房総の湯巡り-2[1] byうつぼ |
■市原天然温泉(上総の華)「江戸遊」 館内は明るくゆったりとした純和風のつくり。床はフローリング風塩ビシート+たぶん人工素材系畳表でややハリボテ的ながら、居ごこちのいい空間に仕上がっていて、全体に和風スパ銭としての完成度は非常に高いです。1Fには受付、食事処や各種マッサージ、理容など。2Fが浴場で男女固定制、若干構成がちがいますがほぼシンメトリ。浴場入口に分析表をはじめ、各種許可証などが見やすく掲示されていて好感がもてます。 脱衣所は広くはないものの機能的で、よしずの床の足ざわりがいいです。内湯ゾーンは内湯(温泉、木枠石敷き12人以上)、絹の寝湯(ミスト湯)、機能浴槽、かわり湯、タワーサウナ、黄土サウナ(壁土から有効成分が出るらしい)、水風呂と多彩。かわり湯はオープン当初は非加温源泉かけ流し槽だったようですが、なぜか今は薬湯槽になっています。セパレート型洗い場28(たぶん井水)、アメニティ類完備。のどが渇く泉質なので冷水機が脱衣所と内湯に2ケ所もあるのはありがたいです。土曜20時で30〜40人程度とスパ銭にしてはけっこう空いていました。 露天ゾーンは、さざんかの湯(12人以上、東屋付、熱め)、ねころび湯(4人、寝湯)、くつろぎ湯(2.3人)と岩枠石敷き浴槽がならびます。さざんかの湯からお湯が引かれた足湯とすこし離れてひとり湯(1人用石風呂、熱め)×2があります。露天ゾーンはゆったりとつくられ環境演出も効いていますが、横のバイパスをときおり走る改造車の爆音が耳障り。 内湯は石の湯口から大量投入+底面注入で槽内吸湯オーバーフローなしの循環仕様。露天の各浴槽はすべて源泉かけ流しの掲示があります。さざんか、ねころび、くつろぎ湯、足湯は、さざんかの奥にある岩の湯口+底面注入からの供給湯を流し込む方式と思われ、鮮度感が高いのは、さざんかの湯と別系統のひとり湯。浴槽各所からかなり潤沢なオーバーフローがあります。Fe^2+=7.1と多いですが、鉄のイメージはほとんどないので除鉄はしているかと思います。 お湯は全体に熱めでさざんかの湯口付近では43〜44℃もあります。他の浴槽の湯温維持のために過加熱気味にしているかと思いますが、それにしても熱すぎでは? お湯はコーヒー色の黒湯で透明度70cmくらい、表面に白いアワと湯中に少量の茶色い浮遊物があります。お湯はえらく個性的なもので、強塩味+まろみをともなう重曹味。化石肥料臭とアブラ臭とアンモニア臭と臭素臭とヨウ素臭と僅微イオウ臭?が入り混じってアロンアルファのような臭い。 重曹泉系のかなり強いツルすべがあるお湯は高張泉の濃度感と食塩泉の温熱感があり、湯温が高いこともありますが長湯不可。浴後はややペトつきますが、すぐに肌がつるつるになります。重曹が効いているためか浴後のほてり感はさほどでもありません。お湯のイメージは茨城のほっとパーク鉾田の露天黒湯を凶暴にした感じかな。 あまりに個性の強いお湯なので、一般のお客からは賛否両論でそうですが、温泉好きは一浴の価値ありです。食事処のメニューもスパ銭にしてはなかなかいけます。 Na-塩化物泉 33.2℃、pH=7.9、479L/min(1,600m掘削揚湯)、溶存物質=11.565g/kg、Na^+=4020mg/kg (94.72mval%)、Mg^2+=51、Ca^2+=43、Fe^2+=7.1、F^-=6.8、Cl^-=5580 (85.89)、Br^-=37、I^-=2.2、HCO_3^-=1500 (13.41)、CO_3^2-=9.0、陽イオン計=4242.10 (184.63mval)、陰イオン計=7142.10 (183.26mval)、メタけい酸=170、メタほう酸=11 <H16.11.11分析> 〔 2005年10月16日レポ 〕 |
![]() 「江戸遊」のエントランス |
![]() 「江戸遊」の外観 |