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榛名山ガラメキ温泉記 by温検12号  2001年5月

群馬県榛名(はるな)山に有名な秘湯「ガラメキ温泉」があります。ガラメキ温泉の由来、歴史、現在の状況について温検12号さんがレポートします。温検12号さんあてのご感想、ご質問は
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第1章 私のガラメキ温泉体験
第2章 上毛新聞
第3章 ガラメキ温泉へ訪れる方へ

第1章 私のガラメキ温泉体験

 群馬県に上毛三山があります。赤城山(最高峰・黒檜くろび山1828M)、榛名山(掃部かもんが岳1449M)、妙義山(相馬岳1104M)の三山です。この中で温泉と言えば、榛名山の伊香保温泉は全国的に有名ですね。数年前の若干古い地図を見て下さい。伊香保温泉の下(南)の北群馬郡榛東村に「ガラメキ温泉」と言う興味そそられる名前の温泉が目につきますね。この温泉の存在は本当に気になります。私はその温泉へ行って入浴したのですが、実に印象に残りました。さらに最近、上毛新聞でガラメキ温泉が特集記事として掲載されたので、世の中にはこんな温泉もあると言うことで、皆様に紹介したいと思いました。

(1)あこがれのガラメキ温泉

 私は道路地図を見るのが昔から好きでした。10年以上昔、道路地図で榛名山を見ていました。高崎市から群馬郡箕郷町を経由し、最短コースで榛名山を登る県道28号線(高崎榛名吾妻線)。松之沢峠を越えると榛名湖の東側の「沼ノ原」に出ます。松之沢峠の南にひの字形のような、Ωを逆さにしたような、巾着袋のような形をした道が伸びており、その先にガラメキ温泉と描いてあります。巾着袋の中には「鷹ノ巣山」と言う山があります。

 これならガラメキ温泉など、簡単に行けそうです。早速行ってみることにしました。ところが、県道28号線を走ったのですが、ガラメキ温泉へ向かう道など全く気付きませんでした。どうしても気になったので、後日また訪れてみて、県道から枝分かれする道を注意して探しました。すると入り口に鎖のかかった砂利道がありました。そう、これがガラメキ温泉へ至る道だったのです。これでは自動車など通行できません。断念して後にしました。

 この温泉について何か情報がないかな、と探したところある本でガラメキ温泉の記述を見つけました。それもヒューム管(土管)に入る風呂なのです。ただし、当時はガラメキ温泉は大蔵省国有地で立ち入りには許可が必要とあり、ガッカリしました。これでは、もう二度とこの温泉に足を踏み入れることは無理だろうと。でも行けない温泉(それも土管)とはますます興味をそそります。どんな温泉だろうと思いながら数年過ぎていきました。

(2)ガラメキ温泉 到達失敗

 ところがです。数年後、秘湯関連の本が巷に出回るようになり、読んでいたら「ガラメキ温泉」の入浴体験談を頻繁に目にするようになってきました。ひょっとしてガラメキ温泉の立ち入り規制は解除されたか、と思いました。ならばもう行くしかありませんね。ガイドブックを何冊も読み状況を頭に入れていざ、挑戦です。時は1997年8月20日(水)。私一人で榛名へドライブです。他の人は歩いていく温泉と聞いてビックリして逃げてしまいました。

 そして、県道28号を走り数年前の記憶を頼りに、例の砂利道を探しました。ありました。数年前にかかっていた鎖はなく、工事中で自動車でも入れるようになっておりました。シメシメ。急坂を下ると、沢があり道路上を水が流れていました。クレソンが生えております。水量が多く車で渡るのは無理と考えそこへ駐車、後は歩くのみです。道路が巾着袋の形に伸びているのを思い浮かべると今どのあたりを歩いているのか、想像できました。それにしても路面は砂利もなくデコボコですごい荒れよう。

轍の後も次第にはっきりしなくなってきました。こんな所へ温泉などあるのかと不安になってきました。巾着袋の形をくるっとまわり込むとまた沢が道を流れています。石の上を伝わりながらも、靴をぬらして渡りました。そして直進してしばらく行くと怪しい三叉路にぶつかりました。(これが今後、チェックポイントとなります。)地図によれば直進方向(三叉路の一番右)に温泉マークあったのでそこを行きました。

森に突入すると石碑が現れ、この辺で間違いないと確信しました。さらにまっすぐ行ったのですが、道は森の中で細くなるばかり。しまいには消えてしまいました。怪しい道が他にもあったので、そこを行っては戻りとしていました。でもいくら探してもありません。例の三叉路もさがしてもありません。時間的にも遅く心細くなってきました。林道入り口の鎖を閉められてしまうのも不安でした。ついに断念し、また歩いた道を戻りました。(往復+探すで3時間は歩いたかな?)

 そして車にたどりつき、鎖が閉まってなかったことに安堵して県道に出ました。県道を下ると砕石場があり、その道を登ってもガラメキ温泉の近くに通じています。どうしてもあきらめきれず、今度はその道を行ったのですが事務所みたいな所で道が狭くなり、その先はバイクでないと行けそうにありません。あきらめて引き返しました。

 こうして、私のガラメキ温泉行の第1回目は失敗に終りました。数日後、本屋で秘湯関連の本を立ち読みして、どこで失敗したのか確認してみました。すると、あの三叉路のうち、真中の上へ登って行く道が正解とわかりました。あの道だったのかと後悔することしきり。当日は登り坂の途中でこの道は違いそうだと引き返してしまいました。

(3)ガラメキ温泉入浴記

 その後、何かと忙しく2年も経過してしまいました。時は1999年9月11日(土)です。二人で行きました。今度は車に自転車を積んでいって、林道を自転車で走行しましたが、路面が荒れていてまともに走れません。おまけにタイヤもパンクしてしまいました。

 1時間位歩くと、いよいよ例の三叉路。このうち真中の急坂を上って行きます。5分もしないうちに旅館跡と思われる広場がありました。ここでキャンプをする人がいるのか、焚き火の跡があります。そしてその広場を通り抜け林の中を沢の方へ下りていきます。すると長年探し求めていたヒューム管が目に入りました。1度はあきらめていたものの、あこがれていた温泉についにたどり着き、本当に感無量です。

 ヒューム管が縦になって地中に埋まっており、管の底から生ぬるい温泉が湧き出しています。そばに風呂の跡と思われる石垣があり、すぐそばを沢が流れています。林の中で日はあたりません。風呂の周りに少し水が流れていてジメジメしたところです。早速、服を脱いで、二人でヒューム管の中の温泉に入りました。非常にぬるく、寒いくらい。夏以外は入浴はできませんね。深さは意外と深く、胸当りまで入った記憶があります。底には石が敷いてあって、お湯が湧きあがっているのがわかります。

さすがに2人だと、すごい勢いでザーと湯があふれますね。もちろん、湯が湧き上がっているので、あふれ切ったあとも、少しずつ湯がこぼれています。本当にこのような森の中、ヒューム管の風呂に入っていると不思議で、感動が尽きません。

 湯の色とか臭いなどは忘れてしまいましたが、ぬるいのによく温まり出た後も暑いくらい。体の中から熱が湧き上がってくるようです。さらに肌がツルツルし、浴後も大変気持ちがよいのです。これは歴史ある名湯にふさわしいお湯だと実感しました。


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