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雪の松之山&秋山郷 [2] byうつぼ


■屋敷温泉「秀清館」

(長野県栄村、時間要問合せ、500円、0257-67-2168)
http://web-nagano.jp/villsakae/ideyu/

秋山郷を代表する温泉旅館。めがねさんのレポあり。ここは日帰りTEL予約要とあったので、萌木の里の公衆電話からTELしたところ(秋山郷では携帯(au)はほとんど通じません)、OKということですぐさま突入しました。

看板に従って国道から外れ、中津川の橋を渡ってすぐ。道は悪くないです。狭い駐車場に車を停め、玄関へとのぼっていくとイオウ臭がしてびっくり。足元を融雪用の水が流れていますがこれが温泉で、ところどころイオウの析出で黄色く変色しています。

玄関から右手に進んだ奥に男女別の浴室があります。その手前の土間のオリにイタチ?が飼われていました。浴室の扉を開けるとイオウ臭が香り立ち嬉しくなります。中津川の河原を望む二面採光の明るい浴室。すのこの床がいい雰囲気です。手前が主浴槽(みかげ石枠コンクリ?造5.6人)で奥に寝湯(同1.2人、木枕あり)。

黄白色に変色した岩の湯口からかなりの量を投入で、湯口脇にはコップが置かれています。槽内注湯はなく、浴槽側面の穴からの排湯は源泉かけ流しかと。寝湯は白い析出の出た塩ビパイプからの投入で槽内排湯は不明。カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜15時で独占〜3人。

お湯はエメラルドグリーンのとても綺麗なもので、これが湯色によるものか浴槽の色によるものか不明ですが、たぶん緑色系の色味はあるかと思います。クリーム色の湯の花も漂っています。

主浴槽はやや熱め、寝湯はぬるめ(女湯はゲキ熱だったらしい)のお湯には、苦味+弱塩味+たまご味としぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭の複雑な味臭があり、とくに温泉臭は日光湯元や高峰を彷彿とさせる絶妙なもの。湯ざわりはとろみ感も感じられます。硫黄泉らしい温まり感の強いお湯ですが、浴後には爽快感が出てきます。

玄関脇にある露天風呂は雪に埋もれて閉鎖中でした。民宿「かじか荘」との共用でけっこう広そうですが、えらく開放的なところにあるので入浴はかなり気合いがいるかと・・・ ^^) 冬場は露天用のお湯を融雪用に回しているそうで、建物のまわりには冬ダネ(融雪用の池)がつくられ湯気があがっていました。

ここは、硫酸塩泉系の多い秋山郷では異色のお湯でしょう。秋山郷に来たら外せない名湯かと思います。温泉分析表の掲示がなかったのは残念。簡易掲示によると、含塩化土類硫化水素泉とのこと。総硫黄はどのくらいあるのでしょうか?

*長らく弘法大師に封じられたお湯として伝説だけが伝わっていたところ、昭和40年9月に突然湧出したお湯とのことです。(露天脱衣所の掲示より)

 


硫黄分で黄色くなった路面

「秀清館」の外観

手前が主浴槽

「秀清館」の男湯の湯口



■切明温泉「湯元雄川閣」

(長野県栄村、時間要問合せ、300円、0257-67-2252)
http://www.tiara.or.jp/~kiriake/

屋敷あたりから雪が本降りになってきたので、そろそろ宿に向かうことにしました。和山の集落を過ぎると、もうまわりには民家もほとんどない真っ白な山道です。和山から切明にかけて国道は冬期通行止め、生活道路一本のみが細々と確保されています。山裾をトラバース気味に走っていた道が中津川へ下り始めると、しばらくして切明に到着です。

切明は、野反湖からの魚野川と奥志賀からの雑魚川が合流して中津川となる、山中にきもち開けたようなところで、秋山郷最奥の集落(湯)です。集落といっても、雄川閣、切明リバーサイドハウス、切明館(冬期休業)と東電の発電所があるだけです。

「雄川閣」は村営の宿泊施設で以前、秋に泊まったことがあります。みしゅらんとめがねさんのレポあり。山家風のがっしりとした総木造の建物はとても落ち着きます。民芸調の客室は天井が高く、太い梁など風情がありますが冬は寒く、暖房つけっ放しで寝ました。山奥のこととて料理は山菜類がメインとなります。(酒は津南町瀧沢酒造の「苗場山」)

浴室は階下にあって男女別。雪のない時季は広い窓から魚野川の流れが見下ろせますが、冬場は窓辺にうず高く積もった雪に遮られ展望はきかずやや暗め。浴室の扉をあけたとたんに何ともやわらかな温泉臭が香ります。湯滝があるからか、かなりこもった浴室に鉄平石枠石貼10人以上の大きな浴槽がひとつとシンプル。カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。カランは出が悪いですがたぶん温泉かと思います。当日は宿泊3組のみで、何度か入りましたが常に独占でした。

