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秩父の湯巡り [2] byうつぼ



■丸山鑛泉「花悦の湯」

(埼玉県横瀬町、10〜20時、600円(土日休700円)、0494-23-3439)
http://www.maruyama-kousen.co.jp/

横瀬から丸山方面に入る山道の道沿いにある鉱泉宿が、積極的に日帰り解放するもの。以前、秩父通いしていた頃に「満願の湯」「新木鉱泉」などとともによく行きました。内湯と別棟の露天があってどちらも男女別。内湯で受付します。

少し離れた露天は野趣あふれる木造の湯小屋で、全面屋根掛けされており半露天のイメージ。鬱蒼と木々が茂る谷間に臨み、開放感はないですが深山の隠れ湯のような落ち着いた雰囲気。浴槽は岩造り10人位、以前あった奥側の2.3人のスペースは埋められていました。カラン3。土曜11時で独占〜2人。

岩に仕込まれたパイプから熱湯とごく少量の冷水を投入で、谷側へ若干のオーバーフロー。他に冷水パイプがあって、周囲は黄土色に変色しているので、これも源泉かと...。

槽内注排湯は不明ですが、循環メインでは? でも、カルキ臭はなくやわらかなお湯です。かすかに黄色がかった透明で、黄土色のこまかい浮遊物の出たぬるめのお湯は、ほぼ無味無臭で特別な浴感は感じられませんが、浴後は温まります。

内湯は、大浴槽(石枠タイル貼10人)、熱湯槽(同3.4人)と露天(木造 3.4人)で、大浴槽と露天は薬湯。ゲンノショウコ、スイカズラ、ニワトコなど10余種類の薬草を使用しているそうで、薬湯臭のする肌触りやわらかなお湯はとても温まります。とくに露天は谷間を望む高台にあり、風通しよく気分がいいです。カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜11時で2〜3人。

熱湯槽は、石の湯口から大量投入でオーバーフローなく槽内注吸湯ありの循環仕様ですが、源泉と思われるパイプがあり少量の冷水が注がれています。お湯は、露天とほぼ同様ですが、かなり熱いので長湯できません。

ここは鉱泉ですが、玄関脇掲示の分析表によると「温泉水に近い鉱泉水」とのこと。料金が100円値上げとなりましたが、近場で秘湯の雰囲気を味わえるロケーションは優。こぢんまりとした休憩スペースもあるので、日々の疲れ解消に、のんびりじっくりと湯に浸かるのにいい施設かと思います。なお、露天は冬期閉鎖しますので要確認です。

鉱泉 泉温、pH、湧出量不明、
蒸発残容量=0.0396g/1000ml、Na^+=150(ppm)、Ca^2+=350、Mg^2+=174、Fe^2+=微量 
<分析年月日不明>

〔 2003/7/14 レポ 〕


丸山鑛泉露天の外観

丸山鑛泉男湯露天

男湯内湯の薬草風呂


■四季彩乃湯「ナチュラルファームシティ農園ホテル」

(秩父市、10〜21時、630円(土日休840円)、0494-22-2000)
http://www.farm-city.co.jp/

秩父市東側の丘の上にあるホテルが日帰り開放しています。浴室は別棟にあり、日帰り施設としての供用を配慮したつくり。余計な装飾のないすっきりとした館内は、どことなく”緑営グループ”の日帰り施設に似ています。

男女別の浴室は、内湯(みかげ石枠石貼7.8人、ジェット2付)、露天(鉄平石造3.4人)とサウナですが、やや狭苦しい雰囲気。でも、眼下に秩父市街を望むながめは圧巻で、お湯に浸かりながら展望が楽しめる秩父では貴重なロケです。

内湯は、石の湯口から20L/min程度を投入で槽内吸湯ありオーバーフローなしの循環仕様。露天は、石の湯口から10L/min程度を投入で側面注入&底面吸湯ありますが、若干のオーバーフローもあります。カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜13時で2〜5人。

適温のお湯は、かすかに黄色がかった透明で無味に弱いカルキ臭あり。残念ながら加熱循環でイオウ臭は飛んでしまっているようですが、それなりにヌルすべがあるので温泉らしい浴感は味わえます。お湯は明らかに露天の方がよく、内湯ではヌルすべもほとんど感じられなかったので、真湯かもしれません。

