ミスタードリラー2

しばらく任天堂から遠ざかっていたナムコが久々にGBで復活したのが昨年のこと。その時のソフトがミスタードリラーでした。この時、PS版とDC版も同時に発売されたのですが、売れ方が良かったのは意外にもGB版だったそうです (たしかに一時期まったくソフトが出回ってなくてヤフオクで『ふざけんな!』って値段で出品されてたことがありました)。ゲームモードも少ないし、アーケード版と違って横のラインは7ブロックしかないし、処理落ちもするんですが、やっぱりそのゲーム性 (手軽さ) がGBというハードに合っていたのかもしれませんね。

今回、他のどのコンシューマーよりも先にGBAで登場したのはそういう事情があってのことですが (某雑誌でナムコの方がインタビューで言ってたので間違い無いでしょう)、それにしてもGBA本体と同時発売になるとは思っていませんでした。まさに嬉しい誤算といったところ。

さて、肝心のゲームの方ですが、1人用の『ミッションモード』に3つのステージ (インド:500m、アメリカ:1000m、エジプト:2000m) が用意されているのはアーケード版と同じです。ただ、画面の大きさの関係から残念ながらエジプトステージの豆粒のような大きさのブロックは無くなりました (通常の大きさのブロックで、深さだけが2000mまで深くなっているという状態)。ということで、アーケード版を期待していた人にはちょっと残念な仕様かもしれません。あの理不尽な広さが魅力だったと言っても過言ではありませんからね、エジプトステージに関しては (私には難しすぎて全くゲームになりませんでしたけど (苦笑))。ちなみに、インドステージはGB版と同じく横が7ブロックでアイテムは無し、アメリカとエジプトでは横9ブロックでクリスタルブロックが出現します。エアカプセルの配置とかブロックの落下速度とか、全体的にGB版に比べて難易度が高くなっているような気がします (インドステージでもミスすることがある (苦笑))。
ちなみに、エジプトモードをクリアすると北極モード (超上級) が登場します。ステージの構成的にはエジプトモードと同じですが、エアカプセルが極端に少なかったり、ブロックの落下速度が速かったりと、かなりスゴイことになってます。大体、開発者自身が『エジプトモードもちょっと難しくし過ぎたかなぁ』と言ってるんだから推して知るべしです (苦笑)。

☆.そんなアナタに朗報!ミッションドリラーモードに限りススム (アンナ) が増える裏コマンドがあります。

  1. ゲーム中に [ START ] を押す。
  2. カーソルを (中断) に合わせる。
  3. [ SELECT ]、[ 上 ]、[ 下 ]、[ L ]、[ R ]、[ 下 ]、[ 上 ]、[ R ]、[ L ]、[ 上 ] の順にキーを押す。
  4. カーソルが (再開) にあるので、[ A ] を押す。

これで、残数が10になります。何回でも入力出来るので、根気さえあれば必ずクリアできるでしょう。ただし、このコマンドを使った場合にはスコアは記録されないので、ドリラーカードの一部は集めることが出来ないのでご注意を。

GBA版では他のゲームモードも充実しています。まず、GB版にもあった『とことんモード』は今回も健在。しかも、GB版ではススムが1人アウトになった時点でゲームオーバーになってしまいましたが、今回は EASY, NORMAL, HARD の3つのレベルがあり、各々5人、3人、1人のストックでプレイできます (GB版= HARD ということですね)。まぁ、1人アウトになったらオシマイというストイックさがウリでもあったので EASY や NORMAL はヌルイという人もいるかもしれませんが、初心者の為に間口を広くするのは悪いことでは無いと思います (強者は HARD 以外で遊ばなきゃ良いだけなんだし)。後述する新たに加わった特殊ブロックの影響でゲーム自体が難しくなっていますしね。

1人用のもうひとつのモードが『タイムアタックモード』。PSやDCのミスタードリラーで好評だったモードで、エアカプセルが無い (酸欠にならない) 代わりにステージ中にはタイマーが埋まっており、それを取ることで残り時間が延長 (というか、タイマーが逆算される)。制限時間以内にゴール出来ればステージクリアとなります。ひとつのステージは100m〜200mの短い構成になっており、ブロックとタイマー、後述する色々なギミックを発動する特殊ブロックの配置からもっとも効率の良いルートを見つけ出し、如何に効率良く掘っていけるかがカギになります。パズル性が高く、場合によっては正確かつ素早い操作を要求され、非常にアツクなりやすいので注意が必要。コントローラーを叩き付けるのならまだしもGBA本体を叩き付けたらシャレにならないですからね (笑)。ちなみに、A−Jまでクリアすると、裏コース (A−J) が登場します。かなり、シビアなコースもありますが、一応全部クリア出来ることは確かです (ドリラーカード15がゲット出来るぞ!)

あと、2人用の『対戦モード』があって、通信ケーブルを介してアーケードさながらの対戦をすることが出来ます。仕様上、カセットが2個無いと対戦は出来ないようですが、まぁ問題は無いでしょう。ドリラーで対戦したいというような人は間違いなくソフトを買ってるはずですから (笑)。対戦では、相手のフィールドに攻撃を与えるアイテムが登場。90度回転 (ターン) したり、180度反転 (フリップ) させたりして相手をパニックに陥れます。多分、GBでは無理だと思われる回転・縮小・拡大などのエフェクトですが、その辺はさすが32ビットのGBA。非常に滑らかに処理をこなしています。いや、あくまでも同じ土俵 (2D機) のSFCに比べてということですけどね。そうそう、アンナ・ホッテンマイヤーは対戦時のみならず1P用のキャラとしても使えます。単にキャラデザが違うというだけでなく、エンディングも異なります (クリアしたステージのエンディングは後から何回でも見れる)。ホリ・ススムに比べて声が低くて男みたいですが、れっきとした女の子です。ちょっと雰囲気を変えたい時にどうぞ?

