A19.室戸岬観測所、2013年4月22日

報告者:近藤純正
2013年4月22日、室戸岬観測所の露場における超音波風速計による露場風速の試験観測 の終了日に合わせて見学会を行った。 (完成:2013年5月2日)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと。

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        目次
        19.1 見学会参加者
        19.2 観測所の説明
        19.3 講演会
        19.4 風雨から守る町並みを見学


2013年4月22日(月)、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の終点・奈半利駅に国立室戸自然 の家の石川 昇 所長と片山貞実 主幹に出迎えられて案内していただく。室戸岬 観測所に設置したあった超音波風速計による露場風速の試験観測の終了に合わせて 見学会(13:30~14:30)を行い、そのあと国立室戸青少年自然の家において講演会 (15:30~16:50)を開催した。

青少年自然の家で一泊し、翌23日(火)には濱田竹央さんの案内で室戸市奈半利の 国選定重要伝統的建造物群保存地区を見学した。

19.1 観測所見学会参加者

参加者(敬称略)、9名。

浜吉 八重
堺 喜久美
五島 由理
氏川 美和
濱口 遥
石川 昇
今井 剛
片山 貞実
近藤 純正

19.2 観測所の説明

高知地方気象台から、斎藤 誠 台長と北村光良 技術課長がきてくださった。

資料を配布して室戸観測所の沿革、特記すべき記録的な気象現象について説明した。 (「K56. 室戸岬見学会、2013年ー地球温暖化監視の重要な 観測所ー」)。

続いて、気象台の技術課長により現在の観測機器について説明していただいた。

超音波風速計の説明風景
図19.1 露場に設置した超音波風速計の説明。

記念撮影
図19.2 参加者の記念撮影。

19.3 講演会

国立室戸自然の家において、15:30~16:50に講演会「室戸の気象と測候」を 開催した。

要旨:
室戸岬観測所(旧室戸岬測候所、現在は室戸岬特別地域気象観測所)は大正9年 (1920年)に開設されてから今年で93年目になる。気象の大きな特徴は、強雨「集中 豪雨」が多く、黒潮の水温19℃(冬)~28℃(夏)の影響で陸上における気温 の変化幅は比較的に小さい。岬地形のために平均的に強風である。

気象の特徴について具体的な数値を示す。

京阪神地方に大災害をもたらした室戸台風(1934年)や第2室戸台風(1961年)など 猛烈台風が室戸に上陸したことから「台風観測の最前線」と呼ばれてきた。1960年に 設置された気象レーダ1号機によって、翌年の第2室戸台風の台風眼の構造がはじめて 観測された。

室戸岬観測所は、最近では「地球温暖化」など気候変化を監視する最重要な気候観測所 として位置づけられている。室戸岬・寿都・宮古における観測値が基準となって日本の 地球温暖化量と日本各地の都市化による気温上昇がはじめて評価された。

室戸岬観測所は、高知県の宝として見守っていかねばならない。その重要性について 次世代にも伝えていきたい。

講演会
図19.3 講演会風景。

岬の遠望
図19.4 国立室戸青少年自然の家から遠望した室戸岬。

つつじ
図19.5 青少年自然の家の敷地内のつつじ。

19.4 風雨から守る町並みを見学

室戸付近は風・雨の強いところである。そうした気候にあった家のつくりが室戸市 吉良川にみられる。

吉良川町並み保存会のパンフレッロには次の説明がある。

町並みの特徴
吉良川町の集落は、海岸に近い下町地区と、山側の上町地区で構成 されています。下町地区には旧土佐街道の両側に切妻造りの町家が建ち並び、強い 風雨から土佐漆喰(しっくい)の壁面を守る水切り瓦が美しい伝統的建築の町並みが みられます。

上町地区では、江戸時代中期頃の方形に近い農家型の地割りで、周囲にいしぐろを 巡らせ、上町地区の景観を特徴あるものにしています。


水切瓦
図19.6 水切り瓦。ひさしのように何列も並んだ瓦が雨水から家・蔵を守るために 作られている。

石ぐろ
図19.7 石ぐろのある通り。台風から家を守るために河原や浜の石を使って強風を 防いできた。よく見ると、ほぼ同じ大きさの小石はきれいに割られ、積み重ねられ、 芸術作品となっている。

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