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山陰温泉めぐり前編 byONKEN21

■奥津温泉「奥津荘」(岡山県鏡野町)


鳥取県関金温泉から東へ向う林道で背後の山を越え一旦三朝町に入り、R179でウラン鉱山で有名な人形峠を越え、いよいよ岡山県美作(みまさか)地方に入ります。人形峠展示館で原子力や放射能、ウラン鉱石についてお勉強。三朝や関金・奥津はラジウムの多い温泉ですが、人形峠とは地脈が通じているんでしょうね。

人形峠を下って南下すると美作三湯の一つ奥津温泉に到着します。晴れの国・岡山県は備中・備後(吉備)と言った瀬戸内海方面は何度か行ったことがありますが、美作は初めてなんです。湯原・奥津・湯郷の“美作三湯”は湯郷のみ高校の修学旅行でバスで通過したことがあるものの、入浴するのは初めてです。未知の世界へ〜思えば遠くへ来たもんだ♪

岡山県鏡野町(旧奥津町)の奥津温泉は吉井川沿い深い山の渓流に開けた温泉です。藤原審爾の小説「秋津温泉」の舞台として知られ、昭和37年に奥津の少し下流にある大釣温泉(入浴400円@10〜18時)でロケが行われたそうです。私の生まれる前の話で何も知らないですが…

R179沿いの「道の駅奥津温泉」を左折、すぐ左折、足踏み洗濯の露天風呂を見ながら橋を渡ると左手に豪華日帰り温泉施設の「花美人の里」、右手に駐車場と温泉スタンドがありました。めざす奥津荘鍵湯は橋を渡ってすぐなので、ここに車を止めます。


奥津温泉「花美人の里」温泉スタンド

奥津温泉美人湯源泉の温泉分析書は温泉スタンドの屋根の下に掲示してありました。ここでは薄すぎなので、汲んでません。

  成分
  1.源泉名:美人湯
  2.泉質:アルカリ性単純温泉
  3.温度:源泉39.0℃
  4.温泉の成分(本水1kgに含有する成分及び分量)
   Na=39.0 Ca=3.2 K=0.5 陽計=42.7
   F=1.7 Cl=7.5 硫酸=10.4 炭酸水素=44.7 炭酸=8.4 メタホウ酸=0.1 陰計=72.8
   メタケイ酸=48.0 溶存物質・成分総計=163.5
   水素イオン濃度pH=9.3 比重:0.9988
   ラドン(Rn):2.9×10^-10Ci(単位)
   総ヒ素=0.008mg 蒸発残留物:0.09g
   銅・鉛・亜鉛・Mn<0.01 総水銀<0.0005 鉄<0.05 Cd<0.1 総クロム<0.02
  その他性状(知覚的試験等):無色澄明、無味、無臭
  分析年月日:平成16年12月27日
  分析者:(財)岡山県健康づくり財団(岡山県自第1号)

  ※成分に影響を与える項目(温泉スタンド)
  1.加水はしていません。
  2.加温はしていません。
  3.循環、ろ過はしていません。
  4.入浴剤添加はしていません。
  5.消毒のための塩素系薬剤は使用していません。
http://www.mto.ne.jp/hanabijin/stand.htm


足踏みせんたく湯

駐車場から歩いて橋を渡り、階段を下りると、河原に傘形の屋根のついた無料露天風呂があり、3月中旬〜12月中旬の日・祝の午前8:30より約15分間、「洗濯ダンス」ショーを見ることができます。この露天風呂もちろん入浴もできますが、橋から丸見え&開放過ぎで昼間は無理でしょう。夜なら入浴できそうです。隣には足湯もあります。

さらに山側には共同浴場風の「洗たく場」があります。ここは朝4〜9時までは地元の方が洗濯する生活の場。朝以外なら無料で入浴することもでき、現に2〜3人入浴してました。

※「奇習」足踏せんたくの由来
奥津温泉には古くから伝わる風習として「足踏せんたく」があります。当地にはその昔、熊や狼が多く横行し、川のほとりに湧出している温泉でせんたくをする婦女子に危害を加えるため、立ったまま見張をしながら又世間話をしながら踏み洗いをしているうちに奥津温泉独得の風習となったものです。 奥津町

