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常磐の湯巡り [5] byうつぼ |
■いわき湯本温泉「さはこの湯」 いわき湯本温泉は「三箱(函)の御湯」と呼ばれ、道後、有馬とともに日本三古泉に数えられてきた古湯で、開湯は奈良時代にまで遡るといわれています。温泉に乏しい浜通りでは唯一ともいえる一大温泉街を形成し、多くの湯客を集めています。今は、街なかに旅館が点在している感じで、少し猥雑なイメージがあるのが残念。 「さはこの湯」は、このいわき湯本温泉を代表する共同浴場というか日帰り施設で、古くからある共同浴場を建て替えたもの。Pは少しはなれて3ケ所ほどありますが、入れにくく台数も少ないです。連休中につきPには他県ナンバーが目立ちました。 浴室は、石貼多角形10人の大浴槽と石貼2人の熱湯槽。窓開け禁止なのでもうもうにこもっています。場内には人があふれ返り、当然洗い場も待ち状態。居場所がなくみな浴槽フチに腰掛けているので、よけいに狭苦しい感じがします。カラン8、シャワー・ドライヤーあり、シャンプーなし。土曜20時で20人以上と大盛況。 大浴槽はみかげ石の湯口から大量投入。熱湯槽もみかげ石の湯口から投入で、ともにゲキ混みにつき槽内注排湯は未確認ですが、ザコザコのオーバーフローがあったので、かけ流しでは?(加水はあると思う)
玄関前にも「さはこの湯の温泉については、循環方式ではなく、流し放しの方法で営業をさせて頂いております」との掲示がありました。 とにかくあまりに混んでいるのには閉口、夕方以降の混雑時を避けていくのが正解かと。イオウ臭と浴感もあり、なかなかのお湯だとは思いましたが、いわき湯本温泉の底力はこんなものではなかったのです。 温泉分析表の掲示がないのは疑問です。 |
![]() 「さはこの湯」の外観 |
![]() 「さはこの湯」の浴場入口 |
![]() 「さはこの湯」の貼り紙 |
![]() 「東湯」の外観 |
![]() 温泉神社よこの温泉タンク |
![]() 温泉神社 |
■いわき湯本温泉「岩惣」−泊 いわき湯本温泉にある客室29室の中規模旅館「岩惣」に泊まりました。建物はさほど新しくも鄙びでもありませんが、スタッフの接客がしっかりとしています。料理は刺身の量がもうすこし欲しかった(さかな好きです ^^ )ですが、味は良く量も充分で満足できました。 風呂は、最上階にある展望大浴場と3つの貸し切り風呂(和風古代檜風呂、アジアン風呂、ヨーロピアン風呂)があり、貸し切り風呂はHPでは有料制となっていますが無料で入れました。 まずは、和風古代檜風呂に入りました。40分入浴でお湯は毎回張り替えるようです。用意ができましたとの連絡を受けて行くと、源泉とともにかなりの量の水を投入。お湯はとみると、うっ、これがぬるい。すぐに水を止めて、熱い源泉をドボドボと投入開始。 展望大浴場は最上階にあり、いわき湯本駅方面の展望が開けています。黒みかげ石枠タイル貼20人位の浴槽がひとつとシンプル。ふたつある湯口のひとつは止まっていました。かなり熱めのお湯を投入で槽内注排湯はみあたらず相当量のオーバーフローがあるので、かけ流しかと思います。カラン10位、シャワー、シャンプー、ドライヤーあり。 お湯は、緑青灰色で透明度45cmくらいのにごり湯。しぶ焦げイオウ臭に微塩味+たまご味があり、とくにしぶ焦げイオウ臭は湯口付近で相当強く香ります。湯口のお湯は「東湯」「上の湯」ほどは熱くないので加水しているかも。湯口付近はかなり熱いですが、浴槽が広いので端のほうはけっこうぬるめになっています。もう少し加水を少なくして投入温度を上げてもいいような気がしました。 展望風呂ながらお湯はけっこう優れモノで、「東湯」「上の湯」には及びませんが、「さはこの湯」は凌いでいるかと思います。食事も部屋出しで美味しいし、(たぶん)源泉かけ流しだし、接客も良く、料金もそこそこ手頃なので、満足度の高いお宿かと思います。 含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩温泉 59.7℃、pH=7.6、5,000L/min、成分総計=1.7932g/kg、Na^+=499.2mg/kg
(84.63mval%)、Fe^2+=0.6、F^-=4.7、Cl^-=577.2 (59.68)、HS^-=4.2、チオ硫酸イオン=0.8、SO_4^2-=412.2
(31.45)、HCO_3^-=122.2 (7.32)、陽イオン計=579.6 (25.64mval)、陰イオン計=1123.9 (27.31mval)、メタほう酸=11.5、硫化水素=16.3 <H2.6.5決定> |
![]() 「岩惣」の外観 |
![]() 「岩惣」の男湯 |
![]() いい色です |
![]() 貸し切り檜風呂 |
![]() 「上の湯」の外観 |
![]() 「上の湯」の男湯 |
今回入ったいわき湯本のお湯に敢えて順位をつけると、 上の湯 > 東湯 > 岩惣大浴場 > 岩惣貸切 > さはこの湯 の順になるでしょうか。 いわき湯本温泉の源泉は坑内温泉で地下630mまで温泉揚湯斜坑が延び、抗底からさらにボーリングをして花崗岩中の温泉湧出場所から汲み上げをしています。源泉地は「石炭化石館」の北側(常磐湯本町台山20番1)で、そこから温泉街に引湯されており、「温泉通り」北側に分岐ポンプがあるようです。 なお、いわき湯本温泉は、明治から始まった石炭採掘にともなう坑内出水により温泉面の低下を来たし、大正8年にはついに温泉が枯渇してしまったようです。昭和17年に二十数年ぶりに温泉が復活し、昭和51年に炭鉱閉山にともない新源泉(旧坑内)からの供給が開始され、安定供給がなったようです。従って、現在の源泉は古来の”さはこの湯”とは異なるものとなっています。 「常磐ハワイアンセンター(スパリゾートハワイアンズ)」のイメージがとかく強烈ないわき湯本温泉ですが、予想以上の良質なお湯に認識を新たにしました。 |