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東伊豆の湯巡り [湯河原温泉] byうつぼ



実際にまわった順序にかかわらず、北から順にレポしていきます。今回は歴史ある大温泉地をメインにまわったので、レポの前に前ふりとして概要を整理してみました。東伊豆の湯巡りの1発目、湯河原温泉の前ふりです。


■湯河原温泉について

<プロフィール>
湯河原温泉は、万葉集にも詠まれた古湯で、風光明媚な立地と温暖な気候、海山の幸にめぐまれた相(豆)州の名湯として湯治客を集め、箱根、熱海の大温泉地に挟まれながらも独自の地位を築いてきました。江戸時代の温泉番付では、だいたい箱根筆頭の芦乃湯より上位、小結あたりにきており、いかに評価が高かったかがわかります。

現在の温泉地は、海側の吉浜(浜湯河原)、「湯河原」駅北の山側の鍛冶屋、湯河原小周辺の宮上、藤木川沿いに温泉場、さらに奥の奥湯河原などのエリアからなり100軒強の宿泊施設を数えます。このうち中心となるのは温泉場エリアで、観光施設もここに多く集まっています。古図をみても温泉場エリアに湯宿が集中していて、古くからここが湯河原温泉の中心地であったことがわかります。

奥湯河原は、「海石榴」「加満田」「指月」など名だたる高級宿が点在する格式高い湯場で、別温泉として扱うガイドも多いです。また、万葉公園から下流の藤木川西側は静岡県熱海市となり、通称、”伊豆湯河原温泉”(熱海温泉泉地区)と呼ばれています。

湯河原は比較的高級なイメージがありますが、廉価で泊まれる小規模な湯治宿もさりげにあって、なかなかに懐のふかい温泉地です。日帰り施設や日帰りできる旅館も意外に多いので、じっくりと湯巡りするのも面白そう。

温泉場あたりの狭い路地をたどるとそこかしこで旅情あふれる風景に出会え、近年、“さがみの小京都”(ちょっとイメージが違うような気もしますが・・・ ^^; )としても売り出しているようです。
万葉公園の奥には、日本最大規模の足湯、独歩の湯もあります。

<歴史>
古い湯場だけに、定番の、傷ついた動物が傷を癒す「古だぬきの恩返し伝説」のほか、役行者伝説、行基伝説、弘法大師伝説など、大スターが勢揃いした豪華絢爛たる開湯伝承群を持っています。石橋山の戦いで敗れた源頼朝の配下が傷を癒したという説もあります。江戸期にはいると相(豆)州の名湯としての地位を固め、「豆州湯小原湯」として温泉番付上位の常連でもありました。

明治の中頃からは、国木田独歩、夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子、島崎藤村など、錚々たる文人が逗留し、幾多の作品の舞台になりました。戦後も多くの小説家が執筆のためにこの地に滞在しています。
このような重厚な歴史にねざした文化の香りは、いまも万葉公園周辺に残っています。

<温泉>
”薬師の湯”とも呼ばれ、万病に効くと讃えられましたが、なかでも傷に特効のあるお湯として知られており、石膏泉系のやわらかな泉質には定評があったようです。また、”こごめ(み)の湯”ともいわれ、子宝の湯としても名を馳せていたよう。

町で集中管理しているお湯の配湯を受けている施設が多いようですが、今回訪れた温泉場エリア、とくに藤木川西岸には何本も櫓が建ち、自家源泉の宿も多そうです。

さらに奥、不動の滝(茶店に足湯あり)周辺や奥湯河原にかけての藤木川沿いでは点在する櫓や立ちのぼる湯けむりが目を惹き、泉源地帯であることがわかります。このあたりはしっとりとした風情がありますが、交通量の多い車道しかなく、ここに遊歩道をつくると面白いかも?


「独歩の湯」

藤木川の風景1

温泉場の路地

藤木川の風景2


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