキシと肌に染み入るような浴感が楽しめますが、混みすぎのせいかお湯がなまり気味なのは残念。温まり感は弱く、浴後はほこほこ+爽快感が出て、お肌しっとりすべすべになります。

露天は、ごくかすかに黄濁し白い浮遊物あり。味不明弱い薬品臭。なぜかこちらではヌルすべ感があり源泉ぬる湯槽とはちがう湯ざわり。量は少ないながらアワつきもありました。以前、YEBISUさんへのレスで、露天では温泉の浴感が感じられない旨レスしましたが、この日は感じられました (^^; 浴感の強さは、源泉ぬる湯槽 > 露天 > 内湯の順かと思います。

それにしても源泉ぬる湯槽の人気はすさまじく(常時7.8人は入っていた)、しかも皆さん長湯モード全開なのでなかなか入れません。週末は混雑が激しく、源泉ぬる湯槽もなまり気味であまりおすすめできませんが、スペック的にかなりすぐれもののお湯なので、平日の早い時間ならばいいお湯を楽しめるのではないでしょうか。

Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 41.8℃、pH=9.33、110L/min(1,800m掘削)、成分総計=4038mg/kg、Na^+=807、Ca^2+=535、F^-=4.23、Cl^-=1010、SO_4^2-=1570、陽イオン計=1349、陰イオン計=2637、メタほう酸=12.0 <H8.11.8分析>

〔2004年10月レポ〕


「藤野やまなみ温泉」の外観

「藤野やまなみ温泉」の温泉スタンド

■古来、「富士の見えるところには温泉は湧かない」と云われ、ながらく”温泉不毛の地”として不遇をかこった富士五湖〜山梨東部エリアですが、近年、高深度掘削による良質な泉源の開発があいつぎ手頃な湯巡りエリアとなりました。

東京から近い行楽地ゆえやたら混むのが難ですが、湯づかいのよい施設も増えてきているので、時季・時間を選んで行けばけっこういいお湯が楽しめるのではないでしょうか。


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