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山陰温泉めぐり前編 byONKEN21

■七釜温泉「ゆ〜らく館」(兵庫県新温泉町)


11/20(日)の日程です。

城崎温泉9:00(815.6km)気温7℃→〈県3・11・R178〉→余部鉄橋(JR山陰本線)12:00〜13:00(865.1km)9℃→<御崎林道>→七釜温泉ゆ〜らく館(食事)14:00〜16:00(893.9km)→〈R178〉→鳥取市(夕食等)17:40〜18:45(938.8km)→〈県21鹿野・三徳山経由〉→三朝温泉(旅館大橋・菩薩湯入浴)19:35〜23:00(983.3km)4℃

往路の近畿最後の湯、兵庫県新温泉町(旧浜坂町)の七釜温泉に昨年7月23日にオープンしたばかりの「ゆ〜らく館」をレポします。

兵庫県但馬の城崎温泉を出発、北上して海岸線を西へ。香美町のかえる島など香住海岸の絶景に酔いしれます。ちなみに兵庫県は本州中央で瀬戸内海と日本海に海を持つ唯一の県でしたね。途中には今年秋、コンクリート橋に生まれ変わるというJR山陰本線「余部鉄橋」に10年ぶりに再会。前回は青春18きっぷで渡ったんだな〜。20年前の列車転落事故はまだ私の記憶にあります。今、撤去前の見納めで、すごい人数の鉄道ファンや写真ファンが押しかけています。

御崎林道を通って余部(御崎)灯台を見た後は、浜坂に入ります。浜坂は二日市・七釜と共に国民保養温泉地に指定されており、浜坂温泉には「ユートピア浜坂」という温泉施設もあります。七釜とどっちに行こうか大変迷ったのですが、残念ながら昨年6月末に閉鎖された七釜温泉公衆浴場の名声も聞き及んでいたので、その後継たる新生ゆ〜らく館に訪れてみたくなりました。

なお、ニ日市温泉の「国民宿舎はまさか荘」は99年にすでに閉鎖され、お化け屋敷になってました(^^ゞ(取り壊しの上、老人ホームになるとか…)。その二日市温泉の南側に七釜温泉街がありました。

七釜温泉街北側には旧公衆浴場あって、入口反対には大釜のあった露天風呂の壁が見えました。その隣の山すそに大きなタンクが2本ありました。現在も旅館で使っているのでしょうか?ちなみに私は公衆浴場は入ったことがなかったので、在りし日に是非、入ってみたかったです。旅館街から大通りに出て、再び南下、温泉街の外れの左手に真新しくて近代的になった「ゆ〜らく館」がありました。

ゆ〜らく館で昼食を取りたいと思ったのですが、食堂がないとのことで、浜坂市街に戻って弁当屋でうどんを食べ、再びゆ〜らく館へ。玄関を入って靴を脱ぎ、フロントのあるロビーへ。フロントで入浴料500円を払います。左手が休憩所して開放されている畳敷きの「研修室」、右手が足湯(休止中)のある「自然環境展示ホール」、フロント奥が大浴場です。

手前側が大浴場(石)&露天桧風呂で当時男、奥が大浴場(桧)&露天岩風呂で女、それぞれに七釜名物の露天釜風呂があります。男女入替あり。他に露天釜風呂付貸切風呂が2部屋あって、45分、2100円で借りられます。

脱衣所で服を脱ぎ、浴室へ。最初、観光バスでの来場があって、芋の子を洗うような大混雑でしたが(フロントで了解を求められました)、帰ると2〜3人しかおらず拍子抜け。釜風呂も一人で独占して長湯できました。釜風呂の釜は京都産の本格的なもので、高見の台の上にあるので、浴場全体が見渡せてすばらしいです。釜茹での石川五右衛門じゃないですが、茹蛸になってきました(^^)

ここで感激したのはやはり七釜のお湯です。お湯を見た瞬間、荒城・かわだ以来、西日本では初めての濁り湯にビックリ。鉄分のせいか茶色がかった黄緑色で浴槽の底がよく見えないほど。

この濁りの原因は700m強の引湯による酸化も原因しているものかと思いますが、やはりその個性はすばらしいです。ただし公衆浴場時代にあったらしい香りはほとんどありませんし、長距離引湯もあるので、公衆浴場経験のある方は厳しい評価になると思います。

私が評価したのは丹後・但馬・山陰(石見を除く)という地域内で数少ない濁り湯であったことです。帰りに寄った同じ新温泉町内の湯村温泉も濁っておらず、きれいに透き通っていました。

あともう一点評価したいのは非加水無塩素掛け流しであったこと。内湯・露天とも吸込・注入はなく、すべて溢れていました。夜間に限り埼玉・久喜のなごみのように熱湯消毒しているようで、塩素臭も一切ありません。ただ、熱交換のし過ぎなのか、少しぬるめでしたが、長湯するにはいい温度です。

