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山梨の湯巡り4 [3] byうつぼ


■笹子鉱泉

(大月市、時間要問合せ、500円/1H、0554-25-2436)

山梨東部にはあまり食指をそそられるお湯はないですが、ここは気になってました。甲州街道沿いにひっそりと佇む鄙びの鉱泉宿で、道沿いにあるのに全然目立たないです。建物の裏から青い煙が立ち昇ってたので、加熱に薪をつかってるのかも?

黒光りした暗い廊下の奥に、男女別内湯のみの浴室があります。沢に面したこぢんまりとした浴室は、湯治場らしいさびた風情にあふれています。2.3人でいっぱいの扇形タイル貼の浴槽は沸かしの溜め湯。源泉カランはゲキ熱で無色透明。岩の湯口がありますが止まってました。カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。

泊まりで来ているおじいちゃんとご一緒しました。山梨のお湯は35年、ここは20年通っており、自炊もできるので気に入っているとのこと。じっくりとお湯を慈しむような、その湯慣れた姿にはただただ感心。夏にはお孫さん曾孫さんたちをつれて逗留されるそうです。お湯はそばの山から引いて加熱、水は沢水でやわらかいとのことです。

お湯は、鉄泉ながらわりと赤味の少ない黄土色濁り湯でぬる湯。群馬の五色温泉に似た粉っぽい臭いで金気臭は目立ちません。鉄泉らしい身体に染みこむようなまったりとした浴感。シーズン午後は登山客で賑わうこともあるそうなので、ラッキーでした。(土曜18時) なんだか別の時代に迷い込んだような、不思議な雰囲気をもつお湯でした。

含硫酸塩炭酸鉄泉 11.9℃、pH=6.0、0.37L/min、総計=281.5mg/kg、Na^+=6.794mg/kg (14.63mval%)、Ca^2+=14.57 (36.04)、Fe^2+=20.01 (35.55)、Cl^-=6.798 (9.52)、SO_4^2-=43.21 (44.62)、HCO_3^-=56.44 (45.86)、陽イオン計=44.93 (2.017mval)、陰イオン計=106.5 (2.017mval)、メタほう酸=9.482、遊離炭酸=78.07 <S33.5.26分析>


笹子鉱泉外観

笹子鉱泉の湯船


■宮川温泉「湯殿館」

(玉穂町、10〜23時、900円、055-274-2626)
http://www.yudenkan.com/yu.html

山梨医科大そばの新興住宅地にある豪華な民営日帰り温泉施設。めがねさんレポ(6/18)あり。ロードサイドにあって、駐車場も広くて入りやすいです。和風の数寄なイメージの建物で、甲府エリアの日帰り温泉ではもっともきれいな部類かと...。オープン10年目ですが、昨年リニューアルとのことで、小物のあしらいなど演出にも気配りが感じられ、メンテも行き届いています。

浴室は施設規模のわりには小ぶりで、とくに洗い場は狭苦しい感じ。気泡湯(同、7.8人、寝湯2・ジャグジー付)、高温槽(石+タイル造、6.7人)、足湯、水風呂×2、サウナ、露天(岩造、6.7人)と多彩です。カラン9、アメニティ類完備(バスタオル・浴衣付)。土曜22時で男湯10〜5人と空いてました。

浴槽は、浴槽横側溝からの排湯ですが、「浴槽の湯は全て、源泉をそのまま流し込んだもので、加温や冷却、循環は一切しておりません。」(HP)とあります。オーバーフローがなく、源泉かけ流しの臨場感が味わえないのはちょっと残念。すべての湯口で源泉表示があり、高温槽はコップあり飲泉できるようです。気泡湯(木枕あり)と露天はぬる湯で、ゆったりと入っている人が目立ちます。

お湯は紅茶色透明、明瞭な重曹味、モール?臭+かすかなイオウ臭。これだけはっきりとした重曹味のお湯は珍しいかも...。重曹泉のツルすべがありますがけっこうほてります。黄金温泉を連想。浴後はすこしぺとぺとした後、つるつる感が出るいいお湯です。料金900円は評価の分かれるところでしょうが、優れもののお湯を快適な環境で味わえる貴重な施設かと思います。

Na-炭酸水素塩・塩化物泉 45.0℃、pH=7.4、338L/min掘削自噴(約1,000M)、成分総計=1.597g/kg、Na^+=307.5mg/kg (74.58mval%)、Mg^2+=31.3 (14.38)、Fe^2+=2.3、Cl^-=218.4 (32.82)、HCO_3^-=737.7 (64.41)、陽イオン計=392.7、陰イオン計=980.9、メタけい酸=121.7、メタほう酸=7.7、遊離炭酸=94.2
 <H2.9.21分析>


宮川温泉の外観

内湯 (手前が高温槽/奥が気泡湯)

内湯高温槽の源泉湯口

露天風呂


■白州塩沢温泉「フォッサ・マグナの湯」

(白州町、9:30〜21時、600円、0266-65-3570)
http://www.comlink.ne.jp/~hakushu/haku9.htm

「白州町福祉会館」が今年3月リニューアルオープンしたもの。2階建ての典型的な公共系の建物。パンフはT教授の監修でしょうか、とても読み応えがあります。

窓の広い明るい浴室は、寝湯(タイル+木造、7.8人)、高温槽(タイル貼、10人)、水風呂、サウナ、露天(岩造、7.8人)。カラン10位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜12時で男湯5〜10人とまあまあ空いてました。
寝湯、高温槽とも石の湯口から投入のオーバーフローですが、お湯は寝湯のほうがいいです。露天は岩の湯口から投入、槽内排湯の循環?で、うすく白濁したお湯はいまひとつ。

寝湯がおすすめなのでこちらをレポします。ぬるめのお湯は無色透明、塩味とたまご味、明瞭なイオウ臭、湯口だけでなく浴槽でもぷんぷん香るのにはオドロキ。付きは遅いですが、細かなあわが全身にびっしりとついてきます。(あわ付きは寝湯だけ) 肌ざわりのいいヌルすべ湯ですが、浴感はかなり重厚でけっこう湯疲れします。洗い場の横には飲泉があって、ここはさらに濃厚な塩味たまご味イオウ臭のある薄く白濁したぬる湯が出ます。

地元の方中心の入浴客の一番人気はダントツ寝湯で露天はガラ空き。予想以上に力のあるお湯にびっくり。寝湯のお湯を深い浴槽でじっくりと味わいたいです。あと、となりに民間の温泉宿(立寄り可)の「信甲・館」もあります。

Na・Ca-塩化物泉 32.8℃、pH=9.95、5.23L/min*、成分総計=2843mg/kg、Na^+=808.1mg/kg (71.8mval%)、NH^4+=9.5、Ca^2+=260.3 (26.6)、Cl^-=1667 (96.1)、HS^-=0.8、陽イオン計=108.4 (48.93mval)、陰イオン計=1759 (48.93mval)、硫化水素=---- <S59.7.30分析>

*) 湧出量:脱衣所の分析表<S59.7.18分析>には87.2L/min自噴、パンフには「自噴時87L/min、動力使用時200L/min」とあり詳細不明。

T教授の解説では新旧の2源泉あり、旧源泉は自然湧出のH2S臭が強い単純温泉(「旧塩沢温泉源泉」)とのこと。パンフでは高温槽湯口の写真が新源泉となっているので、寝湯が旧源泉で源泉が違うのかもしれません。(でも、寝湯の湯口でも塩味したしなぁ〜?)


白州塩沢温泉の外観

内湯 (右が寝湯)

露天風呂


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