A10.室戸岬観測所見学、2011年10月2日

編者:近藤純正
高知県東部にある室戸岬気象観測所の見学会を本年2011年3月に続いて再び10月2日に行った。 この見学会・談話会で提起された「室戸岬の観測気温は地域の気候を代表するか?」に関し、 観測方法の違いから生じる誤差について検討した。

地上の気温は(1)地表面の被覆状態と(2)風速と(3)日射・大気放射の3条件に大きく依存する。 それゆえ、高い精度を必要とする気候観測所の露場は、よく手入れされた芝生(草地)であること、 日当たりと風通りがよいことを再確認した(完成:2011年10月11日)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと。

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更新記録
2011年10月8日:概要の作成
2011年10月11日:完成
2011年12月6日:追記(露場フェンス外の草刈り実施)


	目次
        10.1 はしがき         
        10.2 見学会、2011年10月2日
             参加者
             新会員
        10.3 室戸ジオパークの新観光コース
        10.4 室戸岬周辺の気温分布の観測計画
        参考 東京の新露場における8月の気温と現露場(大手町)における気温の差
        文献


10.1 はしがき

高知県東部の室戸岬(標高185m)には、1920年7月10日に開設された室戸岬気象観測所 (旧室戸岬測候所、現在の正式名称は室戸岬特別地域気象観測所)がある。 2008年10月1日をもって無人化体制となり、2011年3月に旧庁舎が解体され 新局舎が造られた。それを機会に3月9日参加者15名による見学会 を行った(「A04.気候観測応援会情報、室戸岬2011年3月」)。

それから半年後の2011年10月2日に再び見学会を開催した。

室戸岬観測所は台風観測の最前線「台風銀座」として注目されてきたが、最近では地球温暖化を 監視する最重要監視所として位置づけられる。それは、太平洋に突き出た岬であり、観測所の周辺 には人家はなく原生林に囲まれ環境の変化がなく、日本一の観測環境に設置されているからである。

室戸台風
1934年9月21日午前5時ころに室戸岬付近に上陸した「室戸台風」は、上陸時の気圧は 911.6ヘクトパスカルであり、戦前の日本本土に上陸した台風の中で上陸時の中心気圧がもっとも 低い台風であった。最大瞬間風速は60m/sを記録したのち風速計が破損、正確な数値は不明である。 室戸台風は京阪神地区に大災害をもたらし、死者・行方不明3,036人、負傷14,994人、 被害住宅92,740戸、船舶被害27,594隻である(参考: 「室戸岬の気象」)。

第2室戸台風
気象庁の気象レーダ1号機が室戸岬に設置されたのが1960(昭和35)年8月25日である。 その翌年、1961(昭和36)年9月16日の昼前に室戸付近に上陸した「第2室戸台風」では、 気象レーダによって台風の全体像がはじめて捉えられた。画像には台風眼とその周辺を取り巻く 強雨域が映し出された。この台風では最大瞬間風速84.5m/s以上で、記録の針は記録範囲外に出て 記録不能となった。

地球温暖化問題
1980年代になって、地球温暖化が世界の政治・社会問題として取り上げられるようになる (1988年に気候変動IPCC発足、1997年に温暖化防止京都会議)。地球温暖化は100年間 当たりわずか0.7℃の気温上昇であり、正確に観測することは極めて難しい。多くの気象観測所は 周辺が都市化されるなど、地球温暖化が正確に測れなくなってきている。

筆者・近藤純正が全国の気象観測所を巡回し解析したところ、正確な観測ができる観測所はほとんど 残っていないことがわかった。こうした中で、室戸岬観測所は日本一の環境に恵まれており、 大事に守っていかねばならない。室戸岬に次ぐ観測所は岩手県三陸沿岸の宮古と、北海道日本海沿岸 の寿都しかない。これら3地点に次いで環境に恵まれている観測所は数地点しか存在していない。

