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山梨の湯巡り3 [2] byうつぼ


■七面山温泉 「ひのや旅館本館」

(山梨県早川町、時間要問合せ、500円、0556-45-2531)
http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~kyonan12/hayakawa/hayakawa_gyouji_all.htm

身延の霊山、七面山の登山口=門前町にある宿のお湯。 県道37南アルプス街道の早川町役場の1qほど手前を左手に数百m入ったところです。 まわりには団体バスが何台も入り、白装束の七面山参拝客であふれてました。

お土産屋風の軒先は、お土産?を買う参拝客でごった返し。 こりゃダメだな!と思いながらも、ダメもとで入浴をお願いすると...。 奥に「おばあちゃん、風呂大丈夫?」と聞いており、OKとのこと。ラッキー! おばあちゃんは、電源(ボイラーの?)付けっぱなしにしちゃったので熱いかもといいながら、奥の浴室の場所を教えてくれました。

浴室は内湯1(岩+コンクリ?造円形、5.6人)のみで男女交代制。 入り口に男(女)入浴中の札をかけて入ります。 窓は広く明るいですが、浴槽まわりにはシダ?が生えており、緑白色の一風変わったコンクリ?浴槽と相まって独特の雰囲気。 お湯はやはりかなり熱かったです。浴槽内数ヶ所から注入で吸湯もありたぶん循環。 浴槽の上にカランが2つありましたが、チェックし忘れました。 カラン5位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。平日12時で独占でした。

お湯は、無色透明、細かな白い浮遊物あり。無味でわずかに渋めの硫化水素臭があります。 弱いヌルすべがありますが、さほど特徴のある浴感ではありません。 でも、かなりの熱湯だったのに、浴後すぐに爽快感が出ました。

成分的に面白そうなお湯ですが、湧出量が少ないので循環?はやむなしでしょう。 総硫黄=8.6mg/kgですが、加熱循環ではやはりイオウ臭も飛んでしまうのでしょうか? でも、さっぱり感のあるお湯は、登山や参拝の後にはとても有り難いものかと思います。 なお、別館もあってそちらにも温泉浴槽があるようです。

単純硫黄冷鉱泉 10.7℃、pH=7.4、3L/min、成分総計=567.1mg/kg
Na^+=30.8mg/kg (18.85mval%)、Ca^2+=96.6 (67.79)、Fe^2+=0.7、
Cl^-=2.0 (0.87)、HS^-=5.7、チオ硫酸イオン=0.3、SO_4^2-=138.2 (41.74)、HCO_3^-=230.8 (54.78)、
陽イオン計=140.6 (7.11mval)、陰イオン計=377.0 (6.90mval) 
遊離炭酸=15.5、硫化水素=2.6 <S55.6.27分析>


七面山温泉の外観


七面山温泉の浴室


■保川温泉「旅館橋本」

(山梨県早川町、時間要問合せ、500円、0556-45-2303)

南アルプス街道沿いにある、明治期に富士川舟運の船宿として開業した歴史ある湯宿。 カーブを曲がると唐突に現れるので要注意、Pは道をはさんだ反対側にあります。道路からは狭そうに見えますが、和風庭園に囲まれ懐は深いです。 豪華さはないですが、和風の落ちついた佇まい。清掃も行き届いた居心地の良さそうな宿です。

電話せずに飛び込んだのですが、先客に団体があり取り込んでいたようで、少しお待ちいただけるなら...と、わざわざ2つの浴室を準備してくださいました。 やはり事前TELはいるなと反省しきり。けっこう若い女将さんはとても感じのいい方で、風呂上がりにいれていただいた冷たい麦茶がとても美味しかったです。 温泉については、泉温の低さと湯量の少なさを残念がられてましたが、複雑な成分ながら塩分の少ない珍しい泉質である旨話すと驚いておられた様子。

浴室は大小2つあり、当日の宿泊客の男女比で振り当てているようです。 平日12時で独占状態、もちろん両方入浴しました。大浴室は、内湯(タイル造、6.7人)のみでカラン5、シャワー・シャンプーあり。 石の湯口から15L/min程を投入、隣りに塩ビパイプがあって冷たい源泉が少量注がれています。 底面吸湯×2があり循環とのこと。 小浴室は、内湯(タイル造、1人)で石の湯口から投入、底面吸湯でこちらも循環。

お湯は、無色透明、源泉パイプは弱苦味、弱石膏臭。キシキシとした引っかかる浴感。 浴後すぐはぺとぺとしっとり&温まり感が強いですがすぐに爽快感に変わる、分析表データを裏切らない何とも複雑なお湯です。
それにしても塩類泉なのに、Na^+=7.4mg/kg (1.66mval%)、Cl^-=0.7 (0.10)とは、驚くべき食塩の少なさです。Mg^2+=40.54mval%も首都圏では稀少では?

近くに保川渓谷もある景勝の地で、ゆっくり過ごすにはとてもいい宿かと。 常連客が多いというのもうなづけます。

Ca・Mg-硫酸塩・炭酸水素塩泉(旧泉質:含重炭酸土類−石膏泉)
12.2℃、pH=7.1、13.3L/min自然湧出、成分総計=1.426g/kg、
Na^+=7.4mg/kg (1.66mval%)、Mg^2+=95.0 (40.54)、Ca^2+=221.6 (57.34)、Fe^2+=0.2、
Cl^-=0.7 (0.10)、SO_4^2-=667.7 (72.55)、HCO_3^-=318.9 (27.30)、
陽イオン計=326.9 (19.29mval)、陰イオン計=987.5 (19.16mval) 遊離炭酸=86.4 <H9.1.22分析>


保川温泉の外観

保川温泉の主浴室

保川温泉の小浴室


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