東伊豆の湯巡り [18] byうつぼ |
■熱海温泉(上宿)「上宿新宿共同浴場」 ここも市内にある共同浴場です。やませみさんから「明治期の大湯の分析にひじょうに近い」という情報をいただき、たまらず突入しました (^^; 場所は市役所の山側、上宿地区。大湯間欠泉から糸川を一本隔てた位置にあります。市役所となりの中央町公共Pが近いですが混んでいて入れにくく有料なので、スーパー「マックスバリュ」のPにとめて(なにか買い物をすれば2hまで無料)歩いて行ったほうがいいかも。徒歩4.5分です。 市役所の前を通り「ニューフジヤホテル」手前(糸川を渡る橋の手前)の路地を山側に入り、温泉寺を左にみてそのすぐ先にある誓欣院参道の橋のたもと。「山田湯」や「渚浴場」にくらべるとぜんぜんわかりやすいです。朱塗りの橋と共同浴場の白壁、その上に誓欣院の鐘楼が重なり見ごたえがあります。 扉をあけると浴室。なかは思いのほか広くて左右の壁面にカラン(計8位)、中央に椅子と桶が山がたに積まれています。奥に水色タイル貼3.4人のふたつの浴槽があり、右が熱湯槽、左が適温槽。ともに石膏の析出と緑青におおわれたカランからゲキ熱の源泉を投入。よこに水カランもあります。アメニティ類はなし。 熱湯槽はゲキ熱でしたが、適温槽に入れるので水でうめるのを遠慮していたら、あとから入ってきた常連さんが水を入れてくれました。この方によるとお湯は湯前神社あたりから引いていて、ここにくると70℃くらい、熱交換で冷ましているがそれでも熱いとのこと。 やや懸濁したお湯には弱い苦味と強いながらもまろみを感じる塩味。おだやかな磯の香が香り立ち、等張泉らしい適度な重みに明瞭なとろみと土類系の肌に食い込んでくるような力強さが加わるすばらしいもの。このとろみはたぶんメタけい酸=271.0によるものと思います。 やませみさん情報では、「近ごろ空洞化による組合員の減少で存続がきびしい状況」とのことですが、たしかに16時台で2人とゲキ空きで、やはり運営がたいへんなのかも・・・。雰囲気もお湯もすばらしい共同浴場なので、ここはおすすめです。(ただし、あくまでも共同浴場なので入浴にあたってはマナー厳守が必要かと) Na・Ca-塩化物温泉 87.5℃、pH=8.0、湧出量不明、成分総計=8.873g/kg、Na^+=2035.0mg/kg、Ca^2+=1057.0、Fe^2+=1.4、Cl^-=4983.0、SO_4^2-=180.7、I^-=5.4、メタけい酸=271.0、メタほう酸=8.3
|
![]() 「上宿新宿共同浴場」の外観 |
![]() 「上宿新宿共同浴場」の館内 |
![]() 「上宿新宿共同浴場」の男湯 |
![]() 石膏の析出ごてごてのカラン |