気象観測所の維持管理は気象庁・気象台が担当しているが予算と人員の削減によりほとんどの測候所 (94か所)は無人化された。観測機器は動いていても観測値に影響する周辺の環境維持が疎かに なってきている。こうした環境悪化を改善する活動をしていたさなか、2010年9月6日に 京田辺アメダスの気温を測る通風筒につる性の草が絡んでいた事象が大々的に報道された。 これを契機に「気候観測を応援する会」を発足させ、気象庁の観測体制を積極的に応援することに した。

「気候観測を応援する会」の活動の一環として、今回、室戸岬観測所の見学会を開催した。

注1: 「気候観測を応援する会」の発足にいたる経緯の要約は、「所感」の 「35.できることは行動・協力する社会」に 掲載してある。

10.2 見学会、2011年10月2日

13:00~13:30に現地観測所にて見学、14:00~15:30遍路センターにおいて 談話会「室戸岬の気象」を行い、自由な話題があった。

参加者(12名、敬称略):
(香川県)寺尾徹
(高知県)島田信雄、細川季代、山川興子、柚洞一央、村岡秀一、村田文絵
(神奈川県)近藤純正
以上の会員のはかに、武市智、上田数世、高瀬弘恵、近藤昌子

新会員
今回の見学会を契機に次の方々が「気候観測を応援する会」に入会された。
寺尾 徹(香川大学教育学部准教授)
村田文絵(高知大学理学部助教)
柚洞一央(室戸ジオパーク推進協議会)
村岡秀一(ボランティアガイド)

これら4名を加えると、四国内の会員は14名となる(内1名は香川県内)。

記念撮影
写真10.1 室戸岬観測所見学会(2011年10月2日)。

環境維持についての注意:
観測所フェンスの外側(東側と南側の一部)に背丈が1mを超す雑草があり成長すると、観測露場の 風通しを悪化させる。これら雑草は、露場内のようにきれいに草刈りしなくてもよいが、年に2回 程度は刈り取ることが望ましい。露場周辺は無人化体制に移行するに際し、本年2011年3月に 整地した関係で、雑草の範囲はまだ少ないが、今後放置すると、雑草が周辺に広がると考えられる。 前記の通り、室戸岬観測所は特に重要な気候観測所であり、観測資料は全国の基準となるので、 特段の注意が必要である。

フェンス外の雑草
写真10.2 露場フェンスの南東側から撮影した雑草(2011年10月2日)。

フェンス外側の雑草の刈取について、後日(10月3日)高知地方気象台にて 台長・若林正夫氏、次長・山神政司氏、総務課長・竹内群治氏にお願いした。

追記(2011年12月6日)
フェンス外側の雑草は11月に草刈りした旨、若林台長から連絡があった。

10.3 室戸ジオパークの新観光コース

最近、2011年9月18日、室戸はユネスコが支援する世界ジオパークに認定された。 室戸の地形・地質は、地球科学的な運動の跡が残されたものであり、これが認められた。

備考: ジオパークとは、地球科学的に重要な地層、岩石や地形など、地質的遺産を含む一種の 自然公園を保護し研究・活用するとともに、生活文化、食文化に触れ自然と人間の関わり を知る場所とされている。また新たな観光資源として地域の振興に活かすものである。

時間スケールの長い地殻変動の遺産が人々の関心となることは当然として、いま世界的 な政治・社会問題となってきた地球温暖化の正しい監視を室戸岬で行っていることも 室戸をアピールするのに役立つ。地球温暖化は人間との関わりが大きく、ジオパークの 大きなテーマになる。

他所にはない環境日本一の室戸岬観測所は高知県の宝であり、関心を持ち大事にして 欲しい。 岬の山上には、「室戸岬灯台~土佐東寺・最御崎寺~寺田寅彦先祖の墓~室戸岬観測所」 がある。これを観光コースに加えれば室戸の 価値はいっそう高められる。

