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上州の湯巡り [5] byうつぼ



■伊勢崎招美の湯「湯楽の里伊勢崎店」

(伊勢崎市、9:00〜翌1:00、700円(休日800円、会員割引あり)、0270-22-2641)
http://www.yuranosato.com/tenpo/ise.html

以前にレポしてますが、湯づかいもお湯の感じも全然変わりましたので再レポします。

伊勢崎市のロードサイドにある温泉付きスパ銭で、外観・館内とも和風を意識したつくりでなかなか秀逸。ONKEN21さんのレポあり。

会員になると同伴者も含めて入館料100円引きとなるので、2人以上で行ったときは会員になった方がお得です。時間制限も回数制限もないので、家族連れで長時間ゆっくりしている人が目立ちます。

浴室は、内湯と露天の各ゾーンがあり、内湯はカルキ臭ただよう真湯の機能浴槽群にサウナ×2と水風呂。
露天は、岩造二段露天(上段:3人、下段:5〜6人、東屋付き)、露天壺風呂(1人用×3)、露天寝湯・座湯、ぬる湯槽ですが、温泉を投入しているのは岩造二段露天のみと思われます。

以前は、露天壺風呂や露天寝湯・座湯にも温泉を入れていましたが、湯づかいを改善し、温泉浴槽を絞っています。寝湯の脇に竹敷き3畳位の横になれるスペースがあって、気持ちいいです。カラン27、アメニティ類完備、土曜19時で30人以上とあいかわらずの盛況。

岩造二段露天のお湯は、黄褐色で約40pのにごり湯。上段は源泉を温調なしでそのまま注いでいるので相当の熱湯。あまりに熱いのでけっこう空いています (^^; (浴槽横には、「客同士で融通して適当に水を追加して欲しい」旨の掲示あり。)これを下段に流し込んでいるので、下段ではちょうどいい湯加減になっています。

粘土系アブラ臭+微モール?臭+微アンモニア?臭+微貝汁臭の複雑な温泉臭は、群馬温泉「やすらぎの湯」に似ていますがやや弱いです。重曹味+微だし味。はっきりとした重曹泉系のツルすべ感があり、どっしりとくる重たいお湯ですが、浴後は爽快感が出てお肌すべすべになります。食塩泉というよりは、重曹泉の特徴が全面に出たなかなかいいお湯です。

前回はちょっとネガティブなレポとなりましたが、今回は文句なしです。こうしてみると、前回感じられた”タール臭がかった重い感じのアブラ臭”は、アブラ臭にカルキ臭がまじったもののような気がします。館内はファミリー主体の遊園地状態でしたが (^^;、 お湯は相当にレベルの高いものとなっているのでまた再訪したいです。

Na-塩化物・炭酸水素塩泉 47.4℃、pH=7.7、253L/min掘削自噴、成分総計=2657mg/kg、Na^+=843.5mg/kg (91.32mval%)、Fe^2+=2.4、Cl^-=1046 (74.20)、Br^-=3.5、I^-=2.1、HS^-=0.07、HCO_3^-=620.0 (25.56)、陽イオン計=906.7 (39.74mval)、陰イオン計=1673 (39.75mval) メタほう酸=17.4、硫化水素=0.02 <H11.4.5分析>

 


「湯楽の里伊勢崎店」の玄関

「湯楽の里伊勢崎店」の浴室入口

にぎわう館内


■滝沢温泉「滝沢館」

(粕川村、時間要問合せ、600円、027-283-5711)
http://www.takizawakan.com/

赤城山の南面、粕川の渓流沿いにある一軒宿で日本秘湯を守る会会員宿。めがねさんレポあり。

建物は近年リニューアルを重ねて、純和風の小綺麗なつくりになっています。露天風呂へは、以前は駐車場側からのアプローチでしたが、館内経由に変更されています。

ここは、けっこう気に入っていてもう10回は行ってるかと思いますが、行くたびにあか抜けていくような気がします。館内の演出にも趣向がこらされ、日帰り客も休めるような湯上がり処ができています。この日は立ち寄り客も多く活気がありました。以前はぱっとしない(失礼!)宿だったのですが、地道な営業努力は立派です。

露天(岩造、10人位)は、粕川の渓流沿いにある野趣あふれるもの、内湯(木枠石貼3.4人)の日帰りもできそうですが(未確認)、露天のできがすばらしいのでいまだに未入浴です。カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。土曜14時で3〜4人。紅葉にはまだすこし早かったですが、最盛期には絶好の紅葉風呂となります。

