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房総の湯巡り-1[7] byうつぼ


■成田の命泉「大和の湯」(リニューアル前)

(成田市、10:00〜22:00、800円、0476-28-8111)

※このお湯は、2005年4月"デザイナーズ温泉"として、多くの浴槽を設けリニューアルオープンしましたが、このレポはリニューアル前の旧施設のものです。(新施設のレポは、つぎをご覧ください。)

成田市北郊にある日帰り温泉施設。源泉名は大和の湯。場所は判りにくいですが、JR成田線「下総松崎」駅のそばまでいくと看板が出てきます。丘陵を背負った小川沿いの"ハケ"のような、いかにも温泉が出そうな??立地。なんとなくB級さびれ系施設を想像してましたがとんでもない。平成10年オープンと新しく手入れの行き届いた館内には、趣味のいい什器類が配され、BGMはクラシック。

浴場へつづく廊下に高々と掲出された分析表&別表にいきなりびっくり。成分総計9.466g/kg、120L/minの等張性含重曹食塩泉、炭酸イオンも72.0mg/kgと多く見るからによさげです。

男女別の浴場には、内湯(みかげ石造7.8人)、露天(岩造3.4人)にサウナ、水風呂。広くはないですがバランスのとれたとても居心地のいいものです。内湯は、石の湯口から20〜30L/min程度(目視)をしずかに投入し、湯船ふちほぼ全面から波打つようにオーバーフローしていきます。他に槽内注湯1ケ所あり。

屋根つきの露天は、岩の湯口から少量を投入でオーバーフロー。岩の表面には炭酸カルシウムらしき析出がみられます。高台にあり、はるかに望む印旛沼の向こうに夕日が沈むさまはなかなかの絶景です。木のデッキチェア×5があり、ほてったカラダをさますのに快適で大人気。

ともに黒湯なので槽内排湯は不明でしたがたぶんなく、パンフにも「吐水口から100%の源泉を終日出しっ放しにして常に浴槽から源泉を溢れ出させている(以下略)」とあるので源泉を加熱のかけ流しでしょう。(追記:半循環説もあり) カラン7位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日17時で男湯5〜10人。

適温で透明度40pくらいの黒湯には、明瞭な重曹味&塩味と黒湯に多い骨粉のような有機肥料臭。湯口では弱いモール?臭+極微イオウ臭があり、鮮度の高さがうかがえます。まとわりつくような重曹泉系の強いツルすべ感と、内湯ではアワつきがあります。で、重曹のツル+アワつきのヌルで甲府の温泉銭湯のようなツルヌル湯になっていますが、等張泉らしく、肌に染み入るようなより濃度感の高いイメージがあります。

HPには入浴マナーをまとめた温泉まめ知識や、温泉の効能についての特集もあり、オーナーの温泉に対する豊富な知識や熱意が感じられます。お湯の鮮度を保つために敢えて浴槽を大きくしない旨の気合いの入った説明も・・・。

温泉稀少の地、北総にこれほどのすばらしい施設があったとは、ぜんぜん期待せずにいっただけに、"驚愕"の一言。"癒し系"の日帰り施設としておすすめで、これは再訪必至でしょう。

Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 18.1℃、pH=8.15、120L/min(およそ1000m動力揚湯)、成分総計=9.466g/kg、Na^+=3025mg/kg (92.09mval%)、Ca^2+=101.7 (1.82)、Mg^2+=90.3 (5.20)、Fe^2+=1.1、Cl^-=3759 (73.15)、HCO_3^-=2217 (25.07)、CO_3^2-=72.0、Br^-=10.4、I^-=2.3、陽イオン計=3242 (142.9mval)、陰イオン計=6061 (144.9mval)、メタけい酸=131.0、メタほう酸=12.7、有機物=18.6 <H9.2.10分析>

〔 2003年3月29日レポ 〕


「大和の湯」(リニューアル前)の外観

「大和の湯」(リニューアル前)の男湯露天


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