スーパーマリオアドバンス

FC以降のハードでは必ず本体と同時発売されてきたマリオシリーズ。商業的に失敗に終わったバーチャルボーイの同発がマリオテニスというスポーツモノだったので、験をかついでマリオカートアドバンス (一応スポーツモノ) ではなくて本流のアクションを先に発表した・・・というのは当たってたら面白いけど、多分違う (笑)。広報さんの話では『既に出来てたんですが、GB、N64の他のソフトのプロモーションに時間が取られて発表が後になった』ということです。ホントかどうかは第3者の我々には分かりませんが、GBA発売日に20本以上のソフトが競合する時に無理に投入して潰し合いをするよりも確実に売れる時に稼ごうっていう意図があるのではないかと、個人的には思っています>マリオカートアドバンス

ま、そんな憶測はさておき、本ゲームの紹介です。オールドゲーマーの方なら知っていると思いますが、本ゲームは全くの新作という訳ではなく米国で発売されたFCの SUPER MARIO BROTHERS 2 のリメイク版です (正確にはSFCのスーパーマリオコレクションに収録されているモノのリメイクと考えた方が良いかもしれません) 。日本でも夢工場ドキドキパニックというタイトルで出てました (キャラが全然別モノになってる)。とはいっても、あまりメジャーな存在ではなく、ほとんどの人は遊んでなかった&少なくとも現在GBAを購入している大半の層を占める小中学生は年齢的にいって遊んだことが無い方が多いと思うので丸っきりの新作といっても過言ではないかもしれません。

先ず何と言ってもシリーズ恒例イベント、ピーチ姫がさらわれるというのがありません (笑)。それどころかプレイヤーキャラとして使用可能。これだけで十分新作といって良いでしょう (ぉぃ)。その他にプレイヤーが使用出来るキャラはお馴染みのマリオルイージ、そしてキノピオで、各キャラは容姿が違うだけでなく、ジャンプ力と腕力にそれぞれ違いがあります。ここでいう腕力ですが、本ゲームでは地中に埋まっているアイテムを引っこ抜いて敵にぶつけて倒します。腕力が強いほどアイテムを早く引っこ抜くことが出来、それだけスキが無くなるのです (引っこ抜きの動作中は無防備状態=敵に触れたらアウト)。初心者は両方ともそこそこの値のマリオを使うのが無難でしょう。あえてイバラの道を行きたい方はピーチ姫がオススメです (笑)。ちなみにルイージは今回もヤッパリ冴えません (涙)。

ゲームシステムはステレオタイプな横スクロールアクションです。出現する敵を倒しながら進みアイテムを取ってパワーアップ。最後のステージにはボスとの戦いが待っているといったカンジになっています。まぁ、このシステムに関しては今さらとやかく言うような話ではないので置いといて、GBAでは横方向のドット数が増えたワイド画面になっているので横からの敵の出現に対して意外に対処しやすくなっている (無論、画面のおかげというよりも製作者のバランス調整の賜物であると思いますけど) のがグーです。昔のGBのマリオシリーズだと画面に対してキャラが大きいこともあって非常に突発的な死が多かったような気がします (それを受けてプレイヤーが死なないワリオシリーズが生まれたのかも?・・・そりゃ無いか)。

ただ、横にはワイドになったけど比率的に縦方向は短いのでLボタンで視点移動 (上下スクロール) する仕様になっているのがちょっと違和感あるかもしれません。今までにもこういったカンジのソフトはありましたし、安全確認を行うための仕様だというのはいうまでもありません。ただ、どうしてもこの手のアクションゲームの場合は立ち止まるというのがイヤというか、ササッと突っ走っていきたくありませんか (私だけかな)?マリオシリーズの良い所というのは色々あると思いますが、まずその操作性・・・というかレスポンスの良さ=テンポの良さにあったと思っています。打てば響くっていうか、こっちの動きに対して画面の中が追従してくれるというカンジ。それに対し、本ゲームはどうも思考が止まってしまいがちです。それは正に進行方向以外への移動に対する操作がネックになっていると言えるでしょう。寸詰まりでも良いから縦方向の画面移動は無くならなかったんでしょうか?その点がちょっと気になりました。もっとも、アイテムを引っこ抜く為に止まるという従来のマリオシリーズとは明らかにアクションの位置付けが異なる (単に進行方向に突っ走れば良いという訳じゃない) ので、思考が止まるというのは視点移動に問題がある訳ではないと思いますけどね (多分、USAが嫌いな人ってこのテンポの悪さが気になるんだと思う)。

まぁ、そういうちょっと変わった仕様はあるものの、根底にあるのはやっぱりマリオ。独特の色使いの画面はやっぱり綺麗ですし、SFCでリリースされたスーパーマリオコレクションと比べても遜色無いです (というか、GBAの方が色数多いんだっけ (^_^;)?)。ただ、見た目の優しそうな雰囲気に騙されてはいけません。ゲームの難易度自体は非常に高いです。マップの変更もありますし、デカキャラなど従来のゲームでは出現しなかったキャラクタも多く登場します。まぁ、リメイクということには変わりはないけど、それなりのプラスアルファを施して従来のモノとはちょっと違った楽しみが付加されてるところに任天堂のゲームに対する姿勢が伺えますね (まぁ、本当はリメイクじゃなく新作を期待したいんだけど (笑))。つーかねぇ、USAがクソゲーだからリメイクする価値は無いみたいなこと言ってる人間ってまともにUSAやったコト無いんじゃないの?そういう人間が遊びもしないでリメイクを否定するってのはどうかなぁ?オリジナルのバランスの悪い所や追加項目があるのならリメイクだって立派な存在意義があると思うんだけどな。

ここまでは、USAリメイクのスーパーマリオブラザーズモードについて書いてきましたが、次にマリオブラザーズモードについて書いていきます。GBAの性格上、どうしてもこっちがメインに取られがちですが (対戦が楽しめるという点でね)、色々と落とし穴があるので注意が必要です。まず、なんと言っても大きいのが1人で遊ぶ場合には、クラシックと呼ばれるモード (昔のマリオブラザーズのリメイクのまんま) でしか遊ぶことが出来ません。TVのCMで流れている対戦は2人以上いないと遊べないのです。私は、てっきり1人で遊ぶ場合にもCOMを相手に対戦が出来ると思っていたのでかなり落胆の色が隠せませんでした。対戦する前に1人で練習を積んでおきたいとか思いませんか?というか、このクラシックモードに関して言えば、グラフィックは綺麗になっているし、音も良くなってます (マリオが喋るし)。でもやっぱり1人で遊んでもあまり面白いという気はしないんですよね (懐かしさはあるけれど、今更ってカンジも強いし)。うーん、この辺どうなんでしょうか。

