67 母のパソコン、その後 (2003.2.11) お友達3人と一緒に南の島にでかけてきます、という母からのメールが届いた。日程や滞在するホテルの連絡先が書いてありメールを使いこなしているぞ。最近、母からメールが届くようになった。姉の携帯ともメールで連絡を取ったりしているようだ。一時期は届いたメールのリプライしかできなくて、1ヶ月も前のタイトルで返事がくることもあったが、今はタイトルを変更することを覚えた模様。同世代のパソコン仲間ともメール交換をしているらしい。
心配したようにパソコンがホコリを被らず何とか活用できたようで本当に良かった。誕生日におめでとうメールを貰っておきながら「声が聞きたかったのに、メールじゃつまらない。」と我が儘を言っていたが、メールが日常生活の一部になったようだ。
また、趣味の会の名簿や会合の案内状をワードで作って配ったりもしている。プレインストールされていたワードのクリップアートが少ないようで、いい絵がないのよ、とぼやいていた。確かにでてくる絵が少なかった。CDからインストールしないといけなかったのかな? 今度帰省したときに確認してあげようと思う。
最近はエクセルで会計の計算にもチャレンジしているらしい。シルバーボランティアのパソコン教室で勉強している模様。なんと母は、そのパソコン教室のアシスタントになったそうだ。恐ろしい(^_^) パソコンを使い始めて半年程度なのに度胸があるというか、怖いモノ知らずというべきか。聞いてみると、パソコン教室のコースを何度も受講しているのでお手伝いをしてください、となったらしい。何人かそういう人がいるとのこと。
門前の小僧ではないが何度も聞きかじり使っているうちに、初心者より少しはできるということかな。でも正しい操作を教えているのかは定かでない。未だにファイルとフォルダの使い分けもあやふやなのだ。まあ、教える方も教わる方も、操作そのものの習得より、パソコンを囲んで同世代の人達とワイワイやっているのが楽しいのだと思う。病院の待合室が社交場というより、ずっと健康的で知的ですね。
母はワードの文書をなぜかフロッピーに保存している。全てではないが、一度フロッピーに入れたらそれを更新しているようだ。フロッピーはデータが壊れやすいし、保管も面倒なのでハードディスクに入れておけば、と促すがこの方が分かりやすいとのこと。ワープロ文化を引きずっているためか、形に見えるもので保管するほうが安心のようだ。フロッピーにラベルを貼ってタイトルを書くことで、文書が確かにココにあると思えるのかもしれない。
こういう世代には磁気カードを使えるようなパソコンはどうかな? 実際のデータはパソコン内のハードディスクに入っているんだけど、その場所の情報だけ磁気カードに記録しておく。カードをパソコンに刺すと、その場所のフォルダが自動的に開いて、あたかもカード内にデータが入っているように扱える。カードに自分の好きな方法でラベルを書いたり、色分けするなりして管理してもらえばいい。ICカードより遙かに安く作れるし、どうかな? 難点はカードを他のパソコンに持っていっても使えないということだ。だがそれもデータの置き場所としてネットワーク上の置き場所を記録しておけば解決する。
今の世の中ディジタル技術は急速に進歩していて、出てきて20年も経っていない3.5インチフロッピーが消えようとしている。音楽だってレコードは消えたし、CDも消えるかもしれない。ビデオテープももうすぐ消えそうだ。しかし、技術を使う側の人の意識や文化はディジタルの進歩ほど早く変わらないですね。
電話はダイヤルするし、テレビのチャンネルは回して、電子レンジはチンして、データはフロッピーなのだ。
お正月に帰省したときに母のパソコンを使ったら、デスクトップのアイコンの文字やツールバー、メニューなどのフォントが異様に大きくなっていた。どうしたの? と訪ねたらパソコン教室で画面のプロパティを変えて大きくすると見やすいと教えてもらったとのこと。老眼がひどいという程でもないようだが、大きな方がいいのだろう。ただ、フォントが大きいぶん画面が狭くなってしまう。
高齢者向けのパソコンはもっと大きな液晶画面が欲しいですね。Windowsにはアクセサリのユーザ補助というところに拡大鏡(上図)があって、マウスポインタを持っていくと、その周辺が画面の上端に拡大表示される。これもそれなりに使えるかもしれないが、画面が狭くなるし、視点をあっちこっち動かさないといけないのでちょっと不便。本物の虫眼鏡のようにカーソルのある場所で拡大表示できないのかな。
他にも高齢者向けに見やすいフォントとか色の組み合わせとかもありそうな気がする。濁音と半濁音は私でも見分けがつかないことが多い。見た目のデザインだけでなく、識別のしやすさといった観点から作ったフォントがあればいいのでは。すでにあるのかな? 文字の行間や間隔も見やすさを左右しそう。ワープロソフトでは、行間は指定できるが、文字間隔はフォント依存で変更はできないようだ。知らないだけかもしれないが。
色の組み合わせはある程度コントラストが強い方が見やすそうだが、長時間使うと疲れるかな? 白黒画面にしたほうが見やすいのかもしれない。音声でヘルプしてくれるのもいいかも。メニューにマウスを持っていくとそれを読み上げてくれるとかね。会社でみんなが使うとうるさいが、自宅で使うなら問題ない。
先日、テレビのニュースで高齢者の運転手人口が若者のそれを抜いたと言っていた。若者が24歳までという定義は誰が決めたのかしらないけど。とにかくこれからの日本は高齢者社会まっしぐらなのだ。若い人はどんどん減り続けるので、パソコン人口も高齢者の方が多くなるのは必至だ。
リタイヤしてからも最新情報にアクセスしたり、趣味のページをみたり、メールしたりと楽しみたい人が増えてくる。そんな人たちに視力だけでなく、マウス操作、キーボード操作など優しいユーザーインタフェースを考えて欲しい。いずれ私もお世話になると思うので。それまでパソコンは生き残れるかわからないけど、技術はパソコンに変わる何かに引き継がれるでしょう。
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