炭酸カルシウムの黄土色の析出で見事にコーティングされた湯口から加熱湯を投入で、オーバーフローはなく、排湯は不明です。 〜お湯は新鮮なうちは黄緑色、約30時間で透明になる〜 との説明書きがあるので完全かけ流しではないと思います。

ややぬるめのお湯は、きれいな緑黄色のささにごりで酸化鉄らしき赤茶と黒の浮遊物があります。(透明のときもある) 金気まじりのおだやかな温泉臭があって、重曹泉ながらツルすべ感はなくむしろひっかかる感じの肌触り。浴感はかなり強くてよく温まり長湯するとけっこう疲れます。

この日はいつになくお湯が良く、なんと湯口そばではアワつきがありました。アワつきは初めてで、湯づかいが改善されたのかもしれません。

露天脇に飲泉があって、竹の掛樋から粕川に流れ出しており、まわりは鉄分で赤茶に変色。18℃位で無色透明金気臭。炭酸味+金サビ味にうま味が混じった何とも複雑な味がします。(伊香保の飲泉所に似ている)
これを湯船に満たすとお湯は鉄サビ色になる筈なので、露天と飲泉は別源泉かも?。

近くの忠治温泉などに比べると地味ですが、なかなか個性のあるお湯はおすすめです。冬場は上州名物”風花”が舞うなかでの入湯ができます。”シロ”という人なつこい老犬もいます ^^)

Ca・Na・Mg-炭酸水素塩冷鉱泉 泉温・湧出量・成分総計・分析日記載なし、pH:6.1、Na^+=170mg/kg (30.56mval%)、Mg^2+=85.0 (28.95)、Ca^2+=179 (37.61)、Fe^2+=7.3、Cl^-=168 (19.48)、HCO_3^-=1030 (69.38)、SO_4^2-=130 (11.14) 陽イオン計=463.8mg/kg (24.18mval)、陰イオン計=1328.06mg/kg (24.33mval) 

* お湯表面の白い粉=炭酸カルシウム、黄褐色の沈殿物=酸化鉄、40万年前の赤城の雨水が地中の岩石成分を溶かして湧出(脱衣所掲示より)

* 泉温はガイド本によると24.5℃とのこと。

 


「滝沢館」の外観


「滝沢館」の男湯

「滝沢館」の男湯露天


「滝沢館」男湯露天の飲泉所



■前橋荻窪温泉「會乃山温泉」

(前橋市、100円/2h以内)

仮設浴場で今月(2003/10)末日までの営業なので、最後にどうしても入りたくなり行ってきました。場所はわかりにくいですが、ONKEN21さんのレポに詳しいです。イッサキさん、ONKEN21さん、ナイジェルさん、YEBISUさんのレポあり。

周辺は前橋市による大規模な開発工事に入っており、この建物だけが取り残されたようにポツンと建っています。いかにも仮設的なプレハブの建物に近づくと、排水桝に排湯がザコザコ流され、はやくもアブラ臭がただよって嬉しくなります。受付で名前・住所・TELを記入して入館します。仮設ですが畳敷きの休憩所もあり。

男女別の浴室は、天井までヨシズで覆われた半露天のみで展望はありません。浴槽(コンクリート造扇形、10人以上)は、間欠的に湧き上がる源泉を赤茶に変色した岩づたいに流し込み。当然槽内注排湯はなく、フチ全面からの全量かけ流しはなんとも贅沢です。

アメニティ類なし。土曜16時で10人以上で、あいかわらず明るい常連さんで賑やかでしたが次第に空いていきました。

適温のお湯は、薄緑茶色でかすかに懸濁。塩味に新鮮な金気によるだし味と土類泉らしい苦味がまじった味で個性的。温泉臭も埼玉の東鷲宮百観音によく似た粘土系のアブラ臭+微金気臭+かすかな硫化水素?臭と複雑なもの。

強い浴感の攻めてくる印象のお湯で、ほてって湯疲れし、なかなか汗が引きません。さほど熱いお湯でもないのに長湯している人はおらず、浴槽よこにトドが大量発生 ^^)成分の強さにいぶりだされているようで、プチ松之山のようなお湯かと・・・。

隣地の「温水利用健康づくり施設」はほぼ外観が立ち上がり、12月のオープンに向けて付帯工事が進んでいます。群馬の温泉ページのtakayamaさんによると、「大前橋市が威信をかけて建設」^^)するので、相当立派な施設になりそうです。でも、温泉県群馬の面子にかけて、かけ流し槽は造ってほしいですけど・・・ ^^)
そばには、温泉スタンド(無料)もありますが、新施設での存続は不明です。

