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山陰温泉めぐり前編 byONKEN21

■三朝温泉(鳥取県三朝町)


旅館大橋

山陰温泉めぐりはいよいよ兵庫県但馬地方から山陰の鳥取県に突入します。兵庫県浜坂から鳥取市へは50km1時間30分。実は兵庫県内でタイヤに釘を踏んでしまい、パンクこそしなかったものの、釘は刺さったまま。鳥取市内のカー用品店で抜いてもらって、夕食も食べます。夕方遅くなってしまったので、鳥取市から県道で山陰のラジウムの名湯、三朝温泉へ一気に突っ走ります。45km50分。

三朝温泉では本当はオンドルで有名な湯治宿「桶屋旅館」に泊まりたかったのですが、当日申込が問題だったのか、断わられてしまいました。その桶屋旅館の目の前にある、巌窟の湯で有名な「旅館大橋」で日帰り入浴することにします。ちなみに三朝温泉ではこの日は菩薩の湯、翌日は河原風呂(10年ぶり再訪)、株湯に入っています。

旅館大橋は温泉街の下流寄り、倉吉方面からなら河原風呂のある三朝橋手前に位置しています。唐破風の威風堂々とした玄関前には駐車スペースはないので、上流寄右手の空地にある旅館大橋専用駐車場を利用します。

玄関を入ると、すぐに従業員が丁寧に挨拶にきます。日帰り入浴でもイヤな顔一つせず、温かいおもてなしを受けます。旅館の日帰り入浴はたまに利用しますが、ここほどサービスの良い旅館は今まで出会ったことがありません。入浴料は1000円ですが、足元湧出の巌窟の湯とこのあたたかいおもてなしで少しも高いとは感じさせません。

まずは入って右手にある「ふくべの湯」という内湯と裸移動不可の露天「せせらぎの湯」を案内されます。それにしてもここ大橋は国定有形文化財指定というだけあって、昭和7年創業の木造普請、骨董の良さを旅館の随所に見出す事ができます。そう関東で言えば伊東東海館やいな葉、四国で言えば道後温泉本館にそっくりな造りです。いつか泊まってみたい!

最初は内湯のみのふくべの湯。浴室はタイル張のコンクリ造で、浴槽は雪だるま形の石造り。窓からは前庭や三朝対岸の山が望めるようです。お湯は無味無臭無色透明であっさり系。投入はなく側面注入のみ。吸込は作動しておらず、浴槽縁から注入分がそのまま溢れています。加水・冬季加温・循環となってますが、循環については時々作動させるか、お宿別温泉給湯方法にあるように掛け流し式に変更したのかも知れません。

次にふくべの湯脱衣所で一旦服を着て、廊下を歩いて階段を下ると露天「せせらぎの湯」がありました。隣には貸切風呂「かじかの湯」もあります。せせらぎの湯は川のほとりにある岩造の露天風呂で、風呂から出て立ち上がると三朝川の川面を望むことができます。奥にはホルミシスサウナも併設されています。ラジウム効果はうーん…?お湯はサウナからの投入1ヵ所、注入やオーバーフローありの掛け流し。でも加水の水道水のカルキか、あるいは岩のにおいかも知れませんが、少し生臭いにおいあり。

夜21時にふくべの湯+せせらぎの湯と「天然巌窟の湯」を男女交代。本来、日帰り入浴は夜21時までで、男子は巌窟の湯へ入れないのですが、番頭に巌窟の湯へ入りたい旨を伝えると、そこは融通を効かして21時まで待った上で入ってよいとのこと。女子が出たら、ご案内するとのことで、ロビーで少し待ちます。やはり大橋へ行ったなら、巌窟の湯へはどうしても入りたかったです。

従業員に案内されて玄関左手(下流寄)の巌窟の湯へ向います。中国岩盤湯シリーズ第1弾。脱衣所で服を脱ぎ、扉を開けると、下へ下る階段になっており、3つ並んだ巌窟湯が一望できます。右手からトリウム(トロン)泉の「上之湯」、真ん中と左手がラジウム(ラドン)泉の「中之湯」と「下之湯」。下之湯とつながった付属湯溜もあります。

「中の湯」「下の湯」は岩盤底の鉄製パイプから大きな気泡を上げて大量注入されています。これは外からのパイプでなく、岩盤を貫いただけのパイプでしょうか?でないと、正式な岩盤湯&足元湧出ということにならないのでしょうけど…。すべて床へオーバーフローし、洪水状態。

