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太鼓1『黒川能狂言百番』書評・解説文集太鼓1
更新平成12年10月16日

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大鼓3新・能楽ジャーナル  小林保治   00年09月01日
 雑誌「太陽」の「特集・雪国の秘事能」(昭和41年2月号)と翌年に刊行された「黒川能」(文・横道萬里雄ほか、写真・薗部澄)の二冊こそは、黒川能を世に広く知らしめた先駆けであった。本書の巻頭の「黒川能に出会う」という文章のなかで


大鼓3『銀花・書物雑記』 123号00年秋号 00年08月25日発行
 黒川能のメーンイベントは旧正月を祝う王祇祭。二月一日から二日にかけて夜を徹して演じられる。山形県櫛引町黒川へ通い続けて四半世紀。写真家、渡辺国茂の記録を中心にとしたガイドブックは、室町時代から人々が祈りを込めて生活暦とともにはぐくんできた芸能への招待だ。大地踏。式三番。そして神、修羅、女、鬼、祝言のテーマから成る五番立ての幕が開く。



大鼓3荘内日報記事 2000年3月8日 記事より
 四半世紀の舞台収め  黒川能の総合ガイド本刊行へ
 櫛引町黒川地区に伝わる黒川能(黒川能指定重要無形民俗文化財)の総合ガイドと銘打った「黒川能狂言百番」が今月3月17日小学館(東京千代田区)から刊行される。黒川に25年間通い続けている写真家渡辺国茂さん(横浜市)が撮りためた写真に、若手の女性研究者二人が三年間の研究を基に解説を加えたもの。能百番と狂言三十番を収録「庄内が誇る古き良き日本の姿」(小学館)を発信する。
 この本の企画は編集者の井本一郎さんが約十年前、黒川で、渡辺さんと出会い持ち上がった。解説を書く研究者を探す中で四年前に重田みちさん(能楽論)と正田夏子さん(能装束)の存在を知った。その後、重田さん正田さんは黒川に通って調査、当初一年の予定だった調査は三年に及んだ。写真を撮影した渡辺さんは昭和55年ごろからいままで黒川に約百六十回訪れ、撮ったフィルムはモノクロ約1800本、カラー700本、合計9万カットに上るという。黒川能保存会などが毎年制作する「黒川能カレンダー」はほとんど渡辺さんの作品。
 「黒川能狂言百番」は渡辺さんの作品の中から演能の写真355点を厳選。黒川能最大の舞台「王祇祭」の流れに沿って能百番、狂言三十番を各曲見開き二ページで解説している。巻末には、専門用語や装束の解説、黒川能の歴史、参考文献、索引を掲載、巻頭文は歌人の馬場あき子さんと狂言研究家の小林責さんが寄稿した。これまで11年黒川に通っているという井本さんは「古来の形を残す黒川能の魅力にとりつかれた。取り上げた百三十番は現行曲目のほとんどすべて。これほど広範で、ち密で、総合的な解説書は、今後作れないだろうと自負している。読めば黒川能だけでなく、能楽全体の通になれるはず」と話している。
 「黒川能狂言百番はA5判、二百五十六ページ(うちカラー百二ページ)三千五百円(税別)黒川能保存会推薦。
(以上全文掲載・写真は本の表紙写真を掲載)



大鼓3産経新聞書評欄より引用  2000年4月22日
「現地調査重ねた詳細な解説」
 「黒川能」は、山形県櫛引町に数百年間伝えられてきた重要無形民俗文化財。今も伝統の姿を残して演じられている。その黒川の地に二十五年間通って撮った能・狂言合わせて百三十曲の写真に、現地調査を重ねた研究者が詳細な解説をほどこした初の総合解説書。
 幼児が神事を務める「大地踏」から、翁・三番叟を含む神事能「式三番」を経て、神がシテ役の初番目の能「脇能」、バラエティー豊かな「二番目物(修羅能)」、妖精や天女が登場する「三番目物」、鬼神、異類、武装した怪人物が登場する「四番目物」、しめくくりの「五番目物」まで。コラム、資料も充実している。巻頭に歌人・馬場あき子、狂言研究家・小林責両氏のエッセーも。



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