室戸岬灯台には、国内最大級の直径2.6mのレンズがあり、夜の太平洋に向け 約48km先まで光を届けている。

灯台から少し北方には、四国遍路の土佐のスタート地点としての土佐東寺・第24番 札所・最御崎寺(ほつみさきじ)がある。

寺田寅彦の先祖がこの寺の住職であった。寅彦が高知の尋常中学校(現在の追手前高校 の前身)のとき、父から「先祖が最御崎寺の住職をしていたので、お墓参りに行く ように」と言われ、1893年の冬、高知から90kmの距離を歩いて墓参りしている。

寺田寅彦(1878-1935)は大正時代から昭和初期にかけて活躍した自然科学者、 特に科学と文学を調和させた随筆を多く残している。

「寺田寅彦先祖の墓」のすぐ西側の山道を登ると室戸岬気象観測所(旧測候所)がある。 室戸スカイライン(県道203号線)が開通したのは1970(昭和45)年、それ以前には、 海岸から急坂の山道を登り、墓地の西側を経て標高185mの測候所にたどりついていた。 測候所の職員は家族とともに、測候所の敷地内で暮らしていた。

当時の測候所職員は、厳しい生活環境にありながら気象観測を続けていた。台風襲来時 には、露場に設置された百葉箱まで命綱を張り、命がけで30分こと、あるいは1時間 ごとに観測していた。測候所では90年余の貴重な観測資料が蓄積されてきた。

台風観測の最前線として、そして現在は地球温暖化の正しい監視所としての役割を果たし ている。

昔の測候所での生活と観測の重要性に関心を持っていただくために、寺田寅彦先祖の 墓の入り口から測候所へ至る旧道を整備したい。この旧道は現在でも歩くことができる が、倒木や枯れ枝が歩行に邪魔しているので、それらを片づける簡単な整備でよい。 この整備に筆者も協力したい。現在、最御崎寺長老・島田信雄さん(高知県観光コン ベンション協会副会長、室戸ジオパーク推進協議会副会長、室戸市観光協会会長、 気候観測を応援する会の会員)に旧道の整備について相談中である。

現在のスカイラインから分岐した旧道を歩き寺田寅彦先祖の墓を見学し、旧測候所の 門柱があった場所(現在の観測所の敷地の南端)までくれば、眼前には大きな白球の 気象レーダ格納庫とフェンスで囲まれた観測露場がある。この旧道で昔に思いを馳せ、 厳しい生活環境のもとで得られた観測資料であることが分かれば、観測所を大事に する心、観測資料の活用のしかた、慎重に解析する態度がおのずから身につく。 ぜひとも歩いて欲しい。

室戸岬灯台
写真10.3 室戸岬灯台、レンズは日本最大級の直径2.6mである(2011年10月2日)。

最御崎寺
写真10.4 土佐東寺・最御崎寺(2011年10月2日)。

寺田寅彦先祖の墓
写真10.5 寺田寅彦先祖の墓(2011年10月2日)。

記念カード
写真10.6 見学会の参加者に配布した名刺大の記念カード、右半分はその裏面。

今回は見学会参加者に記念カードを手渡した。この写真は今年、観測所の無人化体制が 整った2011年3月9日に撮影したものである。

10.4 室戸岬周辺の気温分布の観測計画

測候所が創設されたころ観測所の周辺環境は良好で、高知県では南の地域ほど平均気温 は高く、高知―室戸岬―清水(足摺岬)の順に高温で、それぞれ地域を代表する気温が 観測されていた。すなわち、平均気温は次の表に示す通りである。

表54.1 高知、室戸岬、清水(足摺岬)の平均気温の比較。


             1921~1950年  1941~1950年
  高知    15.6℃     15.6℃
  室戸岬   16.1℃     16.2℃
  清水     ―      17.5℃   


戦後、高知の観測所(旧高知測候所、現在の高知地方気象台の観測露場:高知市比島) の周辺に住宅地が広がり、さらに2000年前後に行われた都市再開発により 周辺は高層ビルと舗装道路が増え、都市化されて都市独特の高温の気候となった。

