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栃木西部の湯巡り2奥鬼怒4湯 [7] byうつぼ


■手白沢温泉「手白澤温泉」

(栗山村、日帰り入浴不可、0288-96-0156)
http://www.teshirosawa.co.jp/

鬼怒川支流手白沢沿いにある一軒宿で、奥鬼怒4湯のなかでは唯一日帰り不可なのでここに泊まりました。(オフ会幹事さんが春頃から予約していました。感謝。)

ふつうは加仁湯経由のアプローチとなり、ブナ平経由の遊歩道か手白沢林道経由。当日は前者をチョイス。ブナ林のなかの気持ちのいい山道を40分ほど歩くと標高約1,500mの高所にある宿に到着です。以前は素朴な山の宿だったそうですが、'97年に改築リニューアル。手白沢の渓流を前景に広葉樹の林を背負う瀟洒な建物は、すばらしい佇まいをみせています。

温泉を利用した床暖房も完備していますが、テレビはありません。女性好みの意匠が凝らされ、料理は和洋折衷の創作料理風。松田教授のいわれる”新・秘湯の宿”の範疇に入るかと。部屋数はわずかに6しかなく、紅葉時期の土曜につき当然全館満室。ほとんどが年輩の女性グループで、”新・秘湯の宿”がどういう客層に支持されているかを実感。

天井の高いモダンな廊下の奥に男女別の浴場があります。対岸の山肌を望む窓の広い明るい浴室に、石枠タイル貼15人くらいの浴槽をシンプルに配置。石の湯口から50L/minほども投入で浴槽端の上面排湯口からの流し出し。槽内注排湯はなくかけ流しでしょう。洗い場2、カランはなく、壁から突き出た石の湯口から木臼に源泉がドコドコと惜しげもなく注がれています。シャンプーあり、ドライヤー貸し出しあり。当日の泊まり客はほとんど女性だったので、男湯は贅沢にも我々だけで独占状態でした。

露天はすばらしいロケーションです。すぐ目の前を流れ下る手白沢の源流方向に根名草山(2329.7m)の荒々しい山容が印象的。周囲はまさに紅葉の盛り。これほど開放感あふれ絵になる露天もめずらしいです。深山の一軒宿ゆえ、露天から仰ぐ星空もすばらしく、この掲示板の常連さんが見事な星空の写真を撮られてました。

岩組タイル敷12人以上の浴槽に、クリーム色の硫黄系の析出の出た木樋の湯口から30L/minほどを投入で、湯面に突き出た排湯パイプから排湯。こちらも槽内注排湯はなくかけ流しかと。

お湯は内湯でやや熱め、露天でややぬるめ。とくに内湯の鮮度感は抜群です。かすかに青味がかって白濁したお湯には、白い湯の花が盛大に舞っています。たまご味+微重曹味に弱しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭。ヌルツルはほとんどないですが、とてもやわらかで湯ざわりのいいお湯です。清涼感のある絶品の温泉臭と湯あがり涼やかな上品な浴後感は、高峰や稲子湯など信州の山の湯に近いものを感じました。

宿泊料金もさほど安くはなく予約も取りにくいので、奥鬼怒4湯のなかでは最も入浴難易度の高いお湯ですが、泊まる価値は充分にあるかと思いました。女夫渕までナワバリにしている”クロ”という賢い温泉犬もいます ^^)

<兵次郎の湯>
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Na-HCO3・SO4型) 52.2℃、pH=6.9、湧出量不明*、成分総計=624mg/kg、Na^+=103.1mg/kg、Ca^2+=21.7、Cl^-=3.1、HS^-=2.6、SO_4^2-=92.5、HCO_3^-=210.4、陽イオン計=130.4、陰イオン計=309.5、メタけい酸=131.5、メタほう酸=7.7、硫化水素=3.7 <H9.5.8分析>
*)自噴で300L/minほどあるらしいです。


林のなかにある「手白澤温泉」


「手白澤温泉」の露天


「手白澤温泉」の内湯


源泉ザコザコの洗い場


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