次に肝心の対戦モード。GBAでは1つのカートリッジで4人までの対戦が出来るのがウリになっていますが、このワンカートリッジプレイに対応しているのがコイン争奪ゲーム。複数の色違いマリオが入り乱れて、踏んだり、蹴ったり、倒したり、ごみ箱を漁って (笑) アイテムを見つけたり。誰が一番早く規定枚数のコインを集められるかを競う、正に対戦ゲームになっています。このモードの良い所は、とにかくアクションが単純で誰でもすぐに操作に慣れることが出来ること、そして如何に相手の動きを先読みして行動できるかが勝敗の決め手となること。昔 (って、今も新作が出てるけど) ボンバーマン (ハドソン) の対戦プレイが非常に盛り上がったことがありましたが (対戦向けの公式ガイドブックが出たくらい)、それと同じような奥の深さがあるような気がします。

また、カートリッジを人数分使った場合に遊べるのは、クラシックモードの複数プレイ。基本的には対戦ではなく協力して敵を倒していくゲームなのですが、FC版で遊んだ人なら分かる通り、協力なんて言葉は何処へやら、お互いに足の引っ張り合いに変貌するという極悪なバトルゲームなのです。せっかく仲間が集まって対戦するというのに、最後にはケンカになってしまうこと必至のゲームです (笑)。コイン争奪戦ほど複雑なギミックが無いぶん展開はシンプルになっていますが、クリアするには相当本気にならないと難しいでしょう。

あまり前評判の良くないゲームでしたが (リメイクというのが気に入らない人が多いらしい)、USAモードに関してはアクションゲームとして非常に良く出来てると思います。操作に対するレスポンスは良いですし、新しいアクション=引っこ抜くというのが楽しいです (特にボス戦での投げてくるタマゴにジャンプして乗っかって持ち上げてぶつけるなんていう一見難しそうなんだけど慣れるとヤミツキみたいなアクションが多い)。ただ、従来のスーパーマリオシリーズとして同じ系列で見るのはちょっとキビシイかなっていう気もします。そういう事にあまりこだわらない柔軟な思考の出来る方でしたら満足出来ると思います。クラシックモードに関しては、懐かしさを感じる意外は特に何も無いです。で、やっぱりイチバンの特徴である対戦モード。コレに尽きるでしょう。というか、対戦しない (出来ない) のであればそれほど買う価値があるゲームではないです (笑)。結構数が出てるみたいだし、そんなに急いで買わなくても安くなってからで十分だと思います。

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F-ZERO for ADVANCE

SFCの同発タイトルだったレースゲームのリメイク版。SFC版はとにかく凄かった。独特の浮遊感とスピード感、ライン取りに命を燃やしてタイムをコンマ1秒でも削っていくタイムアタックの面白さ。現在の技術からすればもっと凄いレースゲームが作れるし、実際PS2のGTなんかは実車の挙動をシミュレートしてる。でも、なんていうかそれらのリアル志向のレースゲームとはちょっとベクトルが違うというか、難しいことは抜きにしてとにかくデジタルならではのレースというものを楽しみたいという感覚が非常に優れていたように思います。

そんな名作といえるゲームのリメイクなのですが、GBAの場合は何かその他大勢のうちの一つみたいな位置付けになってるのがちょっと寂しいですね。まぁ、もっともGBA本体と同時に発売されるソフトの本数が20本を越えてれば仕方の無い状況と言えますが (苦笑)。

そんなに走りこんだ訳じゃないからアレなんですけど、SFC版の『1ドットを切り刻むようなライン取り』みたいな感覚が良く再現されていると思います。N64版とか次世代機のレースゲームって、コントローラーがアナログだからどうしても曖昧というか感覚的に何で?っていう不安定要素が多い (これは、より実車に近いっていう意味でもあるんだけど) のですが、良くも悪しくもSFC版やGBA版はデジタルなレースゲームってカンジが前面に出てます。攻略が分かりやすいっていうかね。

別売りの専用通信ケーブルを使うことによって、GBAならではの対戦が楽しめます。何がならではかっていうと、画面。対戦人数自体はN64でも4人まで出来てたし特に驚くべき事ではないんですが、N64の場合は当然ながら全員が同じディスプレイを見る為に画面を4分割する必要がありました。まぁ、他のマシンの挙動を確認することが出来るというメリットもありますが、どうしても画面が小さくなってしまい迫力に欠けるのは否めません。その点GBAでは1台につき画面は1つですから、1人用モードで遊んでいる時も対戦モードで遊んでいる時も変わらない環境で楽しむことが出来ます。他のマシンの挙動が分からないというのもホントのレースっぽくて良いですしね。

また、もうひとつの特徴は一つのカートリッジで対戦 (ワンカートリッジプレイ) が出来るということ。家庭用の据え置き型ハードでは当たり前のことですが、携帯機においては通常人数分のカートリッジが必要というのが常識でした (LYNX のような例外もありますが)。しかし、GBAでは1つのカートリッジで最大4人までの対戦が可能になっているのです。とはいえ、それなりの制限はあります。全てのハードにデータを転送するため初期化に時間がかかる、転送するデータの容量に制限があるので使用できるマシン、遊べるコースが限定される、などです。GBAの同発ソフトということもあり、ほとんどの人は買うのではないかと思われるので (あくまで予想) 実際には人数分のカートリッジを使う対戦 (マルチカートリッジプレイ) で遊ぶことが多いと思いますが (こちらは制限ナシ)、まだ買ってない人に対戦の楽しさを教える為とか、気軽に集まって遊ぶなどという場合にはワンカートリッジプレイは重宝するでしょう。

前述のマルチカートリッジプレイに関係することなんですが、本ゲームにはランキングシステムが塔載されています。通常、個人ランキングとして各コース毎に『最高ラップ』『使用マシン名』『トータルタイムベスト10』『使用マシン名』が表示されるのですが、マルチカートリッジプレイをすると、そこに対戦相手と自分の記録がミックスされたランキング=ミックスランキングが記録されるようになります。対戦が終わった後でもランキングの記録を目指してアツイ戦いが続くという訳ですね。

さてシステムに関してはこれぐらいにして肝心のゲーム内容の方をば。まずグラフィックに関してはとにかく綺麗。TVのCMだと画面が滲んでしまってイマイチに見えちゃいますけど、実物はとにかく木目細かくてクッキリしてて『携帯機でここまで出来るようになったんだ』って感動してしまいます、マジで。マシンのデザイン的には好き嫌いが分かれそうですけど、どれも細かいところまで描きこまれてるし、挙動に応じて微妙に変わるグラフィックが非常に良い感じです。SFCには無かったオブジェクト毎の回転・拡大などの機能がGBAでは備わっているので、逆にキャラパターンが豊富で滑らかに見えます。コースのデザインも基本は変わりませんが液晶画面が小さい (TV画面に比べてって意味でね) のでドットの粗さも目立たず、しかもそれがかなり高速で動いているので非常にシャープに見えます (怪我の功名 (笑))。背景のグラフィックも見事。クラウドカーペットはホントに下に雲が流れているように見えます。まぁ、レースに熱中してるとあまりグラフィックがどうのこうのということは気にならなくなりますけど (良くも悪しくも)、GBAの性能をひけらかす (笑) のに十分な性能でしょう。