世界一のトロン泉「上之湯」は岩肌から投入され、足元湧出は確認できず。上之湯だけ露天のような生臭いにおいを感じました。ひょっとして露天やサウナと同じお湯か?附属湯溜を除きゲキ熱で長湯不可。ラジウム効果も手伝ってか、浴後は汗ダラダラ、目舞がしてノックダウン状態。世界でも類を見ないゲキ熱のラジウム+トロンパワーに圧倒されてしまいました。


(資料1)
旅館大橋の分析書及び温泉利用状況はふくべの湯と巌窟の湯各脱衣所に掲示してありました。
  成分
  1源泉名:旅館大橋 和泉・河原
  2泉質:和泉…含弱放射能-ナトリウム-塩化物泉 河原…資料なし
  3泉温:和泉…67.2℃ 河原…資料なし
  4温泉の成分(和泉のみ、河原…以下資料なし)
   Na=380.0 K=26.5 Mg=1.4 Ca=32.0 フェロ=0.1 Mn=0.2 陽計=440.2
   F=4.3 Cl=527.5 硫酸=49.4 ヒドロ炭酸=159.3 陰計=740.5
   メタケイ酸=133.1 メタホウ酸=11.7 メタ亜ヒ酸=0.5 非解離計=145.3
   溶存物質計=1326 遊離CO2=3.1 成分総計=1329
  5分析年月日:平成2年5月14日
  6分析者:鳥取県衛生研究所

※泉質別適応症(平成3年3月26日鳥取県倉吉保健所長)
  痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、やけど、虚弱児童

<ふくべの湯>
  加水の理由:*源泉温度が高いため加水している
  加温の理由:*冬場浴槽温度が下がるので適温を保つため加温
  循環:*衛生管理のため、循環ろ過装置を使用している
  注)「三朝温泉お宿別温泉給湯方法」によるとふくべの湯は“掛け流し(放流式)”となっている。
  (平成17年4月16日現在)

<巌窟の湯>
  加水の理由:*源泉温度が高いため加水している
  加温の理由:無し
  循環:無し…すべて湯はかけ流し

天然温泉利用証(3段階評価)→源泉・引湯・給湯3/加水・新湯注入率2

(資料2)
露天風呂せせらぎの湯入口の利用許可書には源泉名が掲示してありました。
  温泉利用許可書 鳥取県指令受倉保24第11号
  株式会社 旅館大橋
  (冒頭省略)下記のとおり許可する。
  平成2年2月13日 鳥取県倉吉保健所長
      記
  1.温泉のゆう出地:東伯郡三朝町三朝字築瀬164-2 和泉の湯
  2.利用目的:浴用
  3.利用場所:東伯郡三朝町三朝302-1
  4.利用施設の名称:旅館大橋 露天風呂(質量590cm×280cm×深さ50cm)

(資料3)
巌窟の湯脱衣所に掲示してありました。

◎三朝温泉大橋旅館巌窟の湯のトリウムエマナチオン(トロン)含有量測定結果報告書
  三朝温泉大橋旅館岩窟の湯には著量のトリウムエマナチオンを含有する
  昭和23年(1984年)9月及び11月にIMフォンダクトスコープによって測定した結果は次の通りである
  一、霊泉(飲用泉)
   トリウムエマナチオン(トロン)含有 450マッヘ単位
   ラジウムエマナチオン(ラドン)含有 80マッヘ単位
  ニ、上之湯
   相當多量のトリウムエマナチオン及びラジウムエマナチオンを含む
  三、中之湯及び下之湯
   多量のラジウムエマナチオンを含有するもトリウムエマナチオンを含有しない
  右の結果より霊泉及び上之湯はトリウム泉と穫すべく 之に對して中之湯及び下之湯はラジウム泉である。
  附記
   トリウム泉は世界に類例殆んど無く本泉のトリウムエマナチオン含有は現在の所世界第一位である
  昭和23年(1948年)11月23日
  東京大学助教授兼岡山医科大学三朝放射能泉研究所講師
  理学博士 黒田和夫

(資料4)
◎「三朝の湯は身体を元気にする」ポスターより(大橋の他、株湯にもあり)
ラドンのような弱い放射線が刺激となり、細胞を活性化させる。これにより毛細血管が拡張し、新陳代謝が向上することで免疫力や自然治癒力が高まります。これを「放射線のホルミシス効果」といいます。

