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山陰温泉めぐり前編 byONKEN21

■かわだ温泉「ラポーゼかわだ」(福井県鯖江市)



いよいよ西への旅は岐阜県飛騨地方からから北陸の越前・福井県へと入ります。温泉は北陸では唯一入った福井県鯖江市のかわだ温泉「ラポーゼかわだ」を紹介します。

その前に2日日11/18(金)の日程です。
道の駅パスカル清見8:15(303.6km)気温-1℃→〈R158〉→白鳥(郡上市)9:40〜50(365.7km)7℃→〈R158油坂峠〉→越前大野11:40〜14:20(425.4km)→〈R158・県18〉→一乗谷(福井市)16:00〜50(480.3km)→〈県18〉→かわだ温泉17:25〜20:30(492.6km)→〈県18・R8〉→敦賀23:15(548.9km)→〈R27〉→大飯町情報交差点ほたる24:25(607.0km)10℃



岐阜県飛騨地方高山市の朝。気温-1℃。いや〜、この旅でも一番寒かったです。そしてこの翌日の飛騨は初雪となり平行する東海北陸道も50km規制だったそう。翌日は丹後半島まで抜けていたので、良かったですが、一日遅かったら、チェーンやスタッドレスではなかったので危なかったです(^_^;)それにしても1ヵ月後の12月には数十年ぶりの豪雪になったとか。お見舞い申し上げます。

高山市旧清見村からR158を旧荘川村へ。道の駅に「桜花の湯」という日帰り温泉と温泉スタンドがありますが、昨年6月に温泉スタンドの湯を汲んで、旧宅の風呂に入れてみたところ無色透明で特に浴感もなし。今回も入浴はパスしました。ひるがの高原を越え、郡上市へ。旧白鳥町から再びR158へ右折、油坂峠を越えます。湯坂峠道路は今年9/30に無料化されたばかりですが、下道へ(^_^;)

福井県大野市へ入ります。岐阜側は晴れていたのに、日本海側に入ったせいか時雨れています。九頭竜湖のわきを通り、大野市街では名水百選「お清水(しょうず)」(殿様清水)を汲み、すぐ近くの「福そば支店」で天ぷらおろしそば@750円をいただきました。さらに越前大野城、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡など歴史散策を楽しんだ後は、いよいよ温泉です。

私が福井県で目を付けた温泉は「重曹泉と芒硝泉が同時に含まれる日本でも数例しかないという珍しい温泉」(by公式HP)という文言に引かれた鯖江市の「ラポーゼかわだ」です。その珍しい温泉を体験してみたくなりました。ちなみに福井県で入った温泉としては2004年6月の厨温泉「露天風呂漁火」以来でした。

一乗谷の県道美山鯖江線を鯖江方面に南下、金谷トンネルを越え、山を下り突き当たりを左折。周りが山々が迫ってきて、その谷間の川を渡ると近代的な公共の宿「ラポーゼかわだ」がありました。ちなみにこの谷の行き止まりまで行くと廃業した上河内鉱泉「旭旅館」(ありし日のガウスさんレポあり)の建物が民家として残っていました。近代的な公共宿の陰(H7/7/12オープン)でひっそり消えていく秘湯の鉱泉宿(H11/10/1廃業)もあるののだな〜としみじみ思いながら、ラポーゼに引き返します。



夕方雨の降る中、ラポーゼの玄関を入ります。地元では大変人気のある温泉と見え、駐車場所の空きがほとんどなかったです。券売機で500円の入館券を買い、フロントの方に券を渡します。若いフロントの方はなかなか丁寧できちんと挨拶や浴場の案内をしていただけます。

ホール棟のあるフロント横から館内通路を通り、宿泊棟を通り抜けると、かわだ温泉の浴室棟がありました。近くには畳式の休憩所がありますが、15時で終了。かわだ温泉入口で靴を脱ぎ、ホール(マッサージルーム・仮眠用リクライニングシートあり)の向こうに脱衣所入口がありました。左手が洋風、右手が和風で、私が行った時は男は洋風でした。男女は週交代。

ここで驚いたのは露天風呂に5〜6匹のタヌキがいたこと。夜7時30分頃、夕食の残り物として餌をやってるのですが、タヌキは待ちきれず、暗くなってすぐの5時頃には露天風呂の前庭をうろついています。

タヌキも慣れたもので、露天に入っている人が少なくなると露天の縁まで近づいてくるのにはビックリ。またカメラ入りの袋を持ってきたら、餌と勘違いして手元までやってくるんです(^_^;)。その愛くるしい姿に3時間も粘って餌付けの様子まで見てきてしまいました。

タヌキを見ながらのお風呂はもちろん初めてでいい思い出に残りました。なお、この光景が見られるのは洋風風呂もしくは男風呂(餌のやり手が男なので)のみです。

 内湯は数十人可の大浴槽があり、大量投入1、吸込・注入も数ヶ所あって、オーバーフローなしの循環使用。やや茶色っぽいお湯でカルキ臭があります。ドライ&ウエットサウナ、真湯のジャグジーあり。

露天風呂は内湯から外へ出て、階段を下りた所にあり、10人位可タイル張りの円形風呂。露天風呂のお湯は投入なし、加熱熱湯注入1ヵ所、排水口はあるものの吸込みなし、周りにオーバーフロー、塩素臭なしの掛け流し。背後の壁には露天風呂は掛け流しである旨の掲示あり。

露天のお湯は内湯より濃い茶褐色ですが、公式HPやパンフの写真と違って、底が透き通って見えるほどの薄濁り。温泉利用状況の掲示でも加水はなさそうですから、成分ろ過しているか、自然の変化のいずれかでしょうか。

