131 水没 iPod Shuffleを分解修理 (2007.9.30) 最近iPodの新型が発売になった。iPhoneに似たiPod touchが無線LANやブラウザが使えるのがいい。我が家でも話題だ。あとメーラとSDカードスロットと外付けでもいいので有線LANインタフェースがあれば(贅沢)、旅行などで写真を保存したりインターネットするのに便利そう。
さて、旦那が昨年購入したばかりのiPod Shuffleだが、殆ど使わなくなったので姉にあげることにして一騒動起きた。今回の記事は旦那の担当。
iPodはどこにしまったかな? と頭の中を探したら、この春にコートの内ポケットに入れたままになっているのを思い出した。探し物は大抵頭の中にある。箪笥をあけてコートを探すと、嫌な予感。クリーニング店のビニールカバーがかかっていた。クリーニングに出されていたようだ。えっ、という思いのまま内ポケットを探ると、iPod本体とイヤフォンが入っていた。外見は何事もなく大丈夫そう。でもコートにはクリーニング店のタグが付いている。お店の人が気付いて、クリーニング後に元に戻してくれたことを大いに期待した。
しかし、現実は厳しい。パソコンに繋いでも充電が始まらない。当然、iTunesとも繋がらない。ドライクリーニングか水洗いか判らないが、洗えば壊れるわな。しかし、2時間ほど放っておいたらなんとLEDが点灯し、充電が始まった。直った? 十分乾燥したのがよかったのか。パソコンから音楽も転送できるし、充電が終わったらちゃんと聴けた。凄いぞShuffle、防水仕様か? と半信半疑。ネットで探すと水没しても復活した人がいるようだ。取りあえず事情を説明し、姉にプレゼントした。
姉に渡した後、1ヶ月位は普通に使えたらしい。しかし最近、使っていると突然電源が切れたり、変なところでリピートされたりすることがあって多少調子悪かった模様。それでも、騙し騙しなんとか使えていたとのこと。しかし、ついに充電もパソコンとの接続もできなくなり、壊れたようだとのことで戻ってきた。我が家のパソコンに繋いでも状況は変わらず。前回と同様に数時間繋ぎっぱなしにしたけどダメだった。
この週末、雨で外出もDIYもできないので、ダメもとで分解してみることにした。こんな小さいもの分解したら元に戻せなくなりそうだ。そもそも、どこから開ければいいのか判らない。ネットで探すとインプレスのiPod Shuffle分解記事が見つかった。
この記事を参考に作業開始。まず上下のプラスティックカバーを外す。スキマからカッターの刃を差し込んで無理矢理剥がす。両面テープで貼り付けてあった。
(写真はクリックで拡大)
写真1:分解 写真2:水没跡 写真3:掃除後 続いて、2本の極小ネジで止められている金属カバーを外す。小さなネジにあうドライバがなかったので、カッターの刃先でなんとか廻した。上下のカバーを外すと、中身が引っ張り出せた。下手に触ると壊れそう。【写真1】
まずは基板の裏表を目視で確認。微少チップ部品の周りに白っぽい水濡れの痕跡があった。確かに水没したようだ。目視ではよく見えないので、虫眼鏡を出してきて拡大してみる。絶縁不良になってもおかしくない感じで、濡れた後が残っていた。よく見ると、黄色い絶縁シートの下にも水没の後がある。【写真2】
あと、1箇所チップ部品が取れたようなランドとハンダ跡がある跡も見つかった。ダメかと思ったら上記インプレスの記事の写真でも、そこには部品が無い模様なので大丈夫そう。
水跡のある箇所を、使い古した歯ブラシで軽く擦ってみる。ここでチップ部品が外れたら元も子もないのではじめは慎重に。そのうち大胆に擦ると綺麗になってきた。黄色い絶縁シートの下の掃除は、アップルマークのチップに沿ってシートをカッターで切って持ち上げて擦る。シートは弾力があって戻るので、切った場所はそのままでも大丈夫そう。【写真3】
写真4:動作確認 写真5:部品・道具一式 写真6:組み立て後 さて、こんなことで直るのか? 試しに裸のままUSBドックに挿してみたら、オレンジのLEDが点灯。iTunesも立ち上がり、認識された。よっしゃ! 復活した!? 曲を転送し、裸のままイヤフォンを繋いで再生してみるとちゃんと聴けた。【写真4】
一度外して、もう一度基板をチェックし、汚れを歯ブラシで丹念に擦り、動作確認。大丈夫そうだ。分解と逆の順序で組み立て直す。両面テープが少し弱くなったのと、剥がすときにプラスティックカバーがキズになったが許容範囲。組み立て後に再度動作確認して、修理完了。所要時間は写真を撮りつつ進めて1時間弱でした。【写真6】
以上、新型iPod Shuffleを水没させてしまった人の参考になれば幸いです。
でも、お薦めはしません。修理は自己責任でお願いします。この記事のようにして直らなくても、悪化しても、責任は負えません。
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