長野の豊野温泉りんごの湯もそうですが、公共温泉センターで従来では考えられない、お湯にこだわった施設が西日本にあることに感激しました。城崎で幻滅しただけに余計です。北近畿も日帰り温泉新設ラッシュになってますが、ここほどお湯にこだわった施設も珍しいのでは?公衆浴場時代とは源泉やお湯が変わったみたいですが、その伝統の片鱗には触れられたかなと思いました。関西や鳥取の方に強くオススメします。

温泉分析書  衛研第4523号 平成6年5月11日
 1.申請者:兵庫県美方郡浜坂町浜坂2673番地の1
  浜坂町長 ○○ ○
 2.湧出地:兵庫県美方郡浜坂町七釜字前田797-9(ゆ〜らく館住所:七釜524番地)
 3.湧出地における調査および試験成績
  (イ)調査及び試験者:兵庫県立衛生研究所 2名
  (ロ)調査及び試験年月日:平成6年3月18日
  (ハ)泉温:50.4℃(気温9.5℃)
  (ニ)湧出量:720L/分(掘削、ポンプ揚水)
  (ホ)知覚的試験:無色澄明,わずかに苦味を有す。
  (ヘ)PH値:7.18
  (ト)ラドン(Rn):5.5Bq/kg 1.5×10^-10Ci/kg 0.4マッヘ
 4.試験室における試験成績
  (イ)試験者:兵庫県立衛生研究所 3名
  (ロ)分析終了年月日:平成6年5月2日
  (ハ)知覚的試験:長時間放置しても変化せず。
  (ニ)密度:0.99989(20℃/4℃)
  (ホ)PH値:7.99
  (ヘ)蒸発残留物:1.466g/kg
 5.試料1kg中の成分
  Li=0.28 Na=255 K=4.8 Mg=46.3 Ca=163 Sr=2.3 Zn=0.12 フェロ=0.47 Mn=0.11 陽計=472
  F=0.480 Cl=104 Br=0.13 炭酸水素=142 硫酸=839 陰計=1090
  メタケイ酸=74.0 メタホウ酸=7.2 非解離計=81.2 溶存物質計=1.64g/kg
  遊離CO2=15.7 成分総計=1.66g/kg
  Ba=0.02mg Al=0.008 総ヒ素=0.046 総水銀<0.0005 銅<0.01 鉛・Cd<0.001 炭酸イオン=0.087
 6.泉質名:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩高温泉(Na・Ca-SO4泉)低張性,中性,高温泉
 7.禁忌症、適応症は別表による
 平成6年4月28日 兵庫県立衛生研究所長
 ※<AHREF="http://hse.dyndns.org/hiroto/private/Bclass/onsen/on01/on0107/onsen_d0
.htm">公衆浴場時代の分析書</A>(温泉大好き!!のHPより)

(別表)
 4.療養泉分類の泉質に基づく禁忌症、適応症は次のとおり。
  (1)浴用の禁忌症:(省略)
  (2)飲用の禁忌症:1)腎臓病 2)高血圧症 3)その他一般にむくみのあるもの 4)下痢の時
  (3)飲用上の注意
   フッ素およびヒ素を含有するため飲用許容量は1日につき330ml以内とし、長期にわ
  たり飲用したい場合には温泉について専門的知識を有する医師の指示を必ず受けること。
   なお8才から15才までの飲用の許容量は1日につき160ml以内とし、乳幼児の飲用
  を避けること。
 (4)浴用の適応症(泉質別適応症のみ)
  15)動脈硬化症 16)きりきず 17)やけど 18)慢性皮膚病
  注:15)は42℃以下での浴用の適応症
 (5)飲用の適応症
  1)慢性胆嚢炎 2)胆石症 3)慢性便秘 4)肥満症 5)痛風

※ご案内
  (冒頭文末挨拶部分省略)
  当施設は、七釜温泉の源泉100%のお湯をかけ流しでお楽しみいただきます。
  浴場のお湯は源泉からのお湯を熱交換により、入浴に適温にして注入しています
  また夜間は貯湯槽に貯湯するため、衛生管理の目的から60℃まで加温をしています。
 源泉に関する情報(分析書と同じ)
  引湯-引湯方法:パイプによる引湯/距離:引湯距離711.3m
  温泉に関する情報
  加水・加温
  加水:なし
  加温:貯湯槽があります。貯湯槽を利用の際は衛生対策のため60度まで加温します。
  入替-新湯入替:浴槽は毎日清掃し、新しい湯を注いでいます。

(参考)
温泉大好き!All About @郡司さんらくださん の公衆浴場時代レポ
日本海新聞記事:7/188/2410/30

※山陰アルバム七釜編4枚
http://7kama.jp/


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