一方、室戸岬観測所は自然のままで、観測は正常であり、高知県東部を代表する気象を 引き続き観測している。

ところが、地元の人々は、最近の室戸岬測候所における平均気温が高知に比べて低温で あり、地域の気象を代表していないのではないか、という印象を持っている。

この印象を強くしたのは、1995年の夏、室戸岬測候所(標高185m)と室戸岬小学校 (標高10m)で観測した気温を比較した佐山仁重氏の論文(1996年)によるところが 大きいと思われる。この論文の要約は次の通りである。

測候所(185m)と小学校(10m)の気温差は(標高差175m)、

1922~1939年(夏の7~9月)
気温差=1.93℃(気温とは毎日の最高と最低の平均値)
最高気温差=2.76℃
最低気温差=1.10℃

1995年(夏の7~9月)
最低気温差=1.97℃

夏季の最高気温のみについて、2.76℃つまり約3℃も、ふもとの小学校が高温である ことが人々の記憶に残り、大差の印象を与えている。しかし、これには観測方法に問題 がある。

特に最近の1995年の夜間の最低気温がふもとで下がり難くなっている。この時代、 均質でない気象観測資料の正しい解析方法や「日だまり効果」など、解析上注意すべき 事が気象関係者の間で十分に理解されていなかった。

そこで、上記資料について再吟味してみよう。

(1)1995年になって最低気温が下がり難くなった原因
ふもとでの観測は昔のガラス棒状の最低温度計(非通風)によるのに対し、測候所では 通風式の白金抵抗温度計によるもので、レスポンスが短く細かな変動、つまり、より 低温が記録される(ふもとでは測器のレスポンスが長く瞬間的な低温は観測されない)。

(2)測候所との気温差
標高差170mで気温差=1.93℃は、通常の自由大気中における平均的な気温減率 (100mにつき0.65℃の割合で気温が下がる)から期待される気温差(1.1℃)よりも大 きい。その理由は、

(2-1)ふもとは都市化の影響
ふもとは漁師町、学校の裸地運動場の北側のコンクリート校舎の脇で観測しているのに 対し、測候所は芝生で覆われた標準の観測露場で観測している。

(2-2)ふもとは日だまり効果
ふもとは代表性に乏しい場所、測候所は風通りがよい理想的な観測所で観測している。

この論文が発表された当時、まだ「日だまり効果」による気温上昇が認識されていない 時代である。地表面温度や気温は、地表面の被覆状態(芝生・草地、裸地など)と、 日当たりと風通しによって大きな影響を受ける。風通しが悪い日だまりでは、日中は 暖気が溜まり高温になる。

ある地域内で標高が同じであっても、気温や地温は場所によって数℃も違っている。 これらの違いは微気象観測によって、道路や畑、住宅密集地などの気温や地温の分布 を知ることができる。

しかし一般の気象観測は微気象観測と異なり、気象台・測候所では地域の代表となる 気象を観測することを目的としており、風通しと日当たりが良い場所で観測している (基準その1)。気温や地温は地表面が草地、裸地、森林などによって大きく異なる ので、観測は芝生の露場で観測することにしている(基準その2)。

これら2つの基準から外れた場所では、地域・地区を代表しない気象を観測することに なる。

要約すると、ふもとで観測した気温は±1~2℃前後の誤差を含みうる。

そこで、室戸岬周辺のふもとにおいて、適地「風通しと日当たりがよい場所」を選定し、 地域・地区の代表となる気温を改めて観測してみたい。おもに高知大学の森牧人准教授 が観測し資料解析を行う計画案を検討することとした。

参考:東京の新露場における8月の気温と現露場(大手町)における 気温の差

気温は、風通しのよい場所で観測しないと、「日だまり効果」で高温に観測される。その 顕著な例を紹介しておこう。

東京の気温は大手町の露場で観測されている。最近、東京の地上観測地点として、 新しい観測露場が皇居外苑北の丸公園に完成した。大手町にある現在の露場から 約900mのほぼ西北西にあり、公園内の科学技術館から道路を挟んで西の 約100mの地点である。標高は、新露場が25.2m、現露場が6mである。今後3年間 ほど比較観測を行った後、新露場における観測が正式となる予定である。

