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雪の松之山&秋山郷 [1] byうつぼ


またしても雪の松之山に出撃してきました。今回は念願の冬の秋山郷もあわせて巡ってきました。初日は冬型で関越トンネルからチェーン規制でしたが、新潟側に抜けても降雪はなし。石打からR353で津南へ抜けR117大割野からR405を南下するのが冬場の秋山郷への道です。




秋山郷について

野反湖から流れ下る中津川の渓谷沿いに延々30kmにもわたって点在する集落の総称。下流から穴藤、逆巻、見倉、上結東、前倉、大赤沢までが越後秋山、小赤沢、屋敷、上ノ原、和山、切明までを信州秋山といいます。平安末期文治年間に平家の落人平勝秀(一説には平惟茂の子孫)が落ち延びてきたともいわれ、肥後の五家荘、阿波の祖谷などとならぶ有名な平家谷です。

苗場山(2145.3m)と鳥甲山(2037.6m)のふたつの名山に挟まれた深い山あいの村ゆえ、独特の習俗をよく残し、江戸末期の文人、鈴木牧之が「秋山紀行」「北越雪譜」で紹介したのを嚆矢に、佐久間象山や高野辰之などもその習俗を書に著しています。

米も獲れない厳しい風土と冬の豪雪は村人に厳しい生活を強い、天明・天保の大飢饉には3つの村が滅んだというたいへんな秘境です。古くは越後と上州を結ぶ「草津街道」の往来があり、国道の計画もありますが、上信越国境の深い山なみと豪雪もあってか実現に至っていません。近年、その秘境ぶりがマスコミに多くとりあげられ、訪れる人が増えているようです。



■逆巻温泉「川津屋」

(新潟県津南町、時間要問合せ、500円、0257-67-2001)
http://www.tsunan.com/kawatsuya/

大割野から見玉にかけて、右手に中津川の雄大な河岸段丘がつづきます。見玉には眼病に霊験あらたかな見玉不動尊がありますが、山門から奥は除雪されておらず本堂には近づけませんでした。見玉から数km走ると秋山郷最初のいで湯、逆巻温泉です。

R405から狭い枝道に入りしばらく走ると、急峻な山肌にはりつくようなすごい場所に一軒宿が見えてきます。眼下は中津川の深い渓谷です。近年建て替えしたらしく、予想外にきれいな建物で、館内も小ざっぱりとしてなかなか居心地がよさそう。すなっちさんのレポあり。

浴室は名物の洞窟風呂と景色風呂がありますが、景色風呂は清掃中だったので洞窟風呂に貸し切りで入れました。洞窟風呂はみかげ石枠タイル貼4.5人。奥に洞窟があります。この洞窟を源泉としている情報もありますが、ご主人の話によると源泉は自噴で別にあるそう。洞窟の中には素掘りの貯湯槽?らしきものがありました。カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。土曜11時で独占。

岩の湯口から15L/minほどを投入で傍らにはコップがおいてあります。オーバーフローはなく、窓側の側溝に流し出しでさらに側溝から洗い場への放流。槽内注排湯はないので源泉かけ流しかと思います。ただし、湯口はかなり熱かったので加熱はあるかもしれません。

適温のお湯は、よく澄んだ無色透明で微たまご味+弱塩味。ほのかに甘いイオウ臭と微石膏臭があります。はっきりとしたキシキシ感があってよく温まるいいお湯で、浴後は充実した爽快感が広がる硫酸塩泉系の浴感。

宿のご主人はとても親切そうな方で、お湯もロケもいいので泊まってみると味わい深いお宿ではないでしょうか。珍しい熊鍋も食べられるようです。

Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 42.1℃、pH・湧出量不明、成分総計=1168mg/kg、Na+=270.1mg/kg (71.16mval%)、Ca^2+=91.0 (27.50)、Cl^-=386.6 (63.23)、SO_4^2-=276.3 (33.35)、陽イオン計=366.6 (16.51mval)、陰イオン計=697.6 (17.24mval)、メタけい酸=87.4、メタほう酸=16.4 <分析年月日不明>

 


「川津屋」の外観

「川津屋」の洞窟風呂

洞窟の中にある貯湯槽?

見玉不動尊



■結東温泉「萌木の里 栃の実館」

(新潟県津南町、10:00〜21:00、500円、0257-67-2000)
http://www.moeginosato.com/

逆巻から国道に戻り、しばらく走って結東の集落を抜けると右手山側に萌木の里がみえてきます。町営の観光振興施設で敷地内にはコテージもあります。メインは総木造り山荘風の「栃の実館」で、奥に別棟の浴場があります。料金を払うと一日入浴券を渡されるので何度でも入浴できます。

浴場「桃源の湯」は、広い窓から谷越しに雪の山を望む景色のいいものですが、何となく味けない雰囲気。石枠タイル貼6.7人の浴槽は、石の湯口から大量投入で側面注入と底面吸湯ありの循環仕様。別に冷温カランがありますが、源泉ではないと思います。カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜13時で2人〜独占。

やや熱めのお湯は、無色透明微塩味無臭で、温泉らしい温まり感はありますが、硫酸塩泉らしい奥行きのある浴感は感じられず、はっきりいってやや物足りないものがありました。冬場は閉鎖している露天風呂「山彦の湯」はかけ流しらしいので(内湯とは源泉も違うらしい)、冬以外だとけっこう楽しめるかも。

Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 40.1℃、pH・湧出量不明、成分総計=2640mg/kg、Na^+=501.7mg/kg (55.39mval%)、Ca^2+=342.4 (43.39)、Cl^-=801.1 (54.97)、SO_4^2-=852.8 (43.20)、陽イオン計=854.6 (39.39mval)、陰イオン計=1691 (41.11mval)、メタほう酸=46.6 <H15.4.2分析>

 


「萌木の里 栃の実館」の外観

「萌木の里 栃の実館」の男湯

 

冬の秋山郷

秋山郷はわが国有数の豪雪地帯です。例年でも2〜3m、雪の多い年には4〜5mも積もるようで、積雪期は11月から5月まで実に半年に及びます。あまりの豪雪に長らく冬場の交通は途絶していましたが、近年、最奥の切明までバス便が通じるようになりました。

見玉の先から道が狭くなり、大赤沢あたりまで沢沿いの心細い道がつづき、何ヶ所かスノーシェットもあります。昔は雪崩の多発地帯で、雪崩ごと中津川にふり落とされる人も多く、橋の上でしか一息つけなかったという難所です。

信州側に入るといくぶん道は広くなりますが、それでも山道のワインディングです。とくに和山〜切明間は完全な山道で、帰りは登り勾配の狭いワインディングとなるので降雪後は要注意。今回は降雪15cmくらいだったので事なきを得ましたが、一晩で数十cmも積もると脱出はキビシイかも。やはり4駆スタッドレスでいきたいところでしょう。切明から奥志賀へ抜ける雑魚川(秋山)林道は、当然のごとく冬期通行止めです。

そんな訳で、露天はほとんど冬期閉鎖となってしまいます。入れる可能性があるのは、和山と切明ですが、今回は切明(雄川閣)も豪雪で閉鎖となっていたのであまり期待できません。


新潟県側は道が狭いです

中津川の渓谷

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