※洗たく場
この建物は地域の洗たく場ですので、午前4時から午前9時までの入浴はご遠慮ください。奥津町


奥津荘「鍵湯」

“新境地の中国岩盤湯めぐり”第2弾は奥津温泉奥津荘の鍵湯に突撃します。橋のすぐ先、左手に奥津荘・東和楼・河鹿園の3軒の旅館が並んでいて、奥津荘は一番手前、バス停のまん前にあります。日帰り入浴は午後2時までで、昼食抜きで30分前にすべり込みセーフ(^_^;) 入浴料は1000円で@niftyに500円クーポンあり。奥津荘の他、東和楼・河鹿園・西西・瀬音・大釣・花美人の里のうち6施設に入れる手形が木製1300円、台紙1200円、道の駅で売ているそうです。

奥津荘の建物は古き良き木造建築で、旅籠のような風情。歴史が深そうです。奥津荘裏には旧奥津町民専用の真新しい立派な共同浴場あり。奥津荘の玄関を入り、帳場で入浴料1000円(@niftyのクーポンの存在知らず)を払います。帳場のちょっと先の左手に浴場に通じる階段を下ります。手前には通常男湯の「鍵」、奥には女湯の「立湯」、貸切風呂「川の湯」「泉の湯」があります。男女入替もあるそうで、宿泊者は朝は違う風呂になるんでしょうか。

脱衣所で服を脱ぎ、津山藩主が鍵をかけて一般人の入浴を禁じたという、由緒ある鍵湯へ。私一人で貸切状態。扉を開けると三朝大橋同様、左手下に岩盤の湯船が展開してました。湯船の縁は小さな石がびっしり埋め込まれていて、足元はデコボコした天然の岩盤になっています。横転注意。

お湯は主に川側の壁側面から気泡とともに湧き出していて、脱衣所壁側そばの岩盤の窪みからも若干の湧出が見られます。浴槽縁の切れ目から洗い場へオーバーフローしています。

お湯は無色透明無味無臭で、岩盤の奥まできれいに見えるほど、妖しいまでに透き通っております。美肌効果てきめんらしく、ボトル詰めの温泉水も販売されてるとか…。岩盤に立ってぬる〜い人肌の湯に胸まで浸かりながら、床をチョロチョロ流れている音を聞いていると本当に幻想的な世界へ深々と吸込まれていくのであります。

鍵湯源泉の分析書が脱衣所に、鍵湯の由来が階段脇に掲示してありました。ラドンの量は美人湯が2.9に対し、鍵湯12.1、なるほどラジウム含有量が多そうですね。ちなみに関金は194.9で桁違いに多いようですが…

  成分
  1.源泉名:奥津荘鍵湯
  2.泉質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
  3.温度:源泉42.6℃
  4.温泉の成分(本水1kgに含有する成分及び分量)
   Na=30.0 K<0.5 Ca=2.9 Mn<0.1 陽計=32.9
   F=1.8 Cl=8.3 硫酸=10.9 炭酸水素=34.8 炭酸=8.7 メタホウ酸<0.2 OH=0.3 陰計
   =64.8
   メタケイ酸=48.8 遊離H2S<0.2 溶存物質・成分総計=146.5
   水素イオン濃度pH=9.2
   ラドン(Rn):12.1×10^-10Ci(単位)
   総ヒ素=0.008mg 蒸発残留物:0.12g/kg
   銅・鉛=0.01 総水銀=0.0005
  その他性状(知覚的試験等):無色澄明、無味、無臭
  分析年月日:平成16年9月15日
  分析者:(財)岡山県健康づくり財団
※パンフによると、源泉100%無加水・無加温冷(離れ露天風呂は冬季のみ加温あり)


※奥津の名泉
鍵湯の由来
四百余年森忠政の領地奥津村に常にかぎを下して一般の入浴を禁じてゐた名湯があり土地の人々はこれをかぎ湯と稱(しょう)ヘて居りました。大正の初年この鍵湯を分析しましたところラジウムエマナチオンの含有量は三朝温泉につぎ世界第二位で胃腸病、神経痛、ロイマチス等に卓効のある旨、故佐多愛彦博士によって証明されました。此の文献は奥津大火で焼失しましたが土地の古老は今なを記憶しています此の鍵湯は今の幣荘の男浴場であります。

(参考)ガウスさんレポAll About郡司さん奥津荘レポ
アルバム奥津編6枚
http://okutsuso.com/


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