源泉は両神村大字簿字西腰にあり、ローリー輸送しているようですが、四季彩乃湯源泉に入れるのはこの施設だけかと思います。(源泉は自家所有しているようです)

規定泉のローリーではあまり贅沢もいえませんが、ここのレストランは長寿食に定評があるようで(今回はパス)、純粋にお湯を味わうというよりは食事や展望と併せて楽しむ施設のような気がします。休憩室からの展望も見事です。

規定泉(総硫黄(S)の項で温泉法の温泉に適応) 13.1℃、pH=9.3、10L/min自然湧出、成分総計=0.526g/kg、Na^+=157.7mg/kg (98.28mval%)、Cl^-=13.4 (0.14)、HS^-=1.0、SO_4^2-=60.7 (17.72)、HCO_3^-=181.8 (41.91)、CO_3^2-=72.6 (34.04)、チオ硫酸イオン=0.5、陽イオン計=160.0 (6.98mval)、陰イオン計=330.7 (7.11mval)、Fe=0.09、硫化水素=---- <H12.2.29分析>

〔 2003/7/16 レポ 〕


「農園ホテル」

「農園ホテル」の男湯内湯

「農園ホテル」の男湯露天
 



■秩父川端温泉「凡の湯」

(埼玉県秩父市、10〜22時、550円/制限なし、0494-62-0662)
http://www.sg-chichibu.co.jp/

黒谷和銅大橋北の荒川沿い、オートキャンプ場「スプラッシュガーデン」の日帰り施設。たしかONKEN21さんのレポがあったかと...。 ログハウス風のこぢんまりとした建物で、浴室は男女別石庭付きの半露天のみとシンプル。前回は手前、今回は奥の浴室でしたが、奥の方がゆったりとしています。ただし、こちらも前を流れる荒川の展望がきかないのは残念。

浴槽は鉄平石造5.6人の入りごこちのいいもの。岩の湯口から70L/minほども大量投入で、側溝にオーバーフローしていますが、浴槽水位で温調しているようなのでたぶん循環かと。カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜14時で独占〜3人。

適温のお湯は、かすかに黄色がかった透明で茶色の浮遊物。含硫黄重曹泉系の燻し臭でツルすべがあり、浴後は爽快感が出て後を引くなかなかのお湯ですが、鮮度感はいまひとつ。

なんといっても、ひとつだけある源泉カラン(シャワー付)のインパクトが凄いです。重曹味+たまご味+仄かな苦味にしぶ焦げを秘めた甘いイオウ臭の冷水は、まとわりつくような強烈なつるつるぬるぬるきときと感で石鹸いらず。桶に注ぐと泡立ち気泡で白濁します。

たぶんこれは1号泉で、重曹分とCO_3^2-とアルカリ性がトリプル効きしているかと...。それにしても、総硫黄=1.0mg/kgもいってないのに秩父でも有数のイオウ臭とは、よほど鮮度がいいのでしょうか。他のカラン(×4)はヌルすべはあるものの、イオウ臭はないので希釈か別源泉かと思います。

話し好きのオーナーは他の人と話し込んでいてほとんど話しできなかったので、当日の湯づかいは不明でした。やはり、秩父屈指の力のあるお湯かと思います。湧出量は少ないですが、新木鉱泉のように溜め式随意カラン投入の源泉槽があると最高なんですが..。

源泉は2本あります。
1号泉:Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 16.1℃、12L/min掘削揚湯、pH=:8.6、成分総計=3.119g/kg、Na^+=1077mg/kg (98.82mval%)、Fe^2+=0.5、Cl^-=1177 (68.79)、、HS^-=0.3、HCO_3^-=723.7 (24.58)、CO_3^2-=91.8 (6.34)、硫化水素=<0.1、メタほう酸=21.6 <H12.7.19分析>

2号泉:Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 16.5℃、11L/min掘削揚湯、pH=9.1、成分総計=1.567g/kg、Na^+=523.2mg/kg (99.04mval%)、Fe^2+=0.2、Cl^-=372.7 (45.36)、HS^-=0.9、HCO_3^-=488.7 (34.57)、CO_3^2-=121.8 (17.52)、硫化水素=<0.1、メタほう酸=15.6 <H12.7.19分析>

〔 2003/7/16 レポ 〕


凡の湯の玄関

凡の湯の浴槽

白く泡立つ源泉

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