問題は全国でも珍しい重曹泉と芒硝泉の混合。やや肌がツルツル、露天では焦げたようなアブラもしくは硫黄っぽいニオイはあったので、重曹泉の特徴は感じられました。芒硝泉はよくわからんです(^_^;)。でもタヌキを見ながら、ずいぶん長湯できたこと、浴後汗が止まらないほど強烈に火照ったことは印象に残りました。

風呂からは夜は緑色にライトアップされた杉林や滝のある庭園が実に幻想的で美しい。前庭を照らすスポットライトは明るくなったり、暗くなったりします。珍しいタヌキと美しくライトアップされた森林を見ながら入る露天風呂は最高でここは泊まって夜に入浴されるのがいいかも。

あと、濁りこそ少し薄くなったものの、重曹泉と芒硝泉の混合を露天の掛け流しで体験されてみたい方も話のタネに是非訪れて見て下さい。それにしても重曹泉と芒硝泉の混合例は全国にどのくらいあるのでしょう?



温泉の分析書並びに利用状況は脱衣所にパネル掲示してありました。以下の通りです。

  かわだ温泉
  1.源泉名:かわだ温泉
  2.源泉所在地:福井県鯖江市尾花町12字27-4番
  3.泉温:32.3℃
  4.湧出量:260L/M(動力揚湯)
  5.泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(含芒硝重曹泉)
  6.効能(一般効能のため省略)
  7.成分
   Li=0.2 Na=784.8 K=3.2 Mg=60.9 Ca=53.6 Sr=2.8 Al=0.3 Mn=0.1 Ba=0.1 総鉄=4.7 陽計=910.8
   F=1.3 Cl=150.0 硫酸=460.1 炭酸水素=1647.0 Br=1.0 I=0.1 陰計=2259.5
   メタケイ酸=62.2 メタホウ酸=33.4 非解離計=95.6 溶存物質=3.265g/L 遊離CO2=550
   遊離硫化水素<0.1 成分総計=3.815g/L
   総ヒ素=0.08 銅・鉛<0.02 水銀<0.005 総硫黄=580※
  平成8年9月5日 福井県衛生研究所
  10.温泉の加温
   *入浴に適した温度に保つため加温しています。
  11.温泉の循環・濾過
   *温泉資源の保護と衛生管理のため、循環濾過装置などを使用しています。
  12.温泉の消毒
   *衛生管理のため、塩素系薬剤を使用しています。
  ※総硫黄量が桁違いに多過ぎ。パネル(映像確認済)へ転記する際、小数点を忘れたのかも?

  ※公式HP及びパンフより
  掘削深度:1200m
  泉水の性状:淡黄色、塩味、硫化臭
  PH値:6.76
  効能:切り傷、火傷、動脈硬化症、慢性皮膚病など

  ※大浴場掲示より
  かわだ温泉
  美人の湯(重曹泉):脂肪等を洗い流し、肌をこまやかにします。
  長寿の湯(芒硝泉):体のすみずみまで血行を良くし、動脈硬化を予防します。
  2つの成分を同時に含むかわだ温泉は全国でも珍しく、溶存物質は基定値の3倍に達する
   良泉です。(赤茶色は酸化鉄です。)

■入館料:大人(中学生以上)500円 子供(3才〜小学生)250円 入館回数券12枚5,000円
 入浴時間:午前10時〜午後11時(受付〜午後10時)3・6・9・12月の第1火曜日は休館
 宿泊料:3037円〜(素泊)<金・土・日・祝日前日・正月+577円/定員の半数以下20%割増>
※その他、期間限定料金あり、公式HP参照。

(参考)スパ・ミシュラン日本秘湯に入る会温泉情報ガウスさんのblog

http://www.lapause.jp/




( 2005年12月27日やませみさんからコメント)

重曹泉と芒硝泉の混合タイプはかなり珍しい泉質なので、以下のくらいしか見当たりませんね。

含ボウ硝−重曹泉(Na−HCO3・SO4) ()内は成分量 g/kg
 訓子府(1.06) アンヌプリ(1.72) ニセコいこいの村(1.56) 宮内(1.34)
 石抱(2.10) 川渡(1.17) 中山平(1.20) 鳴子西多賀(2.35) 鳴子瀧島(1.59)
 三太の湯(-) 安愚楽牧場(1.81) 館山(-) 吉祥(-) 城山百花の里(2.25)
 新中宮(1.26) 白山里(-) 越前厨(1.20) かわだ(3.27)
 出石乙女(1.39) 但東シルク(5.73) 吉田(6.12) 京町月見荘(2.18)

含重曹−ボウ硝泉(Na−SO4・HCO3)
 小樽南湯(2.28) フゴッペ(2.60) ニセコ東山(1.70)
 蔦(1.22) 滑川(1.34) 遠刈田壮鳳(1.71) 磐梯休暇村(1.84)
 甦みの湯(7.79) 御神楽(1.20) 清川高原(1.05) 保科館(1.05) 梅木(1.34)
 ふくい健康の森(2.60) 人吉すずみど(1.94)

かわだ温泉の分析については、「含硫黄-」と「総硫黄=580」が疑問なので、福井衛研に問い合わせていますが、返事くるかな〜?

( 2006年1月12日やませみからレス)

>ONKEN21さん
福井県衛生環境研究センターから回答がきたのでお知らせします。

小生が送った質問
 ・分析表に硫化水素(HS-,H2S)が計量されていないが
  泉質名「含硫黄―」となっているのは何故か?
 ・分析表末尾の「総硫黄=580」は何を意味するものか?

回答の要旨
 ・鉱泉分析指針7-25「全硫黄の定量」を行った。
 ・「総硫黄」は上記方法で測定した結果だが、測定値は580ではない。

「全硫黄」と「総硫黄」を混同しているように思われましたので、重ねて質問を送りました。


 


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