突発性難聴には鍼灸治療が有効です

ある日「突然」に「片方の耳」が「聞こえなくなる」。 こんな症状の突発性難聴にお悩みでしょうか。

突発性難聴は発症してから1時間、1日と経過するにつれ治り難くなる病気です。だから1日でも早く治療を始めて欲しいと願っています。

突発性難聴に苦しむ患者さんは子供から大人まで幅広く存在します。そのため、患者さん一人ひとりと向き合い、二人三脚でそれぞれの原因を追究、治療をしていきます。

突発性難聴には鍼灸治療が最も効果的です。共に病気を克服していきましょう。

当院では、日本耳鼻咽喉科学会をはじめ、各種学会に参加し、そこで得たものを治療の現場に反映しております。

突発性難聴とは

突発性難聴とは、特別なきっかけもなく、

ある日「突然」に「片方の耳」が「聞こえなくなる」病気です。

医学が発達した現在でも原因がはっきりせず、これといった確実な治療法のない難病とされています。

発症するタイミングとしては朝起きたとき、または電話中などに突然聞こえなくなります。また、聞こえなくなる前に耳鳴りが気になる人もいます。

聞こえなくなってからはフラフラやグルグルといった「めまい」や、補充現象と呼ばれる自分の声が反響するような症状や聞き間違いも現れます。

突発性難聴の原因

突発性難聴は、急激に発症する感音性難聴のうち原因不明のものを指します。

発症の原因は、音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。

一般的に有力とされている説としては、おたふくかぜ(ムンプス難聴)や「はしか」、インフルエンザ等のウイルス感染後に高度難聴を引き起こすことからウイルス説が考えられています。

また、もう一つの説としてストレスや過労、睡眠不足、糖尿病が影響して内耳血管の出血や血栓、塞栓、圧変化、内耳リンパ浮腫などによる内耳循環障害が起こる説というものもあります。

遺伝性は無いとされていますが、似たような体質や性格を持つ家族が同じ環境で生活することにより家族で突発性難聴を発症することはあります。

突発性難聴の症状

耳鳴り

難聴を発症したとき、最もあらわれやすい症状が耳鳴りです。
耳鳴りは人によって「キーン」、「ピー」という金属音のような高音で聞こえたり、「ジー」というセミの鳴くような音や「ザー」というノイズのような低い音で聞こえたりします。特に、ジー、ザーの音は要注意です。

一方、キーンなど金属音の耳鳴りは耳や頭頸部の血行不良性耳鳴となります。そのため、このような耳鳴りがあらわれた後に突発性難聴を発症するケースも少なくありません。

耳鳴りの症状は難聴を発症する際の初期症状や後遺症としてもしばしばあらわれます。
治りにくく、一生仲良く付き合って慣れるほか治療の手立てがないと言われる事も多いのですが、鍼灸治療なら回復する可能性があります。

めまい

難聴の症状でもう一つ忘れてはならないのが「めまい」です。
耳の奥には空気の振動を電気信号に変換して脳に伝える蝸牛(かぎゅう)と平衡感覚を司る三半規管が並んでいますが、難聴になると蝸牛やその周辺の圧力が変化するため、同時期に平衡感覚にも支障が出ることがあります。

めまいを訴える患者さんの多くに「フラフラする」といった症状が現れますが、それがひどくなると「グルグル回る」といったような症状を訴えるようになります。
めまいは薬では治りにくいものですが、これも鍼灸治療が得意とする分野です。

難聴患者さんの声を聞いていると、「耳が聞こえないことよりも、めまいを何とかして欲しい!」と訴える方が少なくありません。

感音性難聴

感音性難聴とは、耳にある鼓膜や中耳炎という病名にもなっている中耳(ちゅうじ)と呼ばれる部分よりも内側の内耳障害に起因して聞こえなくなるものをいいます。

音は空気が振動し、耳の穴を通り鼓膜へぶつかってその振動が蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる器官まで伝わります。蝸牛で空気の振動が電気信号に変換され、その電気信号が神経を介して脳へ伝えられてはじめて音として認識されます。
この音の伝達過程の中で蝸牛より外側が障害され引き起こされる難聴を伝音性難聴、内側が障害され引き起こされた難聴を感音性難聴とそれぞれ呼んでいます。