一応、初期設定で選べるマシンは4種類。SFC版では単に重量が違うとか最高速が違う程度の違いしかなく、どのマシンでもある程度同じようなテクニックで走れたような気がするんですが、GBA版ではマシンのスペック (最高速度や加速度、ブースト性能) が如実に表れてて各マシン毎に操作性が違うのを実感できます。もちろん、タイムアタックで良いスコアを出せるマシンは決まってると思うんですが、そこに至るまでの試行錯誤が結構あるような気がしますね。ちなみに、現在私が使っているマシンはとにかく運転しやすい J.B.CRYSTAL MAXが遅いんでナカナカツライモノがあるけど、他のマシンだとガードビームに当たって記録どころか完走もままならないもので (苦笑)。ちなみにゲームを進めていくと、あと2台のマシンが使えるようになります (グランプリの各シリーズをノーマル、エキスパートで全クリアすると各々使える様になる)。タイムアタックで最速を出すには絶対不可欠なマシンみたいですので、走り屋はガンバってゲットしましょう (私は・・・別に良いや (苦笑))。

1人で遊べるモードは『グランプリ』と『トレーニング』の2つ。少ないように感じるかもしれませんが、これに前述の『マルチカートリッジ対戦』『ワンカートリッジ対戦』があるのだから文句を付ける人間はいないでしょう。さて、グランプリモードは3つのシリーズ (ポーン、ナイト、ビショップ) が開催される。各シリーズには5つのコースが用意されているので計15のコースを走れることになります。さらに全部のコースを走破するとチャンピオンシップモードが出現します (そこまでヤリ込めていないので詳細は割愛 (笑))。N64版のようなループとかいった大袈裟なギミックは無いけれど、どのコースも難しいトリッキーなコースに仕上がっているのは確かです (SFCにもあったジャンプ台&ショートカットの黄金パターンももちろんアリ)。同時に走る車の数が多いので、如何に自分のラインから外れずにかわすことが出来るかがポイントになるでしょう。

トレーニングモードは文字通り練習用のステージ。走破したコース毎に自由に練習することが出来ます。ま、練習っていうよりもタイムアタックをするのが主目的になると思いますけどね (笑)。つーか、練習モードで走ってからグランプリモードで遊ぶっていう人いるのかな?大抵の人はいきなりグランプリモードから始めるんじゃない?かくいう私もその一人です。

操作系に関してですが、SFCより明らかにボタンが2つ少ないGBAで昔と同じ操作系を再現するには何らかの工夫が必要です。実際どうなっているかというとGBAではL/Rボタンの同時押しでブーストがかかるようになっています。まぁ、ブーストかけながら重心移動をすることは無いと思うので大丈夫だと思いますが、コーナーの連続きり返しとかでウッカリ同時押ししちゃったなんて事が無いように気を付けなければならないかもしれません。ただ、キーコンフィグに関してはこの他に全部で6種類あるので、自分のコントロールに合うモノを選べばある程度問題は解消されると思います。その他の操作に関してはSFC版と同じだし、直感的に分かると思うので省略。とりあえず、操作方法が全然違うから遊べたもんじゃない!っていうことは無いので安心して下さい。

SFC版自体もう長いこと遊んでないし (もう何年前のことになるんだろ)、当時もなんとか普通のレベルで優勝するかどうかというレベルまでしか遊ばなかったので完全に1からの挑戦って感じになっちゃってます。まぁそれはそれで楽しいから良いんですけどね。で、ある程度遊んでみて思ったことは、やっぱりN64版と比べると見劣りする部分は多いけど、SFC版で遊んでた人にはかなり満足できる内容だということ。音がショボイっていう意見を良く聴くけど (SFC版の思い出を美化し過ぎって気がする)、個人的にはかなり気に入ってるし (曲自体が非常にカッコイイし、それにあった音作りをしてると思う。マシンが風切る音とか爆発音なんかもとっても良い)、システム全般に渡って実に F-ZERO らしいレース仕様になってると思います。あと、やっぱり画面を分割しないで対戦出来るってのはかなりグ〜。対戦モードで遊ばずしてこのゲームを語るなかれってカンジ (笑)。最初のソフトとして買った人も多いと思うから探せば対戦相手もすぐ見つかるだろうし、買って損はしないと思いますよ。

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くるくるくるりん

とりみき作・・・それはくるくるくりん。なんつう、誰もついてこれないようなマニアックなネタはおいといて (苦笑)。私が買ったGBA同発の任天堂タイトルの中で唯一のオリジナル作品です。最初の発表 (もう1年近く前ですか) があった時は一体何のゲームなのか分からずアウトオブ眼中でしたが (タイトルがいかにもバカっぽかったし (笑))、任天堂スペースワールドで試しに遊んでみたのがきっかけで『とても売れセンと言えるようなモノではないけど、結構面白いんじゃない?』と注目するようになりました。

内容を一言で言うと、むかし某テレビ番組でやってた (ゲーム化もされたっけ) 『電流イライラ棒』のアレンジ版といったカンジのアクションゲームです。何がアレンジされているかというと、棒が回転しているということ。この回転は止めることが出来ないので、回転に合わせて加速ボタンなどを駆使しながら狭い通路を潜り抜けてゴールを目指します。途中にはライフの回復ポイントや休憩ポイントが用意されていたり、棒の回転を反転させるスプリングなどが配置されていたり、ステージが進むに連れて段々と凝ったコースになっていきます。

任天堂スペースワールドで初めて遊んだ時に比べて、グラフィックが大幅に変わっているのは別に良いとして (可愛らしさは変わらないし)、操作系がかなり変更になっています。試作段階ではA/B/L/Rの全てが加速ボタンになってましたが、製品ではA/Bが加速、L/Rがクラクションになっています。またAとBの同時押しで倍加速になります。この仕様変更は、コースの攻め方に幅が出るので非常に良かったと思います (特にクリアタイムを意識した場合)。しかし、このL/Rボタンのクラクションとは一体ナニモノなのでしょうか?電車でGO!の警笛ボーナスみたいなモノだったとか、クラクションによって新たなコースの分岐が現れるとかいうギミックがあれば面白いと思うんですが、今のところそのようなギミックは見つけていません (ほとんど先に進んでいないんで (苦笑))。ナカナカ愛嬌のある音ですが、ゲーム中に鳴らす余裕は無いです (笑)

1人用モードの冒険ステージでは、30種類のコースが遊べます。デフォルトでは、羽根が短い易しいモードと、普通モードが選べるようになっているので初心者は易しいモードから始めると良いかも。ただ、個人的には普通モードでやらないとこのゲームの楽しさは半減って感じです (ほとんど素通り出来ちゃう>易しいモード)。このモードはストーリー (ま、あって無きに等しい (ぉぃ)) 仕立てになっており、行方不明になった兄弟達を探し出すためにステージをクリアしていくというモノ。後半のステージは結構キツイんですが、別に用意されている練習モードでは各コースの御手本プレイを見ることが出来るので、それを参考に進めていけば (時間はかかるかもしれないけど) クリアすることは可能でしょう。冒険ステージで救出した兄弟や獲得したアイテムは、エディットモードで自機 (ちなみに、ヘリリンといいます) のカスタマイズをすることが出来ます。カスタマイズとは言っても基本的にデザインの変更程度なのでゲーム性にはほとんど影響ありません (笑)。まぁ、その日の気分に合わせてってカンジでしょうか。