岩の湯滝から大量投入、ザンザコオーバーフローで槽内注排湯なしの源泉かけ流し。源泉温度が高いので湯滝+広い浴槽で湯温を落としているのでしょうか。これだけ広い浴槽なのに、投入量が多く入浴者も少ないので驚くほどお湯の鮮度が保たれています。湯口のそばは熱め、浴槽端はぬるめなので好みにより選べます。吹雪の夜、うすく窓を開けると冷気とともに雪が舞い込んできて何ともいい心地。

澄みきった無色透明のお湯には、こげ茶色の浮遊物がたくさん浮いています。ほぼ無味ですがかすかに焦げ味?。やわらかな温泉臭。キシキシ感のあるやわらかで上品な浴感で、派手さはないですが味わい深いなかなかいいお湯です。

少し離れて混浴の露天もあります(内湯からのハダカ移動不可)。魚野川の渓流を見下ろす野趣あふれるものですが、この日は数日来の大雪にアプローチが埋もれてしまい、残念ながら閉鎖中。別に家族風呂もありますが、窓の外に降り積もった雪のために暗く洞窟風呂状態。お湯もえらくぬるくて溜め湯状態だったのでパス。

切明といえば河原の手掘り露天が有名で、温泉熱で岩が出ているところもありましたが、深雪に阻まれまったく近づけませんでした。夏や秋は人気の宿ですがさすがに冬場は空いており、それだけにゆったりと雪の風情を楽しめます。「11月〜4月の冬期間は、とにかく空室が多い!!」というHPの説明には思わず笑ってしまいました ^^)

分析表の掲示はなくフロントにもないそうです。
Ca・Na-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) 54.7℃、200L/min <H4.8.3分析>

 


「湯元雄川閣」の外観

「湯元雄川閣」の男湯

雪に埋もれた「湯元雄川閣」の露天

切明の河原の野湯



■和山温泉「仁成館」

(長野県栄村、時間要問合せ、700円、0257-67-2205)

明けると翌朝は冬場には珍しい快晴。昨晩15cmほど積もった新雪が朝日に輝いています。まずは眺望絶佳と噂の高い和山「仁成館」へと向かいました。途中の林のなかにカモシカを発見。独自源泉らしい栃川高原にも寄りましたが冬期休業中。今回、秋山郷のなかでここだけが未湯(たぶん)となりました。

和山の集落のはずれから「仁成館」に下る道があり、いい加減下りきったところに宿が現れます。人なつこい犬が2匹寄ってきました。(1匹は甲斐犬でとっても賢いらしい) 玄関まわりはやや雑然とした感じで、犬も館内までついてきます ^^) 鳥甲山や苗場山の登山基地としても有名な宿で、みしゅらんとすなっちさんのレポあり。

男女別の内湯と混浴の露天があってハダカ移動不可。女性には混浴露天用のバスタオルを貸してくれます。まずは内湯から攻めました。二面採光の明るい浴室に木枠石貼3.4人の小ぶりの浴槽がひとつ。カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜11時で独占。茶色の変色+石膏の析出の出た岩の湯口から投入で槽内注排湯なくオーバーフローはたぶんかけ流し。鮮度感は相当なものがあります。

露天は男女別の脱衣所がありますがその他のアメニティ類はなし。手前に4人、奥に4人くらいの岩組石敷の浴槽がふたつで手前は東屋付きです。手前は適温、奥はぬるめです。こちらは独占〜2人。

白い石膏の析出付の岩の湯口+黒いホースから手前の浴槽に投入で奥の浴槽への流し込み。奥の浴槽の端から排湯で槽内注排湯はないのでたぶんかけ流しかと。お湯は、無色透明で白と茶色の浮遊物あり。微塩味におだやかな温泉臭。キシキシ感と温まり感のあるお湯でじわじわと効いてくる感じ。

しかし、なんといっても圧巻は、中津川をへだてて仰ぎ見る鳥甲連峰の山容でしょう。この時季に、真っ青な空に映える純白の雪山の眺めを楽しめたのは本当にラッキー。噂にたがわず一級品の展望露天かと思います。

浴後に女将さんがお茶を出してくださいました。冬場はたいへんな雪なので来られなくなってキャンセルということもしばしばあるそう。今年は雪は少なく2月上旬で3月の景色だとも。このような豪雪地で通年営業するのもいろいろとご苦労なことでしょう。

分析表はなく簡易掲示のみ。めがねさんも指摘されていましたが、秋山郷(とくに信州秋山)の宿は分析表の掲示がないところが多いのは残念。どこも堂々と掲示できるいいスペックに思えるのですが・・・。

Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉) 48.5℃ <S55.5.30分析>


「仁成館」の外観

「仁成館」の男湯内湯

「仁成館」の露天

「仁成館」露天から鳥甲連峰の眺望

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