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上州の湯巡り [4] byうつぼ



■群馬温泉「やすらぎの湯」

(群馬町、9:00〜23:00、500円(土日祝600円)/3h、027-372-4126)
http://www5.gunmanet.ne.jp/yasuragi/

群馬を代表するメジャーな民営の日帰り温泉施設。以前はよく行きましたが久しぶり。温検12号さん、めがねさんのレポあり。駐車場は広いですが、ぎっしりと埋まっていることが多いです。立派な玄関の横にちょろちょろと源泉が流されています。

館内はかなり広く、広間がいくつもあっていつも賑わっています。温泉付の個室もありますが、人気のようなので予約必須でしょう。浴室に向かう途中に飲泉所があり、かなり熱い源泉が流されています。

浴室は、内湯(石枠タイル貼L字形15人以上、ジェット付)、高温槽(同 円形4.5人)、打たせ湯、足湯、サウナ、水風呂に露天(岩造タイル底20人以上)と充実。内湯と露天と足湯(!)の湯口にはコップが置いてあります。露天は広く、ベンチも置いてあって涼めます。露天脇には昼でもかがり火が焚かれていますが、これは温泉とともに噴出する天然ガスを燃やしているそう。

内湯は、石の湯口から大量投入で窓側の側溝への流し込み+底面吸湯+オーバーフローがありますが、底面吸湯はジェット用かも?高温槽は、石の湯口から大量投入で湯面排湯口からの排湯。露天は、赤茶色の岩の湯口から20〜30L/minの投入で、2ケ所の湯面排湯口からの流し出し。内湯と露天の湯口の湯温は変動しているので、何らかの方法で温調しているかと。

非常に複雑な湯づかいのようなので、帰りにフロントできいたところ、内湯も露天もかけ流しとのことでした。なお、高温槽は44.1℃でしたが、成分のせいか異常に熱く感じ、入っている人はまばら。カラン22、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜11時で10〜15人。

お湯は、薄麦茶色透明で茶色の浮遊物。とくに、高温槽には茶色の腐葉土様の浮遊物がたくさんただよっていて、甲府の温泉銭湯のよう。重曹味+弱塩味。膏薬系のアブラ臭がありますが、これはじっくり観察したところ、どうやらアブラ臭とお香系のモール?臭があわさったもののようで、新潟聖籠の香りを思い起こしました。

ほてるので高深度掘削の化石海水系を想像しますが、やませみさんご指摘のとおり、やはりモール泉かもしれません。明瞭な重曹泉系のツルすべがあり、浴中はえらくほてってあたたまりますが、浴後は爽快感が広がり肌がつるつるになる文句なしの美人の湯で、ファンが多いのもうなづけます。

みためは典型的なセンター系ですが、素性のいいお湯をいい状態で楽しめるおすすめ施設。ただし、かなり混むので午前中に攻めるのがベターかと。あと、JR東日本で発売している前売券(全日400円/3h)はお得です。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 57.8℃、pH=7.7、250L/min、成分総計=2.81g/kg、Na^+=819mg/kg、Fe^2+=0.04、Cl^-=726、HCO_3^-=1100、陽イオン計=874、陰イオン計=1826、メタほう酸=44.7 
<H5.12.6分析>

 


「やすらぎの湯」のエントランス

「やすらぎの湯」の男湯内湯

「やすらぎの湯」の男湯露天

「やすらぎの湯」の飲泉所


水澤観音に参詣したあと伊香保に行きました。伊香保温泉街あたりの道は急坂で狭いので、蘆花記念文学館の周辺にある公共Pに駐車して歩いたほうがゆったりと楽しめます。最奥の露天風呂まで歩いても大して距離はありません。

■伊香保温泉「青山旅館」

(伊香保町、時間要問合せ、500円、0279-72-3300)
http://www.hotels-ikaho.or.jp/yado_1/aoyama/aoyama.htm

伊香保のかけ流し湯に入りたくなり、石段街の旅館を攻めました。ここは石段街のなかほどにあり、”こ満口”(本線からの分湯口)からも近いので期待できそう。石段街に面しては土産物(駄菓子?)屋になっていますが、路地に入った裏手に玄関があって、こちら側は落ち着いた感じのなかなかの佇まいです。