もうひとつの1人用モードのチャレンジモードは、レベル別に全50種類のコースが用意されています。どのコースもそんなに長くはないんだけど、とにかく道幅が狭いとか、ギミックが嫌な位置に配置されているとか、タイミングが難しいなど、危険な罠でいっぱいの状態です。このモードを全部クリアできたら、もうこのゲームで怖いモノは無いといえるでしょう (イヤ、本気で)。ちなみに私はまだレベル1しかクリアしてません (ヌルすぎ (泣))。

1人用モードでは、各コース毎にタイムが記録されます。また、うさぎ先生、うさぎ名人の記録というのも入っていて、コレがまた尋常じゃない記録だったりします。各コースでうさぎ名人の記録を塗り替えられたら相当の実力の持ち主でしょう。また、ノーミスでクリアするとスターマークが付きます (通常はただのマル)。全てのコースでスターマークを付けると何かが起こるらしいのですが・・・まだ、達成出来ていません。単純にクリアするだけなら簡単にクリア出来る人も多いと思うのですが、画面上にマルが残ってたりするとどうしてもスターマークにしてやろう!とか思うのが人情というもの!?ここら辺のプレイヤーへの挑発というか刺激は絶妙なものがあります。

本ゲームでも通信ケーブルを使った対戦が楽しめます。しかも1カートリッジプレ一対応。ルールは対戦相手よりも早くゴールすれば勝ち、以上 (笑)。いや、ホントに他に無いんですってば。対戦中は他のプレイヤーはゴーストとして出現。お互いにぶつかり合うことはないからいつものようなライン取りでプレイ出来るのがナイス。あと各プレイヤーのレベルに合わせてハンデを付けることが出来る (プロペラの長さを調節出来る。上級者は長く、初心者は短く等) のも良いですね。他のプレイヤーのゴーストをなぞってプレイすることも出来るし (攻略ルートの研究になるし)、あえて間違った動かし方をして罠にはめたり。対戦ならではの楽しみが大きいですね。

何というか不思議なゲームです。クリアするだけならば何回かやってればOKなんですが (冒険ステージの話ね)、クリアタイムを意識し始めると途中のアイテムの使い方や微妙なライン取りが重要になってくるので途端に難しくなってきます。壁にぶつかるとライフが減ると同時にタイムが加算されてしまうので慎重に進めていきたいところですが、慎重になりすぎても結局遅くなってしまう。1ミス覚悟で突っ走った方が早く着く可能性もあります。ここらへんのプレイヤーの行動を決定させる要素のバランス加減が非常にウマイです。十字キーなので縦や横に直進するのは得意なのですが、斜め方向やカーブなど微調整が必要な場面ではアナログスティックが欲しくなってきます。そこら辺のもどかしさっていうのかな?それもこのゲームの一つの特長だといえるでしょう。ただ、それでミスしても怒ってやる気をなくすんじゃなくて、もう1回やってみようと思わせるゲームです。コースも攻略法も分かってて後は自分の腕次第、すなわち不確定要素ではなく、自分の操作ミスで失敗したっていうのが分かってるから次は上手く動かしてやるっていう気になるんですよね。怒ってコントローラー投げつけたりするようなゲームって、自分のミスが明確に分からないっていうか、ほとんどの場合不確定要素に左右されてることが多いんですよね。

ほとんどの人が見た目の地味さから敬遠するゲームだと思いますが (ナポレオンよりは良いか (笑))、なかなか素直に楽しめるゲームだと思います。とにかくルールと目的が明確、かつやることは簡単なんだけど成し遂げるにはプレイヤー自身のテクニックがモノをいうというところが好きです。ただ、残念なこともいくつかあります。任天堂スペースワールドで遊んだ時には、途中のライフアップゾーン (ハートマークのエリア) ではハート1個回復するのに少し時間がかかりました。それが製品版では入ったら一瞬で回復してしまいます。これだとちょっと面白味がありません。試作版だと、ハートは回復するけどその分クリアタイムは遅くなるから素通りした方が良い!とか、とりあえず1個だけ回復して進もう、とかいった作戦があり、そこが面白いと思ってたのに、製品版では回復にも時間がかからないしクリアタイムにもさほど影響が無いから見つけたら必ず入るようにしよう!みたいなカンジで作戦も何も無いんですよね。まぁ、ユーザーの年齢層に合わせた措置なんでしょうけど、ちょっと残念です。

また、プレイ中にコースの全体図が表示 (F-ZERO for Advance みたいに) されるようにならないですか?という要望に関しては、ポーズを押してメニューを出すとマップをスクロールすることが出来るようなカタチにしていただけたようです。たしかに小さいコース図よりも実際のコースを見て回れた方が良いですもんね。ここら辺は非常に嬉しい仕様追加だと思いました。あと、モバイルアダプタGBに対応してコースがDL出来るとか、自分でコースが作れるとか・・・ま、それはちょっと難しいか。モバイルアダプタGB自体ほとんど出荷してないみたいですしね (ぉぃ)。極めるのは結構難しいかもしれないけど、やっぱり一通りクリアしちゃったら新しいコースが欲しくなると思うので、続編 (あるかな?) に期待したいところです。

あと、ゴールに到着するまでセーブポイントが無いのがツライです。いや、最初の方のコースは全然楽勝なんですが、後半になってくるとコースが凄く長くて集中力が続かない (笑)。ゴール寸前で死んだ場合には気力も失せてしまいます。個人的には、最後に入ったライフアップゾーンから再開出来る様になっていれば攻略も楽だったんですけどね。ま、そのストイックさもこのゲームの特徴の一つなので賛否両論あると思いますけど。

グラフィックはどうなんでしょう?いや、ゲーム中のグラフィックは色使いも綺麗で見やすいと思うんですが、あのイメージキャラクタの鳥?達のことです。個人的には結構トボけたカンジが好き。BGMの雰囲気とかにもあってますしね (スタートとゴールのかけ声も可愛くて好き)。やっぱ、さっきも書いたけど見た目の地味さというか内容的にも写真見ただけだと魅力が伝わりにくいゲームですね。実際にやってみれば面白さが分かるのですが・・・。個人的には、こういうゲームがこれからもGBAで出てきてくれると非常に嬉しいです。ホント、続編に期待してます>任天堂

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マリオカートアドバンス

SFCで最も売れたソフト・スーパーマリオカート。N64版ではアナログスティックによる絶妙なドリフト感と多種多様なコースで更に人気を博し、多人数レースゲームの定番となりました。そんな人気タイトルをGBAスタッフが放っておく訳が無く、実際GBA初披露となった任天堂スペースワールドでもタイトルの発表だけではなく実際に遊べる状態になっていたことからユーザーの期待も非常に高まっていました。ただ、残念なことに同時発売タイトルにはならず (ワイワイレーシングアドバンスに配慮してあげたという意見多数 (笑))、肩透かしを食らったカタチになりましたが、そこはサスガに任天堂。キッチリと作り込んで満を持してのリリースとなりました。

