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常磐の湯巡り [3] byうつぼ



■三崎温泉「国民年金健康センターいわき」

(福島県いわき市、10:00〜18:00、500円/入浴のみ、0246-92-1117)
http://www1.ocn.ne.jp/~iwaki/

小名浜港の東側、三崎公園(マリンタワー)のそばにある公共系宿泊施設が日帰り開放するもの。強食塩泉との情報があったので行ってみました。瀟洒な外観、エントランスまわりの吹き抜け、立派なプールも併設するなど高級リゾホ顔負けの仕上がり。連休だったので館内は宿泊客で大盛況。たぶん満室でしょう。

3階にある大浴場は男女別。太平洋の眺望が売りのようですが、日が落ちてから行ったので体験できず。大浴槽(石貼10人)、寝湯槽(同、ジャグジー付)、ジェット槽(同2人)で大浴槽と寝湯槽はお湯の行き来あり。ジェット槽は真湯です。

大浴槽は石の湯口から大量投入で槽内注吸湯口多数、オーバーフローなしのバリ循仕様。カラン12、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜17時で4〜8人と空いてました。

適温のお湯は薄緑褐色でかすかなにごりあり、塩味にタール臭ですがたぶんカルキ臭まじりかと。食塩泉の浴感はありますが、分析表データほどの濃度感は感じられず鮮度感もいまいち。湧出量が不明ですが、ジェット槽に真湯を使っているところをみると少ないのかも。でもこれだけ酷い湯づかいをして、なおこれだけの浴感が残っているのですから、裏返すとそれだけ源泉に力があるということでしょう。

それにしてもこの豪華さはなんだかな〜? たぶん国民年金加入者の福利厚生に資するため云々というようなお題目でつくられたのでしょうが、果たしてこの豪華施設の恩恵にあずかれる人はどれくらいいるのでしょうか。深刻な逼迫が叫ばれる国民年金を原資にして、このような豪華施設がつくられ、運営されていることになんとも割り切れないものを感じました。

Na-塩化物強塩温泉 37.0℃、pH=7.64、湧出量不明、成分総計=29.48g/kg、Na^+=10390.0mg/kg、Ca^2+=948.3、Cl^-=17830.0、Br^-=26.9、I^-=6.1、陽イオン計=11410.0、陰イオン計=17980.0、メタほう酸=25.0 <H9.3.21分析>

その後、小名浜の「さすいち」で魚を食べました。卸直営の海鮮レストランで値段もリーズナブル。とくに目光の唐揚げが美味でした。サンプルケースやメニューより実際の料理のほうがぜんぜんいいという面白い店でした (^^;

このあといわき湯本の「さはこの湯」に入ってからいわき市内のビジホ泊。 「さはこの湯」は第5回でレポします。


「国民年金健康センターいわき」の玄関

「国民年金健康センターいわき」の男湯


■(高野鉱泉)入の元湯

(福島県いわき市、時間要問合せ、500円、0246-27-3939)
http://www.kankou-iwaki.or.jp/01tomaru/08ryouyou/kousen.htm

いわき市西部の山あいにひっそりとある、元禄元年の開湯伝承をもつ歴史あるお湯です。ガイド本や地図では高野鉱泉と書かれていますが、宿のパンフには高野鉱泉という記載はなく、温泉名を”入の元湯”と称しています。

新(本)館の「グリーンパレス」は4層のよくある旅館風のつくりですが、旧館の「神泉亭」は合掌造りで趣があります。チェックアウトが終わった10時ごろに行ったので、館内は人気もなく静か。日帰りでは「グリーンパレス」の浴場に入れます。(「神泉亭」に浴室があるかは不明)

浴室は、すこし離れて岩風呂と石風呂があり、ほぼ1時間毎に男女交替となるので正時に行った方がゆっくりできると思います。男湯が岩風呂の時間でした。岩風呂は広くて入口が2つあるので以前は脱衣所が別の混浴だったのかも。2面採光の明るい浴室で窓の外は庭園です。石風呂は石貼りのよくあるつくりなので岩風呂のほうが面白いかと。

湯船は岩造石敷10人以上で中央の岩の湯口から投入。窓側の竹の湯口からも熱い湯を投入しており飲泉用の柄杓がおいてあります。喉ごしよく美味しいです。他に常閉のコックで投入する湯口がふたつあり、こちらは冷たくたぶん源泉かと。カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。日曜9時で独占〜2人。

やや熱めのお湯は微白濁し、微たまご味に甘いイオウ臭+しぶ焦げイオウ臭が香ります。かなり強いヌルすべがあってとても温まり、浴後は肌がすべすべになります。分析表はなかったですが、たぶんアルカリ性が強いと思います。(パンフによると”アルカリ炭酸泉”)

お湯はもっとぬるくてもいいとは思いますが、ヌルすべでイオウの気配が感じられる印象深いお湯でした。


入の元湯の外観

入の元湯「神泉亭」

入の元湯の岩風呂

入の元湯の石風呂


■折木温泉「つるや」

(福島県広野町、時間要問合せ、500円、0240-27-3161)
http://www.town.hirono.fukushima.jp/archives.html

宝永年間に遡る開湯伝承をもつ折木温泉には、「つるや」「若松屋」と少しはなれて目の湯「真砂屋」がありますが、「つるや」に行きました。(同一源泉かどうかは不明)

県道からの枝道が集落に入り行き止まる最奥にあります。こぢんまりとした旅館で外観、館内とも鄙びは入っておらずこざっぱり。浴室は小さく眺めはありません。タイル貼3.4人の浴槽と打たせ湯(冷たい)があります。
岩の湯口からチョロチョロと投入し槽内排湯は不明ですがわずかにオーバーフローあり。別に冷たい源泉を注入するハンドルがあります。カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜11時で独占〜4人。

やや熱めのお湯は微白濁し、微石膏味臭(+甘いイオウ臭?)でヌルすべがありますが、さきほど入った「入の元湯」よりは弱いです。かなりの温まり感がありますが、浴後は爽快感が広がります。分析表からすると鉱泉のような気がしますが、CO_3^2-=67.2mg/kgがきいているらしく浴感は充分にあります。

地味めの旅館ですが、居心地はよさそう。ゆったりと逗留するにはいい場所ではないでしょうか。

鉱泉?(Na-(CO3)型) 18℃、アルカリ性、80L/min、成分総計不明、Na^+=73.7mg/kg (98.16mval%)、Cl^-=11.1 (9.23)、HS^-=0.2、SO_4^2-=27.1 (16.67)、CO_3^2-=67.2 (66.66)、メタけい酸=37.3 <分析年月日不明>


「つるや」の外観

「つるや」の男湯

「つるや」の男湯の打たせ湯
 


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