さて、さきほどちょこっと書きましたが、対戦時に出てくるターンやフリップといったアイテムブロックの他に、クリスタルブロックとコンプリートブロックが出てきます。クリスタルブロックというのは、いわば時限爆弾ブロックで一定時間が過ぎると勝手に消滅してしまうブロックです (このブロックはタイムアタックでも出てくるのですが、効果が異なっており、掘ると特定のコンプリートブロックが崩せるようになる)。もちろん、消滅することで足場を失った上のブロックは落下してきます。コンプリートブロックというのは×ブロックのパワーアップ版 (笑) です。通常の×ブロックはエアが20%減るというデメリットはあるものの5回掘ることで破壊することが出来ました。しかし、コンプリートブロックは破壊することが出来ません。じゃ、どうすれば良いかというと・・・別に悩むことはありません。タイムアタックモードでしか出てこない (はず) のです。先ほども書いたように、タイムアタックモードではクリスタルブロックを破壊することで活路が開かれます。その隙をかいくぐっていけば良いのです。ちなみに、もしコンプリートブロックでカンオケ状態になったらリトライするしかありません (涙)

もうひとつ。従来、×ブロックを20個消す毎に地底人が現れてボーナス点 (765点) が入りましたが、今回はそれ以外に一定以上の得点になった時にブロックを掘ると現れる1up地底人が存在します。これは、その名の通りゲットするとストックが1upするもので、キビシイ地底旅行を進めるにあたって非常に心強いギミックとなっています (特に長旅のエジプトステージでは)。ただし、このギミック追加により Mr.Driller の称号を得る条件が厳しくなっています。ま、世の中そんなにウマイ話ばかりじゃないってことですね (笑)

グラフィックは、ドットの関係上プレイフィールドに対するスコアのフィールドの比率が大きくかなり窮屈な印象があるのは否めませんが、オリジナルのポップな雰囲気は上手く再現出来ていると思います (何気に背景のグラフィックもちゃんと描かれてるし)。大量にブロックが消えた時にGB版は処理落ちがかなり厳しかったですが、GBAではそういった問題もありません (さすが 32bit)。もっとも、処理落ちしてる間にルートを考えてたって人にはキビシイ改善かもしれませんが (笑)。入力に対するレスポンスもまぁまぁです。GBの時は掘るボタンの反応が遅くてブロックに潰されるということが多々ありましたが (ソフトというよりもハード的な要因=使い過ぎてボタンがバカになってた?)、今回はアーケードと同じくらいのレスポンスです (やっぱ、感覚的にはちょっと詰まってる感じはするのだけど)。それよりも、アーケードで良く装備してる所があったオート連射ボタン (掘削機ボタン) を付けて欲しかった気がします。あの爽快感は何とも言えないものがありました。GBA本体に連射機能があれば・・・。

アーケードは周りがうるさすぎてまともにサウンドを聴いたことは無いのですが、とりあえずGB版に比べると格段に良くなってると思います (音に深みがあるようなカンジがする)。まぁ、RPGやADVと違ってリアルなサウンドが要求されるモノではないので、音質がどうのこうのということにはあまりこだわってはいませんが、十分満足出来るレベルだと思います。特に、カプセルを取った時、潰された時、エア切れの時、ギリギリで避けた時に声が出るのはもちろん、スタートからエンディングまでススムくん (というか、登場人物全て) のセリフは全て喋るようになっています。もうホントにアーケードそのまんま。ゲーム自体がシンプルなのでメモリを音声の方にまわせたのかもしれませんが (笑)、それでもこれだけ喋りまくるのは (携帯機としては) 驚異です。

あと演出面というかオマケ要素として、ドリラーひみつカードなるモノを集める要素もあります。ステージをクリアするとか色々と条件があるみたいですが、まぁ多分普通にゲームをやり込んで (やり込みの度合いにも色々あると思いますけど) いけば全部集まると思うのであまり重要視していません (各キャラの紹介が書かれてるだけだし)。

とにかく何も考えずに始められるルールの簡単さと、十字キーとボタン1個で遊べる手軽さ、そして初心者は初心者なりの、上級者は上級者なりのプレイスタイルで楽しむことが出来る奥の深さがこのゲームの魅力だと思います。往年のナムコのゲームスタイルを久々に感じる1本です。GBAって何か期待感が凄く高くって、グラフィックにしてもサウンドにしても究極まで性能を引き出してないと×みたいな風潮があるけど、このゲームやチュ〜チュ〜ロケットみたいな適度に力を抜いたカンジのゲームがあっても良いと思います (いや、実際には技術的に凄いんだけど、見た目そういうことを感じさせない)。っていうか、携帯機なんだからこういう手軽なゲームこそもっと出てきて欲しいと思うんですけどね。

余談ではありますが、ファミ通のクロスレビューでこのソフトに6点付けた女、バカじゃねぇの?いや、点数が問題なんじゃなくて『喋る以外は前作と変わらない印象』っていうコメントがバカ丸出し。処理速度に関してもブロックの数にしてもギミックにしてもそれに伴う戦術の変更にしても大幅に変わってるじゃん。EASY モードだけやってレビューしたんじゃないだろうな、ゴルァ!とにかく、お前逝ってヨシ!

