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山梨の湯巡り3 [3] byうつぼ


■西山温泉 「慶雲館」

(山梨県早川町、時間要問合せ、1,000円/1H位、0556-48-2111)
http://www.keiunkan.co.jp/

南アルプス街道を早川沿いにさらに遡ると、千三百年前の開湯と伝えられる西山温泉があります。慶雲館か蓬莱館かで迷いましたが、連れが「慶雲館にいきたい!」と暴れるので、こちらになりました ^^;)

秘湯の高級宿としてその名も高い慶雲館は、格調高い外観、ゆったりとした館内、品よく配された調度類、折り目正しい従業員の対応...と、さすが温泉教授松田先生が「新秘湯の宿」の代表格としてあげられただけのことはあります。宿の雰囲気、接客からパンフに至るまで、アップスケール秘湯宿としてのコンセプトが貫かれているのは見事。パンフコピーの「新・秘湯伝説」は??ですが ^^;;)

浴場は4階と川沿いにありますが、当日は4階のみの開放で、男性は内湯(桧香の湯)のみ、女性は内湯(石風の湯)と渓流野天(望渓の湯)が日帰り可能でした。

総檜造りの桧香の湯は、大浴槽(樹齢2千年の古代檜造、20人以上)と、ジャグジー槽(同、5.6人)の2つ。天窓のある明るい浴室。広い窓からは早川の渓谷と山々の緑が見事です。カラン8、アメニティ類(タオル以外)は完備。平日13時で贅沢にも男湯2人〜独占でした。

大浴槽は檜の湯口から50L/minほどを滔々と投入しており飲泉可。ほとんど無味ながらなぜかとても美味。(群馬湯宿に似た喉ごしのいいお湯です)湯上がり処にも源泉使用の冷水器がありますが、やや薬味が強く、湯口の方が美味しいような。湯船からは透明なお湯が惜しげもなくあふれ出しています。ジャグジー槽には底面吸湯あり。

お湯は、無色透明、微重曹味、無臭。上品な感じのお湯で、硫酸塩泉らしいキシキシ感がありますが弱く、それほど印象に残る浴感はありませんでした。宿の雰囲気、ロケーション、接客なとどあわせて味わうお湯のような気がします。魅力のある宿ですが、なかなかのお値段で、金欠うつぼ家にはハードル高すぎです ^^)

桧香の湯(目湯):含塩化土類ぼう硝泉 46℃、pH=9.1、湧出量・成分総計不明、Na^+=283.7mg/kg、Ca^2+=160.4、Fe^2+=3.870、Cl^-=220.9、SO_4^2-=514.9、HCO_3^-=164.2 炭素イオン(炭酸イオン?)=43.08 <S55.4.10分析>

望渓の湯(御殿湯):含塩化土類ぼう硝泉 45℃、pH=9.0、60L/min、成分総計不明、Na^+=235.3mg/kg、Ca^2+=106.1、Fe^2+=0.029、Cl^-=200.6、SO_4^2-=432.1、HCO_3^-=50.01 <S55.4.10分析>


慶雲館の外観


慶雲館「石風の湯」

慶雲館「桧香の湯」

慶雲館「望渓の湯」


■奈良田温泉 「白根館」

(山梨県早川町、時間要問合せ、1,000円、0556-48-2770)
http://www.salps.net/user/shiranekan/
みしゅらん:http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/narata/narata.htm

西山から3q強で秘境奈良田に到着。すぐさま名湯の誉れ高い白根館へ突入です。慶雲館より素朴な感じのある木造の宿で、日本秘湯を守る会会員宿です。詳細は、みしゅらんを...。浴場は男女別の内湯と露天がそれぞれあり、交代制のようです。平日14時で男湯4人〜独占。内湯と露天では泉質浴感が全然違います。

<内湯>
総檜造りの湯船は仕切があり、湯口側(2.3人)は適温、端側(4.5人)はややぬる目。カラン3、シャンプーあり、ドライヤーなし。木の湯口(飲泉可)から15L/min程度を湯口側に投入し、端側に流し込みでオーバーフローの源泉かけ流し。ですが、男湯は端側が半分位しか溜まっておらず残念。女湯はオーバーフロー。無色透明、弱塩味石膏味ほぼ無臭のヌルすべで、あとをひく感じのなかなかいいお湯です。

七不思議の湯:Na-塩化物・炭酸水素塩泉 41.1℃、pH=8.55、46.2L/min動力、成分総計=1977mg/kg、Na^+=611.0mg/kg (96.65mval%)、Fe^2+=0.2、F^-=8.0、Cl^-=684.3 (67.65)、HCO_3^-=476.6 (27.38)、CO_3^2-=24.0、陽イオン計=939.4 (27.50mval)、陰イオン計=1202 (28.53mval)、遊離炭酸=96.7 <S60.9.19分析>

