安達太良山の東麓、阿武隈川に沿う原野。いま二本松市に安達の地名が残る。
みちのくの安達の原の黒塚に鬼こもれりと聞くはまことか(平兼盛「拾遺集」)
思ひやるよそのむら雲しぐれつつ安達の原はもみぢしぬらん(源重之)
まゆみ散る安達が原に朝たてば木の葉くつはく駒のつま音(源有房)
しぐれゆく安達の原の薄霧にまだ染めはてぬ秋ぞこもれる(定家)
わがためはこれや安達の黒塚に夕草わけて人は入りにき(藤原行能)