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風のクロノア・夢見る帝国

ナムコのGBA参入第2弾となる本ソフト。今回の舞台はとある帝国。ここでは、夢見ることを忘れた皇帝が国民に夢を見ることを禁止しています。そうとは知らずに、この帝国に迷い込んだクロノアとヒューポーは皇帝の逆鱗に触れ処刑されそうになってしまいます。しかし、この帝国に突然現れた4匹の怪物を倒せば赦免してくれることになり、クロノアは怪物退治に向かう・・・というストーリーです。この少し前にPS2でもリリースされていましたが、要素的には以前リリースされたWS版に近い出来になっています。単に同じ携帯ハード用ということではなく、ゲームの持つ雰囲気っていうのかな?そういうのが両者には共通してるような気がします。

基本システムはWS版と変わりません (というか、シリーズ共通して、十字キーと風だま&ジャンプボタン) ので、そちらの紹介ページを見ていただくとして、GBA版で変更になっているところを書いていきます。

本ゲームは全部で4つのワールドをクリアすると、5番目のワールドが現れ、それをクリアするとエンディングになります。今回、変わったのはワールドの途中に分岐があること。この分岐はアクションルート、パズルルートと別れており、前者は強制スクロールによるアクションでとにかくゴールに着けばクリア、後者はビジョン (ステージのこと) の中にある様々な仕掛けを利用して月のかけらを全部集めるとクリアになります。パズルルートの方が難しいように見えますが、実はあまり難しくないです。新たにいくつかのギミック (天秤とか、強制移動矢印とか) が加わってるんですが、どのビジョンもパッと見ただけで『あっ、これはここに使うんだな』というのが分かるようになっているのでサクサク進みます。もちろん、夢のかけら (集めなくてもクリア出来るけど全部集めると良いことがある) も全部集めることが出来ます。多分、WS版をクリア出来た人なら全く問題無いでしょう。
それに引き換え、アクションステージはクリアするだけで大変。フロートボード (空中に浮くスケボー、PS2で出てきた) を使って進んでいく横スクロール面は簡単にクリア出来ますが (ただし、夢のかけらを全部集めるにはルートとアイテムの場所を完全に把握してないと不可能)、ノーマルな状態で進んでいくスクロール面 (縦横アリ) は、とにかくタイミングがシビアでクリアするだけで大変 (夢のかけら全部集めるなんてトンデモナイ!)。実際、アクションルートを選んでプレイしてみましたが、クロノアの残り数が経ること減ること (苦笑)。まぁ覚えちゃえばどうってこと無いのかもしれませんけど、私にはちょっとツライですねぇ。

で、各ワールドのビジョンを全てクリアすると、そのワールドのボスとの戦闘になります。ここは完全にアクション面。基本的に、どのボスもそれほど奇抜な動きはしません (姿は奇抜だけど (笑)) ので、ボスの攻撃を避けながら動きのパターンを見ていれば倒すのは比較的簡単だと思われます。どのステージも画面上に現れるムゥを捕まえてボスの弱点に向かって投げればダメージを与えられ、ライフゲージを0にすれば勝ちになります。拡大縮小機能を使った演出や、揺れる足場の上での戦いなど、まぁ他のゲームで見たことあるような・・・というカンジがなきにしもあらずですが、非常に良く出来てると思います。特に最後の大ボスのステージの攻撃はスゴイです。

グラフィックの話が出てきましたが、どのビジョンもデザインに統一感があるのと、パステル調の色使いがクロノアのキャラにとても良く合っています。WS版のグラフィックも良い味出してましたが、それに色が付くことでより一層魅力的になったと言えるでしょう。あと、気に入ってるのは各敵キャラを膨らませた時のグラフィック。みんなカワイイんだけど、ジャンプして天井にぶつかった時にちゃんとブニュッってカンジで潰れるのが芸が細かい。他にもブロックや敵をカサ代わりにして滝の下をくぐりぬける時の水飛沫とかもちゃんとしてるし (この時の音も良いんだ)。そうそう、ずっと操作しないでおくとクロノアが色んなポーズを取るんだけど、止まってた時に向いてる方向でポーズが変わるってのもスゴイですね。そんなポーズ何種類も作っても・・・と思うのが普通の開発者ですが、プレイヤーにしてみれば思わぬモノを発見した!っていう喜びがあって非常に嬉しいものです。こういう遊び心は大歓迎ですね。

WS版では、そのハードの特徴を使おうとして、縦方向に本体を持たせて遊ばせるビジョンがありましたが、何か無理に使おうとしてるだけで縦画面にするメリットがほとんど感じられませんでした。GBAは、もちろん縦に持つことなんか出来ないのですが、その代わりに回転機能を持っています。で、これを活かした仕掛けに回転部屋というのがあります。これは、部屋にあるスイッチを押すことで部屋全体が90度回転。もちろん、中に居るクロノアや敵、そしてブロックなどもそれに合わせて移動します。回転することにより、クロノアと敵やブロックの相対位置が変わるのはもちろん、回転することによってそれまで塞がれていた出口が開き別のルートに進んでいけたりします。惜しむらくは、この回転部屋と他のギミックの組み合わせによる謎解きが少なかったこと。単純に回転して別ルートの出口に行くってのはちょっと物足りなかったですね。

サウンド面は、先ほど水飛沫の音が良いと書きましたが、BGMもSEも含めて非常に良いと思います。クロノアが着地した時の靴の音とか、風に吹き上げられる時、はばたいてる時のSE、各ワールドのBGM、クロノアの声等、かなり良いカンジです。特に音声はクリアです。本体のスピーカーで聞いても音割れせずにキチンと聞こえます (ぉぃぉぃ)。音とグラフィックによる統一感のある演出のおかげで楽しく遊ぶことが出来ました (エンディングのスイング系のBGMもナカナカ良いですな)。サウンドテストモードとかあったら良かったんですが・・・もしかして何処かにある?