<露天>
屋根掛けのある岩造り5.6人。女湯露天は木造り長方形5.6人。ともに洗い場なし。観音様の足元の岩組みから投入でこちらも飲泉可。湯口まわりは、灰色、黄色、褐色の複雑な変色があります。浴槽端からオーバーフローの源泉かけ流し。

お湯は、淡黄色薄い濁りで銀色の針状の浮遊物が目立ちます。それで銀河の湯?(なワケないか... ^^))
たまご味+塩味+苦味で明瞭な硫化水素臭。肌にまとわりつくようなヌルすべ感が際だってます。攻めてくるような重厚な浴感はうつぼ好みで、これは今回のベスト賞かと...。総硫黄1.4mg/kgに過ぎないのに、この硫化水素臭は何事? ^^) あたりのやわらかな硫化水素臭のお湯は、日光湯元を連想させるものがありました。

さて。。この濃厚なお湯をじっくり味わおうとしたら、突如、大雷雨が来襲。しばらく粘ってましたが、軒先からの大量の雨だれと雷の至近弾をくらい泣く泣く退散となりました (TT)(東京大雷雨の金曜です)

銀河の湯:Na-塩化物泉 51.6℃、pH=8.1、69.1L/min動力揚湯、成分総計=4430mg/kg、Na^+=1579mg/kg (95.97mval%)、Li^+=8.4、Fe^2+=0.2、F^-=11.6、Cl^-=2366 (92.45)、HS^-=0.7、チオ硫酸イオン=0.7、HCO_3^-=285.3 (6.48)、CO_3^2-=4.2、陽イオン計=1634 (71.56mval)、陰イオン計=2669 (72.20mval)、メタほう酸=92.3、遊離炭酸=3.9、硫化水素=---- <H9.10.13分析>


白根館の内湯

白根館の木造露天

白根館の岩造露天




■奈良田の里温泉(女帝の湯)

(山梨県早川町、400円、0556-48-2552)
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/H-KANKO/NARADA/naradayu.html

白根館からすぐの日帰り施設ですが、源泉は別で温泉名も違います。女帝の湯は、奈良時代、奈良田の地に行幸されたという女帝孝謙天皇にちなむもの。めがねさんのレポもありますね。

南アルプス街道沿いにPありますが、そこからけっこう坂を登った高台にあります。寺院を思わせる重厚な建物はなかなか趣があります。けっこう広い広間と小さな食事処。広間休憩は1,650円でこれは納得いかないです。広間のひとつは、利用者なく閉鎖してました。でも入浴のみ者には全然居場所がない。なんざんしょ ^^;)
母屋から廊下を渡ると別棟の浴場(男女別内湯のみ)。平日15時で男湯10人近く、登山客も多くてなかなかの盛況。

「白根館」の内湯に似たつくりの総木造りの湯屋は、深山の秘湯の雰囲気。高温槽(檜造、3.4人)と低温槽(同、7.8人)の2つが隣接しています。カラン3、シャワーあり、ドライヤーなし。カランも温泉です。石の湯口(飲泉可)から高温槽に投入で低温槽に流し込み、オーバーフローの源泉かけ流し。当然、高温槽の方がお湯は新鮮です。

お湯は無色透明(低温槽は微白濁で灰色の浮遊物)、たまご味+石膏味で弱イオウ臭。ヌルすべでとろみのあるお湯はすこぶる入り心地がよく、浴後に爽快感が広がります。「白根館」の銀河の湯を薄口にして入りやすくした感じで、ここも名湯かと...。隣接して、山岳写真家白旗史郎氏の写真館や歴史民俗資料館もあります。

Na-塩化物・炭酸水素塩泉 42℃、pH=8.6、40L/min自噴、成分総計=1.597g/kg、Na^+=512.3mg/kg (95.46mval%)、NH^4+=13.2、Fe^2+=0.1、F^-=4.6、Cl^-=571.6 (68.42)、HS^-=1.1、HCO_3^-=410.1 (28.52)、CO_3^2-=12.4、陽イオン計=536.4 (23.34mval)、陰イオン計=1002 (23.56mval)、メタほう酸=12.4 <S60.9.19分析>

めがねさんが湧出量40L/minのかけ流しに疑問を呈していましたが、湯口の湯量はさほど多くなく(20L/minいってない)、カランの吐湯量も少ないので、40L/minを目一杯使い切っている感じでは?


奈良田の里温泉の外観

奈良田の里温泉の浴場入口

奈良田の里


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