66 コピーコントロールCDを試す (2003.1.26) 最近、コピーコントロールCD(CCCD)というコピーガードがかかったCDがでている。不正コピー防止のためパソコンでのコピーができないようになっていて、パソコンで聴くこともできないらしい。本当にパソコンで聴けないのか調べてみたくてレンタルしてみた。
最近我が家ではCD(音楽)はパソコンで聴くのが普通になっている。数年前にCDデッキが壊れてしまったし、オーディオアンプの調子も悪いので買い換えもせずにそのままになっている。CDラジカセもあるが安物なので音が非常に悪い。他に10数年ほど前のCDウォークマン(Discman)があるが自宅にいるときにヘッドフォンで聴くのは不便なのだ。
一方、エンデバーにはそれなりに音のいいスピーカをつないであるし、ハードディスクにはMP3に変換した音楽が入っている。ほとんど一日中電源が入っているので、ちょっと音楽を聴くのにとても便利。という訳で、パソコンで聴けないCDなんて買いたくない。普段はレンタルですますことも多いが、レンタル店にないCDや持っていたいCDは買うこともある。そんなとき、買ってからパソコンで聴けないと腹立たしいのでレンタルで試してみた次第。
パソコンで聴くためにCDエクストラとして圧縮した音楽が入っているとのことで、その音質も知りたかった。ちなみに、このCDエクストラはWindowsだけの対応で、Macintoshは対応してないとラベルに書いてあった。コピーコントロールCDでもパソコンのCD-ROMドライブによっては聴けるものもあるらしいことを聞きかじった(ネットで読みかじった)ので、エンデバーのDVDドライブでは聴けるかもしれないと、少し期待して借りてみた。実はレンタルは2回試してみたのだ。
1回目は、昨年末に子供用に借りた仮面ライダー龍騎のCDだ。残念ながら通常の音楽トラックは聴けなかった。コピーコントロールは確かに機能している。CDエクストラに入っている音楽は専用プレーヤソフトが立ち上がり、聴くことができた。しかし、音の広がりがなくこもった感じに聞こえる。MP3より音質が悪い感じ(先入観のためかもしれないが)。
聴けないだけでなく、CDからMP3への変換ソフトでの変換もできなかった。CDが認識できない、というようなメッセージがでてくる。さらに、CD-Rの書き込みソフトでCDをコピーしようとしたけどダメだ。コピーコントロールはそれなりに効いているが、これではCDを買う気にはならない。
結局このときは、CDウォークマンをエンデバーに繋いで、アナログ経由でハードディスクにダビング(死語?)した。できあがったWAVファイルをMP3に変換して聴いている。しかし、アナログのダビングでは音質はイマイチだし、手間がかかるのでもうやりたくない。昔、CDからカセットテープにダビングしてウォークマンで聴いていた頃が懐かしい。しかし面倒だ。コピーコントロールCDなんて買うものか、と心に誓って(という程ではないが)CDは返却した。
2回目のトライは年が明けてからのこと。ネットをさまよっていたら、CDから音楽トラックを抽出する強力な専用ソフトがあり、それを使うとコピーコントロールCDからも結構読み出せるらしいことが分かったので試してみた。今度は浜崎あゆみのCDを借りてみた。使ったソフトはCD2WAV32というフリーソフト。サポートしているCD-ROMドライブが沢山あるようだし、インターネットの曲名データベースにアクセスして曲名を取得する機能などもあって便利そう。
しかし、このソフトでも完全な抽出はできなかった。2曲目以降は読み出せたが1曲目が何度トライしてもダメで結局諦めた。試しにCD-RWドライブでの読み込みと、自作パソコンに付いている中古CD-ROMドライブでもやってみたが、こちらは全くダメだった。コピーコントロールCDが読めるかどうかはドライブに依存するところが大きいようだ。一応、2曲目以降は聴くことができた。
購入やレンタルしたCDのコピーは個人の使用のためならば違法ではないと思う。そうじゃなければレンタルCD店そのものが怪しくなってしまう。一応、気になったので著作権法を調べてみた。「私的使用のための複製」というのがあって、問題ないように思える。ちなみに著作権法では「点字による複製等」も認められている。
以下は http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.htm 著作権法からの引用
第五款 著作権の制限
....途中省略.....
(点字による複製等)
第三十七条 公表された著作物は、点字により複製することができる。
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3 点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。
後半の録音に関しては「点字図書館や視覚障害者の福祉増進を目的とする施設で法令で定めるもの」と、但し書きがあるけど、前半の点字化にはそれがない。これって誰でも著作物を計算機の点字コードにして、配っていいということなのかな。例えば村上春樹の海辺のカフカをパソコンに打ち込んで、点字コードにすればネットで公開してもいいということ? ボランティアでやっている人とかいるのかな。
閑話休題。コピーコントロールCDはパソコンで全く聴けない訳ではないことがわかった。それなりのソフトやCD-ROMドライブを使えばある程度聴ける。でも面倒なので個人的には買いたくないし、もうレンタルもしないと思う。しかし、ソニーやマイクロソフトの動きをみると、これからのパソコンはテレビやビデオ、オーディオと一体化していく雰囲気なのにCDが聴けないなんて時代に逆行してない?
CD会社はコピーによりCDの売り上げが落ちているのでコピーコントロールCDを導入したようだけど、逆に益々売れなくならないかな? 売れないのはコピーが原因だけでなく、大きな購買層の若者が携帯電話などの通信費にお金をかかるようになったから、というのもありそうだ。若者向けのCDやゲーム、本、映画など娯楽系商品のライバルは携帯電話だよ。CD会社も大変だとは思うけどコピーガードなど後ろ向きの対策じゃなくて、もっと前向きの取り組みをしてほしい。音楽はネットワークでのダウンロード販売にして値段を劇的に下げるとかね。
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