江戸料理百選タイトル   

江戸時代・豆腐料理いろいろ (40点)

豆腐100
 『豆腐百珍』挿絵
これから蒸し暑い夏も本番ですね。でも食欲のない夏には、お豆腐料理が是非おすすめです。
江戸の料理人達が編み出したお豆腐料理の原典の数々。種類も豊富で、見た目にも芸術的なものが多く、大変参考になると思います。『江戸料理百選』の「豆腐料理いろいろ」をご参照ください。 

 江戸料理百選  お品書き・豆腐の部 も併せてご覧ください。

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  1  木の芽田楽・浅茅田楽(でんがく あさじでんがく) ←レシピに移動できます。
    木の芽は、山椒の芽をいう。浅茅田楽は梅醤をぬり、炒ったケシの実をかける。

  2  ハンペン豆腐 ←レシピに移動できます。
    ここに出てくる「みの紙」は奈良時代より美濃国(岐阜県)から産出される和紙で重要無形文化財です。他の和紙でもよいが、必ず手漉(す)きのものを使うとよい。白玉豆腐ともいう。

  3  高津湯とうふ(こうづゆ)
    湯煮した絹ごし豆腐に、熱い葛あんをかけ、溶き芥子を置く。南禅寺豆腐ともいう。

  4  真のケンチェン・草のケンチェン
    真のケンチェンは湯葉で七品(豆腐・栗・牛蒡・きくらげ・生麩・せり・ぎんなん)の具を巻いて干瓢で結んで揚げたもの。草のケンチェンは真のケンチェンを油で揚げないで煮たもの。

  5  霰とうふ(あられ)
    豆腐のフライドポテト版。塩を振らずに、味噌汁や吸物の実にも利用できる。

  6  雷とうふ
    ごま油で香りよく、強火で一気に仕上げる時のけたたましい音は、雷様のように鳴り響く。

  7  ヒリャウヅ/方ヒレウヅ(かく)
    飛竜子または飛竜頭と書く。関西では「ひりょうず」、関東では「がんもどき」という。野菜がたっぷり入ったもの。

  8  ふはふは豆腐
    コレステロール摂取過剰気味の方には、風味も大変いいこの料理をと、先生もお勧めです。

  9  薯蕷かけ豆腐(い も)
    葛で温めた太いうどん状の豆腐の上に、おろした山芋(鰹のだし汁にすくい入れ、ふわっと浮き上がったのを)を汁ごとかける。

 10  小竹葉とうふ(お さ さ)
    焼き豆腐の香ばしさが身上。酒の肴に、しっかり甘辛に煮て、飯や弁当の菜にも。

 11  叩き豆腐(たた)
    冷めても味が変わらない。むしろ揚げたてよりは冷めた方がおいしいようです。

 12  玲瓏とうふ(こおり) ←レシピに移動できます。
    酢醤油をかけて料理の一品に、また黒蜜をかけてデザートにもいい。

 13  簑でんがく/ 鶏卵でんがく(みの/たまご)
    簑でんがくは、辛子味噌を塗り花がつおをかけたもの。鶏卵でんがくは、黄身醤油を塗り、ケシを振り、おろしわさびを置く。

 14  味曾漬とうふ(みそつけ)
    【試作余話】で「和製チーズ」の声が・・・。

 15  菽乳麺(とうふめん)
    ごま油の香りと、たっぷりの青菜がそうめんとよく合い、大好評の一品。

 16  石焼とうふ
    スキヤキ鍋で強火で一気に焼いて、大根おろしと生醤油で、沢山食べてください。

 17  苗埋菽乳(えびとうふ)
    混ぜ合わせた海老は芝えびが一番よいそうです。

 18  包油煤(つつみあげ)
    豆腐の水を切る方法として、灰の上に置いていますが、味を余りこわさず、柔らかく水を抜くのに役立っているそうです。

 19  雪消飯(ゆきげめし) ←レシピに移動できます。
    真の八杯とうふのように煮る、とある。
「真の八杯豆腐」とは、絹ごしのすくい豆腐を用い、水六杯と酒一杯をよく煮返した後、醤油一杯を入れ、さらによく煮返して豆腐を入れる。煮加減は、湯やっこのようにして、おろし大根を置く。