まず、最初に言っておくとGBA版はシステム的にSFCのリメイクであると言って差し支えないと思います。もちろん、それは操作系が十字キーというデジタル入力であり、GBAの形状がSFCのコントローラーに似ているということもあります。しかし、それ以上にゲーム中のカートのレスポンスが実にSFCライク。ドリフトというか横滑りの感覚といい、カート自体の挙動といい、コースの流れ具合といいSFCの感覚そのままというカンジです。もちろん、そこが良いという人もいればダメという人もいると思います。というのもN64のアナログスティックによる操作感とカートの挙動が良かったから (意味のないショートカットが多すぎてゲームとしてはイマイチだったと思うんだけど)。F-ZERO はSFCから移植されたN64版が操作性の違和感からイマイチだったので、SFCを踏襲したGBA版の人気は非常に高かった (現在でもタイムアタックやって盛り上がっている人達もいる)。それに対して、マリオカートアドバンスはSFCから移植されたN64版の方が良かったので、先祖帰りしたGBA版は馴染めないという人が多いのです。実際、ネット上のニンテン系掲示板を見てみるとそういう評価が多いようです。ここら辺、同じレースゲームながら非常に面白いところ。かたや、地面から浮いているホバー感覚がアナログ的な操作と合わず、かたやグリップ感のあるドリフトがアナログの操作感に合っているということなのかもしれません。いずれにせよ、N64版で慣れてる人はSFC版で遊んでた人より戸惑いが大きいのは確かなようです (私はSFC版の方から入ったクチなので違和感なく遊べた)。

さて、今回はマリオルイージピーチキノピオヨッシードンキーワリオクッパの8キャラが登場。SFCに居たドンキーJrノコノコが消え、バランス的に軽量級3:中量級2:重量級3になりました。GBAの年齢層を考慮して初心者向けを増やしたのと、タイムアタック野郎御用達の最高速重視を増やしたというところでしょうが、ワリオは操作性が悪く使いにくいです (苦笑)。今のところ隠しキャラは見つかってませんが、モバイルアダプタGBで新キャラをダウンロードすることが出来たりしたら面白いですね (ワルイージ再び (笑))。ちなみに、私は現在ルイージを使用中。気のせいかもしれないけど、マリオより若干伸びが良いような気がします。

キャラの選択画面で、各キャラの性能が表示されるのは良いですね。ま、性能っつっても加速と重さが☆表示されるだけだし、自分の贔屓のキャラが決まってる人にはあまり縁のないモノかもしれません。ただ初めて遊ぶ人にイチイチ説明したり、説明書を読ませたりする必要がないってのは良いことかもしれませんね。ちなみに、このキャラ選択画面で?のマスにカーソルを合わせると、ルーレットが回ってランダムでキャラが選択されます。ちょっといつもと違う気分で遊びたい時に使ってみると良いかもしれませんね。普段使わないキャラの意外な性能に気付くかもしれません。

1人用のレースモードは、グランプリモード、タイムアタックモード、フリーランの3種類。グランプリモードは、お馴染みのメインモードでアイテムを駆使しながら優勝を狙います。50cc、100cc、150ccの3つの排気量毎に5つのカップ戦 (キノコカップ、フラワーカップ、サンダーカップ、スターカップ、そして4つのカップ戦全てで優勝すると出現するスペシャルカップ) があります。今回、ちょっと趣向が異なっているのはランクという概念があること。これはレース中にどんな操作をしたかを評価するシステムで、たとえばドリフト後のミニターボを発現させればプラス、エンジンブレーキをかけるとマイナスなど色々な要素があるようです (詳細は公開されていない)。優勝してもランクがDとか逆にBランクなんだけど準優勝などということもあり、通常にゲームを進める分には神経質になる必要はないと思うんですが (無論、ランクも高くて優勝できればそれにこした事は無い)、ランクが高いと良いことが起こるそうです (隠しコースが出るとか?)。まぁ、100ccのスペシャルカップで手こずってるようじゃダメダメですけどね>私 (苦笑)

ランクが低いながらも曲がりなりにも各カップで私が優勝出来るのは多分にアイテムの存在が大きいです (早く上手くは走れないけど、勝つ走りは出来るってことね (笑))。GBA版では、SFC版のショートカットに欠かせなかった羽根が消えた代わりに3連甲羅やトゲゾーこうらという超ビッグアイテム (1位にカートを自動追尾して撃破する) が追加され、よりバトルの要素が強くなっています。まぁ、賛否両論あるとは思いますが、個人的には賛成派。というのも、レースが3周勝負に変更されたので、追い抜きポイントが少ないからです。もちろん、アイテム無しの純粋な走りだけの勝負というのもあって良かったと思うんですが、多分それはこのゲームそのものを否定することになるような気がします (そういう勝負は次に書いてるタイムアタックですべし)。

タイムアタックモードは、その名の通りコースごとのラップタイムを競うというものでSFC時代からコンマ1秒を削る熱い戦いが繰り広げられてきました。敵車は一切出てきませんがコース上の障害物は通常通りです。ちなみに、この障害物も各コースで色々とあり、ビーチだとカニがうろついてたり、クッパキャッスルにはお馴染みのドスン、広野のサーキットではインディアンヘイホーが行く手を邪魔します。タイムアタックするプレイヤーは、そういう邪魔の入らない (=運の要素が入らない) ピーチサーキットマリオサーキットを極めるのが無難だと思います。まぁ、でも全コースでタイムを極めたいという人も居ると思うので、押し付けはしませんが (笑)。ちなみに、このモードに限り左下にタコメーターが表示される。カコイイ!

フリーランは何者にも邪魔されずに走れる練習走行と勘違いしやすいですが、実際は各コース毎にグランプリモードを行うというモードです。だから、当然ライバルは全部出てきますし、アイテムとかもあります。まぁ、グランプリの予行演習みたいなもんだから練習走行と言えば練習走行ですが (何度でもリトライ出来るのが良いところかな)。ただ、ほとんどの人はいきなりグランプリなり、タイムアタックなりで遊び始めて、そのモードの中でコツやテクニックを掴んでいくでしょうからあまりこのモードで遊ばないかもしれませんね。かくいう私もいきなりトライ派。他の人と違うのは、何回やってもいきあたりばったりなのでナカナカ安定した走りが出来ないこと。ま、要するに学習能力が無いってことですな (苦笑)

多人数用のレースは未だプレイしたことが無いので簡単に説明だけ。モードはグランプリモード、VSモード、バトルモードの3つです。グランプリモードは、プレイヤーは2人まで参加でき、COMのカートを含めて8台で走るモードです。VSモードは2〜4人まで参加出来るグランプリモードで、プレイヤー以外のカートは出てきません。COMに邪魔されず、純粋にマッチレースを楽しみたい時には迷わずコレを選びましょう。あと、バトルモードは、SFC版でもお馴染みの風船割りゲームです。個人的にはワイワイレーシングアドバンスのように、バトルゲームやミニゲームの類ををもう少し増やして欲しかった、あるいは新しくして欲しかったところ。ま、実際にプレイしていないから何とも言えませんけどね。

