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32   景気と人口統計の関係について考察する (2001.11.11)

秋も深まり日照時間が短くなると景気の悪さがますます身に染みますね。マイクロソフト社の分割問題もアメリカ経済にこれ以上悪影響を与えないように回避されたと勘ぐりたくなる。その見返り?に経済回復の起爆剤としてWindows XPの発売が前倒しになりましたが効果はあったのかな。テロのどさくさでビル・ゲイツが一番うまい汁を吸えたのじゃない? そういえばオサマ・ビィン・ラディンとビルはほぼ同じ世代で、片や世界一の大金持ち、片や世界一のお尋ね者。現実に今の世界で一番の影響力を持つ二人の男だな。

最近、「人口ピラミッドがひっくりかえるとき」(ポール・ウォーレス著 草思社)を読んでみた。こんなに景気が悪いのは、不良債権のためでもIT不況のためでもないらしく、人口統計による必然であるとの説に頷いてしまう。そこで今回は不景気についてITを駆使(と云うほどのことはないが)して、この説を考察してみる。

人口統計からくる必然の不景気とは、以下のような理屈だ。

下のグラフは総務省のホームページからもってきたデータから作った。これをみると一目瞭然、大口購買層の人口が少ない。また、少子化問題も見られる。今の子供達は団塊の世代の半分だ。教育関係の会社は大変だな。なお、90歳のところは90歳以上全てを含んでいるので人口が多い。ちなみにデータはExcelファイルで公開されているので加工が楽だ。

人口ピラミッド

次のグラフは人口統計のデータから31歳〜45歳の人口推移を私が勝手に推測したものです。これによると、この世代の人口のピークは1985年でその後落ち込んでいる。景気の動きに合っているようだ。

今、2001年は1985年の87〜88%に落ち込んでいる状況。グラフからみると景気回復は2005,6年までは難しいのではないか。その後、回復傾向にあるがピークの2010年になっても1985年のピークの97%で、さらにその先は下る一方。私が老後を迎えるころは1985年のピークの70%以下になる。経済は成長するものだという考えは改めたほうがよさそうだ。

31〜45歳人口の推移

ちなみに、総人口も平成19年(6年後だよ)の1億2千7百万をピークに減り始め、平成112年(約100年後)には半分の6千7百万人になるとの予測がでている(総務省のホームページ)。総人口がピークの平成19年には老年人口の割合(65歳以上の割合)が20%を越える。50年後の平成62年には32%となり、全国民の1/3は老人という恐ろしい予測になっている。

切実に願うことは、上の景気予測のように後10年位で景気がよくなって、私の子供達が就職する頃には仕事が沢山あることですね。実は私が就職した頃は超売り手市場で今から思えば夢のような時代でした。いくら勉強していい学校(と言われるところ)に入っても就職する時期が運悪く景気が低迷していると可哀想だ。まぁ、本当に実力があれば自分の力で生きていけると思うけどね。

今の不景気もながくなり空気が閉塞的で暗い。強盗や殺人も多くなっているようだし。若い人たちが何だか退廃的で自分たちの半径1メートルの事しか注意が向いてないようにも思える。何とか若い人が明るい希望を持てる社会にしていきたいですね。

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