ながらく地元の方に親しまれてきた仮設浴場もいよいよ廃止です。「(この浴場とも)あとちょっとでお別れだなぁ」とつぶやいた常連さんの言葉が妙に印象的でした。

Na・Ca-塩化物温泉 49.5℃、pH=7.9、751L/min、成分総計=8.77g/kg、Na^+=2098mg/kg、Ca^2+=1188、Fe^2+=0.02、F^-=3.5、Cl^-=5245、メタけい酸=81.7、メタほう酸=84.0 <H10.11.19分析>


「會乃山の湯」の外観

「會乃山の湯」の男湯

前橋荻窪温泉温泉スタンド




■前橋駅前天然温泉「ゆ〜ゆ」

(前橋市、10:00〜23:00、600円/3.5h、027-224-0111)
http://www.sugoizo.net/t02/yu-yu/index2.html

前橋駅そばに誕生したまちなかの民営日帰り施設。めがねさん、ONKEN21さんのレポあり。気に入りのお湯で、群馬に出撃するとついつい帰りに寄ってしまいます。

前橋駅北口メイン通りに面し(駅前ロータリから1つ目の歩道橋手前の信号右手)、駅から徒歩2分の立地ですが裏手にPもあります。明るい館内は、高い天井、総フローリング、暖色系の照明となかなか快適な環境演出。10分1000円ヘアカットや手もみ院も併設されてます。

2階にある浴室は、内湯大浴槽(石枠タイル造20人以上)、かけ湯槽、露天(石貼10人)にサウナと水風呂が増設されました。カラン28、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。サウナ(3.4人)と水風呂(1人)は狭すぎるのが難ですが、益子焼きの名工、大塚昌三氏作の陶製水風呂は入り心地がいいです。

露天は、塀に囲まれた軒下タイプで開放感がないのは残念。でも風は適度に通ります。土曜18時で男湯30人以上と以前に比べると全然混んでいますが、それでもゆったり。全体にとても機能的に造られた居心地のいい浴室で、ゆったりとお湯を楽しめます。

内湯大浴槽は、石の湯口からの投入&かけ湯槽からの少量流れ込みで底面吸湯×1。潤沢なオーバーフローがあって、浴槽まわりは鉄分で赤茶に変色しています。

露天は、石の湯口から30L/minほどの投入&底面注入でこちらもオーバーフロー。「かけ流しで塩素消毒もなし」との掲示があります。露天の方がお湯の回転が速く、アブラ臭強く濁りも薄くて新鮮な感じです。

水風呂は、地下200Mから汲み上げの金気臭・味の井水を40L/minほど投入のかけ流し。洗い場のカランもこの井水を使用しているかと思います。

適温のお湯は、緑茶色ささ濁りで茶色と黒の浮遊物あり。湯口は弱塩味に新鮮な鉄分らしいだし味が効いたあさり汁風味でなかなか美味しいですが、「鉄とマンガンを多く含むのであまり飲まないように」との掲示。
東鷲宮百観音の油粘土臭に弱金気臭と弱墨臭を加えた感じはアブラ臭の王道かと・・・。

重曹泉系のツルすべに食塩泉の重量感ある浴感を兼ね備えた入り応えのあるお湯ですが、浴後はお肌すべすべとなる上品な浴感。(連れがえらく気に入っております ^^;)ただし、浴槽が広いので、湯口付近と端の方で鮮度に差があるのは致し方なしかな?

しかし、県庁所在地の駅前にかけ流し温泉が出現とは、やはり群馬恐るべし ^^;) 社長は女性でスタッフも若い女性が多く、細かいところまで心遣いが行き届いています。施設、雰囲気、泉質、お湯づかいが揃ったおすすめ湯かと思います。

Na-塩化物温泉 57.5℃、pH=7.3、455L/min(1500m動力揚湯、成分総計=4.30g/kg、Na^+=1397mg/kg (90.68mval%)、Fe^2+=1.4、Cl^-=1971 (83.84)、HCO_3^-=643 (15.89)、陽イオン計=1523 (67.0mval)、陰イオン計=2622 (66.3mval) メタけい酸=57.4、メタほう酸=68.1 <H12.6.20分析>


「ゆ〜ゆ」の玄関

「ゆ〜ゆ」の男湯

ゆったりとした脱衣所

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