エンディング後には、おまちかね?のエキストラステージが選択出来る様になります。アクションルートを完クリしてないので断言できませんが、とりあえずパズルルートでクリアした私のソフトでは2つ出てきました。パズル要素よりもアクション要素が非常に強いので私にはかなり難しいです。ノーマルゲーム中のアクションルートの方がまだマシ (苦笑)。ま、でもこれはシリーズ恒例のお楽しみ企画みたいなもんなんで、とりあえず置いときましょう。

非常に間口の広いゲームであり初心者でも入りやすいゲームです。ギミックも一度に出てくるのではなくビジョンが進む毎に少しずつ新たなモノが追加されていき、その都度覚えていくことになるので私のように脳味噌が2ビットしかない人でも安心です (笑)。あと、基本的にアクションルート以外では死ぬことはほとんどありません。回復アイテムや1upアイテムが多く、かつミスした場合でもその場面からやり直すことが出来るので滅多なことではゲームオーバーになりません。というか、私このゲームでゲームオーバーの画面を見たことが無いです (1ミスの画面は何回か見ましたが)。制限時間も無いので、アクションの練習をすることも出来ます。最初は2段ジャンプすら出来なかった人でもゲームが進むうちに2段ジャンプした後に空中の敵を捕まえて更にジャンプ!なんて芸当もこなされようになっているはず。もちろん、上級者には上級者なりの楽しみ方が出来ます。特にエキストラステージはテクニックを駆使しなければクリア出来ないので歯ごたえ十分でしょう。単純操作で多彩なアクション、操作することに喜びを感じるゲームって希少だと思います。

あえて、このゲームの欠点を挙げるとするならば、コレだ!というウリが無いことかな?PS2版のように派手な演出や面数にボリュームがある訳でもなく、WS版が既に出ていたため、2Dアクションとしてもそれほど目新しい存在では無いです (パッと見にはカラーになったくらいしか違いが分からないもんね)。まぁ、良く言えば既にシステムが完成されていると言えるし、悪く言えばヒネリが無いとも言える。どう捉えるかは個人の判断だと思うけど、少なくとも私は買って良かったと思ってます。やっぱ、面白いモノは面白いのよね〜。

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ファミリーテニスアドバンス

ファミリーシリーズとしてファミスタと双璧をなすナムコ伝統のスポーツゲーム・ファミリーテニスが久々に復活。一応、テニスゲームとしてはPSでスマッシュコートシリーズがリリースされていたのですが、なんか微妙に違う所があってイマイチ馴染めませんでした。やはりタイトルが違うということは、それなりに意味があるということなんですね。

あらためて言うまでもないことですが、本ソフトはテニスゲームです。対戦相手やコートを自由に選べるエキシビジョンモード、ランダムで決定されるトーナメント表に従って対戦していき優勝を目指すトーナメントモード、課題をクリアしていくチャレンジモード、色んなショットの練習が出来るトレーニングモード、とスポーツゲームとしては非常にオーソドックスといえるモードで構成されています。個人的に、PCエンジン版のワールドコートから入った身としては、クエストモードのようなお遊びモードや、SFC版の熱血スポ根ストーリーモードのような、1人で遊んでも楽しいモードを付けて欲しかったところ。お遊び要素としてはいくつかあるんですが・・・まぁ、ちょっとそれは後回しにしておきましょう。

肝心のゲーム性ですが、ゲームとしての手応えというか、手触りは正にファミリーテニスというカンジです。サーブにしろ、ストロークにしろ、ボールを打った時の感触がFC版から脈々と続く同シリーズのそれ (ボールをひっぱって打つ時とか、サーブの時の溜めとか、その他モロモロ) がそのまま受け継がれているようなカンジです。ただ、ちょっとラケットの当たり判定がシビアになっているような気がします。特にボレーする時に強く感じるのですが、従来だと結構ズレてても修正を加えてくれてたというか、それなりにちゃんとボールを打ち返してくれてたんですが、GBAでは当たりが悪いとすぐに空振るし、当たっても意図した方向とは微妙にズレた方向に飛んでいきます。あと、やたら転ぶ (つーか、飛びつく)。で、これも従来のシリーズに比べて精度が悪いというか、今までだと多少手前で飛びついてもなんとか打ち返してくれたのですが、本作ではほとんど打ち返すことも無く、ボールは無情にも自コート上を転々としていきます。ただ、ここ最近テニスといえばマリオテニスというカンジでそっちの操作性に慣れてしまっていたので難しく感じるのかもしれませんし、絶対に納得いかないという範疇ではないのでゲームを繰り返して慣れていけば解決するでしょう (昔からのファンであれば、そんなにじかんもかからないでしょうしね)

各モードについてですが、エキシビジョンモードは普通に試合をするだけなのですが、何回も遊んでいると隠しキャラが使えるようになる (通常キャラは16人) というオマケ要素が付いています。隠しキャラの詳細については公式ページに説明を任せますが、ナムコを代表する (かな?スプラッタハウスとかって (笑)) キャラがたくさん登場します。これらのキャラは、隠しキャラだけあって異常に強い・・・訳ではなく、能力的にはバランス良く割り振られてます。見た目が面白いだけってカンジかな?個人的には、グラフィックが変わってるってだけでなく、それなりの個性が出てたら良かったのになぁと思います。ベラボーマンなら飛びつきボレーの代わりに腕が伸びるとかね (そこまで求めるのは酷かもしれないけど)

トーナメントモードでは、ひとつのトーナメントをクリアすると別のトーナメントが現れるとともに、エキシビジョンで使用出来る特別コートが増えます。この特別コートもナムコのゲームに関連するデザインになっていて、城の中で戦う鉄拳城コートとか、温泉地で戦うディグダグ温泉コートの他、きらびやかなクラブが舞台のローリングサンダーコートや飛行機の上!で戦うスカイキッドコートなど、バラエティに富んだ内容になっています。もちろん、見た目が変わっただけでなく、それぞれの舞台に合わせたコート状態 (畳とか飛行機の鉄板とか温泉の泥地とか) が変わっているし、それぞれのBGMやSEも変化します (飛行機の上だとホントに鉄板にボールをぶつけたような音が出る)。こういった特殊コートもファミリーテニスシリーズの醍醐味であるので、その種類の多さは非常に嬉しいところです。ただ、実際には種類が多くても遊ぶコートはほぼ決まってたりするんですけどね (苦笑)