さて、今回のGBA版のもっとも大きな特長といえば、パーソナルスクリーン (1人が1つのゲーム画面を使用) によるレースが楽しめるということではないでしょうか。これにより何が変わるかというと、グランプリモードなりバトルモードなりで相手の動向が全く分からなくなります。SFC版やN64版だと、同じ画面を皆が見ているので、相手がアイテムを使おうとしてたり、こちらの様子をうかがって隠れていたりしてもある程度把握することが出来ました (相手が何を持っているかも分かるので対処のしようもある)。それに比べGBAでは相手が何のアイテムを持っているか (あるいは取り損なって持っていないかもしれない) すら分からないので、駆け引きが非常に重要になります。たとえ、後塵を拝している時にバナナしか持っていなくても『そろそろ消えてもらおうか』などと口走れば、相手は『トゲゾーこうら』の恐怖に脅えてハンドリングをミスるかもしれません (セコイ (笑))。あるいは、実はヘナチョコキノコしか取ってないのに、いつまでも使わないのを見てアカ甲羅を持ってると勘違いして自滅したりね。また、それらのアイテムも実はいきなりぶつかるのではなく、しばらく画面に出てからぶつかります。アイテムを持っていれば相殺することも可能ということです (常に後ろにアイテムをぶら下げておくとか)。ま、実際には走りに集中しているのでそこまで気を回すことが出来る人は少ないでしょうけどね (笑)
GBテトリスで初めて画面が分離することにより対戦の面白さが広がりましたが、このゲームでもそれは当てはまると思います。しかも今回は最大4人まで同時対戦可。この白熱した戦いはGBAならではと言えるでしょう。

そして、もう一つ忘れてはならないのがワンカートリッジプレイ。ワイワイレーシングアドバンスでは実現出来なかったことをするあたり、さすが本家任天堂といったところでしょうか。GBAに蓄えておけるデータ容量の限界からコースは4つに限定され、キャラクタも色違いのヨッシーのみとなっていますが (色違いというだけならカラーパレットの交換だけで済むのでデータはそれほど喰わない)、みんな対等の条件でバトルというのはある意味正解かもしれません。何より、お手軽にレースが出来るのは嬉しいことです。あとは、自分自身のテクニック次第?普段からヨッシーを使って鍛えておきましょう!?

その他、全体的なことをいくつかまとめて書きます。

コースデザインは、アップダウンとかループ、トンネルといった奇抜なモノはなく、またワイワイレーシングアドバンスのような派手さもありませんが、グラフィックは統一感があって見た目にも易しく雰囲気が良いし、レイアウトも非常に良く考えられていて走りの極め甲斐があるような気がします。特に上級のコースだと、ドリフトがアウトに流れるとコースアウトになるジャンパーがあったり (立体交差に多く、ジャンパーで乗り越えちゃうとコースの最初の方に戻ることになる=最下位)、どうしてもタイムがのびないと思ってたら意外なところにショートカットポイントがあったり、ウケ狙いでコースを作ったりしてる他の同種のレースゲームに比べて丁寧かつ堅実な仕事ぶりが非常に良いと思います。
あと、コースに出てくるキャラはもちろん、背景とかも何気に凝ってます。ヘイホービーチでは、ヘイホーの海賊船が浮遊してたり、パラソルにぶつかるとパラソルが閉じたり開いたりするし。しかし、何と言ってもスゴイのはルイージサーキットルイージの宿命を表すかのようなどしゃ降りのコースなんですが、スタート前は上から下に降っている雨が、走り出すとこちらに向かってくる (雨の日に車を運転するとフロントウィンドウに雨が向かってくるのと同じようなカンジ) という細かさ。実際に雨の中を走ってるんだなぁという気になります。周回を重ねる毎に水溜まりが大きくなっていく・・・とかまで再現できてれば凄かったんですけどね、さすがにそこまでは無理だったようです (つーか、そんなのレースする方も大変だって (笑))。まだ全部のコースを走り尽くした訳じゃないので、もしかしたらもっと他にも遊びの要素があるのかもしれません。要チェケラ!

グラフィックに関して付け加えると、ホントにゲームの細部に渡ってこだわって作られてるなというのが分かります。カートの選択画面ひとつとっても他のゲームならカーソルを合わせてボタンを押したら点滅して終わりだけど、このゲームの場合はカートが飛び出してきてメニューを蹴散らしていきます。あと、ゲーム中やデモで使われているフォントなども全て統一されており、何処を取っても手を抜いていません。こういうところは意外に見捨てられがちというか、本編さえシッカリしてればそういうところは手間をかけないというゲームが多い中、妥協を許さないその姿勢に感激してしまいました。

サウンドに関しては、特にコレといってスゲェ!!というのは無いけれども (ワイワイレーシングアドバンスみたいに唄うとかね)、全然ヘボヘボでダサイ!っていうのも無い。各コースごとのBGMは雰囲気に合ってるし、キャラもちゃんと喋る (若干ボリュームが小さいようですが)。少なくともゲームを盛り上げることには成功していると思います。

ちょいと気になる点としては、テレサレイクコースのデザイン。レイアウト自体は別に良いんですが、とにかく暗い!今までそれほどGBAの画面を暗いと感じたことはありませんでしたが、このコースだけは別。というか、まぁ見れないことはないんですよ、やっぱり。ただ、高速で動くレースゲームでコースが良く見えないというのはマズイでしょう、やっぱり。キャラ設定としてあの雰囲気ですからこういった配色になるのは仕方ないと思いますが、もう少し明るい色にするか、もしくは全く別のコースを用意した方が良かったのではないかと思います。

あと、ホント下らないことだけどスタート前に十字キーの左右を入れても姿勢が傾かない (SFCは傾いて重心を移動してるってカンジがして良かった)。ま、ゲームには関係ないことなんだけど、レア社 (スーパードンキーコングシリーズを作ってるところ) がグラフィックを担当した割にはちょいと配慮が足りないような気がします (レース中はちゃんと傾いてますからねぇ)。

もうひとつ重箱の隅をつつくと、バックミラーが無い (笑)。つーか、ホントのカートにそんなモノ無いはずなんですけどね。SFC版ではあったもんですから。GBAは画面が分離してるので相手を確認する手段としてあっても良かったかなって気がします。

総合的に見ると、非常に良く出来たゲームだと思います。既に完成されてるゲームでしたしね。だから逆に言うと目新しさは無いです (その王道っぽさが良いんですけど)。GBAと同時発売だったら一気にたくさん売れたんだろうけど、FF10とも重なったし売れ行きはあまり良く無いような気がします。ま、長いスパンで遊べるのでこれからジワジワと売れていけば問題はありませんけどね。