○ラドン吸入のメカニズム
ラドンはラジウムが崩壊してできる元素で常温ではガス体です。このため温泉が地下から湧出後、気化して空気中に散ります。
温泉水中のラジウム→気化してラドンガスに→呼吸で肺に入る→肺から血液中に→全身の細胞内に
ラドンの放射線(α線)は皮膚を通過しにくいため、呼吸によって体内に取り込まれ、肺から血液に溶込み、全身の細胞に刺激を与えます。
監修・岡山大学医学部

抗酸化機能がアップ
ラドンを吸入すると抗酸化機能が高まります。抗酸化化機能とは老化や生活習慣病の原因と言われる悪玉活性酸素を消去する働きのことで、動脈硬化症などの予防が期待できます。

自律神経の乱れを改善
放射線の電離作用により、空気が小イオン化され、マイナスイオンが大量に発生し森林浴をしているのと同じ清々しい気分になり、リフレッシュできます。(リラックス効果、疲労回復効果)。これにより自律神経の乱れを改善し更年期障害に効果があると言われています。

飲泉による効果
三朝温泉はミネラルを豊富に含んだ泉質で、飲むと胃粘膜の血液量が増加します。コップ一杯程度を一日2〜3回食後に飲むとよい。

(参考)All About郡司さんのレポ
http://www.o-hashi.net/





この後、三朝温泉の3ヶ所の共同浴場を一気にレポします。

菩薩の湯

旅館大橋で入浴後、温泉街を散策してみました。三朝橋を渡ると、河原には足湯と河原風呂、その先右手には白狼の湯飲泉所と共同浴場菩薩の湯があります。左手へ行くと温泉街に入っていきます。三朝温泉街は○ウナや○ープやその関係の客引きがすさまじく、結構いかがわしい温泉なんですね。私、こういうのって、あまり関心ないです(^^ゞ。

株湯まで行って、営業終了のため入浴断念、スゴスゴと引き返し、冷えた体をまた温めるべく、共同浴場菩薩の湯へ入ります。4〜11月は15:00〜22:30までの営業、それ以外は21:30閉場なので、今11月下旬の22時、危ない、危ない。入浴料300円を番台で払い、22:30までと念を押されながら入りました。さすがにこの時間になると入浴客は一人もおらず、私一人で貸切状態。

浴槽は真ん丸の円形で、投入なし、浴槽側面からの注入のみで、そのままオーバーフローしている掛け流し。温泉利用状況では塩素を使って清掃とありますが、本当に清掃時のみと見え、一切カルキ臭はありません。源泉は5種類の混合らしく、旅館大橋や株湯とも違うお湯のようです。

湯醒めしないようここでよーく温まって、すぐに車に急行、河原で車中泊しました。なお、旅館大橋から少し倉吉方面に行った右手の三朝町総合スポーツセンター入口には三朝温泉小口温泉供給機なるナゾの温泉スタンドがありました。100Lで100円です。まあ、ラジウムやラドンなんてあっと言う間に飛んでしまうでしょうから、ここでは汲みませんでした。

菩薩の湯の温泉分析書と温泉利用状況は脱衣所に掲示してありました。

(三朝温泉共同浴場 ぼさつの湯 男湯/浴用)成分
  1源泉名※
   (1)町有源泉(河原の湯)
   (2)町有1号泉、4号泉、6号泉(混合タンク)
   (3)町有5号泉
  2泉質
   (1)単純放射能泉(緩和低張性高温泉)
   (2)含弱放射能-ナトリウム-塩化物泉(中性低張性高温泉)
   (3)単純放射能泉(中性低張性高温泉)
  3泉温:(1)60.1℃ (2)66.0℃ (3)44.9℃
  4温泉の成分(1)/(2)/(3)
   Na=274.5/411.0/69.7 K=1.130/19.6/3.7 アンモニウム=0.064/-/- Mg=2.581/4.2/2.4
   Ca=24.39/39.7/9.1 Al=0.013/0.2/0.2 Mn=0.035/0.1/- フェロ=0.029/0.1/0.1
   銅=0.001/-/- 陽計=302.7/474.9/85.2
   F=2.142/5.9/1.0 Cl=348.6/511.6/70.5 硫酸=41.46/110.0/27.1
   ヒドロ炭酸=159.5/234.9/76.3 ジヒドロ燐酸=0.081/-/- ヒドロ燐酸=0.125/-/-
   ヒドロ硅酸=0.107/-/- 炭酸=0.072/-/- ほう酸=0.051/-/- 陰計=552.1/862.4/174.9
   メタケイ酸=70.58/60.6/24.4 メタホウ酸=11.28/11.5/1.8 メタ亜ヒ酸=-/0.4/-
   非解離計=81.86/72.5/26.2 溶存物質計=0.9366/1.4098/0.2863
   遊離CO2=49.82/8.8/6.6 成分総計=0.9865/1.419/0.293(g/kg)
   ラドン=38.5/10.9/28.9(Me/kg) 総ヒ素=-/-/0.010
  5分析年月日:(1)昭和52年11月1日/(2)(3)昭和63年11月16日
  6分析者:鳥取県衛生研究所