チャレンジモードは、全部で10種類あるミニゲームの中からランダムで選択される4つのミニゲームをクリアしていき、最終的な成績の評価によってアイテムがもらえるというモード。ミニゲームには、コート上に現れるターゲットにサーブを当てる、COMのサーブをリターンするといった単純なモノから、ラリーを繰り返しながらランダムに現れるリングにボールを通す、COMからリターンエースを奪う、制限時間内に車にボールをぶち当てて壊す、などのかなりテクニックを要求されるものまで様々。しかも、ミニゲームはランダムに選択されるので、自分の苦手なものが出てくることもあり、ナカナカ良い評価がもらえません。個々のゲームは実はサーブ、ボレー、スマッシュ、などの良い練習ゲームにもなっている訳で、個人的には後述するトレーニングモードを削って本モードに統合しても良かったような気がします。あと、ゲームは個々に遊べるようになっていた方が良かったな。ま、そうなると得意なゲームしかやらなくなるから能力が偏っちゃうかもしれないけど (笑)

トレーニングモードは、その名の通り練習モード。ネコ師匠 (ナンジャタウンにいたネコ) が打ってくる様々なボールを打ち返したり、サーブの練習をしたりすることが出来ます。単純に打ち返すだけでなく、コート上にターゲットを配置してそのターゲットめがけて打ち返すことを練習したりも出来ます。ネコ師匠が打ってくる球種だけでなく、どのエリアに打ち込んでもらうか、コートの手前と奥のどちらで練習するかを細かく設定できるし (完全ランダムも可能)、ボールの打ち返しに成功した率とかターゲットに命中させた率も表示されるのでかなり良い練習になります。ただ、実際問題としてこのモードで遊ぶ人がどれくらいいるのかは疑問。というのも、この手のスポーツゲームって練習モードで練習するよりも弱い相手と即実戦で対戦した方がよほど良い練習になりますからね。実際、本シリーズで遊んだことのある人ならわざわざプレイしなくてもエキシビジョンを2,3回やれば勘がつかめるし、かといって全くの初心者が遊ぶようには想定されてないんですよね (ホントの初心者ならば、まずはサーブの打ち方とか、スマッシュの仕方といった基本的な操作から練習したいと思うんですが)。まぁ、それでも何事も基本が大事ということもありますし、練習時間によってアイテムももらえるようなので個人的には結構プレイしていたりします (その割に未だにスマッシュが上手くいかない (苦笑))

さて、先ほどから度々書いているアイテムですが、これはラケット、衣装、シューズ、オプション、その他のカテゴリに分けられていて、それぞれ装備することで効果が現れます。といっても、そのほとんどが見た目が変わるだけで性能は変化しないという類のモノ。中には足が速くなるシューズとか、ボールを引き寄せるラケットとか (反則的な強さ (苦笑)) もありますが、ネコの着ぐるみ (ネコ師匠) とか、クロノアスーツ、酒瓶のラケット、モザイクラケット (って、スプラッタハウスの斧か?)、振ると炎やカミナリが出る (だけで見にくいったらありゃしない (苦笑)) ラケット、歩くたびに変な音が鳴ったり煙が出たりするシューズ、など変な演出にこだわったアイテムが満載です (笑)。しかも、ラケットなんかはそれぞれ音が違う (ソードラケットだと、剣先をぶつけ合う音がするとか) などという細かいこだわりも。ただ、不思議なもので見た目が変わるだけで性能は変わらないというラケットですが、その見た目が変わっただけでどうにも距離感が掴めないというか、上手く当てられなくなるような気がします。キャラ本体を見て動かしてるつもりだったんですけど、結構ラケットも含めて見てたんだなぁとしみじみ思ってます。という訳で、私はギルの黄金の鎧スーツを着ててもラケットだけはノーマルという不思議ないでたちだったりします。で、その時に気づいたのですが、試合に勝った時にバンザイをするのですがノーマルラケットを装備していても、ソードラケットを手に持ったグラフィックになるんですよねぇ。開発者としては、ギルスーツ使う人はソードラケットも使うだろと思ったのかもしれませんが、ちょっと手抜きっぽいですね (まぁ、ホントに細かい重箱の隅をつつくようなことなんですけれど (苦笑))

ちなみに、その他のカテゴリはどんなモノがあるか良く分かっていません。とりあえず、げっとしたのは豆台風。これはコートの一定起動上をゆっくりと動いていて、これにボールが当たるとボールが渦に巻き込まれたり、弾き返されたり、とにかくまともな状態で打ち返すことが出来ません。これだけ聞くと単なる邪魔キャラなんですが、実はサーブをこの豆台風に当てると、確実にインになりしかも相手が打ち返せないという状態になります。すなわち、豆台風に当てる技術があれば自分のサービスを落とすことはまず無いといえます。自力でも運でも良いから1ゲームでも相手のゲームをブレイクすれば絶対に勝てるのです。もっとも、その1ゲームを取るのが難しいんですけどね (特にレッドエース (苦笑))

で、いきなり最初の話に戻るんですけど、このアイテムというモノの存在がそれほど重要なモノでない以上、個別のモードでクオリファイさせるよりも、クエストモードにしてアイテムを集めるという風にした方が良かったんじゃないかと思うのです。たしかに、アイテムを全部集めるというのはコレクター意欲をそそるし、その為にチャンレンジモードで遊ぶというのもアリですが、結局単調な作業の繰り返しであり、そのうちにアイテム収集の意欲も薄らいでいきます。その反面、クエストモードやストーリーモードはとにかく最後までクリアするという目的があり、その過程でアイテムが集まっていくという風にすれば誰もが苦を感じることなくプレイすることが出来ると思います。もちろん、クエストモードの利点はそれだけでなく、実際にPCエンジン版をプレイされた方は分かると思いますが、遊んでいるうちにドンドン上達していくという利点もあります。これは、結局トレーニングモードが単調な作業 (相手は決まった所にしか打ってきませんからね) であるのに対して、きわめて実践的な練習を出来るので相手の動きを読んだりする目を養うことも出来るからだと思っています。もし、続編を出すのであれば是非ともクエストモードの復活を切に願いたいところです (そう思ってるのは私だけではないはず?!)