1人でタイムアタックしても楽しいし、みんなでレースをしても楽しい。F-ZERO のように敷居が高くないから、初めての人でも数回遊べば慣れてくるのが良いところ。難しいことを考えずに遊べるってのが良いですね。相手の画面が見えないことが、これほど戦略に影響の出てくるゲームも珍しいです。そういった点ではSFCともN64とも違うゲームといえます。対戦が出来る環境にある人なら絶対に買いでしょう。ただ、実際にはタイムアタックばっかりという人も多いと思います。そういう人はモバイルアダプタGBを買って任天堂が主催するトーナメントに参加するなり、ゴーストのデータをやり取りして楽しみましょう。ライバルは日本全国であなたの挑戦を待ってます。私はまだまだ参加出来るほどの腕ではないので・・・ま、マタ〜リいきましょう (苦笑)

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黄金の太陽・開かれし封印

最近では、ゴルフやテニスなどのスポーツゲーム、一昔前はMDのシャイニングシリーズで名を馳せた高橋兄弟 (キャメロット) が放つGBA参入第一弾ソフトありGBA初の本格的RPGでもある本作、最初のアナウンスから数えるとかなり長い間待たされての登場となりました。

高橋兄弟自身が『従来の携帯機とは一線を画す、というか携帯機用ゲームだと思って作っていない』とインタビューで応えていたり、どうにもインパクトの弱いCMで『今までの常識は通用しない』とか『まったく新しい』といっているので、そこら辺に注目して遊んでみました。

ゲームシステム自体は特にどうってことのないフィールドタイプのRPGです。フィールドマップで町を移動して町の中で情報を得てイベントをクリアして・・・の繰り返し。これに関しては特に新しい事がある訳ではありません。では彼らが何をもって新しいと言ってるかというと、エナジーと呼ばれるシステムにつきます。

エナジー、これが本作最大の特徴 (高橋兄弟談) だそうです。地火水風の4つの属性があり、ジンとよばれる生物をセットすることで様々な能力 (エナジー) を使うことが出来るようになります。ジンは各属性ごとに複数種がいて同じ属性同士をたくさんセットしたり、違う属性のジンを組み合わせてセットすることでエナジーも変わります。さらに、ジンは戦闘時において特殊な能力を発揮し、単体で攻撃したり召喚と呼ばれる魔法で敵に大ダメージを与えることも可能です。ちなみに、ジンにはキャラにセットした状態、開放したスタンバイ状態、召喚を使って休息しているリカバリー状態があり、各々の状態でキャラが使えるエナジーが変わるばかりでなく、攻撃力や防御力などのパラメータにも影響します。ま、召喚は大ダメージを得られるけど自分の状態も危うくする諸刃の剣ってところでしょうか。

実際問題、ジンを使ったエナジーシステムというのが新しいかというと微妙なところ。従来のRPGでもアイテムを付けたり外したりすることでパラメータが変わるのはもちろん、特殊攻撃が出来るとかいうのはあったと思うし (今までのアイテムという概念がジンという生物に変わっただけ)。まぁ、でも悪いシステムでは無いと思うのでコレに関しては特に言いません。ただ『戦闘でスゴイ魔法が使えるのに、フィールドで使えないのはオカシイ』という考えのもと、フィールド上でもエナジーを使うというシステムにしたのは非常にいただけない。何がいただけないかというと彼らがイチオシしてるリードのエナジー。これがナニモノかというと、通常Aボタンを押して会話するのとは違う内容 (心の中を読み取る) が聴けるという魔法なのですが、とにかくコレがかったるい。単なる2度手間以外のナニモノでもないです。まぁ、彼らがやろうとしている事は分かります。大事な秘密をペラペラ喋るのはオカシイという考え方はあるでしょうし。ただ遊びやすさを犠牲にしてまで導入する必要があるのかね?しかも、このエナジーというシステム、戦闘だろうがフィールド上だろうが同じようにポイントを消費します。このポイントが無ければリードも出来ない。回復するには町を出てフィールド上を歩きまわるか、宿屋に入るかアイテムを使うことになる。貴重な金やアイテムを使いたくないのでフィールドを歩き回ると敵に遭遇して余計なポイントを消費しちゃうという悪循環。ま、ポイントに関しては成長するにつれ許容量が増えると解決する問題ですが、面倒なことに変わりはありません。イベントのクリア前後で町人のセリフは変わるし、町人の数も多いから情報を集めるだけで一苦労です (しかも、キャラとの位置合わせが微妙なので話し掛けたつもりなのにメニュー画面が開いてイライラしたり)。ちなみに、エナジーはショートカットという機能でL/Rボタンに割り振れるのですが、その機能を使って操作してもかったるかったです。

エナジーは他にもあるのですが、それらはフィールド上の通路を確保する為に使うカンジでパズルを解くような使い方をします。これもポイントを消費してしまうのはアレですが、頻繁に使うモノではなく、またリードの様に不特定多数のモノに対して使いまくるというのではなく、該当の部分 (いかにも怪しい部分とか) に使うだけなので丁度良いメリハリになっている気がします。というか、このゲームの楽しみはこういったパズル的要素を含めた謎を解くことにあるような気がします。希望としては、もっと複数のエナジーを駆使してクリアするようなルートがあれば面白かったと思うんですが (本編とは別の宝島イベントよりも難しいくらいが良い)、あまり複雑にし過ぎると解けない人が居て困るということでしょうか (プレイヤーの年齢層低そうだし>GBA)?

そうそう困るといえば、本ゲームのマニュアル。エナジーに関する説明があまりにもおざなり。というか、マニュアル全般を通して非常に読みにくい。何が何処に書いてあって、遊ぶ為には何が必要なのか?どうプレイすれば快適なのか?そういう観点で書かれてません。とにかく、ソフトの仕様をダラダラと書いた、そんなカンジ。結局、実際に遊んでいるうちに覚えましたけど、訳分からないまま遊び始めたって人多いんじゃないでしょうか (特に小学生とか)?本気で攻略本が欲しいです。ゲームの攻略じゃなく、エナジーシステムの攻略を書いてる本が (笑)

ちょいと雰囲気が険悪になってきたのでスゴイと思ったこともいくつか。まずグラフィックですが、コレは非常に良く出来てると思います。町から町へ移動する際のフィールドマップのグラフィックはポリゴンとは違うようですがどういった技術なんでしょうか?拡大縮小があって、うにゅうにゅ動くカンジがとても面白いです。ただ、画面に収まる範囲が狭いので迷いがちなのが難点。もう少し見やすく (メリハリのあるマップに) してほしかったです。そうそう見やすくと言えば私のGBAだけなのかな?途中色を判別する場面が何ヶ所かあるんですが、非常に色の区別がしにくいという。もう少しハッキリと分かる色にするか図形にするかすれば良いのにねぇ (ただでさえ暗いとか文句言われてるのに (苦笑))。町の中のグラフィックはかなり綺麗です。もちろん、キャラクタも綺麗に描かれています (レンダリングっぽくつやつやしてる)。ちょこっと感動したのは雪の積もってる町で歩き回るとちゃんと足跡がつくこと。芸が細かいですねぇ。

