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東信の湯めぐり [4] byうつぼ



■布下温泉「木島荘」

(長野県東御市(旧北御牧村)、10:00〜22:00、300円、0268-67-3409)
http://www.ueda.ne.jp/~kijimasou/

ポリバスながらお湯はいいということで気になっていたところです。しなの鉄道「滋野」駅と県道40を結ぶ裏道からさらに入ったところにあり、場所はかなり判りにくいです。千曲川の河畔、烏帽子岳や湯ノ丸連峰を望む小高い場所にポツンとあるこぢんまりとした温泉民宿。回数券もあって日帰りの受け入れに積極的なようです。

男女別の浴室には、3人位入れるFRP(ポリ)浴槽がひとつ。山の眺めが楽しめる明るい浴室です。カラン(たぶん温泉)3、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。日曜17時で独占。浴室はかなり狭いので混み合うと落ち着かないでしょうが、独占できたので快適。

壁から突き出た金属パイプの湯口からぬるめのお湯を20L/minほどの投入で、オーバーフローがありますが、底面注入&側面吸湯があるので加熱目的の半循環でしょう。(帰りに確認したところパイプは源泉とのこと)底面注入は浴槽の端(湯口から遠い)にあり、湯口のそばからもオーバーフローしていくので湯口付近のお湯の鮮度はかなり保たれています。

やや黄褐色がかった透明のお湯にはこまかな気泡が流れていてなんとアワつきがあります。弱塩味弱重曹味でほぼ無臭。重曹分が良く出ている味ですがSO4と拮抗しているためかあまりツルすべは感じられません。でも、アワつきによるヌルすべは楽しめ、食塩泉らしい温まり感もあります。

浴槽は無粋ですがお湯はなかなか良く、半循環のわりに鮮度感が保たれているのには感心しました。女将も親切そうな方なので、近くに行ったときには寄ってみる価値は十分にあると思います。

Na-塩化物温泉 36.2℃、pH=8.2、湧出量不明、成分総計=1278mg/kg、Na^+=396.2mg/kg (93.66mval%)、Ca^2+=17.3 (4.69)、Cl^-=462.4 (70.31)、SO_4^2-=110.9 (12.45)、HCO_3^-=187.0 (16.53)、陽イオン計=423.8 (18.40mval)、陰イオン計=764.0 (18.55mval)、メタけい酸=86.6 <S58.6.20分析>



「木島荘」の外観

「木島荘」の男湯



■立科温泉「権現の湯」

(長野県立科町、10:00〜22:00、400円、0267-56-0606)
http://www.town.tateshina.nagano.jp/onsen/onsen.htm

最後に病気が出て ^^; アブラ臭が嗅ぎたくなり、以前入って面白いアブラ臭が記憶に残っているここにしました。権現山公園という整備された公園に隣接する典型的なセンター系の人気施設。Pが少ないので駐車待ちの車あり。高台にあって、蓼科連峰、浅間山に遠く北アルプスの展望も楽しめます。ここはファミリー層が多く繁盛しています。センター系施設のなかでもかなり成功している部類では? めがねさんのレポあり。

浴場は男女別のメイン浴場と福祉風呂。メイン浴場は広くて内湯(みかげ石造タイル貼25人以上)、ジャグジー槽(湯色からみて真湯か?)、サウナ、水風呂に露天(岩枠石貼6.7人)。カラン17(一部セパレート型)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜18時で20人以上と盛況。

内湯は、みかげ石の湯口から大量投入+底面大量注入に底面吸湯+窓側側溝への上面排湯の循環仕様。展望のいい露天は、岩の湯口から投入で槽内注排湯は不明ですがオーバーフローなく、なまった感じのお湯で感心しませんでした。

適温のお湯は、うすく緑黄色がかった透明で弱塩味がありますが成分濃度ほどの塩気は感じられず。臭いに特徴があり、貝汁臭+ライムの香りが入ったアブラ臭。露天はこれにカルキ臭が混じり何とも妙な臭いになっています (^^; 以前入ったときはもっとライム臭が強くて好ましいものだったのですが、今回は貝汁臭の方が前面に出ていました。

しかし、いったいこの臭いはなんなんでしょうか? ここはCu^2+=2.0で珍しい含銅泉(Cu^2+=1mg/kg以上)となっていますが、この特異な臭いに関係しているのかな? なお、総硫黄は0.4mg/kgありますが、イオウ気は感じられませんでした。

きもちツルすべがあってかなり温まるお湯で、塩味からみて希釈はあるかと思いますが成分総計=7039.4mg/kgの力のある源泉の片鱗は窺えます。それにしても内湯はなんぼなんでも広く造りすぎでは?ジャグジー槽は人気がないようなので、これを源泉槽にしてもらえるといいですね。

めがねさんも指摘されていましたが、くせものらしい個性あふれる源泉になんとか入ってみたいものです。施設の充実ぶりのわりに400円は安い。かなり混むのが難ですが、時間を見計らっていけばけっこう楽しめる良質な施設ではないでしょうか。

