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山梨の湯巡り10 [4] byうつぼ

■塩沢温泉「信甲・館」

(北社市(旧白州町)、時間要問合せ、500円、0266-64-2750)
http://www.spa.or.jp/shisetu/shinkoukan/yado.htm

山梨の湯巡り4でレポした「フォッサ・マグナの湯」のとなりにある温泉旅館。”湯づかいがいい”という情報があったので行ってみました。めがねさんのレポあり。

内湯と近年増設された露天があり、ともに男女別でハダカ移動不可。無人だった露天から入りました。予想以上に広い露天で、加熱槽(岩組石敷7.8人)と源泉槽(同、2人、ぬる湯、湯口にコップあり)があり、加温槽は塩ビ、源泉槽は竹の湯口から投入し、槽内排湯は不明ですが加熱槽の端から流し出しあり。全体にコケ?が出て、緑っぽい浴槽になっています。

独占だし、ゆっくり入れそうだな〜と思いきや、そこらじゅうにアブが群れています。ここのアブは小型ながらいたって凶暴で、顔面を狙って盛んに急降下爆撃を仕掛けてきます。ハエ叩き片手に応戦し、10匹は撃墜しましたが、あとからあとから援軍が来るのでついにたまりかねて撤収 (^^;

で、お湯の感じは正直よくわかりませんでしたが、源泉槽の湯口にはたまご味+弱塩味としぶ焦げがかった甘いイオウ臭がありました。

こぢんまりとした内湯は、加熱槽(みかげ石枠タイル貼4.5人)に源泉槽(同1人、ぬる湯)という構成で、こちらにも源泉槽の湯口にはコップがおいてありました。カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜15時で男湯独占〜2人と空いていました。

加熱槽は、ライオンの湯口から熱湯を投入で槽内注排湯は不明ですがオーバーフローと加熱槽への流し出しあり。源泉槽は、ライオンの湯口からぬる湯を少量投入で、たぶん槽内注排湯はなく全量オーバーフローのかけ流し。

やはり源泉槽(とくに内湯)のお湯が逸品です。やや青みがかって微濁したぬるめのお湯には、少ないながら白い湯の花がただよいます。(加熱槽にはうす茶の浮遊物) イオウ系のたまご味+微塩味にしぶ焦げがかった甘いイオウ臭が明瞭。ヌルすべとキシキシが入りまじりとろみも感じられる存在感のあるお湯は、すこぶる入り心地のいい長湯仕様。ほどよく温まりますが浴後には爽快感が出てきます。

「フォッサ・マグナの湯」とは分析書データが同じなので同一源泉と思われますが、「フォッサ・マグナの湯」の寝湯にあったアワつきはここでは見られませんでした。内湯・露天ともかなり贅沢な湯づかいをしていますが、分析書記載の湧出量*は5.23L/min。これを「フォッサ・マグナの湯」と2軒で分け合っているとはとても思えません。

「フォッサ・マグナの湯」の脱衣所の分析書(S59.7.18分析)には「87.2L/min自噴」、パンフには「自噴時87L/min、動力使用時200L/min」とあり、T教授の解説では新旧の2源泉あり、旧源泉は自然湧出のH2S臭が強い単純温泉(「旧塩沢温泉源泉」)とのことなので、実際にはかなり潤沢な湯量があるのかもしれません。
なお、パンフによると、塩沢温泉の開湯は明治7年にさかのぼり、地元では「『ショザーの湯』としてありがたがられてきた」とのことです。

これで塩沢温泉は2軒とも入りました。どちらもいいお湯なので、気分に応じて使い分けできる質の高い温泉地だと思います。

Na・Ca-塩化物泉 32.8℃、pH=9.95、5.23L/min*、成分総計=2843mg/kg、Na^+=808.1mg/kg (71.8mval%)、NH4^+=9.5、Ca^2+=260.3 (26.6)、Cl^-=1667 (96.1)、HS^-=0.8、CO_3^2-=24.0、陽イオン計=1084 (48.93mval)、陰イオン計=1759 (48.93mval)、硫化水素=---- <S59.7.30分析>

〔2004年8月レポ〕


「信・甲館」の外観

「信・甲館」の男湯

「信・甲館」の露天


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