一応、シングルで全てのトーナメントをクリアしてスタッフロールを見るくらいまでは遊んでみましたが、これといって大きな欠点は見当たりません。据え置き型に比べてボールのスピードが若干遅いですが (つーか、SFC版とかが早すぎるんだけど (笑))、これはGBAの液晶画面を考えた場合には妥当な変更だと思います。逆に妥当な変更じゃないのは難易度かな。ちょっと高すぎ。せめてキーコンフィグと難易度設定くらいは付けて欲しかったところ。それくらいかな、気になったのは。

あ、あとひとつ。これは本ソフトに限った話ではないのだけれど、なぜ携帯機でありながら奥のコートでプレイしなければならないのかという点が気になっています。据え置き型で、一つのテレビ画面で遊ぶ場合には、両方のプレイヤーにハンデが無いように交互に手前と奥でプレイするというのは分かります。しかし、携帯機の場合は画面は一人一つずつ使えるのです。すなわち常に自分視点で戦うことが出来るのにも関わらず、何故コートの奥に行かなければならないのかと。GBの初期に出たテニスでは手前でプレイ出来たのに、マリオテニスGBも奥のコートを使うようになっている。もっとも、マリオテニスGBの場合にはN64との連携があったので、N64の仕様に合わせたというのはあると思いますけどね。本ソフトではそういう連携の話は出ていないので、非常に疑問の残る仕様だったりします。その点、常に手前で戦える設定に出来るスヌーピーテニスは凄いなと思ったり。

あと、ゲーム内容というよりもシステムよりの話なんですが、途中中断機能が無いのはイタイです。別にラリーを続けている最中にレジュームしろという気はありません (笑)。ただ、1ゲーム毎に中断できるくらいの配慮は欲しかったところ。特にエキシビジョンの5セットマッチなんて、最低でも18ゲームしなきゃいけないのでかなりの長丁場。家で遊ぶなら良いけど、外で遊んでる時に時間切れ (電車の乗り過ごしとか) とか電池切れになった日にはたまったもんじゃありません。それと、ゲーム間 (スコアが表示される) のキャンセルが出来ないのは鬱陶しい。チェンジコートの際はキャンセル出来るんですけどね (ただし、チャレンジモードでは不可)。ちょっとのことなんだけど、少しでも早くプレイしたい時に待たされるのは結構ストレスが溜まります。

とりあえず、多機種版を持っているのならば無理に買う必要はないと思います。ただ、周りにGBA持ってる人間がたくさんいて、通信ケーブルもあって、という状況が整っているのであれば本ソフトを買わせて対戦するというのはアリかも。残念ながら私の周りにはそういう状況が整っていないので、対戦が出来ません。ダブルス対戦してみたいなぁ。

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風のクロノアG2・ドリームチャンプトーナメント

ナムコの新たな看板キャラとなった感のあるクロノア。PS2ではビーチバレーなんかやってるみたいですが、GBAでは前作同様パズル要素の入ったアクションゲームになっています。

正直、前作で完成の域に達していたゲームなので、今回もそれほど大きな変更というカンジではなく、新たにギミックが追加になって難易度が少し上がったという程度の変更だったりします。とはいっても、ムゥを投げ入れるとツルが伸びてっぺんにムゥの花が咲く植木鉢 (ハシゴの代わりに使える)、同じ色の敵をぶつけないと壊れないブロックなど、単に効果だけではなく、使う場所 (ハシゴだったらかける場所まで動かしてから発動させないと手詰まりになるとか) も重要だったり、もちろん他のギミックと連動して発動するステージも多く、前作で遊んでいないとちょっとツライかもしれません。そういうことも考慮してか、今回はルートの途中にお助けキャラがいて話し掛けるとヒントがもらえるようになっています。もちろんまるっきりの正解を教えてくれるわけではないので自分で考えなければいけないですが、まったくの初心者には良いアドバイスになるでしょう。

今回は、ワールドによってムゥが色々な格好をしていたり、各ワールドの描き込みが前作よりも細かくなっているのもポイント (特に、水中ステージが追加になったのは見所)。もっとも、ゴチャゴチャしすぎて背景なのか足場なのか分からないところがあったりするのは考え物ですけどね (苦笑)。そうそう、今回は色々なムゥが出る他に新しいモンスターが追加になり、そのうちの1匹エルビルは捕まえて2段ジャンプに使うといつもの倍以上の力でジャンプし、敵も木箱も破壊出来るという効果があり、もう1匹のリクリは他の敵にぶつけるとぶつけた回数に応じて色が変わり、色つきのブロックを壊せるようになります。敵を如何に利用できるかがこのゲームのキモでもあり、そういった意味では新たに追加されたモンスターは今まで以上にパズル要素の難易度を上げているといえます (個人的には、非常に嬉しい追加要素です)

GBA版のクロノアのもうひとつの要素であるアクションステージは、今回はかなり大幅に変更になり、3D視点でのスクロールゲームが追加になっています (前作と同じ横スクロールのステージもアリ)。これが結構難しいというか、元々3D視点のゲームって苦手なせいもあって完璧にクリア出来たことがありません (苦笑)。つーか、もう歳だなぁと実感。ボスとの対決である横スクロールステージ (ボスよりも先にゴール出来れば勝ちとなる) もそうなんだけど、クリアは出来ても夢のかけらを集められないという状態。もちろん、ルートを選定して、アイテムの位置も覚えて、素早いボタン操作をすればクリアできるんでしょうが、そこまでする気力が沸かないという (苦笑)。前作よりもボリュームアップして面白くなっているのはたしかなんだけど、ボリュームがありすぎてお腹いっぱいというカンジかな?