含銅-Na・Ca-塩化物泉 40.0℃、pH=7.4、湧出量不明、成分総計=7039.4mg/kg、Na^+=1671.0mg/kg (61.13mval%)、Ca^2+=860.9 (36.13)、Fe^2+=4.5、Cu^2+=2.0、Cl^-=4058.1 (96.27)、Br^-=7.1、I^-=8.5、HS^-=0.3、SO_4^2-=140.9、HCO_3^-=75.4、陽イオン計=2589.1 (118.90mval)、陰イオン計=4292.2 (118.90mval)、メタほう酸=32.8、硫化水素=0.1 <H8.8.9分析>

 


「権現の湯」のエントランス


「権現の湯」の男湯内湯

 

■信州八重原温泉「アートヴィレッジ明神館」

(長野県東御市(旧北御牧村)、10:00〜21:00、500円、0268-67-0001)
http://www.city.tomi.nagano.jp/midokoro/onsen/myoujinkan.html

「芸術むら公園」内にある宿泊施設が日帰り対応するもの。めがねさんのレポあり。
場所は異常にわかりにくく、県道41諏訪白樺湖小諸線を小諸から立科町方面に走ると出てくる看板を発見しなければ到達は難しいかも・・・。 小高い丘の上にある立派な公園のなかにコンクリ打ち放しのシャープな建物が現れます。館内も現代的なつくりで、さすが「芸術むら」の施設です。

男女別の浴室は、内湯(石枠タイル貼15人以上)と露天(同10人)。露天は浅間山の展望が素晴らしいそうですが、入ったときはもう真っ暗だったので見えませんでした。カラン6(少なすぎ)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜17時で宿泊客と地元客がまじり15〜20人と予想以上の大盛況。

伊豆石のうえに金属パイプが引き回されていたり、露天の床が冷え冷えとしたコンクリ打ち放しだったりで、なんとなくチグハグな感じのする浴場です。内湯は、石の湯口から投入で底面吸湯×2と窓側の側溝にわずかに流し出し。露天は、石の湯口から20L/minほどの投入&複数の底面吸湯でオーバーフローなし。いずれも吸湯の勢いが強く循環かと思います。(槽内注入は確認できず)

熱めのお湯は、きもち黄色がかった透明で弱塩味+苦味に石油系アブラ臭が湯面でも香ります。湯温のせいもありますがとてもあたたまるお湯で長湯できません。浴後には土類系特有のペトペト感が残ります。アブラ臭の食塩泉ですから、個人的には好みのお湯のハズなんですが、固い感じの迫ってくるような浴感と湯疲れするような感じがあって、どうもしっくりきませんでした。

それでも、温泉らしいしっかりとしたお湯ですから、地元では人気のお湯みたいです。「芸術むら公園」には他にもいろいろな施設があるので、ファミリーでのんびり過ごすにはいいところではないでしょうか。

Na-塩化物温泉 56.3℃、pH=7.62、湧出量不明、蒸発残留物=5532mg/kg、Na^+=1543mg/kg、Ca^2+=453.4、Fe^2+=1.6、Cl^-=3154、Br^-=10.2、I^-=3.1、HS^-=0.01、メタほう酸=5.0 <H4.9.8分析>


「アートヴィレッジ明神館」の外観

「アートヴィレッジ明神館」の男湯内湯

 

■布引観音温泉

(長野県東御市(旧北御牧村)、時間要問合せ、320円、0268-67-3434)
http://www.journal.co.jp/nagano-onsen/yadojyouhou/ff.karuizawa-ueda-komoro/fx.nunobikikan.html

「牛に引かれて善光寺参り」の説話で有名な布引観音の名を冠した温泉宿で、お湯は布引山の麓から湧いているそうです。めがねさんのレポあり。旅館というよりは日帰り施設のようなフロントで受付、すぐよこに暖簾がかかった男女別の浴室があります。

石造10人の浴槽と水風呂のシンプルな浴室は、天井が高く大きな共同浴場のような佇まい。 金属パイプから底に金網を張った木枠に10〜20L/min注がれ、金網には石ころのようなものが引っかかっているので、濾過なしの源泉かと思います。浴槽端の排湯樋に流し出しで槽内注排湯は見あたらないので、かけ流しかと・・・。カラン10、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。土曜16時で3〜6人。

うすく黄色がかった透明でかなり熱めのお湯には、茶色の浮遊物があります。無味無臭?(肌に鹿沢のこげ臭が残っていたので微妙な臭いは感知できず)かすかにツルすべがありとてもあたたまるお湯で、水風呂直行コース(冷温交互浴)が人気のようです。

浴感はさほど強くはないですが、温泉らしいきもちのいい湯ざわりのあるなかなかいいお湯で、浴後はすっきり感のでる上品なものです。浴室は無造作なつくりで新しくはありませんが、逆に味が出ていい感じ。客層も落ち着いているので、温泉好きには納得の一湯ではないでしょうか。

Na-塩化物温泉 47.0℃、pH=7.93、湧出量不明、蒸発残留物=1586mg/kg、Na^+=528.9mg/kg、Ca^2+=55.9、Fe^2+=0.18、Cl^-=814.5、HS^-=0.061、HCO_3^-=140.4、メタけい酸=60.2、メタほう酸=7.29 
<S59.7.16分析>


布引観音温泉の外観

布引観音温泉の男湯

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