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雪の松之山&秋山郷 [3] byうつぼ


■湯の沢(上野原)温泉「のよさの里 牧之の宿」

(長野県栄村、10:30〜19:00(冬期〜18:00)、300円、0257-67-2345)
http://www.tiara.or.jp/~noyosa

国道から少し入ったところにある宿泊施設+オートキャンプ場。すなっちさんのレポあり。

秋山郷を広く紹介した江戸後期の越後の文人、鈴木牧之にちなんで「当時の秋山郷の暮らしと文化を再現した宿泊施設」(パンフより)です。牧之の家本家と7戸の分家と露天風呂からなり、それぞれ渡り廊下で結ばれています。本家は中門造の風格あるもので、男女別の内湯はこのなかにあります。

内湯はみかげ石枠鉄平石貼4.5人。茶色の変色と石膏の析出の出た石の湯口から数L/min程度の投入で、槽内注排湯はなく全量オーバーフローのかけ流し。カラン3、シャワー・ドライヤーあり。日曜12時で独占。

やや熱めのお湯は、やや茶色がかった透明で白と茶色の浮遊物あり。ほぼ無味無臭。微量ながら硫黄成分を含んでいますがイオウ臭は感じられませんでした。ガツンとくるお湯ではないですが、硫酸塩泉らしいキシキシ感とやわらかで奥深い浴感のあるなかなかいいお湯は、和山に似たイメージ。

男女別の露天は岩枠石貼15人位の大きなもの。岩の湯口から大量投入でオーバーフローはなく側面吸湯を発見したので循環かも? お湯もなまってぬるい感じだったのでパス。露天はちょっと広くつくりすぎたかな? でも、ここからの鳥甲山の眺望はすばらしいものがありました。

内湯のお湯はおすすめですが、投入量が少ないので混み合う時季は鮮度が落ちてしまうかも。味わいのある建物から鳥甲山の絶景を心ゆくまで楽しめるナイスロケの宿です。

久しぶりに分析表がみつかりました (^^;
Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 58.9℃、pH=7.55、湧出量不明、蒸発残留物=1460mg/kg、Na^+=252.5、Ca^2+=206.5、Cl^-=330.9、HS^-=0.053、SO_4^2-=530.8、メタけい酸=68.0、メタほう酸=18.0、硫化水素=0.021 <S62.10.21分析>

 


「のよさの里 牧之の宿」の外観

「のよさの里」の男湯内湯

絶景の「のよさの里」の露天
 



■小赤沢温泉「楽養館」

(長野県栄村、10:00〜20:00(冬期〜18:00)、500円、0257-67-2297)
http://www.tiara.or.jp/~skousya/newpage2.html

真っ赤な濃厚湯で有名な村営の日帰り施設。今回とくに楽しみにしていたお湯です。昭和58年10月、44〜48℃、100L/minの温泉を掘り当ててクアハウスを造ったらしいです。山小屋風の総木造の建物で別棟に浴場があります。みしゅらん、めがねさんのレポあり。

男女別の浴場は、総木造で天井が高く明るい雰囲気。さほど古い施設ではないですが、適度に風合いが出ていい感じ。時間を経るにつれて風格が出てくるようなつくりは、出来たときはピカピカでもすぐに陳腐化してしまう一部のセンター系施設とは対照的です。

主浴槽(石枠底不明7.8人)、寝湯(同2人)、ジェット槽(1人、真湯)、打たせ湯(真湯)という構成。温泉浴槽はすべて分厚い赤茶色の析出(石灰華?)で芸術的にコーティングされています。

窓から突き出した金属パイプから投入。1分位休んでしばらく投入し5秒休んでブシュ!とすごい勢いで吹き出す規則的な間欠投入なので自噴では? 別に湯口風の岩の裏から樹脂製のホースが引かれていますが、何故かここからは何も出ていませんでした。(女湯はホースからの注入らしい)

主浴槽から寝湯への流し込み(というか、柱が1本渡されているだけなのでほとんど同じ浴槽)で槽内注排湯は不明ですが、寝湯の端の排湯溝からの排湯はかけ流しでは? 寝湯のお湯はぬるすぎでまったりとした感じだったのでほとんど主浴槽にいました。カラン4位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。日曜14時で贅沢にも独占〜5人。

かなりぬるめのお湯は、透明度1cm以下の赤茶色の濃〜いにごり湯。表面には炭酸カルシウムらしき白い結晶が浮いていて、湯中には赤茶色の浮遊物がみそ汁のように密度濃く渦巻いています。強塩味+苦味+炭酸味+金気味の個性的な味。

金気臭+ツンとくる炭酸臭があり、とくに湯口から勢いよく噴出したあとはむせるような炭酸臭がただよいます。嬉しくなり嗅ぎまくっていたら気持ち悪くなってきた(酸欠か?)ので要注意 (^^;

湯ざわりは鉄泉らしいキシキシしたもので、カラダの成分が入れ替わっていくような特異な濃度感があります。強食塩泉なのに何故か全然温まりませんが、浴後はやたらとのどが乾きます。めがねさんご指摘のとおりお湯のイメージは「白寿の湯」に似ていますがさらにクセモノのような感じ。使用位置44℃とのことですが、かなり温いので泉温が落ちてきているのかもしれません。

浴後肌がパサパサになるので美人の湯ではありません。また、よく洗い流さないと下着が赤茶に汚れてしまいます。真湯のジャグジー槽が置かれているのに納得。

硫酸塩泉系の淡泊なお湯が多い秋山郷のなかで、ここはこてこての個性を発揮し異彩を放ちまくっています。やはり屋敷とともこのエリアでは外せないお湯かと思います。とくにクセモノ好きにおすすめ ^^)

「一般療養泉基準の倍以上の濃度」というのがキャッチコピーのようですが、倍どころではないのでは?

含鉄(U)-Na・Ca-塩化物強塩温泉 45℃、pH不明、60L/min(HPより)、成分総計=2335.0(たぶん23,550の間違い)mg/kg、Na^+=5664.0mg/kg、Ca^2+=1829.0、Mg^2+=284.7、Fe^2+=32.66、Cl^-=11180.0、SO_4^2-=1202.0、HCO_3^-=1577.0、メタけい酸=131.9、メタほう酸=296.0、メタ亜ヒ酸=6.03、遊離炭酸=813.8 
<S59.1.5分析>
*かなり個性的なスペックです。メタ亜ヒ酸=6.03というのは初めてみました。

 


「楽養館」の外観

「楽養館」の男湯

「楽養館」の女湯

間欠的に出てきます

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