※三朝町自動小口温泉供給機(100L)(温泉スタンド)/飲泉所(白狼の湯)については(2)の源泉を使用
(温泉スタンド分析年月日:昭和63年10月24日)

◎温泉法施行規則に定める「温泉成分に影響を与える項目」の掲示
  1.当施設は源泉温度が高いので、湯温調整のため加水しています。
  2.当施設は、毎日塩素を使って浴室の消毒清掃を行っています。

◎飲泉所(白狼の湯)
  飲用の適応症
  痛風、慢性消化器病、慢性便秘、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛
  飲用上の注意
  (2)温泉飲用の1回の量は、一般に100ml〜200ml程度とし、その1日の量はおおむね350mlを越えないこと。
  (ア)食後に飲用することが望ましい。
  (イ)就寝前なるべく避けた方がよい。
  決定年月日:平成13年8月6日 鳥取県倉吉保健所長



河原風呂と投入堂

翌朝は目覚めの一番湯で無料の河原風呂へ行ってみました。10年前にここだけは入ったことがあり、再訪。懐かしいです。三朝橋を渡り、左手(上流側)から河原に下ります。手前は足湯で、その奥の簾で囲まれた露天風呂です。脱衣所あり。

浴槽は2つに区切られ、土手側のパイプから大量投入、脱衣所側の区画へ流れ込んでいます。土手側は熱め、脱衣側はぬるめで長湯可。 ここの圧巻は風呂からの景色。秋の真っ青な青空の下、朝の清冽な空気の中、三朝川の清冽な流れの向こうに並ぶホテル街を眺めながらの湯浴みは最高。ついに山陰の三朝までやってきた感慨にふけるのでありました。

この後、浴後の散策と称して、三徳山三佛寺までドライブ。県道脇の遥拝所から世界遺産候補の国宝「投入堂」を眺めます。そこは三徳山の中腹の断崖絶壁、1300年もの昔によくぞ建てたものです。



株湯

三朝温泉最後の一湯は発祥地にある共同浴場株湯に行ってみます。三朝温泉上流の街外れの住宅街の中にポツンと共同浴場が佇んでいます。車の方は三徳山へ通ずる県道を走り、狭い路地を看板に従い左折(温泉街方面からの場合)、小川に沿って下り、株湯の源泉地らしきポンプ小屋の手前を左折。左手に10台くらいはおける駐車場があります。路地は狭いので、曲がる時に車体をこすらないように注意。駐車場の隣に共同浴場株湯がありました。その立地はやはり発祥地を思わせる極めてわかりずらい所です。

共同浴場の前には飲泉所があります。飲むとくせがまったくなくおいしいです。入口の券売機で200円の感熱紙の入浴券を買い、受付のおばちゃんに渡します。脱衣所で服を脱ぎ、浴室へ。古い木造の湯小屋で、その雰囲気はみちのくや上信越にある古き良き共同浴場の趣。小さな長方形の木造の浴槽が一つあるだけです。西日本のみちのくここにありと言いたいです。

お湯は浴槽側面の壁からボコボコ大量のあぶくを上げながら、湯面が盛り上がるほど大量に注入されています。そのまま浴槽全体から溢れ、床は川のように大洪水。湯温も本当に絶妙で、気持ち良くて眠くなりそう。ここのお湯には本当に感激しました。

もしクマオさんが訪れたら、ここだけは間違いなく★5つは付けるんじゃないでしょうか。三朝へ訪れたなら、ここだけは絶対外せないです。かなり古いので、建替えの話が起こっても不思議ではありません。行くのならお早めに…。

