1 湯畑源泉 55.3℃ pH=1.87 溶存成分=1.61g/kg
2 白旗源泉 54.8℃ pH=1.87 溶存成分=1.62g/kg
3 地蔵源泉 53.3℃ pH=1.91 溶存成分=1.46g/kg
4 月の井源泉 47.0℃ pH=2.3 溶存成分=1.34g/kg
5 一田屋源泉 温度不明 pH=2.1 溶存成分=1.73g/kg
6 若の湯(草津館) 54.7℃ pH=1.93 溶存成分=1.67g/kg
7 ての字屋源泉 47.3℃ pH=2.07 溶存成分=1.19g/kg
8 大阪屋源泉 42.9℃ pH=2.03 溶存成分=1.37g/kg
9 煮川源泉 51.0℃ pH=1.97 溶存成分=1.54g/kg
10 大日の湯(極楽館) 46℃ pH=2.2 溶存成分=1.20g/kg
11 みゆき源泉 温度不明 pH=2.35 溶存成分=1.26g/kg
12 君子の湯(泉水館) 48.7℃ pH=1.96 溶存成分=1.52g/kg
13 萩原の湯 温度不明 pH=2.1 溶存成分=1.49g/kg
(注:すべて自然湧出泉ですから、年次・季節により変動します)
K2) 西の河原 Al-SO4・Cl 79.0℃ pH=1.58 溶存成分=2.34g/kg 湧出量1,500〜4,000L/min(利用可能量1,400L/min)
温泉街西側の湯川・蛇沢河原に広範囲に湧出する大小50箇所ほどの泉源の総称です。噴気の影響で草木も枯れたいわゆる「地獄」の光景になっており、昔は「鬼の泉水」とか「賽の河原」と呼ばれていました。湯畑の周囲も昔はこんな光景だったのでしょう。現在は遊歩道も整備されているので、温泉がぼこぼこと湧出する様子を身近に観察できる草津名所です。
1957年に行われた西の河原全域の湧出量の一斉測定では、湧出実測値3,731L/minという記録がありますが、季節による変動が大きいようです。町内の源泉よりも薄いといわれる西の河原源泉ですが、現在の成分量を比較すると必ずしもそうではなさそうです。なお、現在ある「西ノ河原大露天風呂」は、高温の万代鉱源泉に河川水と水道水を混合して調整したお湯が給湯されていますから、西の河原源泉とは関係ありません。
K3) ゆりかご橋湧泉(天狗の湯) Al・Ca-SO4・Cl 55.9℃ pH=1.6(最大湧出時)
西ノ河原の上部、湯川源頭部の崖にときどき出現するまぼろしの泉源です。降水量のとくに多い年、降雨の3カ月後に湧出量が最大になります。1982年(昭和57年)の記録的豪雨の10月には4,178L/minという湧出量が記録されていおり、これは大量の降水で地下水の水位が上がったことで、普段は地下に隠れている温泉の流れが地上に現れてきたものと考えられています。近年はほとんど湧出が止まり、代わりに万代鉱源泉が放流されて西の河原露天風呂へ注ぐようにされています。
K4) 万代鉱 (Na)-Cl・SO4 94.2℃ pH=1.54 溶存成分=3.23g/kg 最大湧出量6,200L/min(利用量4,700L/min)
1970年(昭和45年)草津町内から西へ約2.5kmはなれた小殺生地区で、硫黄鉱山の坑道を掘進中に噴出した比較的新しい泉源です。しばらくは未利用のまま放流されていましたが、1975年(昭和50年)から町内に引湯をはじめるとともに、高温の温泉水と河川・水道水の熱交換で大量の温水をつくり、町内全域の生活用に供給できるようになりました。
万代鉱温泉の最大湧出量は最大時で5,800〜6,200L/minですが、利用量は最小時の4,700L/minに制限されています。これでも町内では利用しきれないため、余った温泉はオーバーフロー方式で、湯川上流(ゆりかご橋)とへび沢へ直接放流されています。万代鉱源泉の泉質は町内源泉よりも酸性度が強くて成分量も多いので、「ぴりぴりする」「肌がやられる」という評判がもっぱらです。これは、町内源泉よりも塩酸(HCl)成分が多いうえに、陽イオン成分が少ないために水素イオンの活量が大きいという特徴があるからです。万代鉱の湧出から数年経って、湯畑他の泉源の泉質に変化がみられるようになり、これは万代鉱源泉の一部が地下に浸透して、町内源泉に混じってきているのではないかとみられています。これについてはまた別の項で触れます。
【万座温泉】
万座温泉の泉源は万座川と殺生沢にわたる広範囲に分散しており、主な湧出地点は、薬師神社下の万座湯畑(M1)、高原ロッジ下の万座地熱(M2)、空噴付近(M3)に分かれています。これらとは離れて、奥万座(M4)、石楠花(M5)があります。全体の総湧出量は3,800L/minくらいと見積もられていますが、正確な測定資料はありません。また、高温源泉が多いために浴槽での使用量は少なく絞られ、大半は未利用で放流されているようです。 |