さて、イベントが起こるとキャラによる寸劇が始まるんですが、『・・・』とかの吹き出しが出てきてセリフが無いのにそれなりに何を言ってるのか分かるようなところは良いですね。ただ、意味の無い動き (ブルッと痙攣したような動き) も多々あるような気がするのが謎。あれは一体何を表現しているのでしょうか?あと、通常のセリフが表示される時にキャラのグラフィックウインドウが開くのですが、どんなセリフの時も同じグラフィックが出てくるのは萎え。怒ったり、困ったりしてる時の表情が薄笑いってのはヤッパリ変です。変なところに凝ってるくせにこういうトコロで手を抜いてるのはどうかと思いますね。あと、一つのイベントが長過ぎ。『携帯機用のゲームと思って作っていない』の言葉通り、唐突にイベントが始まったと思ったらいつまでも終わらない (苦笑)。無論、その間はセーブすることも電源を切ることも出来ないのでジッと黙って見ているしかない。家で遊んでる時は良いけどさ、電車の中とかで遊んでる時にイベントが始まったらホント冷や汗もんですよ。駅に着くまでに終わるかどうかで。イベント発生時以外は、いつでも何処でもセーブが出来るので、まぁアヤしそうなところでセーブしておけば良いとは思うんだけど・・・。せめて、スリープ機能 (ゲームの中断機能、L+Rで復帰する。何だかんだ言いながら携帯機向けの機能をちゃんと付けてる当たりはサスガです) くらいは対応していて欲しかったですね。

あと、これはマップのデザインセンスの話なんですが、行ける所と行けない所、動かせるモノと動かせないモノの区別がイマイチ分かり難いです。あと、先ほどのリードの所でも書きましたが、ちょっと位置がズレてるとモノが動かせないということもありました。操作感が軽すぎるというか、もうちょっとカッチリ動いたり止まったりした方が遊びやすいと思います。操作感の話で言えば、メニュー画面。ステータスの表示やジンの状態、アイテムの状態などを見れるのですが、これが何とも見にくいし使いにくい。L/Rボタンが絡んでるからというのもありますが、なんかこうインタフェースが統一されてないカンジがします (遊びにくい)

もう一つのウリである戦闘中のグラフィックに関しては、かなり良いですね。通常のエナジー技に関してはレベルアップしてもあまり変り映えしなかったりして萎えますが、召喚の時のグラフィックはかなり凝ってます。無論、その手のグラフィックは何回も見てると飽きるもんですが、ちゃんとグラフィック表示のキャンセルも出来るのであまりイライラすることはありません。戦闘のシステム自体はオーソドックスで目をみはるモノはありませんが、テンポが良くストレスを感じることが無いのが良いですね。もっとも、エンカウント率が高すぎてやたらと戦闘になってしまうのが問題ですけど (苦笑)。しかも、その戦闘がねぇ・・・あっても無くてもってカンジ?ジンによる特殊攻撃してれば勝てちゃうからレベルは結構簡単に上がる。何かねぇ、戦闘を楽しむってカンジじゃないんですよ。逆に鬱陶しい。単なるコイン稼ぎ&早解きさせないための足かせにしか思えない。いっそのこと、ゼルダカエルの為に鐘は鳴るみたいにバトルによる経験値を排除して純粋に謎解きとストーリーを追う構成にすれば良かったかなと。

もっとも、肝心のシナリオが・・・ネタバレになるので詳細は書きませんが、一言で言うと『中途半端』以外のナニモノでもないです。つーか、発売直後に続編の発売がアナウンスされるなんて、明らかに続編を作ることを念頭においていたとしか考えられません (つーか、エンディングを見ればハッキリするんですが)。無駄に伏線はり過ぎなのも気になるところ。伏線のイベントはクリアしなくてもゲームはクリア出来るから結局謎は未解決のまま。なんつーか、TV版エヴァの最終回を見てるようですな (笑)。もちろん、GBAのカートリッジ容量ではゲームに詰め込めるシナリオにはかなりキツイ制約があると思います。それで3部作なりに分けるという手法はアリだと思います。ただ、それならそれで1部ごとにユーザーがそれなりに納得できるエンディングを用意すべきではないかと思います (もちろん、このエンディングに納得するかどうかはユーザーごとに違うと思うので一概には言えませんが、多くのユーザーがアレ?この後は?という感想を持つと思います)。あるいは最初から、これは○部作ですって宣言しとくとかね。少なくとも今回のゲームではフラストレーションが溜まるだけで感動も何も無いエンディングです。しかも、続編っていったって来年の春以降・・・それまで待てるかっつーの (苦笑)

文句で終わるのはアレなので・・・音楽に関して。グラフィックの質も良かったですが、音楽もかなり良いです。状況によってBGMが変わるのはもちろん、それぞれの町ごとにそれっポイBGMが鳴ります。まぁ、メロディライン的にはありがちなモノではありますけど、その深みのある音色と音質は携帯機のBGMとは思えない迫力があります。GBA本体のスピーカーではなく是非ともヘッドフォンで堪能して欲しい出来栄えです。ただ、BGMの凄さに反してSEに関しては非常に前時代的というか、いかにもコンピュータの音というカンジであまり工夫が見られないのが残念なところ。BGMの出来が良いだけによりいっそう貧弱さが目立ちます。

やり込み要素として隠しダンジョンとバトルというのがあります。バトルに関してはやったことが無いので置いとくとして、隠しダンジョンはかなり難易度が高くやりこみ甲斐があると思います。ただ、あくまでも戦闘とかアイテム集めに意義を見出せる人のためのモノという感は否めません。この手のRPGはストーリーが重要と思っている私には必要ないという気がしないでもありませんが・・・。

逆に必要だと思ったのが移動魔法 (ドラクエで言うところのルーラみたいなモノ)。先ほども書いたように、エンカウント率は高いし、イベントであちこち行かされるのに徒歩しか手段が無いからカッタルイ。竜巻起こしたり、地震起こしたり出来る人間が何故移動くらい出来ない (風に乗って移動とかさ)?ま、それは設定上の問題として、とにかく遊ぶのがツライです。イヤ、最初から最後まで1本道のRPGなら良いですよ。でも、普通のRPGとは違うんでしょ?>高橋兄弟。シナリオも各町の連携とか絡めたりしてるんでしょ?それで、移動が歩きだけ?手抜きっつーより、少しでも長い時間プレイさせるためにわざと移動魔法を作らなかったんじゃないかと勘ぐってしまいますな (笑)

期待感が高かっただけに、この完成度には満足出来ないというのが正直なところ。いや、これが全くノーマークのRPGだったとしたら話は変わってたのかもしれませんが、やはりキャメロットというネームバリューは大きかったということでしょうか。少なくとも彼らがインタビューで答えていたことや、CMのキャッチコピーにいうようなゲームではありません。ごくごく普通の王道スタイルのRPGです。他社から出ていれば評価は高かったかもしれません。まぁ、今は続編に期待するしかないといったカンジですね。

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