石川女郎 いしかわのいらつめ 生没年未詳

伝未詳。字(あざな)は山田郎女。蘇我倉山田石川麻呂の子孫か。

大津皇子の宮の(まかだち)石川女郎、大伴宿禰宿奈麻呂に贈る歌一首

古りにし(おみな)にしてやかくばかり恋に沈まむ手童(たはらは)のごと(万2-129)

【通釈】年老いたお婆さんの身であって、これほどの思いで恋に身を沈めるものでしょうか。まるで聞き分けのない子供のように。

【補記】大津皇子(663-686)に仕えた侍女である石川女郎が、大伴宿奈麻呂(668頃-727頃)に贈った戯れ歌。題詞脚注には「女郎字曰山田郎女也。宿奈麻呂宿禰者、大納言兼代将軍卿之第三子也」とある。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日