はるばるといづち行くらん和歌の浦の波路に消ゆるあまの釣舟(藤原清輔)
和歌の浦や凪ぎたる朝のみをつくし朽ちねかひなき名だに残らで(定家)
なびかずは又やは神に手向くべき思へば悲し和歌の浦浪(後鳥羽院)
我が世にはあつめぬ和歌の浦千鳥むなしき名をや跡に残さん(伏見院)
横走る蟹を払ひて和歌の浦の道すぐにしもゆく世ならばや(木瀬三之)
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る(赤人 万葉)
ゆく年は波とともにやかへるらん面変はりせぬ和歌の浦かな(祝部成仲 千載)
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