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栃木西部の湯巡り2奥鬼怒4湯 [13] byうつぼ


■小滝鉱泉「小滝鉱泉旅館」

(矢板市、9:00〜17:00、500円、0287-43-0941)
http://www11.ocn.ne.jp/~kotaki07/index.html.htm

矢板市西部〜塩谷町にかけての八方ヶ原南麓には、小滝、赤滝、寺山、鳥羽ノ湯(日帰り不可)などの一軒宿が点在しています。今回、日帰りできる小滝、赤滝、寺山をまとめて攻める予定でしたが、千本松のアブラ臭にはまりついつい長湯してしまったので、寺山は時間切れロストに。

矢板から八方ヶ原へ向かう県道56下塩原矢板線を走り、看板に従って左手の細い山道に入ります。舗装が切れてしばらく行くと赤滝鉱泉との分岐があり、小滝は左折、赤滝は直進します。小滝はここから中川の深い渓谷に向けて、ひたすら急カーブのダートを下っていきます。最後のほうは急坂急カーブの荒れた道となるので要注意。急坂を下りきると中川の渓流沿いに思いのほか綺麗な一軒宿がみえてきます。これが小滝鉱泉です。

古い歴史をもつ老舗で、5年ほど前に改装され、よく手入れされた小綺麗な館内。男女別のこぢんまりとした浴室は石造4.5人の内湯のみとシンプル。広めの窓からは紅葉の山々が望めました。カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜15時で独占。

湯口はなく、底面注入のみで側面吸湯あり。最初に入ったときだけオーバーフローがありました。HPには「鉱泉は沸かし湯・循環です」と明快に記載されています。浴槽の上部に蛇口がふたつありましたが、カランは外されていました。ほぼ適温のお湯は、うす緑褐色で透明度60cmくらいのささにごり。味不明で鮮度を感じさせる貝汁系の鉄臭があります。

規定泉ながら硫酸塩泉的なキシキシ感が強く、肌に染み入るような入り応えのあるお湯は伊香保を薄くしたようなイメージで、群馬の総社鉱泉にも似ています。浴後は肌がしっとりと落ち着くなかなかにいいお湯です。 それにしても、湧出量の少ない冷鉱泉沸かし循環湯でこの鮮度感は奇跡的。

浴後にオーナー夫妻と少し話しをしました。源泉は裏手の山肌から染み出してくるもの。改装時に直焚きをやめ熱交換を導入するなど湯づかいの改善をしたら、以前は赤茶色だったお湯がいまのような緑がかった落ち着いた色になったとのこと。お湯の鮮度はあがっているが、”赤湯”の印象が強い常連さんから「成分が薄くなっているんじゃないか?」と云われるのが悩み、と笑っておられました。

HPはよくできていて、温泉分析書も掲載され、成分毎にコメントが付されています。なお、温泉名の由来となる”小滝”は宿のすぐ上手にありますが、近年崩壊があって小さくなってしまったとのことです。静かで居ごこちのよさそうなお宿なので、渋いお湯を泊まりでじっくりと楽しむのもいいのではないでしょうか。

規定泉(総鉄イオン・メタけい酸)(Al・Ca-SO4型) 14.8℃、pH=3.03*、2.15L/min*自然湧出、成分総計=0.888g/kg、H^+=0.8mg/kg、Na^+=9.2 (3.22mval%)、Ca^2+=69.5 (27.86)、Mg^2+=14.5 (9.60)、Al^3+=52.3 (46.79)、Fe^2+=3.3、Fe^3+=8.0、Cl^-=10.3 (2.51)、HSO_4^-=14.3、SO_4^2-=534.1 (96.17)、陽イオン計=164.9 (12.44mval)、陰イオン計=558.8 (11.56mval)、メタけい酸=163.9 <H13.9.5分析>
*)H16年調査時数値


「小滝鉱泉旅館」の外観


「小滝鉱泉旅館」の男湯


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