マリオシリーズが移植ばっかりで正直正統派のアクションが少なかったりするのですが、そういう意味ではクロノアは非常に良く出来たアクションゲームだといえるでしょう。前にも書きましたが、単純操作で多彩なアクション、操作することに喜びを感じられる良質なゲームです。だから万人にオススメ出来るゲームではあるのですが、個人的にはパズルステージだけに的を絞ったゲームにして欲しいという気持ちもあったり (ぉぃ)。何はともあれ、これからもナムコにはGBAで良質のソフトをリリースしていってもらいたいですね。

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ミスタードリラーA・ふしぎなパクテリア

ディグダグから脈々と続く堀りゲーの系譜 (って、他にゲーム無いけどさ (笑)) の最新版がGBAで登場。前作同様、他のどのコンシューマーよりも先にGBAで登場・・・って、実はミスタードリラーGとほぼ同じシステムだったりするのであまり目新しさは無いのですが、ここのところのリリースラッシュにナムコのやる気を感じるのは私だけでしょうか (決して業績不振で下手な鉄砲数撃ちゃ当たるではない (笑))

前作も電源を入れるといきなり喋りだして驚きましたが、今回はその比じゃありません。なんと唄が流れます。しかもホリ・ススム他の声をあてている堀江美都子によるフルヴォーカル。その他にも古川登志夫さんの声が入ってたりして、ROM の容量のほとんどを音声データに使ってるんじゃないかと思うくらい気合が入ってます。ただ、後述するふしぎなパクテリアモードでは一切喋らないのがちょっと残念 (その代わり、このモードではデモのグラフィックがまた多かったりする)。グラフィックもデザインがちょっと変わってるけど可愛さは相変わらず、色の見難さも相変わらず (苦笑)。いや、液晶保護シート付けてるからかもしれないけれど、深く潜ると色の区別が付きにくいというかイマイチ見やすい色使いでは無いです。ゲーム全体のポップなカンジは相変わらず良い出来なので、肝心のゲーム画面の見づらさはいただけないですねぇ。ま、でも通常は問題無いというか慣れれば何とかなると思うし、任天堂もそのうちGBAの改良版出すだろうし、時間が解決してくれるでしょう?!

演出もさることながら、今回大きく変わったのがプレイヤーキャラを6人 (正確には4人と1匹と1体 (笑)) の中から選べるということ。前作でも、アンナ・ホッテンマイヤーをプレイヤーキャラにすることが出来ましたが、基本的な能力はまったく同じで姿や声を好みで使い分ける (あ、デモのグラフィックも変わるという楽しみもあったか) くらいでした。今回は、そのアンナの他に、父タイゾウ、兄アタル、ペットのプチ、お手伝いロボットのホリンガーZが加わり、しかもそれぞれに得意な能力が異なります。

キャラ移動速度エア消費特徴
ススム普通普通ナシ
アンナやや速いやや速いナシ
タイゾウやや遅いとても速いブロックを早く壊せる
アタルとても速い速いナシ
プチやや遅いやや遅い2段登りができる
ホリンガーZやや遅いやや遅い1度だけブロックに当たっても平気

ススムとアンナはオールラウンドに、プチとホリンガーZは初めてドリラーで遊ぶ人に、アタルとタイゾウは上級者向け (あるいはタイムアタック用) といえるでしょうか。ゲームシステム自体がシンプルなので、あまり色々なギミックを付け加えるとバランスが崩れてしまいますが、プレイヤーキャラの能力を変えることで、プレイヤーがそれぞれの腕に合わせた遊び方が出来るというのはとても良い考え方だと思います。あ、あと上の6人以外に隠しキャラでアタルの連れているウサギが使えるようになります。アタル以上に足が速く2段登りが出来、更には1度に3方向のブロックを削れるという特技を持ちます。ただ、タイゾウ以上にエア消費が速いという罠 (笑)。使いこなすのは結構難しそうですが (3方向に掘れるって便利そうだけど、実は余計なところも掘っちゃって墓穴を掘ることの方が多い (苦笑))、多分スコアやタイムを狙うには必要不可欠な存在となるでしょう。

さて、肝心のゲームモードの方ですが、まずは前作でもお馴染みの『ミッションドリラー』。今回は、日本ステージ(初級:500m)・フランスステージ(中級:800m)・アマゾン(上級ステージ:1500m)・南極(超上級ステージ:2000m)があり (全体的に距離が短くなって難易度が下がってますね)、その他に、宇宙ステージ(無限大)が追加になっています。この宇宙コースは前作でいうところの『とことんドリラーモード』にあたり、そのため本作では『とことんドリラーモード』がありません。しかも、純粋に掘り進んでいくというルールではなく、時々現れるハテナブロックを取るとランダムでアイテムが現れ (エアが完全に回復するといったプラスアイテムから、画面が上下反転してしまうマイナスアイテムまで様々)、かなり今までとは異なった趣のゲームになっています。ストイックさを求めていた人にはちょっとガッカリな仕様かもしれませんが個人的にはこっちの方がゲームが長く楽しめて好きだったりします (マイナスアイテムの中にはよりシビアになるモノもあるしね)。その他のステージではこういったアイテムは出てきませんが、前作から追加になった要素として、くっついて消滅することがないホワイトブロックがあります。大きいサイズのホワイトブロックは使い方次第で屋根のようになるので、また新たな戦略が立てられます (細かい変更だけど結構重要)

