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栃木西部の湯巡り2奥鬼怒4湯 [6] byうつぼ


■日光沢温泉

(栗山村、9:00〜15:00(時間確認必須)、500円、0288-96-0316)

加仁湯から沢沿いをさらに15分ほど遡ると、鬼怒川本流最奥の日光沢温泉です。鬼怒川本流と支流の日光沢が合流する二股の少し山手にあります。高層湿原として名高い鬼怒沼をはじめ、根名草山・温泉ガ岳、湯沢峠越え丸沼方面などへの登山基地でもあります。

奥鬼怒4湯のなかでは最も情報がとりにくくマスコミ露出もすくないお湯で、素朴で飾り気のない山小屋然とした外観は好感がもてます。別棟の湯小屋内に内湯と、そのよこに露天(混浴)がふたつあり日帰りでは露天のみ入浴可。露天は上段と下段にわかれていて階段経由なのでハダカ移動はちょっときびしいかと。アメニティ類はなし、土曜午後で2〜5人程度。

上段露天は、超開放的な脱衣所の向こうにあって、絵柄の入った大判のタイルが敷きつめられた感じのよいもの(6.7人)。パイプ2系統からの投入で、どちらのパイプも析出&変色があり、手前はクリーム色の析出+茶変、奥のは茶色がかった析出。槽内注排湯はみあたらず、手前上面切り欠きからの流し出しはたぶんかけ流し。

無色透明のお湯はかなりぬるめで長湯向き。奥の湯口では弱酸味+微収斂味+僅微金気味、手前では微金気味があって、ともに弱いながらおだやかな温泉臭。この2系統のパイプはそれぞれ別源泉かと思います。浴感はすばらしいもので、入ったとたんに包み込まれるようなやさしい湯ざわりがあり、出たくなくなります。

下段露天は、コンクリ?造10人以上、パイプ3本からの投入でにごり湯につき槽内注排湯は不明ですがたぶんなく、浴槽端の上面排湯口からの流し出しはかけ流しでしょう。排湯の流路はクリーム色の硫黄の湯の花と緑色のコケに彩られ、湯場の雰囲気を高めています。パイプのうち1本は、浴槽脇の湯だめのお湯を流し込んでいますが、この湯だめの奥の岩間からは熱めの源泉?が湧出していました。

ほぼ適温のお湯は、透明度40cmくらいの乳白色にごり湯で白い湯の花がただよっています。弱たまご味にしぶ焦げイオウ臭で、八丁の湯より硫黄成分が濃く、加仁湯よりは薄いイメージ。鮮度感がすこぶる高いので、入っていてとても気持ちがいいです。見上げると澄み切った青空を背景にして対岸の山肌の紅葉が見事。じつに贅沢な紅葉露天です。

分析書はゲットできず泉質不明ですが、古いガイドでは含硫黄-Na-塩化物・炭酸水素塩泉70〜80℃とあり、別冊宝島の「本物の温泉ここが一番!」には、含食塩重曹硫化水素泉71℃、上段露天については「緑ばん明ばん泉らしい」というコメントがあります。上段露天はそれほど鉄分を含んでいるようには思えませんでしたが、酸性寄りの硫酸塩泉系の泉質かと思います。

深山の雰囲気あふれるなかで、個性の異なるふたつの上質湯を楽しめるのはとても贅沢。内湯は白濁の硫化水素泉らしく、これが下段露天と同一源泉かは不明ですが、佇まいはみるからによさげなものなので、一度は泊まって入浴してみたいと思います。


日光沢温泉の外観


日光沢温泉の上段露天


日光沢温泉の下段露天

 



(12月7日やませみさんからコメント)

>うつぼさん
昭和60年9月の調査資料ですがご参考まで。

 日光沢源泉
  S−Na−Cl 63.8℃ pH=6.1 6 L/min 自然湧出(露天横)
   Na=650 K=40.4 Mg=4.4 Ca=49.0
   Cl=910 SO4=62.5 HCO3=339
   SiO2=117 B=19 CO2=267 H2S=9.7

 日光沢E源泉
  Na−Cl・HCO3 50.8℃ pH=6.4 19 L/min 掘削43m自噴(上流150m)
   Na=314 K=16.7 Mg=10.4 Ca=32.2 Fe=0.24
   Cl=315 SO4=22.0 HCO3=423
   SiO2=110 B=7.4 CO2=167

 日光沢千枚岩源泉
  Na−Cl・HCO3 46.0℃ pH=7.0 25 L/min 掘削75m自噴(上流250m)
   Na=253 K=12.3 Mg=7.1 Ca=19.6 Fe=0.1
   Cl=240 SO4=17.7 HCO3=345
   SiO2=96 B=4.8 CO2=43


( うつぼよりレス)

>やませみさん
日光沢温泉の分析資料ありがとうございました。
えっ?、中性ですか? しかも含重曹-食塩泉ですか・・・、てっきり酸性の硫酸塩泉型単純温泉だとふんでたんですが・・・。まだまだ修行がたりませぬ (^^;;



 


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