 20  真うどん豆腐(しんの)
    太いうどん状(7〜8ミリ角)に切った豆腐。

 21  渦まき豆腐(うず) ←レシピに移動できます。
    『 豆腐百珍』の「松重ね豆腐」を巻いたもの。豆腐と水前寺海苔の白と黒のコントラストが大変うつくしい。

 22  ぐつ煮とうふ
    西京味噌と赤味噌のねり味噌の中に、弱火で煮込んだ豆腐を、取りだし盛りつけ、粉山椒を振る。味噌の合わせ加減、溶き具合と煮すぎないよう火加減など、鍋の大きさも含めて注意を払いたい。

 23  小もんとうふ
    焙った海苔を豆腐に混ぜ、茶巾で絞ってゆでたものに、椀汁を張る。

 24  小笠原菽乳(おがさわらとうふ)
    葛湯に温めた豆腐をすくい出し、器に盛って大根おろし、葛あん、花かつおをかける。

 25  腐軋(ろくじょう)
    京都六条で初めて製造されたので六条豆腐ともいう。毎年、八十八夜の前夜、月山の残雪の形をみて、豆腐作りに入るという。長雨の少ない、安定した気候の頃である。現在、唯一の製造家である山形県の片倉家は、六浄豆腐と称し、商品化している。鉋で鰹節と同じように削り、塩抜きをしてから使う。

 26  肉ぼことうふ(かま)
    小カマボコ一枚分(14×3.5センチ)。豆腐と胡桃をよく摺りまぜ、かまぼこ状に蒸したもの。

 27  五瀬豆腐(い せ)
    豆腐、鯛、山芋をそれぞれよく摺ってから、一緒に合わせ卵白を加え、流し箱に詰めて蒸したものに鳥味噌、擦りごま、摺り山椒をかけたもの。

 28  霙蕎麦(みぞれそば) ←レシピに移動できます。
    蕎麦の上からかけるお豆腐は蕎麦より少し多い方がよい。このおぼろ豆腐のだし醤油はふつうより辛めの煮かげんにする。

 29  芝蘭菽乳(しらんとうふ)
    白ごまをよく摺り、白味噌を加え、葱の白い部分と青い部分も加え混ぜた上に、充分に温めた豆腐を置き、大根おろしを乗せる。

 30  合歓とうふ(ごうかん)
    豆腐の上に餅を重ねるようによそう。

 31  巖石とうふ(がんせき)
    吸物の実に利用。

 32  厚やき豆腐
    豆腐の中に、炒めた野菜(にんじん、牛蒡、椎茸、きくらげ、ぎんなん)、卵を入れ混ぜ合わせて焼く。

 33  菽乳粥(とうふかゆ)
    豆腐を飯に見たてたものです。

 34  齊淡鼓(なっとうもどき)
    枝豆とみそを合わせて摺ると、味噌の塩分で豆の青さが飛んでしまいます・・・。

 35  白あへ(しら)
    豆腐は、絞らずに、そのまま擂り鉢で・・・。これだと白あへも簡単。

 36  酢烹(すしに)
    いわしに、卯の花を使って重ね煮にする智慧に感心。意外に贅沢な料理という声も。

 37  べつかう豆婦(とうふ)
    寒天液で豆腐を固めたもの。塩味と甘味の調和をうまく取るのに、料理の腕が問われます。

 38  竹輪豆婦(ちくわとうふ)
    和紙の持つ良さが、改めて見直されます。

 39  茶碗むし
    具は白身魚、海老、椎茸、ぎんなん等が合う。辛子の味わいが実に心地よく・・・粒辛子が手に入ったら作ってみて下さい。

 40  埋豆腐(うづみとうふ)
    薬味は、粉山椒、いりごま、唐辛子粉、おろし生姜、刻みゆず。豆腐の上に味噌を乗せ、飯を盛る。

 『豆腐百珍』1〜18、19
 『豆腐百珍続編』21〜33
 『豆腐百珍附録』34〜36
 『名飯部類』19
 『豆華集』37〜39
 『都鄙安逸伝』40


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