新露場は森林内の公園にあるため、植物からの蒸散の影響により平均気温は低くなると 予想されるが、樹木に囲まれ露場面上の風速がかなり弱い。そのため、地面で温められた 熱の上空への拡散が少なく、日中の気温が高めになる。夜間は逆に風が弱いために放射 冷却が強く冷気が拡散され難く最低気温が低めに観測される。つまり、気温の日較差が 大きくなる。日中の太陽放射のプラス作用が夜間の大気放射のマイナス作用に比べて 大きいので、日だまり効果では差し引き日平均気温は高温となる。

こうした現象は最近、筆者・近藤純正が提唱した「日だまり効果」と呼ばれるように なった。新露場の気温は蒸散による低温化と日だまり効果による高温化が重なり、 結果として平均気温が高くなるか低くなるかである。新露場における観測資料はまだ 1か月分しか公表されていないが、日だまり効果が顕著に現れたのでここに結果のみ 示しておこう。

新露場の値から現露場の値を引き算した差を示す(プラスは新露場が高温)。
平均気温の差=-0.42℃
最高気温の差=+0.28℃
最低気温の差=-0.84℃
日較差の差=+1.12℃

これら数値は森林緑地の効果と日だまり効果が重なって現れた値である。 ただし8月の月平均値であり、日々のデータについては日射量が大きい (日照時間が多い、晴天日)ほど、各値の絶対値は増加している。 詳細は別の章に示されている(「研究の指針」の 「K54. 日だまり効果と気温:東京新露場」を参照)。

推定値:
森林緑地の効果のみによる平均気温の差≒-0.7℃
日だまり効果のみによる平均気温の差≒-0.42+0.7=0.28℃
 同 効果のみによる最高気温の差≒+0.28+0.7=0.98℃
 同 効果のみによる最低気温の差≒-0.84+0.7=-0.14℃

注2: これら推定値の各数値に0.7℃を加算した理由は次の通り。
気温日較差は有効放射量 [(R↓-σT):近藤「水環境の気象学」の 6章参照] に比例する。入力放射量R↓は日中は日射量、夜間は大気放射量で決まる。 R↓の絶対値について日中の値は夜間の値に比べて5~10倍程度大きい (同書の表6.3)。ここでは、その比を0.98/0.14(=7)とすれば、上記の各数値に 0.7℃を加算すればよいことになる。そうすれば、最高気温(または最低気温)の差は 新露場で0.98℃高温に、夜間の最低気温は新露場のほうが0.14℃低温になると 推定される。

ただし、正しくは森林緑地の効果と日だまり効果は分離できないので、上記推定値は 単なる目安であることに注意(正しくは、足し算引き算で表現できない)。つまり、 新露場は日陰の多い森林内に開かれた日当たり場所であり、森林の効果が部分的に 混ざっている。

日だまり効果を考えない場合、森林内は日陰が多いことと蒸散が多いことで平均気温は 低く、気温日較差が小さくなる。現実の新露場において気温日較差が大きく なったのは、露場面上の風速が弱く日だまり効果が顕著に現れたからである。

東京の新露場の環境維持で重要なことは、露場の風当たりが時代によって大きく 変化しないよう、露場近くで伸びすぎた枝の切り落としを行うことである。そうでな ければ、観測値は東京都心部の環境ではなく、この公園の森林変化をモニターして いるに過ぎなくなるからである。気象庁の定常観測は、微気象観測でなく、地域代表 の気象を観測することが目的である。

文献

近藤純正(編著)、1994:水環境の気象学ー地表面の水収支・熱収支ー.朝倉書店、 pp.350.

佐山仁重、1996:高知と室戸岬の年平均気温の経年変化および室戸岬町津呂の熱帯夜 日数.技術情報(大阪管区気象台発行、現在は発行中止)、No. 84, 23-26.

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