前作の『タイムアタックモード』は『ドリラーグランプリモード』と装いを替えて登場。6人の中から1人を選び、あとの5人はCOMが担当します。1つのコースは短い3つのステージで構成され、ステージ毎の順位でポイントを加算し、最終的に一番ポイントが多かったキャラの勝ちになります。このモードでは特殊なアイテムもブロックも出てこないので (ホワイトブロックと、壊せないブロックは出るけど)、純粋にルート取りが勝敗を分けることになります。しかも、選ぶキャラによって攻略ルートが異なるのがミソ。エア消費の激しいキャラは余分にエアを取らないといけないし、移動が遅いキャラは大きなブロックを壊してもその下をすり抜けられずに押しつぶされたりします。キャラ毎に得意なステージがあるのはたしかですが、3ステージは1セットで途中でキャラを交代出来ないので、どうしても勝てないステージは捨てて他のステージで優勝ポイントを稼ぐなどの戦略も必要になります。自分のゴーストとかも表示できれば面白かったんですが、さすがにそこまでは無理かな?あと、やっぱ記録狙いとかコースを探るのには各ステージ毎に遊べると良かったかも。タイムアタックみたいなもんだから3ステージといっても短いけど、3つめのステージをプレイしたいとかいう時は面倒なもんで。

ちなみに、今回はこのドリラーグランプリが2人〜4人用のモードとして遊べるようになっています。ルールは1人用の場合と特に変更無し。ステージとキャラが限定されるけど、ワンカートリッジでも遊べるようになってるのは良いかも (多人数で遊ぶ機会なんてそんなに無いけどね (苦笑))

さて、本ソフトの一番のウリだと思われるのが『ふしぎなパクテリアモード』。流れ的にはGのシナリオモードの簡易版というカンジですが、ステージ内に出現するアイテム持ち帰ってパクテリアと呼ばれる生物に与えると、パクテリアが色々な形態に変化するというモードです。別に変化したからといってススムの性能が変わるとかはありません。ホントにパクテリアの姿が変わるだけ。まぁ、一種の育成要素とでも言いましょうか、一応変化させた姿はカードという形式でいつでも見ることが出来る収集要素が入っていますが、ハッキリいってこの育成要素は全くの無駄だと個人的には思います (ぉぃ)。じゃ、何がウリなのかというと、ゲームシステムが変わっているということ。通常はエアの消費量を気にしながら如何に素早く的確に掘り進めていくかが重要ですが、本モードの場合は1回掘る毎にエアが1%減るという仕様になっているのです (動かなければ1%もエアは減らない)。あくまで掘る (=ボタンを押す) ということをチェックしているので、大きな塊のブロックを消したり、連鎖で消していけばほとんどボタンを押さずに進むことも可 (まぁ、実際にはそう上手くはいかないんだけど)。かなりパズル要素が強いシステムになっています。ただ、ここでまた一つ問題なのがドリストーンと呼ばれるブロックの存在。これはステージ内に埋もれていたり、ショップで買うことが出来るお助けアイテムで、ブロックの色を変化させるもの、周囲のブロックを破壊するもの、ステージの最初にもどるもの等、様々なものがあります。これがねぇ、ちょっとゲームのバランスを崩してるような気がするんですよ。いや、狙い的には良く分かるんだけど、その効果が大きすぎてドリストーン使えば、適当にやってもクリア出来るみたいなカンジになってるんですよ。実際、シナリオを1回もミスすること無くクリア出来ましたしね。シナリオクリア後に出てくるエンドレスのステージだとまた話は変わってくるんですが、ゴールの無いパズルってあまり面白くないというか、パクテリア育成に興味が無い身としてはアイテム集めする気も無いしってことで、実はこのモードはほとんど遊んでません (苦笑)。もうちょっと難易度とかアイテムの効果を調整してれば面白いモードになったと思うんですけどねぇ。まぁ、続編に期待しましょうか (ただし、育成要素は要らない (笑))

あと、今回は『ネットでドリラー』というモードも追加。パソコンやケータイで公式サイトにアクセスして会員登録し、ゲーム中に出てくるパスワードを入力するとスコアランキングに登録できたり、マイレージを獲得することが出来ます。そうそう、マイレージについて書くのを忘れてた。マイレージってのは、各モードで遊んでると貯まっていくポイントでミッションドリラーのメニューにあるショップで、ゲーム攻略の虎の巻や残機数の増加が出来たり、パクテリアモードでアイテムを買ったりすることが出来るもの。まぁ、掘れば自然と貯まるのであまり意識しなくても大丈夫だけど、たくさん集めると良いことあるかも?・・・で、話をネットでドリラーに戻すと、実は会員登録してないから分からないです (ぉぃ)。いや、なんか某巨大掲示板見るとバグがあるとか書いてあったし、なんかウサギが強すぎてイマイチとか色々あったので。まぁ、でもそのうち試してみたいとは思っています。

今回、広告にはドリラーシリーズの集大成みたいなことを書いてあったのですが、まぁ実際それはどうかなぁというのが率直な感想。いや、全体的にみて良く出来てるし、私のようなヌルゲーマーには比較的初心者にもやさしい難易度はありがたいのだけれど、パクテリアモードのイマイチなところ、とことんドリラーモードが無いこと、など集大成というにはまだまだ改良の余地があるような気がするからです (前作で遊ぶ機会ってまだまだあると思う)。まぁ、ナムコにとっては久々の人気タイトルなのでこれで終りってことはないと思いますから、今後の続編に期待したいところですね。

あ、あと最後に操作性に関してひとつ。連射機能が無いのはまぁ仕方ないんだけど、いちいちネームエントリーをさせられるのが非常に面倒。まぁ、プレイヤーキャラが複数になったんで個人ファイルを作れなくなったのかもしれないけれど、電源を入れている間くらいは前に入れた名前を表示するくらいしても良かったと思います。あと、キャラ別の成績を残せるようにして欲しかった。結局、スコアを競うことになると特定のキャラだけになってしまい、他のキャラの出る幕が無い。キャラごとにどれだけのスコアが出せるのかが分かれば、攻略の参考とかにもなると思うんですけどね。

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