かきくもりあやめもしらぬ大空にありとほしをば思ふべしやは(貫之)
くまもなく信太の森のしたはれて千枝の数さへ見ゆる月影(実能 詞花)
恋しくはたずね来てみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉(「芦屋道満大内鑑」)
大伴の高師の浜の松が根を枕きて寝る夜は家し偲はゆ(置始東人)
音に聞く高師浜のあだ波はかけじや袖の濡れもこそすれ(紀伊)
時つ風吹飯の浜に出でいつつ贖ふ命は妹がためこそ(万葉)
潮みてば磯こす波にあらはれて吹飯の浦に千鳥鳴くなり(源俊頼)
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