階段を下った浴室、これが渋いです。広くはないですが、手前に適温槽(石貼3人)、奥にぬる湯槽(同5.6人)があって、伊香保らしい緑がかった黄土色のにごり湯が満たされています。もに、析出まみれの石の湯口から投入で、排湯口からほぼ同量が排湯されています。

にごり湯につき槽内排湯は不明ですが、「循環は一切していない」旨の掲示もあるので、源泉かけ流しでしょう。適温槽は、浴槽が狭いので湯温が高いのかと思いましたが、たまに熱いお湯が出るので、間欠的に軽く加温していると思います。カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜13時で独占。

お湯は、緑がかった黄土色で、赤茶の浮遊物がありますが、お湯には赤味はさほど出ておらず、適温槽のほうが緑味が強いです。透明度は適温槽50p、ぬる湯槽40pで、適温槽のほうがにごりは薄くなっています。
弱金気臭+粉臭に微金気味。明瞭なキシキシ感があって、肌に降り積もるような伊香保の湯はやはりいいですね。

伊香保には、”新源泉”(白銀の湯)と称される無色透明の規定泉(メタけい酸含有)もあり、かなりの旅館に配湯されていますが、やはり伊香保はこのにごり湯(本線)でしょう。石段街周辺には本線を引いている中小規模の旅館がいくつかあるので、近いうちにまた攻めてみたいです。

<本線(混合泉)>
Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉 45.7℃、pH不明、150L/min配湯、成分総計=1.36311g/kg、Na^+=111mg/kg (31.26mval%)、Mg^2+=32.0 (17.62)、Ca^2+=148 (47.90)、Fe^2+=6.8、Cl^-=136 (25.93)、SO_4^2-=302 (42.47)、HCO_3^-=285 (31.53)、陽イオン計=310.8 (15.45mval)、陰イオン計=723.11 (14.81mval)、メタけい酸=199、メタほう酸=7.2、遊離炭酸=123 <S63.3.11分析>

 


「青山旅館」の玄関


「青山旅館」の男湯

男湯の湯口




伊香保石段街〜露天風呂

青山旅館の後、石段街から露天風呂まで歩きました。

1900年の歴史をもつ伊香保温泉の中心石段街は、天正4年頃に形成されたものと伝えられます。下の方にある共同浴場「石段の湯」を見送って、老舗旅館やまんじゅう屋などを左右にみながら急な石段をのぼっていきます。

地下を伊香保の源泉が流れおち、石段のところどころからその様子が覗けます。また、”こ満口”(本線からの分湯口)もいくつか確認できます。石段上の”伊香保焼”の店の横に大きな”こ満口”があり、夜はライトアップされます。

伊香保神社の石段の手前を右に折れると、露天風呂への道。付近は楓の木が多く、秋の紅葉のきれいなところです。露天風呂の手前に飲泉所があります。温泉と飲用水が引かれ、温泉の湯口は鉄分で見事な赤茶色に染まっています。

ここのお湯は、第五号源泉(単純温泉)使用で、浴用のものとは異質な感じ。鉄サビの味臭が異常に強く、しぶ味とうま味と炭酸味がまじる何ともいえないもので、赤城滝沢の露天の飲泉に似ています。ONKEN21さんのレポ(2002/3/30)によると、第五号源泉の分析表データ(今回は見あたらず)では、「鉄2=14.4、CO2=368」とあるので、やはり浴用井に比べて鉄分も炭酸も多いようです。

鉄分で赤茶に染まった小沢沿いをさらに上ると最奥の露天風呂に到着です。


伊香保温泉飲泉所

伊香保石段街



■伊香保温泉「露天風呂」

(伊香保町、9:00〜19:00(4〜9月)/10:00〜18:00(10〜3月)、400円、0279-72-2488)
http://www.town.ikaho.gunma.jp/enjoy/ejny-4.htm

伊香保を代表する人気の浴場で、第二号源泉湧出口観察所(酸化していない透明なお湯が湧出。45.7℃、約1,443L/min)のすぐ横にあります。みしゅらん&温泉三昧さん&めがねさんのレポあり。

脱衣所は浴槽のすぐ脇にあって狭いので、夕方などは大混雑となります。浴槽は、楕円を半分に仕切った形で左手に適温槽、右手にぬる湯槽の2槽があります。適温槽(コンクリ造7.8人、奥側は洞窟風呂状)は赤茶に変色した岩の湯口から源泉を20〜30L/min投入で、たぶん槽内経由でぬる湯槽へ流し込み。