感音性難聴の症状としては、難聴のほかに蝸牛の障害として、音が過剰に聞こえてしまう補充現象や、高音部分の聴力低下に伴う聞き間違いといった症状が出てきます。

一般的に感音性難聴を発症した場合、構造的な問題から伝音性難聴よりも症状は強く、回復しにくい傾向にあります。突発性難聴メニエール病ムンプス難聴ハント症候群などがこの難聴に分類されます。

急性低音障害型感音難聴

低音障害型難聴

急性低音障害型感音難聴とは、ある日「突然」に「片方の耳」の「低音域だけが聞こえなくなる」 病気です。

発症は、ストレスや疲労、インフルエンザなどの感染症をきっかけに内耳の血液循環に影響をきたすことで内耳のリンパ液が貯留するためと考えられています。この病気は再発しやすいため、再発を繰り返していくうちに激しいめまいを伴うメニエール病に移行する例も少なくありません。

人は20Hz〜20,000Hz程度の音域が聞き分け可能であるとされていますが、低音難聴にかかると、通常聞き取れるはずの音域の中で最も低い500Hz以下の低音域が聞き取れなくなる傾向にあります。

低音難聴で聞き取れなくなる音域は、日常会話で使われる人の声の高さに相当することから生活の質(Quality Of Life=QOLと言います)を考える上でとても重要だとされています。

なお、聴力検査ではは125Hz、250Hz、500Hz、1,000Hz、2,000Hz、4,000Hz、8,000Hzを測定しますが、聴力検査表の中央より左側の数値が低い場合が低音難聴と診断されます。

会話に重要な音の高さは500Hz〜2,000Hzとされていますが、500Hz以下の音域に聴力低下が起こると声がこもって聞こえたり、全体的に聞き取りにくくなるといった症状が現れます。
また、逆に500Hz以上の音が聞こえなくなると言葉を歯切れよく聴くために重要な「子音成分」が聞き取れなくなるため、聞き間違いを起こしやすくなります。

急性低音障害型感音難聴は、一般的な突発性難聴と比べ治りやすいですが、症状が長引いたり再発を繰り返す傾向にありますので注意が必要です。また、再発するたびに治りにくく、重症化しやすいのでしっかり治療する必要があるといえます。

難聴の治療実績

近年、疲労の蓄積や精神的ストレスによる血行障害が突発性難聴の発症に大きく関わっているということが分かってきましたが、西洋医学の分野では有効な治療法が確立されておらず、医療機関では上記のような治療を試行錯誤しているのが現実です。

突発性難聴の治療

一方、東洋医学をベースとする鍼灸治療では、西洋医学的な所見やご持参いただいた聴力検査の結果を参考にしながらも、主となる耳の症状だけにアプローチするのではなく、難聴が発症した原因が「身体のどこにあるのか」を追求します。
そして、その原因を踏まえたうえで(耳以外の部分も含めた)全身の関連器官の血流改善治療や、経絡に関係する中医学的臓腑弁証の治療をおこなうため、病院で「治らない」とサジを投げられてしまった患者さんでも、鍼灸治療で聴力が回復することは決して珍しくないのです。

実際の治療では、突発性難聴に至った原因を客観的に追求し、患者さん一人ひとりに最適な治療をおこなっていきます。 一般的な鍼灸治療としては耳の周囲にあるツボを使用することが多く、また、耳を含めた首から上の血流改善に効果があるツボも頻繁に使われます。 その他、患者さんの状態に合わせて、腰や手、足にあるツボに治療をおこなうこともあります。

年代別治療前後の聴力変化

下のグラフでは、実際に当院で鍼灸治療を受けた患者さんの治療経過をランダムにご紹介します。

突発性難聴

■20歳男性
発症年月日:2017年2月
初診日:2017年3月
治療前検査日:2016年3月
治療中検査日:2016年3月
備考:突発性難聴

突発性難聴

■30代女性
発症年月日:2019年12月
初診日:2020年2月
治療前検査表:2020年1月
治療前検査表:2020年2月
治療中検査表:2020年2月
備考:突発性難聴

突発性難聴

■40代女性
発症年月日:2019年2月
初診日:2019年5月
治療前検査日:2019年4月
治療中検査日:2019年8月
備考:突発性難聴、幼少期に中耳炎、
5年前に右の突発性難聴も経験

突発性難聴

■50代女性
発症年月日:2020年12月
治療前検査日:2020年12月
治療前検査日:2020年12月
初診日:2020年12月
治療中検査日:2021年01月
備考:突発性難聴
ステロイド点滴後変化無し

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