最後に、三朝のお湯の利用法でわかったことですが、旅館大橋も菩薩湯も株湯も古くからあるお湯は湯面上からの投入ではなく、すべて浴槽内の注入であったことです。ラジウムの崩壊や飛散をなるべく抑える、源泉の特性を少しでも生かすすばらしいお湯の利用法であることに気付きました。遠いですが、いつか癌を患ってしまった父母を三朝の地まで連れていきたいものです。旅館大橋あたりに泊まれたら最高だな…。

株湯の温泉分析書と飲用適応症、起源は入口横に掲示してありました。

  成分
  1源泉名:株湯1号2号混合泉
  2泉質:単純放射能温泉
  3泉温:45.6℃
  4温泉の成分
   Na=221.8 K=7.0 Mg=1.6 Ca=16.3 Al=0.1 Mn=0.1 陽計=246.9
   F=4.3 Cl=188.0 硫酸=69.7 炭酸水素=227.5 陰計=489.5
   メタケイ酸=41.0 メタホウ酸=5.0 メタ亜ヒ酸=0.2 非解離計=46.2
   溶存物質計=782.6 遊離CO2=3.7 成分総計=786.3
  5分析年月日:平成4年7月23日
  6分析者:鳥取県衛生研究所

  飲用の適応症
  痛風、慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛
  飲用上の注意
  (2)温泉飲用の1回の量は、一般に100mlないし200ml程度とし、その1日の量はおおむね350mlを越えないこと。また、この温泉はフッ素を含有しているため乳幼児の飲用は避けること。
  (ア)食後に飲用することが望ましい。
  (イ)就寝前なるべく避けた方がよい。
  決定年月日:平成4年8月5日


◎株湯の起源

旧記によれば、天皇第72代二条天皇の御宇長寛二年(1164)源義朝の臣大久保左馬之祐、主家再興祈願のため三徳山参詣の途次、白狼に出合い只一矢にて射留めんと矢番いたるが思うに斬る年古いたる獣は神仏の事役を勤むるものと聞き伝う、

然ることも計り難しと俄に、慈心を起し、故らに射損じて之を救助したるに其夜夢に妙見大菩薩左馬之祐に告げていく、汝慈済の心深きこと神慮に叶いたければ、済生のたよりを示すなり。今日、汝が白狼に逢いたる辺りの古木(楠)の株根に、霊湯あり汝宜しく之を穿ち諸人の病害を救え、左馬之祐神託を畏み其の指示の如くせるに果して温泉湧出せり。これを温泉の濫觴(らんしょう)にして株 湯の称ある所以なり。

大正五年、内務省石津利作博士の調査により、ラジウムエマナチオン含有量142.14マッヘであることを発表せられた。温泉としては、正に世界第一位であると称する所以である。

  温泉の効能は万病に効ありと雖も特に左の諸病に著効あり。
  1.リューマチ・痛風 1.神経系疾患 1.消化器疾患 1.婦人病一般 1.関節等運動機能障害 1.高血圧
  1.老衰予防 1.病変後の療養 1.創傷の治癒
  霊泉に感謝して体を清めて静かに入湯せられたし。
  昭和42年     三朝区長


◎白狼が教えてくれた三朝の湯(「三朝の湯は身体を元気にする」ポスター下部より)

平安後期、平家に敗れた源頼朝の家臣、大久保左馬之祐が主家再興のため、全国の大社名刹へ祈願の行脚に出たという。1164年のこと、山陰有数の霊場三徳山に参拝の途中、三朝の里に立ち寄ったとき、大きな楠木の根株の近くで年老いた白い狼を見かけた。弓矢で討ち取ろうとしたが、神仏の化身かもしれないと、そのまま見過してやったという。

その日の夜のことである。左馬之祐の夢枕に妙見菩薩が現れ、「その方の慈悲深い心に感じ入った。温泉のありかを教えよう。」と言って、白狼と出会った場所にあった楠の根株を告げて消えた。 翌日教えられた根株まで行くと、下からお湯がこんこんと湧き出していたという。 その温泉はそれからずっと一度も枯れることなく湧き続け、公衆浴場「株湯」として今日に続いている。

※入浴時間 平日8:00〜21:15 日・祝祭日8:00〜21:15
(参考All About郡司さんの株湯レポ

※山陰温泉めぐりアルバム三朝編15枚
↓三朝町役場のHP
http://www.town.misasa.tottori.jp/site/page/allindex/kankou/
↓三朝温泉旅館協同組合のHP
http://www.tabijozu.ne.jp/~misasa/


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