ぬる湯槽(コンクリ造10人以上)は、おそらく適温槽からの流入で湯面排湯口からの排湯。鮮度はやはり適温槽の方が高く、混みますがこちらがおすすめ。カラン3(水のみ)、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜16時で15人ほど。

緑がかった黄色のお湯は、透明度約40pのにごり湯で金気味臭に明瞭なキシキシ感があり、さすがに湯元らしい鮮度感の高いお湯が楽しめます。観光客でやたら混むのが玉にキズですが、やはり伊香保に来たら外せないお湯でしょう。

Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉 40.9℃(平成10年10月現在44.3℃)、pH=6.4、3300L/min、成分総計=1.28g/kg、Na^+=105mg/kg (30.99mval%)、Mg^2+=29.5 (16.56)、Ca^2+=142 (48.29)、Fe^2+=8.28、Cl^-=118 (23.42)、SO_4^2-=301 (44.06)、HCO_3^-=282 (32.42)、陽イオン計=296 (14.7mval)、陰イオン計=701 (14.2mval)、メタけい酸=177、メタほう酸=7.7、遊離炭酸=98.6 <H9.7.18分析>


伊香保露天風呂の入口

伊香保露天風呂



■しんとう温泉「ふれあい館」

(榛東村、10:00〜21:00、300円/2h、0279-54-1126)
http://www.vill.shinto.gunma.jp/sisetu/index.htm

榛名山麓の高台にある公営の日帰り施設。めがねさんのレポあり。典型的なセンター系のつくりですが、建物に比べて浴室が狭い感じ。

浴室は、内湯(赤みかげ石枠タイル貼10人)、ジャグジー槽、寝湯×2に露天(赤みかげ石総貼7.8人)。ジャグジーと寝湯はたぶん真湯ですが、以前ほど塩素臭はしませんでした。露天は和風庭園に面し、風がとおって気持ちがいいです。カラン12(いつも混雑)、シャワー、シャンプー、ドライヤーあり。土曜18時で15〜20人とあいかわらずの盛況ぶり。

内湯は、石の湯口から投入で少量のオーバーフローがあるものの、底面吸湯もあってたぶん循環。露天は、石の湯口から投入でオーバーフローなく強い底面吸湯でこちらも循環かと。湯口は内湯、露天とも黄褐色に変色。内湯のほうがいくぶんお湯が濃い感じがします。

適温で薄茶緑色をした弱塩味のお湯には、特有の上質なアブラ臭が香ります。石油臭に樹脂臭をプラスしたようなもので、ペンキ臭にもたとえられるような刺激的な香り。入浴後もこの温泉臭が肌にうっすらと残ります。

個人的には、群馬高山温泉と並ぶツボにはまった香りで、さすがに”古代木の天然エキス含有”と謳うだけのことはあります ^^) かなりあたたまりますが、あからさまなほてほて感はなく、身体の底からじんわりとあったまってくる感じのいいお湯です。

Fe^2+は、12.0mg/kgにも及びますから、もっと鉄のイメージが出てもいいかと思いますが、ほとんど感じられないので除鉄しているかと思います。

ここはいつも地元客を中心に大盛況です。施設はとくに見るべきものもないので、やはりお湯のよさ(&安さ)がこれだけの人を集めるのでしょうか。循環でこれだけの質をキープしているのですから、かけ流しに移行したら群馬屈指の名湯となるのは間違いなしか?

なお、昨年11/25〜12/4で館内改修を実施していますがどこが改修されたのか判りませんでした。

Na・Ca-塩化物泉 50.8℃、pH=7.1、湧出量不明、成分総計=6.63g/kg、Na+= 1656mg/kg、Ca2+=662、Fe^2+=12.0、Cl-=3805、HCO_3^-=218、陽イオン計=2385、陰イオン計=4030、メタけい酸=90.7、メタほう酸=66.8、遊離炭酸=52.5 <H6.3.25分析>
*地下1,500mの板鼻層から湧出


「ふれあい館」の玄関

「ふれあい館」の男湯内湯

「ふれあい館」の男湯露天

しんとう温泉の源泉

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